J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Denka MORNING VISION」。今、バスの時刻表やバス停の位置をデータ化することで利用者を増やそうする動きがあります。そこで5月23日(水)のオンエアでは、この動きについて『東洋経済オンライン』副編集長の武政秀明さんに解説して頂きました。
■利用者増に期待
バス情報のデータ化における最大のアクションの一つが、バス情報をGoogleマップに登録するというもの。Googleマップの利用状況を考えると、どんなメリットが考えられるのでしょうか。
武政:ニールセン デジタルが昨年行った調査では、2017年に日本でGoogleマップのアプリを利用した人は約3300万人(月平均)と見積もられています。地方を中心としたバス会社がGoogleマップに情報を掲載することは、それだけの人にリーチできる可能性があることを示しています。そこには、近年急増している外国人観光客も含まれるでしょう。
■地方にメリットも
観光客は地方も訪れているため、地方の活性化にもつながりそうです。
武政:バス利用者の立場からすると、鉄道や飛行機などの公共交通機関を使って観光やレジャーで訪れたときに、Googleマップ上でバスの運行情報が検索できれば非常に便利。レンタカーを借りたり、タクシーを使ったりするよりも安いコストで移動できるかもしれません。バス事業社や地方の観光に関わる業者からすると、外国人も含めて、地方に訪れた観光客がバスを使って移動することは、周辺にお金を落とすなど、地方の活性化につながるといったメリットも考えられます。
ちなみに、Googleマップの国内利用者、約3300万人は、首都圏の人口とほぼ同じです。実際に利用者が増えたかといった効果測定はこれからですが、バス情報のGoogleマップ化については、どんな声が寄せられているのでしょうか。
東洋経済オンラインのコメント欄に書き込まれたコメントの中には、「路線バスは現地に行くか、地元の人に事前にヒアリングしないと利用しにくいため、バスの情報がGoogleマップに登録されれば、路線バス利用のハードルが下がる」「外国人にとって利用しにくい路線バスが、劇的に利用しやすくなる」「バスの時刻表はPDFしかなかったり、路線図が絵になっていたり、実際の地図上だとどこなのかわからないし、土日のみの運行もあってダイヤが複雑だったりと使いにくい。これが簡単になるなら大歓迎」といった、概ね前向きなコメントが並んでいるそうです。
■課題は「手間」
バス情報のIT化は活用すれば便利になる一方、事業者のハードルも高いようです。そこで、課題とその解決について考えていることについてお訊きしました。
武政:Googleマップに対応した場合の明確な効果測定ができていないことと、データ整備に手間がかかったり、今後どのように発展していくのかがわからなかったりすることもあり、二の足を踏む事業者も多いようです。バス事業者には、自社の運行データを広く周知したいという考えはあるようですが、ITに精通した人材がいないなどの人材不足に加えて、データを作成するのに多額の外注費用がかかるのも課題です。
これに対して考えられることが主にふたつあると武政さん。ひとつは先行してGoogleマップにバス情報を提供した場合、どのような効果があったのかを具体的に測定して結果をわかりやすく伝えていくこと。バス事業者は民間といっても、公共の利益に資する存在でもあり、日本全体のことも考えると、社内外に対して情報発信をしていくことが、できれば理想だと言います。もうひとつは、バス事業者が自主的にデータ作成を行うために、環境整備をすること。そのためには安価で使いやすいソフトが複数登場することで選択肢が増えたり、ノウハウを持った事業社との密なコミュニケーションを取ったりすることが必要、とのことでした。
バス情報のデータ化、課題はあるものの、さまざまな新しい可能性が見えてきそうです。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/
■利用者増に期待
バス情報のデータ化における最大のアクションの一つが、バス情報をGoogleマップに登録するというもの。Googleマップの利用状況を考えると、どんなメリットが考えられるのでしょうか。
武政:ニールセン デジタルが昨年行った調査では、2017年に日本でGoogleマップのアプリを利用した人は約3300万人(月平均)と見積もられています。地方を中心としたバス会社がGoogleマップに情報を掲載することは、それだけの人にリーチできる可能性があることを示しています。そこには、近年急増している外国人観光客も含まれるでしょう。
■地方にメリットも
観光客は地方も訪れているため、地方の活性化にもつながりそうです。
武政:バス利用者の立場からすると、鉄道や飛行機などの公共交通機関を使って観光やレジャーで訪れたときに、Googleマップ上でバスの運行情報が検索できれば非常に便利。レンタカーを借りたり、タクシーを使ったりするよりも安いコストで移動できるかもしれません。バス事業社や地方の観光に関わる業者からすると、外国人も含めて、地方に訪れた観光客がバスを使って移動することは、周辺にお金を落とすなど、地方の活性化につながるといったメリットも考えられます。
ちなみに、Googleマップの国内利用者、約3300万人は、首都圏の人口とほぼ同じです。実際に利用者が増えたかといった効果測定はこれからですが、バス情報のGoogleマップ化については、どんな声が寄せられているのでしょうか。
東洋経済オンラインのコメント欄に書き込まれたコメントの中には、「路線バスは現地に行くか、地元の人に事前にヒアリングしないと利用しにくいため、バスの情報がGoogleマップに登録されれば、路線バス利用のハードルが下がる」「外国人にとって利用しにくい路線バスが、劇的に利用しやすくなる」「バスの時刻表はPDFしかなかったり、路線図が絵になっていたり、実際の地図上だとどこなのかわからないし、土日のみの運行もあってダイヤが複雑だったりと使いにくい。これが簡単になるなら大歓迎」といった、概ね前向きなコメントが並んでいるそうです。
■課題は「手間」
バス情報のIT化は活用すれば便利になる一方、事業者のハードルも高いようです。そこで、課題とその解決について考えていることについてお訊きしました。
武政:Googleマップに対応した場合の明確な効果測定ができていないことと、データ整備に手間がかかったり、今後どのように発展していくのかがわからなかったりすることもあり、二の足を踏む事業者も多いようです。バス事業者には、自社の運行データを広く周知したいという考えはあるようですが、ITに精通した人材がいないなどの人材不足に加えて、データを作成するのに多額の外注費用がかかるのも課題です。
これに対して考えられることが主にふたつあると武政さん。ひとつは先行してGoogleマップにバス情報を提供した場合、どのような効果があったのかを具体的に測定して結果をわかりやすく伝えていくこと。バス事業者は民間といっても、公共の利益に資する存在でもあり、日本全体のことも考えると、社内外に対して情報発信をしていくことが、できれば理想だと言います。もうひとつは、バス事業者が自主的にデータ作成を行うために、環境整備をすること。そのためには安価で使いやすいソフトが複数登場することで選択肢が増えたり、ノウハウを持った事業社との密なコミュニケーションを取ったりすることが必要、とのことでした。
バス情報のデータ化、課題はあるものの、さまざまな新しい可能性が見えてきそうです。
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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/