J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)。5月14日(月)のオンエアでは、カレースターでAIR SPICE代表の水野仁輔さんがゲストに登場。この日発売された初のエッセイ本『わたしだけのおいしいカレーを作るために』について訊きました。
■カレー作り…自分だけの正解を
1999年にカレー専門の出張料理人として全国各地で活動。カレーに関する著書は45冊以上。本格カレーのレシピつきスパイスセットの定期サービス「AIR SPICE」も人気です。さっそく初の料理エッセイ本について伺いました。
水野:タイトルが長いでしょ? 本当はこのあとがあって「わたしだけのおいしいカレーを作るために、僕が伝えたいことのすべて」ぐらいまで言いたかったんですよ。長すぎて切ってるんですけど(笑)。
カレー作りで水野さんが感じているのは、「みんな正解が知りたい」ということ。
水野:「正解を教えてください」という問い合わせをたくさん受けていて、いつも思うのは「正解は僕にもわかりません」と。カレー作りに多分正解はないんだけど、あるとしたらその人の中にあるんですよね。正解がまだない人は、一旦このエッセイで僕が「これが一番いい」と思うものを徹底的に書いたので、それで自分の中で正解にたどり着けるようになっていくかなと思ったんですよね。
この本はいくつかの章で構成されていますが「玉ねぎは炒めないことにした」という章について伺うと……。
水野:これね、ちょっとドキドキしてるんですよね。つい最近までは「玉ねぎは強火で表面をこんがりさせるのがおいしくなる」と言ってきたので、実践してくれている人がいっぱいいるんですよ。そしてここにきて「炒めないの!?」と。しかも切るのもやめたんですよ。4つ割りで、縦に2つ包丁を入れて大きい状態で蒸し煮をして、それから水分が飛んでから蒸し焼きにしていく、これがマイブームなんです。これのほうがおいしくなる感じがしているので、そのことについて書いているんです。炒めたら炒めたなりにおいしいカレーができますし、僕の今一番好きなやり方も、すごくおいしくなる。今思っているのは、玉ねぎって切りすぎないほうが、玉ねぎ自体のおいしさ、味わい、甘みがでやすいのと、舌触りがとろっとなめらかになるんですよね。だから切って炒めるよりも、大きいまま塩と水だけちょっと入れて蓋をして蒸し煮にしたほうが、とろとろになっておいしいと思います。
クリス:オーブン焼きしたらどうなるのかな?
水野:オーブン焼きもいいですよね。あれ? クリスさんはもう自分の正解を見つけはじめてる! こんなオンエアの途中で見つけないでくださいよ、もうちょっと読んだ後とかに(笑)。
クリス:(笑)
■「おいしいカレー」の要素って?
水野さんの考える「おいしいカレー」には5つの要素があるといいます。
水野:5つの要素というのは自分の好きなカレーを、ベース、スパイス、スープ、具、隠し味の5つに分けるんです。「ベースに何を使っているのか、具は何なのか、隠し味に何が入っているのか」、こう分けておくと、自分が作る時に「ここをもうちょっと強めよう」とか「スパイスはシンプルでいいけど出汁の旨味は利かせたい」とか、ある人のレシピを参考にすることは多いですが、その時に「自分だったら、私だったら」とアレンジのきっかけになるんです。分解すると自分の好みがわかってくると思うんです。
また水野さんは「鍋の中に入れるものの正体はわかっておきたい。たとえば僕はトマトは使うけど、トマトケチャップは使わない。なぜならケチャップはどうやって作られてるか正体を知らないから。ただケチャップを使うと、カレーもおいしくなったりするんです。そういう時はケチャップに入っててトマトに入っていないものは何だろうと確認すると、自分の好きな味がわかったりするんです」と、おいしいと思うものに何が入っているかを知ることが大事だと話していました。
■自分のカレーの一番のファンは“自分”
水野さんはこの本を出版するにあたり、船橋のインド料理屋「サールナート」の小松崎さんの「自分が自分のカレーの一番のファンになることが大事」という言葉を、ことあるごとに噛み締めているのだそうです。
水野:なかなか自分の作ったカレーを僕は愛せないんですよね。「自分が自分の作るカレーを愛していないと辿りつけないところがある」という彼の言葉を聞いた時に「僕は駄目かもしれない、今のままじゃ」と思ったんですよね。なぜなら僕は今まで「こういうカレーはどうですか? ああいうカレーはどうですか?」と提案をたくさんしてきたけど「僕はこれが一番好きなんだ」を言ったことがなかったんです。今回の本はエッセイ本なんですけど、たった一つだけカレーのレシピが入ってるんです。これは今の時点で僕が一番うまいと思うカレーのレシピです。読者がそれを作って本当にうまいと思うかは関係ない、僕はこれが一番好きだ、と小松崎さんの教えに従って、まずは出してみたんです。
