J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」。5月14日(月)のオンエアでは、記事がどんどん消えていくWebサイト「百万年書房LIVE!」を運営する、株式会社百万年書房代表で編集者の北尾修一さんをお迎えしました。
■まわりから呆れられたものの…
サイトに掲載された記事は普通Web上にずっと残っていて、いつでも検索して読むことができるのが一般的です。ところが「百万年書房LIVE!」 は、記事の公開が期間限定なので、どんどん消えていくことが特徴です。
北尾さんはもともと太田出版に所属。雑誌『クイック・ジャパン』や『hon-nin』の編集長を務めたほか、松尾スズキさん、忌野清志郎さん、宮藤官九郎さんなども担当。昨年、独立して「百万年書房LIVE!」を立ち上げました。それは、北尾さんならではの思いで生まれたようです。
北尾:雑誌は新しい号が出ると書店から消えます。小さい頃にラジオを聴いていて、その瞬間に聞いた人だけが共有できるような楽しさをWebでやりたいと思いました。
面白い試みですが、このスタイルでいこうとまわりの人に相談したところ、呆れられたそうです。
北尾:私はWebに関しては素人なので、Webに詳しい方々にこういうサイトを作りたいっていう話をしたら、「そもそもWebっていうのはね」 と、子どもを諭すような感じで教えてもらったりして、ほぼ全員に反対されました。
別所:そこに勝機はあったわけですか?
北尾:勝機があったっていうか、そこまで皆さんが反応するんだったらむしろ試したら面白いんじゃないかと思って、「お願いだから付き合ってくれ」と言って作ってもらいました。
別所:”逆張り”っていうことですね。「やってもダメだよ」っていうことにビジネスチャンスがあったり。
北尾:「いいんじゃない?」って言われると、逆にやりたくなくなるっていうか。好き嫌いが分かれるほうが、やっていて楽しいですよね。
■秘密の共有で濃いファンをつくる
せっかく書いた記事がどんどん消えてしまうのは確かにもったいないですが、北尾さんは「縛りを設けると、読んだ人と共犯関係が結べるのではないか」と思っているそうです。
北尾:みなさん忙しいのに、わざわざ読みにきてくださってるわけで、恋愛でもそうですけど、秘密を共有すると距離がグッと縮まるじゃないですか。だから、サイトの濃いファンをまずは作りたかったんです。そのためには、少し意地悪ですけど、読んでくれた人だけの秘密の特典として記事を出したかったんです。
別所:そこに人間的な秘密の共有という、なんともくすぐられる要素が入ってるわけですね!
北尾:雑誌も元々そうだと思うんです。それぞれの雑誌のカラーがあって、読者と編集部が仲良くなっていくっていうことをWebで再現したかったんです。そうなると、「百万年書房LIVE!」のようなやり方があるんじゃないかと思って。
別所:消えていくから、希少性が生まれるっていうことですね。
■どうやって儲けるのか?
どうしても気になるのがお金の話です。別所がズバリお訊きしました。
別所:どうやって儲けるんですか?
北尾:最初に反対された時も、記事が消えるとページビューが稼げないから「そんなサイトはありえない」って言われたんです。普通はページビューを稼いで広告を入れるものですが、そういった広告モデルで自分がやっているサイトが儲かる気が全くしなかったんです。だから、最初からそこを狙うのをやめようと思って。基本的に「百万年書房LIVE!」を母体にして、 そこから、本や、本以外の何かが生み出されていって、まわしていこうという発想です。
実際に、連載していたもののなかから、前田まり子さんの『マリさんのブッダボウル』は書籍化が決まり、7月に発売される予定です。
北尾:「ブッダボウル」という料理があって、まだ知名度はないんですけども、Instagramで検索すると世界中のいろんな人が写真を投稿していて、流行しつつある料理なんです。
別所:ヴィーガン(菜食主義者)が食べる丼ものですね。
北尾:反響が非常に大きかったんです。前田さんは恵比寿でお店をやられている方で、天才で本当に美味しくて、前田さんは今まで書籍化を断っていらっしゃいましたが、今回、お話が通じて本を出せるようになりました。
別所:ネット上で出会いの場を作って、秘密を共有したあと、きちんとお金になる本にして形にするということですね。
その他、大原扁理さんが連載している『なるべく働きたくない人のためのお金の話』も書籍化が決まり、こちらも発売される予定です。
「百万年書房LIVE!」は、最初は賛否両論だったものの、始めてみると「賛」しかなかったと北尾さん。「『Instagramのストーリーみたいな感じでいいね』って言ってくれて、どちらかというと評判がいいので、続けながら目次を増やしていきたい」とのことでした。皆さんも、ぜひ、チェックしてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時ー9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/
■まわりから呆れられたものの…
サイトに掲載された記事は普通Web上にずっと残っていて、いつでも検索して読むことができるのが一般的です。ところが「百万年書房LIVE!」 は、記事の公開が期間限定なので、どんどん消えていくことが特徴です。
北尾さんはもともと太田出版に所属。雑誌『クイック・ジャパン』や『hon-nin』の編集長を務めたほか、松尾スズキさん、忌野清志郎さん、宮藤官九郎さんなども担当。昨年、独立して「百万年書房LIVE!」を立ち上げました。それは、北尾さんならではの思いで生まれたようです。
北尾:雑誌は新しい号が出ると書店から消えます。小さい頃にラジオを聴いていて、その瞬間に聞いた人だけが共有できるような楽しさをWebでやりたいと思いました。
面白い試みですが、このスタイルでいこうとまわりの人に相談したところ、呆れられたそうです。
北尾:私はWebに関しては素人なので、Webに詳しい方々にこういうサイトを作りたいっていう話をしたら、「そもそもWebっていうのはね」 と、子どもを諭すような感じで教えてもらったりして、ほぼ全員に反対されました。
別所:そこに勝機はあったわけですか?
