J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。1月30日(水)のオンエアでは、Licaxxxとのコンビでお届けしました。
注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は今年結成30周年を迎えた電気グルーヴを特集。
1989年に結成された電気グルーヴ。メンバーは石野卓球さん、そして2019年の1年間限定で、電気グルーヴでの活動のみ「ウルトラの瀧」に改名しているピエール瀧さん。石野さんは日本のテクノシーンを牽引する存在であり、世界的に有名なDJ・トラックメーカー。瀧さんはタレントや俳優としても大活躍です。絶大な存在感を持つ2人からなる電気グルーヴは、唯一無二の音楽、そしてこれまで体験したことのないステージパフォーマンスで多くの人を虜にしてきました。
特集1日目から2日目にかけて、結成からデビュー、そして日本のテクノシーンを変えたアルバム『VITAMIN』、テレビCMに使われたことでヒットした『Shangri-La』、そして砂原良徳さんの脱退までを追ってきました。3日目はその続きから。
【1回目】電気グルーヴ「日本の音楽シーンに居場所がない、作らないと」歴史を振り返る!
【2回目】電気グルーヴ、意図せず「応援ソング」と受け取られてしまった曲は?
イベントやフェスで電気グルーヴと共演することもあるLicaxxxは、ある理由から石野さんに気に入られていると話します。
Licaxxx:近年、卓球さんのエキセントリックな会話についていける後輩がいなかったらしいんです。でも、私は普通に受け入れていて、変な後輩として扱われています(笑)。
そんなLicaxxxは、1月23日(水)に発売された電気グルーヴのニューアルバム『30』にゲストアーティストとして参加しています。
■石野と瀧の共通点は「エレクトロ・テクノ・ディスコ」
1999年、砂原さんの脱退後に、ストップしていたアルバムのレコーディングを再開。再び2人になって手探りのまま曲作りを進めていくなか、石野さんと瀧さんの共通点をあらためて考えた末に、「エレクトロ・テクノ・ディスコしかないんじゃないか」ということでシングル『FLASHBACK DISCO』が誕生しました。この曲は今でも2人の特別な曲になっているそうです。
■レイヴイベント「WIRE」開催
さらに同年、石野さんは自身がオーガナイザーとなって日本最大級のレイヴイベント「WIRE」を開催します。
Licaxxx:卓球さんがヨーロッパで電気グルーヴとしても石野卓球としても活躍するようになったあとに、「ヨーロッパのようなレイヴイベントを日本でもやらないといけない」ということで。どのフロアでもダンスミュージックがしっかり流れていて、みんなが盛り上がっている状態で、私も横浜アリーナで開催されたときは遊びに行きました。始まった頃は、卓球さんならではの映像演出でテクノを聴くことが新鮮だったし、すごい空間でした。
「WIRE」は1999年から2013年まで毎年開催。横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナなど非常に大きな会場で行われ、日本でテクノの間口が大きく開かれるきっかけとなるイベントでもありました。
2014年からは新木場のクラブageHaに場所を移し「WIRED CLASH」として番外編のように開催されました。
■電気グルーヴ×スチャダラパーとして活動再開
2000年に電気グルーヴは『FLASHBACK DISCO』を含むアルバム『VOXXX』をリリース。“力を出し切ったのではないか”と感じられるほどの名作として受け止められました。翌年のデビュー10周年にはセルフトリビュート盤『The Last Supper』をリリースしますが、この年の9月にテレビ番組を通して電気グルーヴは活動休止を宣言。石野さんはソロ作品を立て続けにリリースしたり、瀧さんもタレントとして活動したりと、個人での動きが中心となりました。アルバム『VOXXX』の出来も相まって、業界関係者の中には「電気グルーヴは活動を再開しないかもしれない」と思う人もいたそうです。
しかし、3年の月日が流れた2004年に電気グルーヴは活動を再開。「電気グルーヴ×スチャダラパー」として楽曲制作をスタートし、ファーストシングル『Twilight』はJ-WAVEの2005年春のキャンペーンソングになりました。
同年6月に「電気グルーヴ×スチャダラパー」はアルバム『電気グルーヴとかスチャダラパー』をリリース。この作品で元メンバーの砂原さんは、キーボードとして参加しただけでなく、ジャケットのデザインからリミックスも手がけました。
Licaxxx:砂原さんは、仲が悪くなって脱退したわけではないですからね。そもそも彼らは友達だし、今でも本当にみなさん仲がいいです。
■1年でアルバムを2作リリース。両者の違いは?
