世界的企業を辞めてお笑いの道へ 異色の芸人が語るマッキンゼーの仕事場

J-WAVE午後の番組「RENDEZ-VOUS」(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「OPEN TOKYO」。8/15のオンエアでは、英検1級を持ち、東大を卒業したのち、経営コンサルティング会社・マッキンゼーに入社、その後お笑いの道へと進んだという異色の経歴をもつ芸人で、「私がマッキンゼーを辞めた理由」の著者でもある石井てる美さんが登場しました。

東大を卒業後、世界的有名企業・マッキンゼーに就職というエリート街道を進んだ石井さん。しかし当時はマッキンゼーに強い思い入れがあったわけではなかったようです。

「学生の頃は世界をまたにかけるビジネスマンに憧れていて、総合商社や海運会社が第一志望で、英語を使うなら外資系の企業もいいかな、と思っていたんです。でもマッキンゼーは受かるなんて思っていなくて、緊張もせず『とりあえず人生の思い出に』と記念受験したんですね」(石井さん)

ところが、緊張がなかったのが良かったのか、記念受験のつもりが内定を勝ち取ってしまった石井さん。入社してからの仕事の様子を次のように話します。

「とにかく猛烈にやることが速いですね。フルマラソンを全速力で走り続けるような、そんな感じでした。入社してからも、『何かひとつエッジが効いていないと残っていけないよ』と先輩から言われたり。会社に入ってからもプロジェクト単位で仕事が動くので、常に自分を売り込んで新しい仕事に入れてもらわないといけないんです。社内営業活動というか、就職活動というか。そうやって社内の評判を高めていかないと。上の人はどの新人が使えるとか情報交換をしているので、そういうのにうまいこと乗っからないといけないんですよね」(石井さん)

実は面接でも「マッキンゼーではできる仕事なんて何もやらせないから。できないけど、自分が背伸びしてやっとギリギリでできる、そういう仕事しかやらせないけど大丈夫か」といったことを尋ねられていたのだそう。そうした中で、石井さんは「評価される」ということに怯えることもあったといいます。

そんな石井さんがお笑い芸人になろうと至った経緯は、次のようなものだそう。

「もともと芸人さんの仕事には興味はあったんですが、そういう仕事は『やってはいけない』と思っていたんですね。それは生まれ変わったらやる仕事、とか思っていて。堅気の仕事について、そこそこのお金をもらって、というのが現実的な人生だと思っていて、本当に芸人になろうと考えたことは一度もなかったんです。辞めたきっかけとしては、会社ですごく追い詰められて『これって自分が本当にやりたいことかな』って考えて。当時は変なプライドとかもあったんですけど、本当に人生一度しかないんだから、周りの目はどうでもいいなと思って。私にとっては家族と友達がいればいいな、と考えるようになったんです」(石井さん)

そして芸人になった今、改めて考えるとマッキンゼーには「周りからすごいと思われるから居た」んだと感じるのだそうです。

そんな石井さん、仕事を辞めるにあたって納得するための3つの条件があったのだそう。それは「その仕事が人より得意かどうか」「仕事が好きかどうか」「その先に何か目標があるか」の3つ。この条件を考えて、石井さんは芸人になることを決めたのだそうです。マッキンゼーにいた当時と現在の違いについて、石井さんは次のように話します。

「それまでは世の中で良しとされていたものに従っていた気がしたんです。でも、自分の心に従って生きることなく、このままワクワクすることなく終わるのかなという違和感もあって。でも今は、言い方はアレですけど、いつ死んでも後悔がないなっていう。やりたいことをチャレンジしたっていう納得感があるんですよね」(石井さん)

確かに、仕事に「納得感」は必要なもの。今の仕事に不満のある方は、一度3つの条件について考えてみるのもいいかもしれません。

【関連サイト】
「RENDEZ-VOUS」オフィシャルサイト
http://www.j-wave.co.jp/original/rendezvous/

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