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 日本のスポーツビジネスを発展させるには「観戦グセ」をつけることが大事! 横浜DeNA初代球団社長が語る

日本のスポーツビジネスを発展させるには「観戦グセ」をつけることが大事! 横浜DeNA初代球団社長が語る

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』。お休み中の別所哲也に代わり、7月18日(水)はフリーアナウンサーの田中大貴がナビゲーターを担当しました。「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」のコーナーでは、横浜DeNAベイスターズ初代球団社長の池田 純さんが登場、スポーツとビジネスの関係について伺いました。

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■近年、スポーツのビジネス化が進んできた

池田さんは、横浜DeNAベイスターズ初代球団社長を5年間つとめ、その間に球団の売上を2倍以上に増やし黒字化したことでも知られています。近年こそ認知されるようになったスポーツのビジネス化ですが、球団社長就任時の球界の環境について伺いました。

池田:やっぱりクローズな世界です。なかなか新しい人が入っても羽ばたかせて貰えない部分もあります。しかし、この7年ぐらいでスポーツのビジネス化も進み、スポーツ界が一般の人たちに近くなった感じはあります。
田中:DeNAでの5年間、ご自分の目標は達成できましたか?
池田:私はもともと黒字化と、スタジアムを買収して一体経営にするというのがミッションであり目標だったので。
田中:女性が横浜スタジアムに多く足を運ぶようになり、今は球場が拡張されましたね。
池田:まだまだ3万数千人の球場ですが……。
田中:3万数千人ではまだまだですか?
池田:東京、大阪、福岡に大きな球場がありますからね。
田中:最終的には4万、5万人が目標ということですね。


■W杯は盛り上がったけど…「Jリーグ」を楽しむ人を増やすには

日本では、スポーツが大きな経済効果につながる国際大会が控えています。ひとつは来年に迫った「ラグビーワールドカップ2019」、そしてその翌年は「東京2020オリンピック・パラリンピック」。直近の国際大会で記憶に新しいのはサッカーの「2018 FIFAワールドカップ ロシア」です。池田さんに、今回のワールドカップのビジネス的な印象を伺うと……。

池田:誰が儲かったんだろうと思いますよね。“急に”盛り上がったじゃないですか。
田中:誰も儲かっていないということですか?
池田:スポンサードをしている人たちは儲かっているんですけど、急に盛り上がったんで、突然ロシアに行くという人も聞かなかったですし、渋谷の交差点のパブリックビューイングも金銭がからんでビジネス化されているわけでもないので、もっとビジネスとして事前に準備して発展していく必要がありますよね。
田中:まだまだ可能性ありますよね?
池田:ワールドカップイヤーですけど、Jリーグの観客動員数ってそこまで増えていないんですよ。もっと普段からサッカーを観るクセを日本の人たちにつけていかないと、Jリーグは盛り上がっていかないですね。この20年で国際大会を4年に1回は観るクセが日本国民についたじゃないですか。けどJリーグをファンじゃない人が観るかというとまだまだですよね。毎年Jリーグを見るクセを各地域につけていけないといけない。
田中:キーワードは「クセをつける」ですか。ベイスターズのときも、「クセをつけよう」という思いはありました?
池田:そうですね。横浜では野球を観るというクセがなかったんですよ。もともとジャイアンツの土地で、ベイスターズは川崎からやってきているので。野球好きだけじゃなくて、一般のそのへんの若い人も含めて「遊びに行こうよ」という場所に変えて野球をみるクセをつける、スタジアムに行くクセをつける、それが必要ですね。
田中:それをサッカー界、ラグビー界、などに横展開していけそうな感覚はありますか?
池田:サッカーはイニング間がなくて試合を一生懸命みないといけないとか、ラグビーも40分で時間が短いとか言われてるんですけど、先週オーストラリアに行ったら、ニューサウスウェールズ州選抜とクイーンズランド州選抜のマッチをやっていて、6万人のスタジアムが満員なんですよ。端っこに座っていたんですけど、どんだけ立つんだっていうくらいみんなビール買いに行くんです。すごい飲んで、すごい楽しんで、「おまえ見逃しちゃったな」「いいんだよ、楽しいから」という楽しさがスタジアムにあふれていましたね。

スポーツ観戦の楽しみ方として、「気楽にその場の空気を楽しむ」「スタジアムに行くこと自体が楽しい」という人を増やすことが重要だと言えそうです。


■ZOZOTOWN社長の「球団を買いたい」アピールは吉か凶か?

田中:日本のスポーツ界がこれから変化・進化していくべき要素はどんなことが考えられますか?
池田:勝った負けたというのは、スポーツの世界では当たり前なんですよね。それだけじゃなくて、いろいろな人にそのスポーツをやってもらうとか、そのスポーツをきっかけに運動をしたり健康を考えたり、スポーツが日本の文化になっていくことを考えるともっと広がると思います。
田中:元球団社長の観点から、先日のZOZOTOWN前澤友作社長の「球団を買いたい」発言はどうみていますか?
池田:12個しかないので閉ざされた世界なんですよ。そこを「ドーンと刺激したなあ」という印象はありますね。緻密に緻密に根回ししていろいろなことをやっていって成功しているやり方と、過去にドーンといって上手くいかなかった人たちがいますが、今回は「ドーンといったなあ」という印象があります。

今後どうなるか、注目ですね。池田さんは「僕はスポーツの全部を知りたい。それを使って、みんながやったことのないようなスポーツの文化を日本につくりたい」とも語っていました。勝敗だけでなく、ビジネス的にどう盛り上がっているかと考えるのも、スポーツに触れる楽しさを高めてくれるかもしれません。

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【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

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