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感動の開発秘話 下請けの町工場が生んだ大ヒット鍋

感動の開発秘話 下請けの町工場が生んだ大ヒット鍋

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「STEP ONE」(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。12月14日(木)のオンエアでは、町工場が生み出した鍋「バーミキュラ」の誕生秘話に迫りました。

名古屋にある老舗の町工場、愛知ドビーが作った鍋と炊飯器が、今、絶大な支持を集めています。ブランド名「バーミキュラ」というその商品は、発売直後に予約が殺到し今年を代表するヒット商品となりました。工業部品の下請けだった町工場が、オリジナルの鍋を作ってヒットに至る背景には、職人に誇りを取り戻してもらうための物語があったそうです。愛知ドビー株式会社副社長、土方智晴さんにお話を伺いました。

バーミキュラは無水調理ができる鋳物ホーロー鍋で、素材だけを入れて火にかけるだけで、素材本来の味が引き出されたおいしい料理ができます。

愛知ドビーは土方さんのおじいさんが81年前に創業した鋳物工場で、一時期は繊維機械メーカーだったそう。その後、市場の衰退で60名の社員が15人ほどになり、メーカーの下請け工場をしていました。

後を継いだ土方さんとお兄さんが「良い下請け」を目指して会社を盛り上げていきましたが、最初は1本1万円の工具を買うのに悩むような生活だったそう。一時は債務超過2億という赤字状態も続いていたとか。

そんな会社から一転、バーミキュラのヒットを生み出した背景にあったのは、土方さんが職人さんたちを見て感じたある思いでした。子供の頃は胸を張って「世界一」と言っていた職人さんたちが、年を重ねるごとに下を向いて仕事をするようになり、自信を失っていく姿を目の当たりに…。

土方さん兄弟は、下請けとして徐々に会社が儲かるように立て直したものの「下請けだけだと納期に図面通りのものを納めて終わりで、話と言えばコストダウンの話だけ。なかなか“いいものを作ってくれてありがとう”とは言われない。その喜びを職人に味わせたいし、自分も味わいたい」と思い始めました。

「自分たちの鋳物で世界に誇れるものを」と考えていたときに偶然、本屋で鋳物ホーロー鍋がヒットしていることを知ったそう。ただ真似するだけでなく鋳物ホーロー鍋の欠点である密閉性に目をつけました。

バーミキュラのヒットの裏側には「日本の職人の意地と誇り」があると土方さんは熱く語ります。下を向いていた職人さんが「作業服を着て家に帰りたい」と言うほどに誇りを持つようになり、毎日寄せられるユーザーからの「こんなに美味しく料理ができたのがはじめて」「子供の野菜嫌いが治った」といったメールに、職人さんが目を輝かせているのだそうです。

今後、新製品の開発や、世界一を証明するための海外展開なども考えたいと話す土方さんですが、それ以上に「買ったお客様に損をさせない。どのように喜んでいただけるかを考え寄り添って行きたい」と語っていました。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「STEP ONE」
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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