『GRAND MARQUEE』のバトンを受け継ぎ、2026年10月よりJ-WAVEの夕方枠でスタートする新番組『RADIO OOPS!』(月〜木曜 16:30〜19:00)。
ダブルナビゲーターを務めるのは、バーチャルヒューマン「imma(イマ)」のプロデュースなどで世界から注目を集める沙羅ジューストーと、自身のルーツと向き合い等身大の言葉に共感が集まるセシリアももこ。
バックボーンも表現のフィールドも異なるふたりだが、通底しているのは「他人の評価に流されず、自分の芯を持つ」というしなやかな強さだ。「好き」を声に出すことすらためらわれる現代において、彼女たちはなぜラジオを選び、何を届けようとしているのか。番組開始を目前に控えたふたりに、それぞれの表現の原点とラジオへの想いを訊いた。
沙羅ジューストー(以下、沙羅):生まれは福岡ですが、10年間ほどカナダとハワイで過ごして、日本に戻って武蔵野美術大学の油絵学科に入りました。当初はアーティストを目指していたんですが、社交的な性格もあって学生時代からいろんな現場に関わって。その後、バーチャルヒューマン「imma」を手掛ける株式会社Awwにプロデューサーとして入りました。
――「Forbes 30 UNDER 30」への選出や「TED」登壇など世界的な発信を続けられていますが、アートから最先端テックに向かった原点はどこにあるのでしょうか?
沙羅:「人間はなぜものを作るのか」という興味ですね。以前、森美術館で美空ひばりさんのバーチャルヒューマンが歌う姿を観て、ものすごく感動したんです。「テクノロジーでここまで人の心を揺さぶれるなら、表現の可能性は無限だ」と確信して。いまAIやテックの最先端という、まだ誰もルールを作っていない領域に飛び込んで表現を仕掛けるのが最高に刺激的ですね。
―― 一方でセシリアさんは北海道出身で、ご自身のルーツやアイデンティティと向き合いながら発信を続けてこられました。
セシリアももこ(以下、セシリア):私は父がカメルーン人、母が日本人のミックスとして北海道で育ちました。周りに黒人がほとんどいない環境だったので、肌の色や髪質など「人と違うこと」がずっと深いコンプレックスだったんです。その後、モデルを目指したり大学受験で浪人を経験したり、何者にもなれない時期が長くありました。
――そこから、どのようにして現在の発信やコスメの活動に繋がっていったのですか?
セシリア:フリーでモデルをやっていた頃、手探りで始めたTikTokで心無い誹謗中傷を受けて活動を休止してしまったんです。完全に自分を見失っていたとき、兄から「好きなものと嫌いなものを100個書き出してみたら?」と言われて。書き並べてみると「やっぱりもの作りが好きだ」と再確認できたんです。そして、日本には自分のような肌のトーンに合うコスメが少なすぎる。「ないなら自分で作りたい」と思ったのが原点でした。
――それが現在のコスメブランド設立に向けた挑戦や、発信のモチベーションになったと。
セシリア:はい。資金もないので、まずはSNSでメイクの発信を始めたら、同じ境遇の方から「ずっと探していました」「救われました」と温かいコメントをたくさんいただいて。自分のコンプレックスから生まれた「好き」が誰かの役に立つんだと実感できたことで、ブレずに前を向けるようになりました。
セシリア:正直、昔は親の車で流れているくらいで馴染みがなかったんです。でも数年前にポッドキャストを聴いたとき、「誰かの話し声を聴いているだけで、こんなに心が落ち着くんだ」と衝撃を受けて。特に上京して一人暮らしを始めてからは、耳元から伝わる人の温もりにすごく救われました。
沙羅:私も1年半前に別所哲也さんの番組(『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』)でピンチヒッターを務めるまで、ラジオを聴く習慣がまったくありませんでした。でも生放送を経験して、リスナーからリアルタイムでダイレクトに反応が返ってくる一体感に感動したんです。
――画面を見るエンタメとは全く違う体験ですよね。
沙羅:そうなんです。今はスマホも動画も視覚情報が溢れすぎて、みんな脳が疲れ切っている。でもラジオは「音だけ」だから、日常を邪魔せずに寄り添ってくれる余白があるんです。情報過多な今だからこそ、絶対に求められるメディアだなと。私もすっかりラジオ愛に目覚めて、周りにおすすめしまくっています(笑)。
――沙羅さんは、日曜早朝の『NOICE NOISE』のナビゲーターを担当されてきましたが、ご自身の番組を持ってみていかがですか?
