J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。5月14日(月)のオンエアでは、月曜日のニュース・スーパーバイザー、津田大介が登場。ゲストにフリーライターの武田砂鉄さんをお迎えし、4月に武田さんが出版した『日本の気配』(晶文社)についてお話を伺いました。
森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんや加計学園問題。さらにはイラク日報問題や裁量労働制の不適切データ問題など、次々に問題が噴出する安倍政権。今までなら政権が終わってもおかしくない状況ですが、安倍政権の危機対応のうまさなのか、まだ安泰のようにもみえます。
そんななか、現在の日本を取り巻く病巣ともいうべき状況を鋭く分析した武田さんの著書『日本の気配』が発売され話題となっています。
津田:『日本の気配』というタイトルはどのような意味を持つのでしょうか。
武田:よく「空気読めよ」っていろんなところでいわれますけど、「気配読めよ」とはいわれないわけですよ。気配は空気の前段階のようなイメージで、本を作りました。(現在の安倍政権のように)政治を動かす面々が世の中の空気を怖がらなくなってきているような気がしています。
津田:確かにそうですよね。
武田:1番新しい題材として、麻生財務大臣は毎日のようにイエローカードをもらっているような状況です。サッカーの試合だとイエローカード(警告)って2枚もらったらレッドカード(退場)になるんだけど、麻生さんは15枚くらいイエローカードをもらっても、まだイエローカードを待ち焦がれている。「レッドカードは絶対に出ないぞ」「このままやり過ごせば、そのうち忘れてくれるだろう」って頭であるからこそ、イエローカード連発状態を続けているわけです。その状態を続けていると、国民のなかには森友学園とか加計学園問題について「いつまでやってるんだ」って声が出てくる。その「いつまでやってるんだ」を作っているのは、説明しない方(安倍政権)が作り出しているわけですよね。空気を政府が作る、そしてその空気に率先して隷従している感覚の気持ち悪さをぐだぐだ書いてみた本ではあります。
『日本の気配』がウェブサイトの連載や紙の原稿など、さまざまな媒体の原稿で構成されていることについて、「いってしまえば『日本の気配』は寄せ集めだけど、本としてはちゃんと統一感を持って1冊の本に仕上がっている」と津田は評します。
武田:最初、『日本の気配』が原稿の寄せ集めにならないように、どうしたらいいかと考えながら作っていきました。僕は独立して4年くらいしか経ってないのですが、その4年で書いた原稿を振り返ったときに、「なんか気持ち悪くない?」「この日本の空気って気持ち悪いよね」って通底するところがあったので、それを探し当てることによって1冊の本にまとめやすかったってことはありますね。
津田:その通底するキーワードとして出てきたのが“気配”じゃないかと。武田さんの「日本を支配しようとしている気配に対して、俺は抗っていくんだぞ」って宣言なのかなと思ったんですけど。
武田:そうですね。抗うということもそうだし、「僕たちなめられてるから忘れないようにしようぜ」ってことが大きいなと思うんですよね。
日々、自身の発言で炎上が起こる津田は、武田さんの炎上を見たことがないと話します。
津田:(武田さんが)あれだけいろんな人をボロクソ書いてるのにと思うんですけど……
武田:僕の文章がまわりくどいってことはあるんじゃないですかね。「とりあえず待って、5000字必要なんで」って。
津田:炎上をさせようとする人は(ツイッターの)140字だったら読めるし、そこに潜む隙はいくらでも突けるけど、5000字だとまわりくどいから。
武田:「詳しくはウェブで」っていうスタイルにしていくと読まないので。でも、どんな相手を評するにも、芸能人であろうが政治家であろうが、なにか事件を評するにも、僕は「100パーセント、こいつが悪い」とか「これは、これで終わりなんだ」って結論づけることは、ほぼできないことだと思っているので。「僕はこういうふうに考えていますけど、あなたはどうですか?」っていうふうに問いかけるようにしないと。でも、今の言論状況って「あいつが悪い」とか「この国はダメだ」とか「与党はあれだけど、野党はこうだ」って区分けして「どっちの意見をあなたは持ちますか?」ということばかり問われていると思います。
最後に津田から武田さんにこんな質問が投げかけられました。
津田:武田さんって、たぶん思想的にはリベラルとか左翼側の方だと思う。でも単純なリベラル左翼とは違うなと思っていて、そこで心がけていること、世に訴えていきたい言葉って何かありますか?
