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【特集その4】テイラー・スウィフト、皮肉だらけのミュージックビデオ! いきものがかり・水野も「すごい…」

【特集その4】テイラー・スウィフト、皮肉だらけのミュージックビデオ! いきものがかり・水野も「すごい…」

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。6月14日(木)のオンエアでは、いきものがかり・水野良樹とのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は11月に来日公演が決定しているテイラー・スウィフトをピックアップしています。

グラミー賞を10度受賞。過去の作品の総売上枚数は4000万枚以上、楽曲のダウンロード数は1.3億回を超えている世界的シンガー・ソングライターのテイラー・スウィフト。特集1日目の11日(月)の放送では、デビュー前から1stアルバム『Taylor Swift』でブレイクを果たす2006年まで、2日目の12日(火)は、カントリーな曲調からサウンドに変化を出してきた2010年の『Speak Now』まで、3日目の13日(水)は、2014年10月27日(月)に5枚目のアルバム『1989』を発表、2014年が残り2カ月だったにも関わらず、この年で一番売れたアルバムになったところまでを伝えました。

【特集】テイラー・スウィフトがデビュー前、注目されるために考えた作戦とは
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【特集その3】テイラー・スウィフト、スタジオでの怒りの一言が生んだ名曲とは?

■騒動が次々と…

藤田:テイラー・スウィフトのイメージはどんな感じですか?
水野:女の子が憧れるシンボルとして、すごくいいんじゃないですか? 恋もしてスキャンダル的なところも含めて、憧れる存在としてすごく素晴らしいと思います。

2014年10月にリリースしたアルバム『1989』で、80年代後半のポップミュージックの影響を表現し、ワールドツアーも大成功させたテイラー。恋愛トピックスなどで、他人からの好奇の目にさらされてしまいがちなことに対して、「惑わされずにポジティブに突き進むんだ。ふるい落としてやる。“Shake It Offしちゃうぞ”」と本人は歌っていたものの、この頃からテイラーを取り囲む環境はどんどん厳しいものになっていきました。

たとえば、元々仲が良かったというケイティ・ペリーとの「ダンサー引き抜き騒動」をきっかけとした確執や、カニエ・ウェストの妻であるキム・カーダシアンとのトラブルで、キムから「嘘つき」という意味を持つヘビの絵文字やハッシュタグを使ってSNS上で非難されるなどです。 

元カレだったカルヴィン・ハリスとの過去の共同制作楽曲に関する確執という、色恋沙汰ではない“大人の事情”に発展してしまうのではないかという、大きなトラブルもありました。有名人との人間関係トラブルが多発し、その様子を茶化すメディアによって、世間から浴びる批判の数も増えていき、すっかりイメージダウンさせられてしまいます。

水野:でも、喧嘩をオープンにできるのも素晴らしいよね。それもエンタメになるでしょうし。
藤田:元カレの話がその曲になるっていう。


■皮肉だらけのミュージックビデオ

そうした状況の中で制作を行ったテイラー。本当の自分から少し離れてしまった「評判」をテーマにした3年ぶりのアルバム『Reputation』を、2017年11月に完成させました。当然、前作のポップサウンドから表現されていた音も、大きく変化。放送では『Look What You Made Me Do』をお届けしました。

藤田:「アンタのせいで、私、こんなことやってるのよ」というのが、藤田の訳です。なぜ、敢えて訳したかというと、この楽曲のミュージックビデオをぜひチェックしてください。先ほど紹介した周囲のトラブルの元となった対象への皮肉を、これでもかとあげつらっています。



水野:観たけど、すごいですよね。
藤田:解説しているサイトもありました。「このシーンのこの部分は……」って静止画にして、「ここにある1ドル札は、アレを意味してるんじゃないか」とか、「ここに書いてあるロゴはアレなんじゃないか」って。他のセレブとのバトルが連発していた時期に「テイラーの評判、キャリアは終わった」と、散々メディアや世の中で言われていたなか、『Look What You Made Me Do』のミュージックビデオでは、文字通り「テイラーの評判は死にました」と書かれた墓から、ゾンビになったテイラーが登場しました。
水野:すごい……。
藤田:「ケイティ・ペリーに対してなんじゃないか」と言われている、ケイティそっくりの格好をしたテイラーが、グラミー賞のトロフィーを持って、車でクラッシュ。ケイティはグラミー賞を受賞していないというところを狙ったと……。
水野:そりゃ、仲が悪くなるよ。
藤田:そして、キム・カーダシアンに「このヘビ女」と言われていましたが、ミュージックビデオではたくさんのヘビが出てくるんです。
水野:ビックリしちゃったよ。どこから持ってきたんだろう(笑)。
藤田:「似たようなポーズでドリンクを飲む」みたいなのがあるんですよ。「完全にそれだろう」っていう、いろいろなところで「そういう意味でしょ?」っていうのがいっぱい出てくるんです。自分が言われていることに対して、真っ向からワンシーン、ワンシーンで返していました。 
水野:でも、怒りをストレートに表現するというのは、非常に楽といえば楽ですよね。
藤田:エンタメの作品として、こうやってみんなでガヤガヤしてもらうことで、ひとつ解決しちゃう、みたいところがありますね。
水野:表現してOKになるかどうかは文化によって違うから、向こうはOKで、みんなが楽しめるというのがいいなとは思いますけどね。


■「スターっぽい構図」?

また、テイラーの苦しみを異なる観点から描いた『Delicate』のミュージックビデオは、ガラッと作風が違うものの、歌詞に“評判”という言葉が出てきます。「評判によって自信をなくしているけれど、もしあなたが本当の自分を受け入れてくれるなら……」という切ない気持ちを歌っています。やっかみに対して怒っているわけではなく、自身の奥にある気持ちも表現しています。



水野:そういう構図が、スターっぽいなー!
藤田:そうなんです。記者とガードマンに常に囲まれて、自由を失っていくテイラーは、『Delicate』のミュージックビデオでは魔法の力で人から見えなくなり、自由を手にすることになります。人の視線を気にすることなく、雨が降る街の中でイキイキとダンスを踊ったあと、最後の最後に魔法が解け、びしょ濡れになったありのままの自分を受け止めてくれる人と出会うシーンまでが描かれています。ガードマンに囲まれるようなレベルになるっていうところがすごいんですけど、それが夢を叶えてハッピーかというと、意外とそうじゃないんです。そこには自分なりの苦しみがあるんです。こちらのミュージックビデオは、24時間で1300万回再生されたそうです。アコギを弾いたカントリーのイメージから、相当ダンスしてますから、このミュージックビデオでは。
水野:どんどん変化してるっていうのが、目に見えてわかる人ですよね。自分に起きたことをそのまま表現してるじゃないですか、リアルタイムのような、SNSのような。エンタメとして素晴らしいものになってるっていう事は大前提で、だけど、起きたことをすぐに表現することは非常に女性的だな、と思います。それが今ウケるというのも、今の時代性だと思います。

自分が抱えている苦しみや怒り、本当の自分を知っている大切な人が与えてくれる救い。アルバム『Reputation』では、その全てを偽りなくリアルに描いています。サウンド的にも変化しているテイラーは、ダークな評判に立ち向かっていった先に、今度はどんな音楽を届けてくれるのでしょうか。 

元々、ファンや家族、友人を非常に大切にしているテイラー。10代の頃から、世の中を変える音楽を等身大で作り続けてきたテイラーだからこそ、次の作品で見せてくれる景色は、きっと素晴らしいものになるでしょう。

11月20日(火)、21日(水)には、来日公演が行われます。いったい、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。

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【番組情報】
番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時-24時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/

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