J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。3月8日(木)のオンエアでは映画監督の高橋慎一さんがゲストに登場。再編集した音楽ドキュメンタリー映画『Cu-Bop across the border』について伺いました。
■異例のロングランを記録した作品を再編集
キューバのジャズ界を代表するミュージシャンたちを映し、ミニシアターでの上映が半年間という異例のロングランになった『Cu-Bop CUBA~New York music documentary』(2015年)。その後の激変したキューバとアメリカの情勢を踏まえ、入念な再撮影と再編集を加えた新作が『Cu-Bop across the border』です。
監督の高橋さんは、どのようにしてキューバと出会ったのでしょうか。
高橋:僕の本業はフォトグラファーなんです。22~23年前、駆け出しだった頃に「目立った写真を撮って写真展をやって営業したい」と考えて、日本人が誰も行かない国ということで、キューバに行って。その頃のキューバはバリバリの社会主義国家で、外でご飯を食べることができず、売店もなかった。朝、ホテルのビュフェで腹いっぱい食べて、外ではポケットに入れて持ち歩いたバナナやフルーツを食べました。
そんなキューバは、高橋さんによると「すごくフォトジェニックな国」。
高橋:植民地時代のコロニアル建築があったり、50年代のアメ車が走っていたり、都市全体が映画のロケセットみたいな感じで。最初はカメラマンとしてよい写真が撮れるのでおもしろかったんですけど、通ううちに深みにハマって、キューバ人との付き合い、彼らのマンパワーのほうにどんどん魅了されてしまったんです。
■「この国このままじゃヤバイ」という動きがある
新作では、前作からのキューバとアメリカ情勢の変化を踏まえて、入念な再撮影を行いました。新作について、こう語ります。
高橋:映画の撮影が2014年半ばで終了して、その半年後にオバマ元大統領がキューバに訪れる歴史的事件が起き、国交が回復しました。しかし、トランプ大統領になって、数年前に逆戻りしています。2015年に上映したバージョンでは、ナレーションやミュージシャンのインタビューは極力なくて、「映像を見て感じてもらえれば」という編集の仕方をしたんです。でも今回は、政治情勢が複雑に変化したことから、言葉で語ることが必要になったので、キューバで人気のあるラッパーの女の子にナレーションを読んでもらいました。アメリカとキューバの関係や、なぜ敵国アメリカのナショナル・ミュージックであるジャズがキューバで大人気なのかを説明してもらっています。
再編集した作品を通し、高橋さんは世の中の大きな変化を肌で感じているそうです。
高橋:アメリカでこの映画を上映したいという人が多く現れました。昨年、マイノリティーの若者を集めフリーで上映したのですが、大学の教授が「今こういう政権だから上映したい」と言ってくれて。トランプさんという人がアメリカの良心をあぶり出したとも言えるなと。リベラルの人たちが「この国このままじゃヤバイぞ」と異文化を知ろうという動きが出ています。キューバ自体は表面的にはのんびりしていて表面上は変化のない国で、音楽やフードやカルチャーも独特の進化を遂げています。そんなよい部分がアメリカと近づくことで変化していくことは、キューバに住んでいる人や、キューバを愛する外国人にとってもジレンマかもしれませんね。
映画『Cu-Bop across the border』はシネマート新宿で3月10日(土)、11日(日)に先行上映、そして18日(日)より一般上映がスタートします。
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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/
■異例のロングランを記録した作品を再編集
キューバのジャズ界を代表するミュージシャンたちを映し、ミニシアターでの上映が半年間という異例のロングランになった『Cu-Bop CUBA~New York music documentary』(2015年)。その後の激変したキューバとアメリカの情勢を踏まえ、入念な再撮影と再編集を加えた新作が『Cu-Bop across the border』です。
監督の高橋さんは、どのようにしてキューバと出会ったのでしょうか。
高橋:僕の本業はフォトグラファーなんです。22~23年前、駆け出しだった頃に「目立った写真を撮って写真展をやって営業したい」と考えて、日本人が誰も行かない国ということで、キューバに行って。その頃のキューバはバリバリの社会主義国家で、外でご飯を食べることができず、売店もなかった。朝、ホテルのビュフェで腹いっぱい食べて、外ではポケットに入れて持ち歩いたバナナやフルーツを食べました。
そんなキューバは、高橋さんによると「すごくフォトジェニックな国」。
高橋:植民地時代のコロニアル建築があったり、50年代のアメ車が走っていたり、都市全体が映画のロケセットみたいな感じで。最初はカメラマンとしてよい写真が撮れるのでおもしろかったんですけど、通ううちに深みにハマって、キューバ人との付き合い、彼らのマンパワーのほうにどんどん魅了されてしまったんです。
■「この国このままじゃヤバイ」という動きがある
新作では、前作からのキューバとアメリカ情勢の変化を踏まえて、入念な再撮影を行いました。新作について、こう語ります。
高橋:映画の撮影が2014年半ばで終了して、その半年後にオバマ元大統領がキューバに訪れる歴史的事件が起き、国交が回復しました。しかし、トランプ大統領になって、数年前に逆戻りしています。2015年に上映したバージョンでは、ナレーションやミュージシャンのインタビューは極力なくて、「映像を見て感じてもらえれば」という編集の仕方をしたんです。でも今回は、政治情勢が複雑に変化したことから、言葉で語ることが必要になったので、キューバで人気のあるラッパーの女の子にナレーションを読んでもらいました。アメリカとキューバの関係や、なぜ敵国アメリカのナショナル・ミュージックであるジャズがキューバで大人気なのかを説明してもらっています。
再編集した作品を通し、高橋さんは世の中の大きな変化を肌で感じているそうです。
高橋:アメリカでこの映画を上映したいという人が多く現れました。昨年、マイノリティーの若者を集めフリーで上映したのですが、大学の教授が「今こういう政権だから上映したい」と言ってくれて。トランプさんという人がアメリカの良心をあぶり出したとも言えるなと。リベラルの人たちが「この国このままじゃヤバイぞ」と異文化を知ろうという動きが出ています。キューバ自体は表面的にはのんびりしていて表面上は変化のない国で、音楽やフードやカルチャーも独特の進化を遂げています。そんなよい部分がアメリカと近づくことで変化していくことは、キューバに住んでいる人や、キューバを愛する外国人にとってもジレンマかもしれませんね。
映画『Cu-Bop across the border』はシネマート新宿で3月10日(土)、11日(日)に先行上映、そして18日(日)より一般上映がスタートします。
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番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/