武田:右とか左とかの考えではなく、「自分がムカついていることは何だろうか」と思って、そのムカつくことを書いていました。でも、そのムカつくことを書いたら、その対象がいわゆる右といわれる人たちだったり、政権を運営している人だったというだけのことだと思っています。
鋭い視点で社会を斬る武田さんの著書『日本の気配』。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
森友学園への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざんや加計学園問題。さらにはイラク日報問題や裁量労働制の不適切データ問題など、次々に問題が噴出する安倍政権。今までなら政権が終わってもおかしくない状況ですが、安倍政権の危機対応のうまさなのか、まだ安泰のようにもみえます。
そんななか、現在の日本を取り巻く病巣ともいうべき状況を鋭く分析した武田さんの著書『日本の気配』が発売され話題となっています。
津田:『日本の気配』というタイトルはどのような意味を持つのでしょうか。
武田:よく「空気読めよ」っていろんなところでいわれますけど、「気配読めよ」とはいわれないわけですよ。気配は空気の前段階のようなイメージで、本を作りました。(現在の安倍政権のように)政治を動かす面々が世の中の空気を怖がらなくなってきているような気がしています。
津田:確かにそうですよね。
武田:1番新しい題材として、麻生財務大臣は毎日のようにイエローカードをもらっているような状況です。サッカーの試合だとイエローカード(警告)って2枚もらったらレッドカード(退場)になるんだけど、麻生さんは15枚くらいイエローカードをもらっても、まだイエローカードを待ち焦がれている。「レッドカードは絶対に出ないぞ」「このままやり過ごせば、そのうち忘れてくれるだろう」って頭であるからこそ、イエローカード連発状態を続けているわけです。その状態を続けていると、国民のなかには森友学園とか加計学園問題について「いつまでやってるんだ」って声が出てくる。その「いつまでやってるんだ」を作っているのは、説明しない方(安倍政権)が作り出しているわけですよね。空気を政府が作る、そしてその空気に率先して隷従している感覚の気持ち悪さをぐだぐだ書いてみた本ではあります。
『日本の気配』がウェブサイトの連載や紙の原稿など、さまざまな媒体の原稿で構成されていることについて、「いってしまえば『日本の気配』は寄せ集めだけど、本としてはちゃんと統一感を持って1冊の本に仕上がっている」と津田は評します。
武田:最初、『日本の気配』が原稿の寄せ集めにならないように、どうしたらいいかと考えながら作っていきました。僕は独立して4年くらいしか経ってないのですが、その4年で書いた原稿を振り返ったときに、「なんか気持ち悪くない?」「この日本の空気って気持ち悪いよね」って通底するところがあったので、それを探し当てることによって1冊の本にまとめやすかったってことはありますね。
津田:その通底するキーワードとして出てきたのが“気配”じゃないかと。武田さんの「日本を支配しようとしている気配に対して、俺は抗っていくんだぞ」って宣言なのかなと思ったんですけど。
武田:そうですね。抗うということもそうだし、「僕たちなめられてるから忘れないようにしようぜ」ってことが大きいなと思うんですよね。
日々、自身の発言で炎上が起こる津田は、武田さんの炎上を見たことがないと話します。
津田:(武田さんが)あれだけいろんな人をボロクソ書いてるのにと思うんですけど……
武田:僕の文章がまわりくどいってことはあるんじゃないですかね。「とりあえず待って、5000字必要なんで」って。
津田:炎上をさせようとする人は(ツイッターの)140字だったら読めるし、そこに潜む隙はいくらでも突けるけど、5000字だとまわりくどいから。
武田:「詳しくはウェブで」っていうスタイルにしていくと読まないので。でも、どんな相手を評するにも、芸能人であろうが政治家であろうが、なにか事件を評するにも、僕は「100パーセント、こいつが悪い」とか「これは、これで終わりなんだ」って結論づけることは、ほぼできないことだと思っているので。「僕はこういうふうに考えていますけど、あなたはどうですか?」っていうふうに問いかけるようにしないと。でも、今の言論状況って「あいつが悪い」とか「この国はダメだ」とか「与党はあれだけど、野党はこうだ」って区分けして「どっちの意見をあなたは持ちますか?」ということばかり問われていると思います。
最後に津田から武田さんにこんな質問が投げかけられました。
津田:武田さんって、たぶん思想的にはリベラルとか左翼側の方だと思う。でも単純なリベラル左翼とは違うなと思っていて、そこで心がけていること、世に訴えていきたい言葉って何かありますか?
武田:右とか左とかの考えではなく、「自分がムカついていることは何だろうか」と思って、そのムカつくことを書いていました。でも、そのムカつくことを書いたら、その対象がいわゆる右といわれる人たちだったり、政権を運営している人だったというだけのことだと思っています。
鋭い視点で社会を斬る武田さんの著書『日本の気配』。気になる方はぜひチェックしてみてください。
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放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
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