水野さんが今一番おいしいと思うカレーレシピも載っている『わたしだけのおいしいカレーを作るために』。この本で、自分が本当においしいと思うカレー探しにぜひ挑戦してみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
■カレー作り…自分だけの正解を
1999年にカレー専門の出張料理人として全国各地で活動。カレーに関する著書は45冊以上。本格カレーのレシピつきスパイスセットの定期サービス「AIR SPICE」も人気です。さっそく初の料理エッセイ本について伺いました。
水野:タイトルが長いでしょ? 本当はこのあとがあって「わたしだけのおいしいカレーを作るために、僕が伝えたいことのすべて」ぐらいまで言いたかったんですよ。長すぎて切ってるんですけど(笑)。
カレー作りで水野さんが感じているのは、「みんな正解が知りたい」ということ。
水野:「正解を教えてください」という問い合わせをたくさん受けていて、いつも思うのは「正解は僕にもわかりません」と。カレー作りに多分正解はないんだけど、あるとしたらその人の中にあるんですよね。正解がまだない人は、一旦このエッセイで僕が「これが一番いい」と思うものを徹底的に書いたので、それで自分の中で正解にたどり着けるようになっていくかなと思ったんですよね。
この本はいくつかの章で構成されていますが「玉ねぎは炒めないことにした」という章について伺うと……。
水野:これね、ちょっとドキドキしてるんですよね。つい最近までは「玉ねぎは強火で表面をこんがりさせるのがおいしくなる」と言ってきたので、実践してくれている人がいっぱいいるんですよ。そしてここにきて「炒めないの!?」と。しかも切るのもやめたんですよ。4つ割りで、縦に2つ包丁を入れて大きい状態で蒸し煮をして、それから水分が飛んでから蒸し焼きにしていく、これがマイブームなんです。これのほうがおいしくなる感じがしているので、そのことについて書いているんです。炒めたら炒めたなりにおいしいカレーができますし、僕の今一番好きなやり方も、すごくおいしくなる。今思っているのは、玉ねぎって切りすぎないほうが、玉ねぎ自体のおいしさ、味わい、甘みがでやすいのと、舌触りがとろっとなめらかになるんですよね。だから切って炒めるよりも、大きいまま塩と水だけちょっと入れて蓋をして蒸し煮にしたほうが、とろとろになっておいしいと思います。
クリス:オーブン焼きしたらどうなるのかな?
水野:オーブン焼きもいいですよね。あれ? クリスさんはもう自分の正解を見つけはじめてる! こんなオンエアの途中で見つけないでくださいよ、もうちょっと読んだ後とかに(笑)。
クリス:(笑)
■「おいしいカレー」の要素って?
水野さんの考える「おいしいカレー」には5つの要素があるといいます。
水野:5つの要素というのは自分の好きなカレーを、ベース、スパイス、スープ、具、隠し味の5つに分けるんです。「ベースに何を使っているのか、具は何なのか、隠し味に何が入っているのか」、こう分けておくと、自分が作る時に「ここをもうちょっと強めよう」とか「スパイスはシンプルでいいけど出汁の旨味は利かせたい」とか、ある人のレシピを参考にすることは多いですが、その時に「自分だったら、私だったら」とアレンジのきっかけになるんです。分解すると自分の好みがわかってくると思うんです。
また水野さんは「鍋の中に入れるものの正体はわかっておきたい。たとえば僕はトマトは使うけど、トマトケチャップは使わない。なぜならケチャップはどうやって作られてるか正体を知らないから。ただケチャップを使うと、カレーもおいしくなったりするんです。そういう時はケチャップに入っててトマトに入っていないものは何だろうと確認すると、自分の好きな味がわかったりするんです」と、おいしいと思うものに何が入っているかを知ることが大事だと話していました。
■自分のカレーの一番のファンは“自分”
水野さんはこの本を出版するにあたり、船橋のインド料理屋「サールナート」の小松崎さんの「自分が自分のカレーの一番のファンになることが大事」という言葉を、ことあるごとに噛み締めているのだそうです。
水野:なかなか自分の作ったカレーを僕は愛せないんですよね。「自分が自分の作るカレーを愛していないと辿りつけないところがある」という彼の言葉を聞いた時に「僕は駄目かもしれない、今のままじゃ」と思ったんですよね。なぜなら僕は今まで「こういうカレーはどうですか? ああいうカレーはどうですか?」と提案をたくさんしてきたけど「僕はこれが一番好きなんだ」を言ったことがなかったんです。今回の本はエッセイ本なんですけど、たった一つだけカレーのレシピが入ってるんです。これは今の時点で僕が一番うまいと思うカレーのレシピです。読者がそれを作って本当にうまいと思うかは関係ない、僕はこれが一番好きだ、と小松崎さんの教えに従って、まずは出してみたんです。
水野さんが今一番おいしいと思うカレーレシピも載っている『わたしだけのおいしいカレーを作るために』。この本で、自分が本当においしいと思うカレー探しにぜひ挑戦してみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/