「猛暑日」を超える「灼熱日」ができるかも?

J-WAVE日曜朝6時の番組「WONDER VISION」(ナビゲーター:平井理央)のワンコーナー「OPINION」。9月11日のオンエアでは、気象予報士・防災士の木原実さんをゲストにお迎えしました。

木原さんは、テレビ番組で天気予報を伝えられて30年も経つそうです。「人生の半分以上、天気予報ってことになりますね! 今気づきました(笑)」と木原さん。テレビで見る通り、気さくなお方です。

この1カ月、日本を縦断する台風が立て続けに発生していますが、いずれもかなり珍しい台風だったそうです。

「東北地方に太平洋側から、いきなり上陸していくってことはなかったですから。北海道に3つも上陸するってことも、統計開始以来なかったことです」(木原さん)

これには気圧配置が大きく関係しているそうなのですが、天気図を見ると、かつて台風が10個も上陸した2004年と同じなのだそうです。そうなるとこれから発生する台風の進路も心配になりますよね。しかし、現在は台風をガードするような形に、太平洋高気圧が変わってきているそうです。

「毎年、台風の数だったり自然災害の規模が大きくなっている印象があるんですけど、実際はどうなんでしょう?」と平井。これに木原さんは「印象としては、確かにその通りです」とおっしゃいます。自然災害は統計を取らないと確認ができないそうですが、木原さんの気象予報士歴30年の中で、ここ10年はとても忙しいのだそうです。

「30年前の天気予報って、とっても平和でのどかなものでしたよ。(中略)あんまり災害を伝えた記憶がないです」と木原さん。30年前は、気温が35℃を超えると一大ニュースだったのが、今では10日連続35℃でも、そんなに驚くことではなくなってきました。当たり前のようになっている「猛暑日」という言葉も、使われだしたのは2007年から。それほど、かつては35℃を超える日が珍しかったのですね。

「今、40℃を超えることがありますが、なんて呼んだらいいんですか(笑)」と話す木原さんに、「灼熱日なんてどうですか?(笑)」と提案した平井。今は笑いながら話していますが、数年後、十数年後にはそんな言葉が生まれているかもしれません…。

これは、日本だけの話だけでなく地球全体で起きている問題で、毎年、世界規模で「年平均気温の新記録」が立て続けに出ているそうです。

「右肩上がりなんですよ、地球全体の気温が。“右肩上がり”のうちは良い…というか、良くはないんですが、これが“急カーブ”を描くようになったら取り返しがつかないことなんで」と木原さんは未来を危惧されていますが、気象のプロが心配されるということは、本当に深刻な問題であることが伺えます。

温暖化の原因は一つではなく、温室効果ガス、太陽の活動の強弱、自然破壊による地球表面の環境変化…など複数の問題が考えられるそうです。私たち人間による影響が大半を占めているはずですので、小さなことでも、一人ひとりが温暖化を食い止めるアクションをしていくことが大事ですね。

【関連サイト】
「WONDER VISION」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/wondervision/

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