800項目をチェック! ホテルの「覆面調査員」が見るポイントは

J-WAVE土曜午前の番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐/山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。5月3日のオンエアではザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド(通称リーディングホテルズ)の広報の米田美恵さんが登場。知られざるホテルの裏側を明かしました。

今年2月に日本で公開されたイタリア映画「はじまりは5つ星ホテルから」を全面バックアップしたことでも話題になった、リーディングホテルズ。ラグジュアリーホテルの予約マーケティングを行うホテルグループで、もともとはヨーロッパ系の独立ホテルが、アメリカに販路を広げるためにつくった組織です。1982年に設立され、それが徐々に「リーディングホテルズには良いホテルが集まっている」と評判になっていったのだそう。現在は日本の帝国ホテルやホテルオークラ東京などの有名ホテルも加盟しています。

そんなリーディングホテルズで20年以上働いているという米田さん。入社した際に「良い組織の運営に携われて幸せだな」と感じたというエピソードがあるのだそう。

「当時の会長が、ローザンヌにあるローザンヌ・パレスというホテルの総支配人になった頃に、そのホテルのバーでご一緒する機会があったんです。バーなのでピアノの演奏があって、そのピアニストを見ながら『彼は、彼のおじいさんの代からここでピアノを弾いているんだよ』と教えてくれて」(米田さん)

実はヨーロッパのホテルでは代々、同じホテルで働いているスタッフがたくさんいるのだそう。そしてそのピアニストも祖父の代から、そのホテルでピアニストとして働いていたということでした。米田さんは、その時の会長の言葉が印象的だったと言います。

「それを見て『なんて素晴らしい人生だと思わないかい?』っておっしゃるのを聴いて。そういった発言ができる人が、自分の働いている会社の会長で良かったなと思いました」(米田さん)

また映画「はじまりは5つ星ホテルから」は、リーディングホテルズに加盟しているいくつかのホテルが舞台となっています。映画の主人公は5つ星ホテルの覆面調査員。お客さんとしてホテルに行って、部屋がきちんと掃除されているかどうかなどをチェックしていきます。映画ではかなり細かなチェックの様子が描かれていますが、実際のホテルでもそういったことをする調査員はいるのでしょうか?

「(ホテルのチェック項目の)800項目というのは実際にある項目で、リーディングホテルズに加盟するときにまず審査があるんです。映画に出てきたようなインスペクターが実際にホテルに行って項目をチェックするんですけど、何年か前までは2000項目あって。それを800に減らしたんです。減ると簡単になったように思えるかもしれませんが、実は逆で、例えば2000項目の時代は、テーブルセッティングで『ナイフが綺麗だったか』『フォークは綺麗だったか』『グラスはちゃんと磨かれていたか』これで3ポイントですけど、800になると、その3つが揃ったときに1ポイントになるんです。どれか1つでも不合格だと、0点になっちゃうです」(米田さん)

800項目とは膨大な数のチェック項目。それも2000から減らされてより厳しくなったとなると、ホテルの人も気を引き締めなければいけませんね。さらに、チェックされるのはホテルの施設面だけではないと言います。

「800に絞ってより厳しくチェックするようになったんですが、ハード面だけでなく、その時に新たに加わったチェック項目があるんです。例えばお客様がチェックインの時に、そのお客様と話をしたかという項目も含まれるようになって。ありきたりの『いらっしゃいませ、ご出発はいつですか?お部屋はこちらです』みたいなものではなく、その人に興味を持って、その人と話したか?という項目が加わって。よりサービスの面もチェックするようになったんです。よりリーディングホテルズらしいチェック項目になったと思います」(米田さん)

施設はもちろん、お客さんとの触れ合いの中にも高い質が求められるリーディングホテルズ。800ものチェック項目をクリアした質の高いホテル、一度利用してみたいですね。

【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

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