沙羅:朝5時からの番組なのに、私の尖ったクリエイター仲間をどんどん呼んだら、めちゃくちゃディープな内容になって(笑)。でも、綺麗な言葉で繕うのではなく、若者のリアルな疑問や本音をそのまま電波に乗せる場所があるのはすごく貴重だなと感じています。
――その上でJ-WAVEに対する印象はいかがですか?
沙羅:ディレクターの方々をはじめ、音楽とカルチャーを本気で愛している人たちが番組を作っている印象がありますね。生放送中に流れる選曲のセンスが素晴らしくて、私のプレイリストもどんどん潤いました。そんな百戦錬磨の大人たちが、夕方の枠を私たちに任せて「好きにやっておいで」と託してくれたことが本当に嬉しいです。
セシリア:スタッフの皆さんが本当に温かいですよね。私も代演(『STEP ONE』)させていただいたとき、終わったあとも居心地が良すぎて1時間半くらいブースでおしゃべりしちゃったほどで(笑)。月曜から木曜まで毎日ある帯番組なので最初は身構えましたが、「この人たちと一緒なら絶対に楽しい!」とワクワクしています。
――ちなみにセシリアさんは、ナビゲーター抜擢の知らせを聞いたときはどう思いましたか?
セシリア:「えっ、本当に私でいいの!?」って思いました(笑)。SNSのフォロワー数も数千人規模ですし、メディア的には無名に近い私を、数字ではなく中身を見て選んでくださった。その想いに全力で応えたいです。
セシリア:沙羅さんに最初にお会いしたときは、「本物のおしゃれな東京のクリエイターだ!」って圧倒されました。でも話してみるとすごく優しくて。私が北海道から上京するときも「家決まった?」「このエリアおすすめだよ」って親身にLINEをくださって、本当に頼れるお姉さんです。
沙羅:私からすると、セシリアちゃんとの出会いこそサプライズでした。ある日プロデューサーから「今から1時間後にスタジオに来れる?」と呼ばれて行ったら、北海道から来たセシリアちゃんが座っていて(笑)。完全なワイルドカードでしたけど、マイクの前で一言二言話した瞬間に「あ、この子だ!」って直感したんです。
――どのあたりに直感したのでしょうか?
沙羅:驚くほど自然体だったんです。メディア慣れした作った意見じゃなく、自分の言葉で芯のある意見を持っている。日本のマスメディアって、女性ふたりだとどちらかがサポート役に回る形が多いじゃないですか。でも私たちは、お互いが自分の人生の「主演」として対等に話せる。王道を通らずに自分で道を切り拓いてきたふたりだからこそ、リアルな会話ができると確信しました。
セシリア:今って、SNSで「これが好き」と言うだけで批判されたり、にわか扱いされたりして、自分の好きを表現するのがすごく難しくなっていますよね。私自身、お笑いや音楽が好きだけど「コアなファンに何か言われるんじゃないか」と躊躇してしまうことがありました。でも、他人の目を気にして熱量を引っ込めるのってすごく寂しい。番組を通じて、誰もが胸を張って「これが好き!」と言い合える空気を作りたいんです。
沙羅:本当にそう。「好き」を言うのがマイノリティになっている社会って、ちょっと狂っていますよね。みんな映画を観ても、レビューや他人の考察を確かめてからじゃないと感想を言えない。若者の人口が減って、大人の顔色を窺う空気が強くなっている気がします。だからこそ、理屈抜きで「好きなものは好き!」と叫ぶパワーを、この番組から取り戻したいです。
――そんなおふたりが、時間を忘れて語れる「偏愛の対象」は何ですか?
沙羅:私は「日本文化の根底にある神道のアニミズム」ですね。海外生活が長かったからこそ、日本のカルチャーを掘るのが面白くてたまらないんです。欧米ではAIやロボットに対して「人間の仕事を奪う」という危機感が強いですが、日本はファミレスのネコ型配膳ロボットを見て「可愛い!」って愛着を持つじゃないですか。
――確かに、独自の受け入れ方をしているかもしれない。
沙羅:博物館ではにわを見ておばちゃんたちが「可愛い」と写真を撮っているのを見たとき、ドラえもんも配膳ロボも全部一本の線で繋がったんです。無機物にも魂を感じて大切にする思想。「人間が世界の頂点」ではなく「人間も自然のパーツに過ぎない」というアニミズムの感覚こそ、分断が進む今の世界に一番必要な視点だと思って、ずっとディグっています。
――セシリアさんの偏愛は何でしょうか?
