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日本酒造りの常識を覆した「獺祭」の秘密に迫る

日本酒造りの常識を覆した「獺祭」の秘密に迫る

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「SUNDAY SESSIONS」。この番組は、月替わりの特集型プログラムとなっており、日曜日の夜にじっくり聴き入りたい内容をお送りしています。

まず2月前半のナビゲーターは、別所哲也が担当。「私たちの豊かな未来をつくる『Made In Japan』」に焦点を当ててお届けします。1週目となる2月5日(日)のオンエアでは、「味のイノベーション」と題して、世界からも高い関心を集める「日本酒造り」を特集しました。

今やアメリカ、フランスなど世界20カ国・地域で販売される、純米大吟醸「獺祭(だっさい)」。山口県岩国市にある蔵元「旭酒造株式会社」が造る日本酒で、オバマ前アメリカ大統領が2014年に来日した際、安倍首相が贈ったことでも有名です。その味に魅了されている方も多いのではないでしょうか。実はこの「獺祭」、これまでの日本酒造りの常識を覆した革新的な方法で製造されています。その秘密とはどんなものなのでしょう?

別所は岩国市にある、旭酒造の本社工場に足を運びました。工場を目の前にした第一印象は「酒蔵というより…オフィスビル?という面持ち」と別所。なんと、かなり近代的な12階建のビルなのです。工場の中で別所を出迎えてくれたのは、同社の桜井会長。さっそく、中を案内してもらいながら「獺祭」の製造プロセスを紹介してもらいました。

「日本酒の仕込み」というと「冬」というイメージがありますが、ここにある「発酵室」では1年間365日、ずっと真冬の温度に設定されているため、真夏でも仕込みができます。

続いて案内してもらった部屋では、お米から水分を飛ばす作業が行われていました。これまでは、職人さんが手触りでその水分を判断していたのですが、ここでは特別な機械を使い、数値で水分を測るため、品質にムラがなくなります。

そう、これまでの日本酒造りには、「杜氏」という職人さんの存在が不可欠でした。しかし「旭酒造」の酒蔵には杜氏はいません。匠の経験と勘に頼ってきた酒造りですが、「獺祭」はその常識を破り、「データ管理」というイノベーションのもとで酒造りを行っています。

昔ながらの酒蔵ではなく、「工場」というスタイルになったのはどうしてなのでしょう?

「基本的には私らはまったく変わってないんです、考え方は。ちょっとでもいいお酒を作りたい、そのためはどういう設備がいるのかということで、ずっとそれを追っかけてきた結果がこの今があるわけです」(桜井さん)

さらにその裏には、杜氏職人の減少や杜氏になる若者が減っている、という現実もあるそう。「それと同時に、本当にいいお酒を追いかけていこうとするときに、今までの杜氏制度だけではちょっと難しく、限度がきていた。そこらへんがどうしても私らの中にあって…。で、きっかけは本当は杜氏に逃げられちゃったというのが大きいんですけども(笑)」と、桜井さん。

そこで杜氏を探して連れてくるのではなく、「自社で社員と一緒に作ろう」と決断。「ちょっとでもいいお酒を追いかけていくには、ここからもう杜氏制度じゃなくて、社員と一緒に造らないといい酒はできないなぁというのはありましたね」と、現在の仕組みになったきっかけを語ってくださいました。現在のカタチは、コストパフォーマンスや安定した供給のためではなく、「いいお酒造り」への熱い思いがあったのですね。

このほか、桜井さんが「データにこだわる理由」や、「技術・テクノロジーへのこだわり」「品質を高めていくために必要なこと」などもお聞きしました。

次回2週目は「暮らしのイノベーション」と題して、私たちの暮らしの根幹となる「家」の最前線を特集します。お楽しみに!

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「SUNDAY SESSIONS」
放送日時:毎週日曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sundaysessions/

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