J-WAVEがいま注目するさまざまなトピックをお届けする日曜夜の番組「J-WAVE SELECTION」。毎月第3日曜は、東日本大震災の被災地を訪れ、復興の現状をお伝えする「Hitachi Systems HEART TO HEART」(ナビゲーター:姜尚中)をお届けしています。
1月21日(日)のオンエアでは、商店街の活性化について研究を行っている専修大学商学部教授、渡辺達朗さんをゲストにお招きし、「商店街の未来」について一緒に考えました。
気仙沼市でリニューアルした南町紫神社前商店街では、住宅を高台などに移転すると補助金が出ますが、危険区域に戻る人には補助金が出ないので、震災後の仮設商店街から本設する過程で人が戻らないという現状を抱えているそうです。また家賃高騰も商店街の復興を鈍らせているといいます。
これについて渡辺さんは、「商店街は地域社会のコミュニティの担い手。商業があって、周辺に住宅があって、そこが一体となり街を作っているのが商店街のありかた」と語ります。住宅の高台移転で、居住エリアと商店街が切り離されてしまっている現状については「高齢化が進む中で、地域社会として維持できるのか心配されます」と懸念を示しました。
震災から商店街の復興まで7年が経過し、商店主の高齢化や客離れに苦しむ東北の例に対して、23年前に阪神淡路大震災で被災した神戸の商店街はどうだったのでしょうか?
「被災の度合いなど東北とは違うものの、長田地区などでは、下に商業者、上に住宅を建てる大規模の再開発を行いました。何年か経ち、地域の需要にあわないかたちで商業地が作られ、一部住宅部分の空洞化も見られたりするところもありますが、その周辺まで目を向けると、被害をそれほど受けていなかった地域でコミュニティを維持し再建して、子育てや高齢者支援などにも対応しながら地域の拠点になった商店街もあり、現在まで続いています」と、事例は様々なようです。
また、例えば気仙沼かもめ通り商店街は、被災のシンボルとなった巨大漁船が打ち上げられた鹿折地区にありましたが、そこから観光客も来ない僻地に仮設商店街を設けました。かもめ通り商店街代表にその理由をお聞きすると、将来に向け固定客のいる長く続く商店街を目指したからだそうで、一時的に来る観光客に頼らない、敢えて観光商店街化を目指さずに長く持続させていきたいという思いがあるとのこと。
渡辺さんは「商業者がどう地域に根差しながら持続的に商売を続けていくか、お客さんを大事にしながら持続性のためにも自分自身も変わらないといけない、そこらへんの両立が難しいけれど大事なのでは」と語っていました。
オンエアでは、衰退しつつあった商店街を復興させるために奔走する人たちの声も紹介しました。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「Hitachi Systems HEART TO HEART」
放送日時:毎月第3日曜日22時-22時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/special/hearttoheart/
1月21日(日)のオンエアでは、商店街の活性化について研究を行っている専修大学商学部教授、渡辺達朗さんをゲストにお招きし、「商店街の未来」について一緒に考えました。
気仙沼市でリニューアルした南町紫神社前商店街では、住宅を高台などに移転すると補助金が出ますが、危険区域に戻る人には補助金が出ないので、震災後の仮設商店街から本設する過程で人が戻らないという現状を抱えているそうです。また家賃高騰も商店街の復興を鈍らせているといいます。
これについて渡辺さんは、「商店街は地域社会のコミュニティの担い手。商業があって、周辺に住宅があって、そこが一体となり街を作っているのが商店街のありかた」と語ります。住宅の高台移転で、居住エリアと商店街が切り離されてしまっている現状については「高齢化が進む中で、地域社会として維持できるのか心配されます」と懸念を示しました。
震災から商店街の復興まで7年が経過し、商店主の高齢化や客離れに苦しむ東北の例に対して、23年前に阪神淡路大震災で被災した神戸の商店街はどうだったのでしょうか?
「被災の度合いなど東北とは違うものの、長田地区などでは、下に商業者、上に住宅を建てる大規模の再開発を行いました。何年か経ち、地域の需要にあわないかたちで商業地が作られ、一部住宅部分の空洞化も見られたりするところもありますが、その周辺まで目を向けると、被害をそれほど受けていなかった地域でコミュニティを維持し再建して、子育てや高齢者支援などにも対応しながら地域の拠点になった商店街もあり、現在まで続いています」と、事例は様々なようです。
また、例えば気仙沼かもめ通り商店街は、被災のシンボルとなった巨大漁船が打ち上げられた鹿折地区にありましたが、そこから観光客も来ない僻地に仮設商店街を設けました。かもめ通り商店街代表にその理由をお聞きすると、将来に向け固定客のいる長く続く商店街を目指したからだそうで、一時的に来る観光客に頼らない、敢えて観光商店街化を目指さずに長く持続させていきたいという思いがあるとのこと。
渡辺さんは「商業者がどう地域に根差しながら持続的に商売を続けていくか、お客さんを大事にしながら持続性のためにも自分自身も変わらないといけない、そこらへんの両立が難しいけれど大事なのでは」と語っていました。
オンエアでは、衰退しつつあった商店街を復興させるために奔走する人たちの声も紹介しました。
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