セシリア:私はやっぱり「メイク」です! 映画『プラダを着た悪魔2』を観に行ったときも、みんな衣装を見ているのに、私は2時間ずっと登場人物のアイシャドウや肌作りのことばかり考えていて。観終わったあとの感想を書こうと思ったとき、やっぱり出てくるのはメイクのことばかりで(笑)。自分って心底メイクが好きなんだなと再確認しましたね。
沙羅:メイクの何がセシリアちゃんをそこまで惹きつけるの?
セシリア:幼少期に『プリキュア』や海外ドラマを観て「変身」に憧れた原点もありますが、突き詰めると「自然界へのリスペクト」なんです。新しいメイクを考えるとき、私は夕焼けの空や花びらの色を見るんですよ。自然の色彩って神様が作った完璧な調和だから、人間の顔に乗せても絶対に美しい。自然の美しさを自分なりに解釈して顔に乗せる作業が、たまらなく好きなんです。
沙羅:なるほど。自然へのアプリシエーションだね。
沙羅:我が家は両親が世界大戦のオタクで、家ではずっと古いドイツ軍の行進曲が流れていたんです(笑)。だからポップスを全く知らずに育って、カナダの中学でアヴリル・ラヴィーンなどのエモロックに出会って衝撃を受けました。日本の曲をほとんど知らずに帰国したんですが、高校時代に唯一YouTubeで出会って命を救われたのがRADWIMPS。そこからハチ(米津玄師)さんなどのボカロ黎明期にドハマりして、完全にオタクとして生きていましたね。今はヒップホップからハウス、XGも聴くし、個性が尖っている音楽なら何でも愛聴しています。
セシリア:私はカメルーン人の父の影響で、家ではずっとマイケル・ジャクソンやエイコン、アフリカンミュージックが爆音で流れていました。今でも街で直感的に「いいな」と思う曲はアフロビートが多いです。一方で、自分で最初に夢中になった日本の音楽はモーニング娘。やももクロなどのアイドルで、高校時代はクリープハイプや神聖かまってちゃんを聴いていました。
――おふたりとも非常に豊かでボーダーレスなルーツをお持ちですね。
セシリア:だからこそ、番組で日本の楽曲を改めてディグっていくのが楽しみなんです。リスナーの皆さんからも「この曲が最高だから聴いて!」という熱いレコメンドをたくさん教えてもらいたいですね。
セシリア:学校や仕事が終わって家路につく時間ですよね。1日の終わりに「今日も乗り切ったな」と肩の力を抜いて、クスッと笑いながら聴いてもらえる時間にしたいです。
沙羅:帰り道って、今日あったことを振り返ってちょっとエモくなる時間じゃないですか。一人暮らしの部屋に帰る前の孤独を和らげて、「ここに戻ってくれば大丈夫」と思えるような、リスナーにとっての“もうひとつの家”になれたらいいなと思います。
――今後、番組に呼んでみたいゲストはいますか?
沙羅:私は普段から、人に「2時間ノンストップで熱弁できる好きなものは何?」って聞くのが好きなんです。だから、肩書きに関係なく圧倒的な偏愛を持った人を呼びたいですね。個人的にはABEMA『愛のハイエナ』で話題になったホストの本気湊(がちみなと)さんや軍神さんをずっとJ-WAVEに呼んでほしいと言い続けています(笑)。
セシリア:私はお笑いコンビのニューヨークさん! おふたりとも本や映画、プロレスなど偏愛がものすごいので、ぜひ別々にお呼びしてディープに語り倒してほしいです(笑)。あと、今回衣装を貸してくださったビアンカさんや、米津玄師さんのように尖った美学を持つ方まで、予測不能なブッキングをしていきたいですね。
――では、最後にリスナーへのメッセージをお願いします。
セシリア:緊張して噛んじゃうところはしっかり直して頑張ります(笑)! 普段は周りを気にして言えないような「ディープな好き」を、番組のお便りに思いっきりぶちまけてください。ラジオにメールを送ったことがない方も、ぜひこの番組をきっかけに送ってもらえたら嬉しいです!
