安田菜津紀「環境問題と世界の紛争はつながっている」

J-WAVEで放送中の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。6月5日(月)のオンエアでは、同じくJ-WAVEの番組 「JAM THE WORLD」の水曜ナビゲーターで、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんをゲストにお迎えしました。

J-WAVEでは、6月5日が「世界環境デー」であることに合わせ、早朝から夜まで、番組によって環境にまつわる様々なトピックをお届けしてきましたが、「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」では、今年の「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2017」で、「地球を救え!部門 supported by リンレイ」の審査員も務めた安田さんをお招きし、今回の受賞作品についてお話を伺うことに。

同部門には今回、641作品、世界85の国と地域から集まった中での選出となり、グランプリに輝いたのは南アフリカの「水を、ください」、さらにJ-WAVEアワードにはアメリカの「森を守るものたち」が選ばれました。

作品を観た安田さんは、グランプリに選んだ「水を、ください」について、「貧しい家庭で水を求めてさまよう女性と、裕福なのに分け合うことを拒む女性が出てきまして、南アフリカで実際に起きている問題かもしれませんが、これは世界の縮図だと思ったんです。一部の人たちが資源を保持してしまって、分け合うことをなかなかしようとしない。だからこれは、南アフリカの小さいところで起きている問題ではなく、私たちの問題かもしれないという大きな投げかけをいただいたような作品だったんです」と選考理由を語りました。

また、J-WAVEアワードを受賞した「森を守るものたち」は、何百万頭のゾウがいることで知られていたラオスで、2015年には400頭まで減ってしまった現実と、ゾウと共にある人間の暮らしを描いたドキュメンタリー作品です。労働や観光目的で働かされるゾウたちと、長年ゾウたちと寄り添って暮らしてきた人々の生活。安田さんは「ゾウと共に生きている人たちは、彼らと共に労働しないと生きていくことはできない。だからこそ一概に否定すると『じゃあ、彼らはどうやって生計を立てていったらいいの?』と、そこが宙ぶらりんになってしまう…ジレンマのようなものも感じました」とコメントしました。

安田さんは、フォトジャーナリストとして世界各国の社会情勢を取材する中で、「地球環境問題と、私が中東で取材をしている紛争というものが、密接に繋がりあってしまっている」と感じたそうです。たとえば今年取材したイラクの北部の村は、ISが空爆から自分たちの身を隠すために油田に火をつけ暗幕替わりに使い逃げていったため、今でも真っ黒な煙が辺りを覆っているのだそうです。結果、環境汚染で人が住めなく…。環境問題は「改めて人の手によって起こされている」と実感すると同時に、「人の手でしか変えられない問題」であると語りました。

最後に「ショートフィルムというのは写真と少し似ていると思うんです。一瞬にどれだけ強いエネルギーを込めていけるのか。短い時間だからこそ、メッセージというものが先鋭化されて、時にはジワッと、時にはグサリと刺さってくるような強さがある。どこか遠くの国のなんとなく大変な問題が、一気に、“私”と、映画を通して出会った“あなた”になるような、心の距離の縮め方も一つの魅力」とショートフィルムの素晴らしさについて語っていました。

「地球を救え!部門 supported by リンレイ」は6月21日(水)、横浜みなとみらいにあるブリリア ショートショート シアターで上映されます。詳細スケジュールは公式サイトをご確認ください!

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【番組情報】
番組名:「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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