北尾:勝機があったっていうか、そこまで皆さんが反応するんだったらむしろ試したら面白いんじゃないかと思って、「お願いだから付き合ってくれ」と言って作ってもらいました。
別所:”逆張り”っていうことですね。「やってもダメだよ」っていうことにビジネスチャンスがあったり。
北尾:「いいんじゃない?」って言われると、逆にやりたくなくなるっていうか。好き嫌いが分かれるほうが、やっていて楽しいですよね。
■秘密の共有で濃いファンをつくる
せっかく書いた記事がどんどん消えてしまうのは確かにもったいないですが、北尾さんは「縛りを設けると、読んだ人と共犯関係が結べるのではないか」と思っているそうです。
北尾:みなさん忙しいのに、わざわざ読みにきてくださってるわけで、恋愛でもそうですけど、秘密を共有すると距離がグッと縮まるじゃないですか。だから、サイトの濃いファンをまずは作りたかったんです。そのためには、少し意地悪ですけど、読んでくれた人だけの秘密の特典として記事を出したかったんです。
別所:そこに人間的な秘密の共有という、なんともくすぐられる要素が入ってるわけですね!
北尾:雑誌も元々そうだと思うんです。それぞれの雑誌のカラーがあって、読者と編集部が仲良くなっていくっていうことをWebで再現したかったんです。そうなると、「百万年書房LIVE!」のようなやり方があるんじゃないかと思って。
別所:消えていくから、希少性が生まれるっていうことですね。
■どうやって儲けるのか?
どうしても気になるのがお金の話です。別所がズバリお訊きしました。
別所:どうやって儲けるんですか?
北尾:最初に反対された時も、記事が消えるとページビューが稼げないから「そんなサイトはありえない」って言われたんです。普通はページビューを稼いで広告を入れるものですが、そういった広告モデルで自分がやっているサイトが儲かる気が全くしなかったんです。だから、最初からそこを狙うのをやめようと思って。基本的に「百万年書房LIVE!」を母体にして、 そこから、本や、本以外の何かが生み出されていって、まわしていこうという発想です。
実際に、連載していたもののなかから、前田まり子さんの『マリさんのブッダボウル』は書籍化が決まり、7月に発売される予定です。
北尾:「ブッダボウル」という料理があって、まだ知名度はないんですけども、Instagramで検索すると世界中のいろんな人が写真を投稿していて、流行しつつある料理なんです。
別所:ヴィーガン(菜食主義者)が食べる丼ものですね。
北尾:反響が非常に大きかったんです。前田さんは恵比寿でお店をやられている方で、天才で本当に美味しくて、前田さんは今まで書籍化を断っていらっしゃいましたが、今回、お話が通じて本を出せるようになりました。
別所:ネット上で出会いの場を作って、秘密を共有したあと、きちんとお金になる本にして形にするということですね。
その他、大原扁理さんが連載している『なるべく働きたくない人のためのお金の話』も書籍化が決まり、こちらも発売される予定です。
「百万年書房LIVE!」は、最初は賛否両論だったものの、始めてみると「賛」しかなかったと北尾さん。「『Instagramのストーリーみたいな感じでいいね』って言ってくれて、どちらかというと評判がいいので、続けながら目次を増やしていきたい」とのことでした。皆さんも、ぜひ、チェックしてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時ー9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/