沙羅:変なラジオネームも、突拍子もないメッセージも大歓迎です。ここには一切のジャッジはありません。若い世代はもちろん、長年ラジオを愛してきたベテランの方も、みんなで夕方のJ-WAVEを面白がっていきましょう!
(文:笹谷淳介)
【番組概要】
放送局: J-WAVE(81.3FM)
番組名: RADIO OOPS!
放送日時: 毎週月曜~木曜 16:30~19:00
ナビゲーター: 沙羅ジューストー、セシリアももこ
番組HP: https://www.j-wave.co.jp/original/radiooops/
番組X: https://x.com/oops_813
番組Instargam: https://www.instagram.com/oops_813/
番組ハッシュタグ: #oops813
ダブルナビゲーターを務めるのは、バーチャルヒューマン「imma(イマ)」のプロデュースなどで世界から注目を集める沙羅ジューストーと、自身のルーツと向き合い等身大の言葉に共感が集まるセシリアももこ。
バックボーンも表現のフィールドも異なるふたりだが、通底しているのは「他人の評価に流されず、自分の芯を持つ」というしなやかな強さだ。「好き」を声に出すことすらためらわれる現代において、彼女たちはなぜラジオを選び、何を届けようとしているのか。番組開始を目前に控えたふたりに、それぞれの表現の原点とラジオへの想いを訊いた。
“王道”を通らなかったふたりが、表現にたどり着くまで
――10月からJ-WAVEの夕方枠で新番組『RADIO OOPS!』がスタートします。まずは、おふたりがどのような道を歩み、表現の世界に身を置いてきたのかを伺えますか。沙羅さんは海外生活や美大など、多彩なバックボーンをお持ちですよね。沙羅ジューストー(以下、沙羅):生まれは福岡ですが、10年間ほどカナダとハワイで過ごして、日本に戻って武蔵野美術大学の油絵学科に入りました。当初はアーティストを目指していたんですが、社交的な性格もあって学生時代からいろんな現場に関わって。その後、バーチャルヒューマン「imma」を手掛ける株式会社Awwにプロデューサーとして入りました。
――「Forbes 30 UNDER 30」への選出や「TED」登壇など世界的な発信を続けられていますが、アートから最先端テックに向かった原点はどこにあるのでしょうか?
沙羅:「人間はなぜものを作るのか」という興味ですね。以前、森美術館で美空ひばりさんのバーチャルヒューマンが歌う姿を観て、ものすごく感動したんです。「テクノロジーでここまで人の心を揺さぶれるなら、表現の可能性は無限だ」と確信して。いまAIやテックの最先端という、まだ誰もルールを作っていない領域に飛び込んで表現を仕掛けるのが最高に刺激的ですね。
―― 一方でセシリアさんは北海道出身で、ご自身のルーツやアイデンティティと向き合いながら発信を続けてこられました。
セシリアももこ(以下、セシリア):私は父がカメルーン人、母が日本人のミックスとして北海道で育ちました。周りに黒人がほとんどいない環境だったので、肌の色や髪質など「人と違うこと」がずっと深いコンプレックスだったんです。その後、モデルを目指したり大学受験で浪人を経験したり、何者にもなれない時期が長くありました。
――そこから、どのようにして現在の発信やコスメの活動に繋がっていったのですか?
