【連載】やきそばかおるのEar!Ear!Ear!(vol.21)
毎年、3月20日、5月4日、10月1日は、上野動物園が大いに賑わいます。この3日間は入園料が無料なのです。同様に5月4日、5月5日、10月1日は多摩動物公園が入園無料です。この「無料」という言葉には、恐ろしいほど多くの人を呼び寄せるパワーがあります。
例えば、上野動物園の通常の入園者の数は平均で1日およそ1,000人ですが、2011年5月4日には、ジャイアントパンダのリーリーとシンシンが来日して初めての入園無料日だったこともあり、1日で8万人が来園しました。あまりにも人が多くて、ジャイアントパンダを見るのに最大で3時間待ちになったほどです。「ジャイアントパンダを見たいお客さん」と、「ジャイアントパンダは見なくてもいいからとにかく中に入りたいお客さん」とで、入場ゲートを分けていました。
なぜそれを知っているかというと、私も見に行っていたからです(笑)。しかも、気合いを入れて朝8時には並びましたが、その時には既に数千人が列を作っていました…。ちなみに、入園者数の記録といえば、多摩動物公園が開園した昭和33年5月5日は、1日で25万人が訪れたという記録が残っています。
動物園が好きな私は、ラジオから動物園の話が聴こえてくると、たとえコアラのようにウトウトしていても、チーターのような俊足でラジオの前にやってきて、アライグマのような器用さでラジオのボリュームを上げ、ハシビロコウのようにじっとして聴きます。そんなある日、J-WAVEで朝5時から放送している「ZAPPA」から、「僕も先日、上野動物園に行ってきました」という声が聴こえてきました。
声の主は「ZAPPA」の月曜・火曜を担当しているマッシューさんです。聞くところによると、マッシューさんは所用で上野を訪れていて、そのついでにフラリと上野動物園に立ち寄ったそうです。
マッシューさんはロサンゼルス生まれ。お父様はアメリカと日本のハーフ、お母様はフィリピン出身で、スラリとした長身です。ジョージ・ワシントン大学で政治学を専攻しながら、北京外国語大学への留学も経験。NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」ではヴォリンガー役を演じた他、多数のドラマ、映画などに出演しています。羨ましいことに「ZAPPA」や、先日レポーターを務めたJ-WAVEの特別番組「MIZUHO presents TOKYO NEW LIFE」での写真、さらに自身のブログにアップされている写真など、どの写真を見てもダンディに写っています。最近の10代の子は、人気アプリSNOWで動物の顔に加工した自撮り写真をSNSにバンバンあげていますが、それは可愛く見せるため…というよりは、どちらかというと、加工しないと自分の顔をそのまま載せるのは恥ずかしいから…という理由だそうで、加工しなくてもイケてるマッシューさんは最強ということになるわけです。「エリートだわ、ダンディだわ、隙がない!」と思いきや、ブログのタイトルが「全力で行きまっしゅー」でした。マッシューさんともなると、ダジャレすらなんだか羨ましいです。
動物園の話からすっかり逸れてしまいましたが、マッシューさんは、動物園に行ったという話に関連して、マーロン・ブランドやロバート・デ・ニーロら、ハリウッドの演技派大御所俳優が動物の動きを演技の参考にしていた、という話を紹介していました。マッシューさん自身は「シロテテナガザル」に魅了されたそうです。シロテテナガザルは、長い手を使って枝から枝へヒョイヒョイと移動します。また、ポーカーフェイスで、どこかシブい表情をしているため、そのあたりをマッシューさんは学んだのかもしれません。
いっそのこと、自分がその動物になってしまえば動物そのものの動きができるわけですが、中には「この動物はちょっと厳しいかな…」と思う種類もあります。例えば南アメリカにいる「ヤブイヌ」(「よこはま動物園ズーラシア」などでも飼育)のメスは、逆立ちした状態でおしっこをします。この動きは演技の勉強にはならなさそうです。しかも、おしっこが高く飛ばないと元気がないと思われるらしく、ヤブイヌのメスもラクではありません。
実は最近、ある動物が注目を浴びています。それは「サーバルキャット」です。一般的に飼われているネコを大きくして、お腹まわりをスマートにしたような容姿で、動物番組でもあまり取り上げられることはありません。それがこのところ、アニメ「けものフレンズ」(テレビ東京)の大ヒットによって、一気に注目されるようになりました。「けものフレンズってナンだ?」と、キョトンとしている方も多いと思いますが、主人公の「サーバルちゃん」がまさに擬人化されたサーバルキャットなのです。アニメを通じてサーバルキャットを知った人も多いようで、リアルサーバルちゃんにひとめ会いに行こうと、サーバルキャットがいる動物園を多数のファンが訪れているという状況です。いわば、サーバル巡礼です。多摩動物公園でも飼育されていて、私も時々訪れます。ここではサーバルキャットはチーターの向かい側で飼育されていて、チーターには人垣ができるのに、サーバルキャットの方は認知度が低いのか、素通りされることが多いというトホホな状況でした。動きという点では、小鳥などの獲物を捕らえる時に、その場で2、3メートルもジャンプします。多摩動物公園では、飼育員さんの解説とともに、サーバルキャットがジャンプしている姿を観察できる「サーバルジャンプ」が不定期で実施されています。サーバルキャットは、普段は寝ている時間が多いのですが、サーバルジャンプの時間になると急に元気に走り回ります。
もしもその場にマッシューさんが居合わせたら、その動きを勉強するかもしれません。といっても走り回る姿は勉強になりそうですが、さすがに、撮影で3メートル飛ぶ機会はなさそうです…。
