J-WAVEの番組「GOOD NEIGHBORS」(ナビゲーター:クリス智子)。9月14日(木)のオンエアでは、小説家の上田岳弘さんをゲストにお迎えしました。
上田さんは兵庫県生まれの38歳。早稲田大学法学部を卒業後、2013年に「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞してデビューされました。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。そして2016年はイギリスの国際文芸誌、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出されました。
そんな上田さんは、なんと小学校に上がる前からすでに、本を書く人になりたいと思っていたそう。
「いろいろ調べたり、人生経験を経るうちに、どうも純文学と呼ばれている分野の作家になりたいんじゃないか、ということを発見していったような感じなので。直感みたいなものがあって、だんだん正体がわかってくるみたいな…」(上田さん、以下同)
小学校に上がる前というのは、とても早いですよね。上田さんは4人兄弟の4男。当時はまだインターネットもなく、家族はみんな、本を読んでいたそう。
「その中で、僕は寂しかったのか、相手にされなかったのが悔しかったのか、その“みんなが夢中になっている本”を書いてやろう、と幼い頃に思ったのかもしれないなって、思うんですね」
上田さんの書かれる作品は純文学ですが、その道を選んだのにも、ある理由がありました。それは上田さんの中に「純文学の定義は、格闘技で言う“無差別級”みたいなイメージ」があったからだそう。
「要は何をやってもいいと。例えばですけどミステリーであれば、事件が起こらなければいけないじゃないですか。SFとかであれば未来のこと、科学的なことを書かなければいけないとか、そういう括りがあると思うんですけど、純文学は“何をやってもいい”という印象があったので、まぁ、純文学かなっていう(笑)」
さらに「ミステリーの場合は、事件が発生すると犯人を追わなければいけませんが、純文学の場合は事件が起きてもそれを追う必要がない」と続ける上田さん。それが結果的に恋愛物になっていてもいいという自由度に、上田さんは惹かれたとのこと。
上田さんは作家としてだけではなく、IT企業の役員もしています。大学を卒業後、小説家になろうと作品を書き始め、新人賞に応募し始めるも、なかなかうまくいかなかったのだとか…。
25歳頃になって「そろそろ働こうかなっていう時に、今の会社の社長に誘ってもらって。『一回くらい社会経験積んでみるのもいいかな』っていうところで」
その会社には立ち上げから働いていたので、仕事がとても忙しかったそう。4年ほど前にようやく落ち着き始め、もう一度小説を書き始めることに。その再挑戦で念願の小説家デビューとなりました。
経歴だけを見ると、デビューから大きな賞を次々受賞するなど、すごく順風満帆に思えますが、その裏には苦労があったのですね。
そんな上田さんの最新著書「塔と重力」が新潮社から発売中です。予備校仲間との勉強合宿の最中、阪神大震災により、初恋の相手と共に倒壊したホテルで生き埋めになった主人公。一人だけで生還した主人公は、初恋の人との記憶を抱えて生きていくのですが…といった内容だそう。
「僕自身が兵庫県の出身で、僕は生き埋めにはなっていないんですけど、何か書こうとした時に、“地震で生き埋めになってしまった”というイメージが勝手に浮かんでくるので、一回それに向き合って書いてみようというのがあって書いたものです」
一体どんなふうにストーリーが展開していくのでしょうか…。ぜひ、ご自身の目で確かめてみてくださいね。
また、J-WAVEの9月は「TOKYO SHARING GOOD」がテーマということで、番組では上田さんに「シェアしたい本」を3冊教えてもらいました!
・茄子の輝き / 滝口悠生
・日曜日の人々(サンデー・ピープル) / 高橋弘希
・騎士団長殺し / 村上春樹
これから始まる読書の秋、「塔と重力」と共にぜひチェックしてみてください!
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「GOOD NEIGHBORS」
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
上田さんは兵庫県生まれの38歳。早稲田大学法学部を卒業後、2013年に「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞してデビューされました。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。そして2016年はイギリスの国際文芸誌、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出されました。
そんな上田さんは、なんと小学校に上がる前からすでに、本を書く人になりたいと思っていたそう。
「いろいろ調べたり、人生経験を経るうちに、どうも純文学と呼ばれている分野の作家になりたいんじゃないか、ということを発見していったような感じなので。直感みたいなものがあって、だんだん正体がわかってくるみたいな…」(上田さん、以下同)
小学校に上がる前というのは、とても早いですよね。上田さんは4人兄弟の4男。当時はまだインターネットもなく、家族はみんな、本を読んでいたそう。
「その中で、僕は寂しかったのか、相手にされなかったのが悔しかったのか、その“みんなが夢中になっている本”を書いてやろう、と幼い頃に思ったのかもしれないなって、思うんですね」
上田さんの書かれる作品は純文学ですが、その道を選んだのにも、ある理由がありました。それは上田さんの中に「純文学の定義は、格闘技で言う“無差別級”みたいなイメージ」があったからだそう。
「要は何をやってもいいと。例えばですけどミステリーであれば、事件が起こらなければいけないじゃないですか。SFとかであれば未来のこと、科学的なことを書かなければいけないとか、そういう括りがあると思うんですけど、純文学は“何をやってもいい”という印象があったので、まぁ、純文学かなっていう(笑)」
さらに「ミステリーの場合は、事件が発生すると犯人を追わなければいけませんが、純文学の場合は事件が起きてもそれを追う必要がない」と続ける上田さん。それが結果的に恋愛物になっていてもいいという自由度に、上田さんは惹かれたとのこと。
上田さんは作家としてだけではなく、IT企業の役員もしています。大学を卒業後、小説家になろうと作品を書き始め、新人賞に応募し始めるも、なかなかうまくいかなかったのだとか…。
25歳頃になって「そろそろ働こうかなっていう時に、今の会社の社長に誘ってもらって。『一回くらい社会経験積んでみるのもいいかな』っていうところで」
その会社には立ち上げから働いていたので、仕事がとても忙しかったそう。4年ほど前にようやく落ち着き始め、もう一度小説を書き始めることに。その再挑戦で念願の小説家デビューとなりました。
経歴だけを見ると、デビューから大きな賞を次々受賞するなど、すごく順風満帆に思えますが、その裏には苦労があったのですね。
そんな上田さんの最新著書「塔と重力」が新潮社から発売中です。予備校仲間との勉強合宿の最中、阪神大震災により、初恋の相手と共に倒壊したホテルで生き埋めになった主人公。一人だけで生還した主人公は、初恋の人との記憶を抱えて生きていくのですが…といった内容だそう。
「僕自身が兵庫県の出身で、僕は生き埋めにはなっていないんですけど、何か書こうとした時に、“地震で生き埋めになってしまった”というイメージが勝手に浮かんでくるので、一回それに向き合って書いてみようというのがあって書いたものです」
一体どんなふうにストーリーが展開していくのでしょうか…。ぜひ、ご自身の目で確かめてみてくださいね。
また、J-WAVEの9月は「TOKYO SHARING GOOD」がテーマということで、番組では上田さんに「シェアしたい本」を3冊教えてもらいました!
・茄子の輝き / 滝口悠生
・日曜日の人々(サンデー・ピープル) / 高橋弘希
・騎士団長殺し / 村上春樹
これから始まる読書の秋、「塔と重力」と共にぜひチェックしてみてください!
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:「GOOD NEIGHBORS」
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/
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