セシリア:フリーでモデルをやっていた頃、手探りで始めたTikTokで心無い誹謗中傷を受けて活動を休止してしまったんです。完全に自分を見失っていたとき、兄から「好きなものと嫌いなものを100個書き出してみたら?」と言われて。書き並べてみると「やっぱりもの作りが好きだ」と再確認できたんです。そして、日本には自分のような肌のトーンに合うコスメが少なすぎる。「ないなら自分で作りたい」と思ったのが原点でした。
――それが現在のコスメブランド設立に向けた挑戦や、発信のモチベーションになったと。
セシリア:はい。資金もないので、まずはSNSでメイクの発信を始めたら、同じ境遇の方から「ずっと探していました」「救われました」と温かいコメントをたくさんいただいて。自分のコンプレックスから生まれた「好き」が誰かの役に立つんだと実感できたことで、ブレずに前を向けるようになりました。
セシリアももこ
音声だからこそ伝わる、嘘のない「体温」
――そんなおふたりにとって、これまで「ラジオ」はどんな存在でしたか?セシリア:正直、昔は親の車で流れているくらいで馴染みがなかったんです。でも数年前にポッドキャストを聴いたとき、「誰かの話し声を聴いているだけで、こんなに心が落ち着くんだ」と衝撃を受けて。特に上京して一人暮らしを始めてからは、耳元から伝わる人の温もりにすごく救われました。
沙羅:私も1年半前に別所哲也さんの番組(『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』)でピンチヒッターを務めるまで、ラジオを聴く習慣がまったくありませんでした。でも生放送を経験して、リスナーからリアルタイムでダイレクトに反応が返ってくる一体感に感動したんです。
――画面を見るエンタメとは全く違う体験ですよね。
沙羅:そうなんです。今はスマホも動画も視覚情報が溢れすぎて、みんな脳が疲れ切っている。でもラジオは「音だけ」だから、日常を邪魔せずに寄り添ってくれる余白があるんです。情報過多な今だからこそ、絶対に求められるメディアだなと。私もすっかりラジオ愛に目覚めて、周りにおすすめしまくっています(笑)。
――沙羅さんは、日曜早朝の『NOICE NOISE』のナビゲーターを担当されてきましたが、ご自身の番組を持ってみていかがですか?
沙羅:朝5時からの番組なのに、私の尖ったクリエイター仲間をどんどん呼んだら、めちゃくちゃディープな内容になって(笑)。でも、綺麗な言葉で繕うのではなく、若者のリアルな疑問や本音をそのまま電波に乗せる場所があるのはすごく貴重だなと感じています。
――その上でJ-WAVEに対する印象はいかがですか?
沙羅:ディレクターの方々をはじめ、音楽とカルチャーを本気で愛している人たちが番組を作っている印象がありますね。生放送中に流れる選曲のセンスが素晴らしくて、私のプレイリストもどんどん潤いました。そんな百戦錬磨の大人たちが、夕方の枠を私たちに任せて「好きにやっておいで」と託してくれたことが本当に嬉しいです。
セシリア:スタッフの皆さんが本当に温かいですよね。私も代演(『STEP ONE』)させていただいたとき、終わったあとも居心地が良すぎて1時間半くらいブースでおしゃべりしちゃったほどで(笑)。月曜から木曜まで毎日ある帯番組なので最初は身構えましたが、「この人たちと一緒なら絶対に楽しい!」とワクワクしています。
――ちなみにセシリアさんは、ナビゲーター抜擢の知らせを聞いたときはどう思いましたか?
セシリア:「えっ、本当に私でいいの!?」って思いました(笑)。SNSのフォロワー数も数千人規模ですし、メディア的には無名に近い私を、数字ではなく中身を見て選んでくださった。その想いに全力で応えたいです。
「誰かのサポート役」ではなく、ふたりとも“主演”として
――初めて顔を合わせたときのお互いの印象はどうでしたか?セシリア:沙羅さんに最初にお会いしたときは、「本物のおしゃれな東京のクリエイターだ!」って圧倒されました。でも話してみるとすごく優しくて。私が北海道から上京するときも「家決まった?」「このエリアおすすめだよ」って親身にLINEをくださって、本当に頼れるお姉さんです。
沙羅:私からすると、セシリアちゃんとの出会いこそサプライズでした。ある日プロデューサーから「今から1時間後にスタジオに来れる?」と呼ばれて行ったら、北海道から来たセシリアちゃんが座っていて(笑)。完全なワイルドカードでしたけど、マイクの前で一言二言話した瞬間に「あ、この子だ!」って直感したんです。
――どのあたりに直感したのでしょうか?