その後、2007年に映画『グミ・チョコレート・パイン』のエンディングとして書き下ろされ、電気グルーヴとして久しぶりの音源となったシングル『少年ヤング』を発表。2008年にはテレビアニメ『墓場鬼太郎』のオープニングとなったシングル『モノノケダンス』をリリース。この2曲のタイアップシングルを経て、8年ぶりのアルバム『J-POP』を、そしてその半年後にはさらにもう1枚のアルバム『YELLOW』を発表しました。
同じ年にリリースされた2枚のアルバムの違いについて、インタビューでは、決定的な違いは責任感であると語りました。『J-POP』は8年ぶりのアルバムということで気負いがあり、一方の『YELLOW』は、作っている最中も自分たちがどこに向かっているのかわからなかったのだそうです。
Licaxxx:インタビューで「この8年の間は電気グルーヴを頼らなくても別々に活動できたから、仲がいい電気グルーヴとしての関係は吹っ切れた」みたいなことを話していて、なるほどなと思った。そこから曲を作るスピードが鬼のように速くなって、今でもものすごい勢いで楽曲を作っていますけど。
2009年には結成20周年を迎えた電気グルーヴ。その後、30周年を迎える今年までの10年を順調に過ごしてきたわけではありませんでした……。というところで3日目は終了。次回に続きます。
【4回目】電気グルーヴは「ストイックでありながら、ユーモアがある」30年の軌跡
また、次週2月4日(月)からの「FEATURE TOPICS」は、「Lemon」が史上初の200万DLを突破し歴代最高週間DLを記録するなど、今ノリに乗っているアーティスト・米津玄師を4日間かけて特集します。お楽しみに!
【この記事の放送回をradikoで聴く】
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は今年結成30周年を迎えた電気グルーヴを特集。
1989年に結成された電気グルーヴ。メンバーは石野卓球さん、そして2019年の1年間限定で、電気グルーヴでの活動のみ「ウルトラの瀧」に改名しているピエール瀧さん。石野さんは日本のテクノシーンを牽引する存在であり、世界的に有名なDJ・トラックメーカー。瀧さんはタレントや俳優としても大活躍です。絶大な存在感を持つ2人からなる電気グルーヴは、唯一無二の音楽、そしてこれまで体験したことのないステージパフォーマンスで多くの人を虜にしてきました。
特集1日目から2日目にかけて、結成からデビュー、そして日本のテクノシーンを変えたアルバム『VITAMIN』、テレビCMに使われたことでヒットした『Shangri-La』、そして砂原良徳さんの脱退までを追ってきました。3日目はその続きから。
【1回目】電気グルーヴ「日本の音楽シーンに居場所がない、作らないと」歴史を振り返る!
【2回目】電気グルーヴ、意図せず「応援ソング」と受け取られてしまった曲は?