ZAPPA http://www.j-wave.co.jp/original/zappa/
毎年、3月20日、5月4日、10月1日は、上野動物園が大いに賑わいます。この3日間は入園料が無料なのです。同様に5月4日、5月5日、10月1日は多摩動物公園が入園無料です。この「無料」という言葉には、恐ろしいほど多くの人を呼び寄せるパワーがあります。
例えば、上野動物園の通常の入園者の数は平均で1日およそ1,000人ですが、2011年5月4日には、ジャイアントパンダのリーリーとシンシンが来日して初めての入園無料日だったこともあり、1日で8万人が来園しました。あまりにも人が多くて、ジャイアントパンダを見るのに最大で3時間待ちになったほどです。「ジャイアントパンダを見たいお客さん」と、「ジャイアントパンダは見なくてもいいからとにかく中に入りたいお客さん」とで、入場ゲートを分けていました。
なぜそれを知っているかというと、私も見に行っていたからです(笑)。しかも、気合いを入れて朝8時には並びましたが、その時には既に数千人が列を作っていました…。ちなみに、入園者数の記録といえば、多摩動物公園が開園した昭和33年5月5日は、1日で25万人が訪れたという記録が残っています。
動物園が好きな私は、ラジオから動物園の話が聴こえてくると、たとえコアラのようにウトウトしていても、チーターのような俊足でラジオの前にやってきて、アライグマのような器用さでラジオのボリュームを上げ、ハシビロコウのようにじっとして聴きます。そんなある日、J-WAVEで朝5時から放送している「ZAPPA」から、「僕も先日、上野動物園に行ってきました」という声が聴こえてきました。
声の主は「ZAPPA」の月曜・火曜を担当しているマッシューさんです。聞くところによると、マッシューさんは所用で上野を訪れていて、そのついでにフラリと上野動物園に立ち寄ったそうです。
マッシューさんはロサンゼルス生まれ。お父様はアメリカと日本のハーフ、お母様はフィリピン出身で、スラリとした長身です。ジョージ・ワシントン大学で政治学を専攻しながら、北京外国語大学への留学も経験。NHK朝の連続テレビ小説「あさが来た」ではヴォリンガー役を演じた他、多数のドラマ、映画などに出演しています。羨ましいことに「ZAPPA」や、先日レポーターを務めたJ-WAVEの特別番組「MIZUHO presents TOKYO NEW LIFE」での写真、さらに自身のブログにアップされている写真など、どの写真を見てもダンディに写っています。最近の10代の子は、人気アプリSNOWで動物の顔に加工した自撮り写真をSNSにバンバンあげていますが、それは可愛く見せるため…というよりは、どちらかというと、加工しないと自分の顔をそのまま載せるのは恥ずかしいから…という理由だそうで、加工しなくてもイケてるマッシューさんは最強ということになるわけです。「エリートだわ、ダンディだわ、隙がない!」と思いきや、ブログのタイトルが「全力で行きまっしゅー」でした。マッシューさんともなると、ダジャレすらなんだか羨ましいです。
動物園の話からすっかり逸れてしまいましたが、マッシューさんは、動物園に行ったという話に関連して、マーロン・ブランドやロバート・デ・ニーロら、ハリウッドの演技派大御所俳優が動物の動きを演技の参考にしていた、という話を紹介していました。マッシューさん自身は「シロテテナガザル」に魅了されたそうです。シロテテナガザルは、長い手を使って枝から枝へヒョイヒョイと移動します。また、ポーカーフェイスで、どこかシブい表情をしているため、そのあたりをマッシューさんは学んだのかもしれません。
いっそのこと、自分がその動物になってしまえば動物そのものの動きができるわけですが、中には「この動物はちょっと厳しいかな…」と思う種類もあります。例えば南アメリカにいる「ヤブイヌ」(「よこはま動物園ズーラシア」などでも飼育)のメスは、逆立ちした状態でおしっこをします。この動きは演技の勉強にはならなさそうです。しかも、おしっこが高く飛ばないと元気がないと思われるらしく、ヤブイヌのメスもラクではありません。
実は最近、ある動物が注目を浴びています。それは「サーバルキャット」です。一般的に飼われているネコを大きくして、お腹まわりをスマートにしたような容姿で、動物番組でもあまり取り上げられることはありません。それがこのところ、アニメ「けものフレンズ」(テレビ東京)の大ヒットによって、一気に注目されるようになりました。「けものフレンズってナンだ?」と、キョトンとしている方も多いと思いますが、主人公の「サーバルちゃん」がまさに擬人化されたサーバルキャットなのです。アニメを通じてサーバルキャットを知った人も多いようで、リアルサーバルちゃんにひとめ会いに行こうと、サーバルキャットがいる動物園を多数のファンが訪れているという状況です。いわば、サーバル巡礼です。多摩動物公園でも飼育されていて、私も時々訪れます。ここではサーバルキャットはチーターの向かい側で飼育されていて、チーターには人垣ができるのに、サーバルキャットの方は認知度が低いのか、素通りされることが多いというトホホな状況でした。動きという点では、小鳥などの獲物を捕らえる時に、その場で2、3メートルもジャンプします。多摩動物公園では、飼育員さんの解説とともに、サーバルキャットがジャンプしている姿を観察できる「サーバルジャンプ」が不定期で実施されています。サーバルキャットは、普段は寝ている時間が多いのですが、サーバルジャンプの時間になると急に元気に走り回ります。
もしもその場にマッシューさんが居合わせたら、その動きを勉強するかもしれません。といっても走り回る姿は勉強になりそうですが、さすがに、撮影で3メートル飛ぶ機会はなさそうです…。
ZAPPA http://www.j-wave.co.jp/original/zappa/