割引クーポンによって儲けが出ない旅館…倒産を回避した、若女将の秘策

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「RECRUIT THE WORK SHIFT」。4月23日(月)のオンエアでは、多額の借金を抱え、倒産の危機に瀕していた老舗旅館が、倒産を回避した話をお届けしました。


■創業100年の旅館に借金が…

旅館「元湯 陣屋」は、新宿から小田急線でおよそ1時間、鶴巻温泉駅から徒歩4分のところ。大正7年創業で、今年で創業100年を迎える老舗です。客室の数は18部屋。昭和の初め頃から囲碁や将棋のタイトル戦を迎えていて、現在でも毎年1、2回迎えています。

10年ほど前には多額の借金を抱えて倒産の危機に瀕していました。そんな時に後を継いだのが、自動車メーカーのエンジニアとして働いていた息子さんと、今では女将になった宮崎知子さんのご夫婦。

宮崎さんによると、当時は変えるべき点が「たくさんありすぎた」そう。中でも、従業員の連携がとれていないことが気になったと言います。

宮崎:人が多すぎたというのもあります。当時、社員が20名、アルバイトが100名いましたが、それぞれが全く連携できていませんでした。情報を囲い込んでしまう人が多くて、それはまずいなと。全員で情報共有できるよう工夫しました。


■客単価を上げるため…料理に工夫を凝らす

また、当時は割引クーポンが流行しており、稼働率を上げるために大幅割引をしていました。そのせいで、“忙しさは変わらないのに全く儲からない”という状態に。そこで掲げたことは、「客単価を倍にする」という目標。まずは料理から改革しました。

宮崎:当時は食事の内容が、1980円から6800円くらいの価格帯だったんです。ここを何とか引き上げて、12000円くらいの料理を作りたいと思い、料理長に相談して、都内の美味しいと言われている料理屋さんに見学に行ったりして情報を収集していきつつ、試食会をやりました。料理長が使いたい食材を使って、原価がいくらかかってもいいので作りたいコース料理を作って下さいとお願いしました。一度作ってもらって、翌週に1万2000円のコースに着地するように原価計算をして、ブラッシュアップして作る。もう1週ブラッシュアップして、翌週にリリースする……ということを毎月、3年半繰り返しました。

このような地道な努力が実り、「元湯 陣屋」は倒産の危機を回避しました。「元湯 陣屋」に泊まった際は、ぜひ料理に注目してみてください。

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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