J-WAVE月曜-木曜の朝6時からの番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」。今週はナビゲーターの別所哲也が夏休みということで、DJ TAROと平井理央による“お留守番ナビゲート”でお送りしています!
その番組内のワンコーナー「MORNING INSIGHT」、8月9日(火)のオンエアは、リオデジャネイロ・オリンピック真っ最中ということで「スポーツと科学」に注目。運動生理学とバイオメカニクスが専門の早稲田大学スポーツ科学学術院・川上泰雄教授に話を伺いました。
「人間の体とか、その内側にある筋肉の形、機能を調べたり、生体計測するという研究を進めています」という川上教授は、かつて陸上選手のアサファ・パウエルとウサイン・ボルトの身体と運動能力の計測を行ったこともあるそうです。二人の身体は、普通の人とどんな違いがあったのでしょうか?
「二人とも特徴的な体つきをしていることが分かりましたが、例えばウサイン・ボルト選手だと、身長196cmで脚の長さが1mあるんです。体の半分以上が脚」と川上教授。脚が長すぎると重さで動かしにくいそうなのですが、ボルト選手の脚には、それを動かす強烈な筋肉が特徴的に発達していたと言います。
また、自分の普段の力以上の力を引き出せる「火事場の馬鹿力」という言葉を聞きますが、川上教授はこれについてもさまざまな研究をされているそうです。人間の身体は自分では全力を出しているつもりでも、リミッターをかけていることが多々あるそうで、そのリミッターが外れた時に出る力が「火事場の馬鹿力」。普段は半分程度しか力を出せていない人もいれば、100%近く出せている人もいて、人によって「火事場の馬鹿力」も違うとのこと。
「アスリートの中には、それを自分でコントロールする方法をある程度学んで、100%に近い力を出すことができる選手もいます」
“大きな声を出す”のもリミッターを外す方法の一つで、例えば重量挙げの選手がウエイトを持ち上げる時に大きな声を出すのは理にかなっているとも。この「火事場の馬鹿力」は普段、運動していると出やすくなるそうなので、いざという時に備えて普段から運動はしっかりしておいた方が良さそうです。
ところで、川上教授は「サポートギア」についても研究されていますが、「サポートギア」とはどういうものなのでしょうか?
「シューズ、ウエアなど、体の動きをサポートする身体装着物のことです。シューズにちょっとした細工を施すと、身体のバネ能力を高めたり、疲労を軽減したりすることが可能になります」
しかし、これには問題もあると川上教授。以前、水泳で“あまりにスピードが出過ぎる”という理由で使用禁止になったレーザーレーサーというウエアがありましたが、「オリンピックや世界大会では、そういう絶対にパフォーマンスが上がるようなものを一部の人だけが使うことを認められないのは理解できるので、その辺は気をつけないといけません」と話してくれました。
トップアスリートだと1%の能力アップが勝敗を左右する世界。平等な条件で争う競技の中で“どこまでやっていいか”は非常に難しい問題です。
現在のスポーツと科学は切っても切り離せない関係。バイオメカニクス、心理学、戦略などさまざまな科学的アプローチのおかげで、ほぼすべてのスポーツがその恩恵を受けられる時代です。また、オリンピックなどの大舞台だと“メンタルが結果を左右する”と言われたりもしますが、川上教授によれば「将来的にはメンタルも科学でコントロールできるようになると思う」とのこと。
「まだそこまで来ていませんが、(研究の)余地はあると思います。もし可能になれば大きなパフォーマンス向上につながります」
川上教授の話を聞いたDJ TAROは、「(将来的には)監督だけじゃなくてサイエンストレーナーみたいなポジションも出てくるかも」と予想していました。一番大切なのはもちろん選手ですが、それをサポートする科学の力は今後もっと重要になってきそうですね♪
【関連サイト】
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/index.html
その番組内のワンコーナー「MORNING INSIGHT」、8月9日(火)のオンエアは、リオデジャネイロ・オリンピック真っ最中ということで「スポーツと科学」に注目。運動生理学とバイオメカニクスが専門の早稲田大学スポーツ科学学術院・川上泰雄教授に話を伺いました。
「人間の体とか、その内側にある筋肉の形、機能を調べたり、生体計測するという研究を進めています」という川上教授は、かつて陸上選手のアサファ・パウエルとウサイン・ボルトの身体と運動能力の計測を行ったこともあるそうです。二人の身体は、普通の人とどんな違いがあったのでしょうか?
「二人とも特徴的な体つきをしていることが分かりましたが、例えばウサイン・ボルト選手だと、身長196cmで脚の長さが1mあるんです。体の半分以上が脚」と川上教授。脚が長すぎると重さで動かしにくいそうなのですが、ボルト選手の脚には、それを動かす強烈な筋肉が特徴的に発達していたと言います。
また、自分の普段の力以上の力を引き出せる「火事場の馬鹿力」という言葉を聞きますが、川上教授はこれについてもさまざまな研究をされているそうです。人間の身体は自分では全力を出しているつもりでも、リミッターをかけていることが多々あるそうで、そのリミッターが外れた時に出る力が「火事場の馬鹿力」。普段は半分程度しか力を出せていない人もいれば、100%近く出せている人もいて、人によって「火事場の馬鹿力」も違うとのこと。
「アスリートの中には、それを自分でコントロールする方法をある程度学んで、100%に近い力を出すことができる選手もいます」
“大きな声を出す”のもリミッターを外す方法の一つで、例えば重量挙げの選手がウエイトを持ち上げる時に大きな声を出すのは理にかなっているとも。この「火事場の馬鹿力」は普段、運動していると出やすくなるそうなので、いざという時に備えて普段から運動はしっかりしておいた方が良さそうです。
ところで、川上教授は「サポートギア」についても研究されていますが、「サポートギア」とはどういうものなのでしょうか?
「シューズ、ウエアなど、体の動きをサポートする身体装着物のことです。シューズにちょっとした細工を施すと、身体のバネ能力を高めたり、疲労を軽減したりすることが可能になります」
しかし、これには問題もあると川上教授。以前、水泳で“あまりにスピードが出過ぎる”という理由で使用禁止になったレーザーレーサーというウエアがありましたが、「オリンピックや世界大会では、そういう絶対にパフォーマンスが上がるようなものを一部の人だけが使うことを認められないのは理解できるので、その辺は気をつけないといけません」と話してくれました。
トップアスリートだと1%の能力アップが勝敗を左右する世界。平等な条件で争う競技の中で“どこまでやっていいか”は非常に難しい問題です。
現在のスポーツと科学は切っても切り離せない関係。バイオメカニクス、心理学、戦略などさまざまな科学的アプローチのおかげで、ほぼすべてのスポーツがその恩恵を受けられる時代です。また、オリンピックなどの大舞台だと“メンタルが結果を左右する”と言われたりもしますが、川上教授によれば「将来的にはメンタルも科学でコントロールできるようになると思う」とのこと。
「まだそこまで来ていませんが、(研究の)余地はあると思います。もし可能になれば大きなパフォーマンス向上につながります」
川上教授の話を聞いたDJ TAROは、「(将来的には)監督だけじゃなくてサイエンストレーナーみたいなポジションも出てくるかも」と予想していました。一番大切なのはもちろん選手ですが、それをサポートする科学の力は今後もっと重要になってきそうですね♪
【関連サイト】
「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/index.html