気温が1度上がると消費が1300億円アップするが・・・

J-WAVE朝の番組「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「KONICA MINOLTA MORNING VISION」。8/19のオンエアでは、猛暑が暮らしに与える影響について、環境ジャーナリストの石井孝明さんに話を伺いました。

気温が35度を超えるような猛暑が続く今年の夏。全国に971ある観測地点の8割で連日真夏日が記録されているとか。扇風機やエアコンが売れ、熱中症対策として“塩”に関連した商品がヒットするなど、暑さと経済には関連があるといわれます。

石井さんによると、今年7月の平均気温は平年より3~4度高かったそう。「気温が1度高いと、消費が1300億円も盛り上がる傾向にあるんですね。これはGDPを年率換算で0.1~0.2%押し上げることになります。最近の日本経済は年1~2%程度なので、かなり大きなプラス効果です」(石井さん)。

しかし、猛暑には良い面のほかに悪い面も。温暖化が進み、私たちの食生活にも変化が出始めていると石井さんは話します。「生態系が変わってきていますね。なじみのある商品だと、お米。お米は日本に合うように2000年かけて熱帯の植物が変わったものです。コシヒカリはもともと北陸のお米ですが、気候に合わなくなって東北で作られています。九州では暑すぎて平年以下の生産量が続き、逆に北海道で豊作が続いて、お米の姿が明らかに変わっています」(石井さん)。

また、日本の南の海水温が上がっている影響で、近海魚の獲れ方にも変化があるそうです。「さつま揚げの原料のトビウオが獲れなくなって、輸入に頼るようになっています。鹿児島近海の水温は30年前より1~2度上昇していて、これは台湾の近海と同じです」(石井さん)。

さらに、石井さんが心配するのは「蚊」。熱帯性の病気・マラリアを運ぶ“ハマダラカ”は、日本では宮古島近郊に生息するだけでしたが、最近は九州でも捕獲され始めているのだとか。「気温の2度上昇が定着すれば、関西や四国にハマダラカが生息するかも」と石井さんは警告しています。「猛暑は短期的に見れば経済を刺激するけど、長期では温暖化への悪影響ばかり。それを止めるためには、化石燃料を使わない社会を作り上げていかなければならないと考えます」とも話しました。

経済効果だけで喜んではいられない、猛暑に温暖化。食生活や蚊の話に別所さんもショックを受け驚いていました。

【関連サイト】
「TOKYO MORNING RADIO」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

関連記事