イベントやフェスで電気グルーヴと共演することもあるLicaxxxは、ある理由から石野さんに気に入られていると話します。
Licaxxx:近年、卓球さんのエキセントリックな会話についていける後輩がいなかったらしいんです。でも、私は普通に受け入れていて、変な後輩として扱われています(笑)。
そんなLicaxxxは、1月23日(水)に発売された電気グルーヴのニューアルバム『30』にゲストアーティストとして参加しています。
■石野と瀧の共通点は「エレクトロ・テクノ・ディスコ」
1999年、砂原さんの脱退後に、ストップしていたアルバムのレコーディングを再開。再び2人になって手探りのまま曲作りを進めていくなか、石野さんと瀧さんの共通点をあらためて考えた末に、「エレクトロ・テクノ・ディスコしかないんじゃないか」ということでシングル『FLASHBACK DISCO』が誕生しました。この曲は今でも2人の特別な曲になっているそうです。
■レイヴイベント「WIRE」開催
さらに同年、石野さんは自身がオーガナイザーとなって日本最大級のレイヴイベント「WIRE」を開催します。
Licaxxx:卓球さんがヨーロッパで電気グルーヴとしても石野卓球としても活躍するようになったあとに、「ヨーロッパのようなレイヴイベントを日本でもやらないといけない」ということで。どのフロアでもダンスミュージックがしっかり流れていて、みんなが盛り上がっている状態で、私も横浜アリーナで開催されたときは遊びに行きました。始まった頃は、卓球さんならではの映像演出でテクノを聴くことが新鮮だったし、すごい空間でした。
「WIRE」は1999年から2013年まで毎年開催。横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナなど非常に大きな会場で行われ、日本でテクノの間口が大きく開かれるきっかけとなるイベントでもありました。
2014年からは新木場のクラブageHaに場所を移し「WIRED CLASH」として番外編のように開催されました。
■電気グルーヴ×スチャダラパーとして活動再開
2000年に電気グルーヴは『FLASHBACK DISCO』を含むアルバム『VOXXX』をリリース。“力を出し切ったのではないか”と感じられるほどの名作として受け止められました。翌年のデビュー10周年にはセルフトリビュート盤『The Last Supper』をリリースしますが、この年の9月にテレビ番組を通して電気グルーヴは活動休止を宣言。石野さんはソロ作品を立て続けにリリースしたり、瀧さんもタレントとして活動したりと、個人での動きが中心となりました。アルバム『VOXXX』の出来も相まって、業界関係者の中には「電気グルーヴは活動を再開しないかもしれない」と思う人もいたそうです。
しかし、3年の月日が流れた2004年に電気グルーヴは活動を再開。「電気グルーヴ×スチャダラパー」として楽曲制作をスタートし、ファーストシングル『Twilight』はJ-WAVEの2005年春のキャンペーンソングになりました。
同年6月に「電気グルーヴ×スチャダラパー」はアルバム『電気グルーヴとかスチャダラパー』をリリース。この作品で元メンバーの砂原さんは、キーボードとして参加しただけでなく、ジャケットのデザインからリミックスも手がけました。
Licaxxx:砂原さんは、仲が悪くなって脱退したわけではないですからね。そもそも彼らは友達だし、今でも本当にみなさん仲がいいです。
■1年でアルバムを2作リリース。両者の違いは?
その後、2007年に映画『グミ・チョコレート・パイン』のエンディングとして書き下ろされ、電気グルーヴとして久しぶりの音源となったシングル『少年ヤング』を発表。2008年にはテレビアニメ『墓場鬼太郎』のオープニングとなったシングル『モノノケダンス』をリリース。この2曲のタイアップシングルを経て、8年ぶりのアルバム『J-POP』を、そしてその半年後にはさらにもう1枚のアルバム『YELLOW』を発表しました。
同じ年にリリースされた2枚のアルバムの違いについて、インタビューでは、決定的な違いは責任感であると語りました。『J-POP』は8年ぶりのアルバムということで気負いがあり、一方の『YELLOW』は、作っている最中も自分たちがどこに向かっているのかわからなかったのだそうです。
Licaxxx:インタビューで「この8年の間は電気グルーヴを頼らなくても別々に活動できたから、仲がいい電気グルーヴとしての関係は吹っ切れた」みたいなことを話していて、なるほどなと思った。そこから曲を作るスピードが鬼のように速くなって、今でもものすごい勢いで楽曲を作っていますけど。
2009年には結成20周年を迎えた電気グルーヴ。その後、30周年を迎える今年までの10年を順調に過ごしてきたわけではありませんでした……。というところで3日目は終了。次回に続きます。
【4回目】電気グルーヴは「ストイックでありながら、ユーモアがある」30年の軌跡
また、次週2月4日(月)からの「FEATURE TOPICS」は、「Lemon」が史上初の200万DLを突破し歴代最高週間DLを記録するなど、今ノリに乗っているアーティスト・米津玄師を4日間かけて特集します。お楽しみに!
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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/
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