沙羅:驚くほど自然体だったんです。メディア慣れした作った意見じゃなく、自分の言葉で芯のある意見を持っている。日本のマスメディアって、女性ふたりだとどちらかがサポート役に回る形が多いじゃないですか。でも私たちは、お互いが自分の人生の「主演」として対等に話せる。王道を通らずに自分で道を切り拓いてきたふたりだからこそ、リアルな会話ができると確信しました。
沙羅ジューストー
「好き」を言えない時代に、カウンターを仕掛ける
――番組コンセプトには「音楽と偏愛のプログラム」とあります。いま、ラジオで「好き」を語ることの意味をどう考えていますか?セシリア:今って、SNSで「これが好き」と言うだけで批判されたり、にわか扱いされたりして、自分の好きを表現するのがすごく難しくなっていますよね。私自身、お笑いや音楽が好きだけど「コアなファンに何か言われるんじゃないか」と躊躇してしまうことがありました。でも、他人の目を気にして熱量を引っ込めるのってすごく寂しい。番組を通じて、誰もが胸を張って「これが好き!」と言い合える空気を作りたいんです。
沙羅:本当にそう。「好き」を言うのがマイノリティになっている社会って、ちょっと狂っていますよね。みんな映画を観ても、レビューや他人の考察を確かめてからじゃないと感想を言えない。若者の人口が減って、大人の顔色を窺う空気が強くなっている気がします。だからこそ、理屈抜きで「好きなものは好き!」と叫ぶパワーを、この番組から取り戻したいです。
――そんなおふたりが、時間を忘れて語れる「偏愛の対象」は何ですか?
沙羅:私は「日本文化の根底にある神道のアニミズム」ですね。海外生活が長かったからこそ、日本のカルチャーを掘るのが面白くてたまらないんです。欧米ではAIやロボットに対して「人間の仕事を奪う」という危機感が強いですが、日本はファミレスのネコ型配膳ロボットを見て「可愛い!」って愛着を持つじゃないですか。
――確かに、独自の受け入れ方をしているかもしれない。
沙羅:博物館ではにわを見ておばちゃんたちが「可愛い」と写真を撮っているのを見たとき、ドラえもんも配膳ロボも全部一本の線で繋がったんです。無機物にも魂を感じて大切にする思想。「人間が世界の頂点」ではなく「人間も自然のパーツに過ぎない」というアニミズムの感覚こそ、分断が進む今の世界に一番必要な視点だと思って、ずっとディグっています。
――セシリアさんの偏愛は何でしょうか?
セシリア:私はやっぱり「メイク」です! 映画『プラダを着た悪魔2』を観に行ったときも、みんな衣装を見ているのに、私は2時間ずっと登場人物のアイシャドウや肌作りのことばかり考えていて。観終わったあとの感想を書こうと思ったとき、やっぱり出てくるのはメイクのことばかりで(笑)。自分って心底メイクが好きなんだなと再確認しましたね。
沙羅:メイクの何がセシリアちゃんをそこまで惹きつけるの?
セシリア:幼少期に『プリキュア』や海外ドラマを観て「変身」に憧れた原点もありますが、突き詰めると「自然界へのリスペクト」なんです。新しいメイクを考えるとき、私は夕焼けの空や花びらの色を見るんですよ。自然の色彩って神様が作った完璧な調和だから、人間の顔に乗せても絶対に美しい。自然の美しさを自分なりに解釈して顔に乗せる作業が、たまらなく好きなんです。
沙羅:なるほど。自然へのアプリシエーションだね。
混沌としたルーツから出会い直す「J-POP」
――番組では「J-POP」も重要なキーワードになりますが、おふたりの音楽的遍歴は?沙羅:我が家は両親が世界大戦のオタクで、家ではずっと古いドイツ軍の行進曲が流れていたんです(笑)。だからポップスを全く知らずに育って、カナダの中学でアヴリル・ラヴィーンなどのエモロックに出会って衝撃を受けました。日本の曲をほとんど知らずに帰国したんですが、高校時代に唯一YouTubeで出会って命を救われたのがRADWIMPS。そこからハチ(米津玄師)さんなどのボカロ黎明期にドハマりして、完全にオタクとして生きていましたね。今はヒップホップからハウス、XGも聴くし、個性が尖っている音楽なら何でも愛聴しています。
セシリア:私はカメルーン人の父の影響で、家ではずっとマイケル・ジャクソンやエイコン、アフリカンミュージックが爆音で流れていました。今でも街で直感的に「いいな」と思う曲はアフロビートが多いです。一方で、自分で最初に夢中になった日本の音楽はモーニング娘。やももクロなどのアイドルで、高校時代はクリープハイプや神聖かまってちゃんを聴いていました。
――おふたりとも非常に豊かでボーダーレスなルーツをお持ちですね。
セシリア:だからこそ、番組で日本の楽曲を改めてディグっていくのが楽しみなんです。リスナーの皆さんからも「この曲が最高だから聴いて!」という熱いレコメンドをたくさん教えてもらいたいですね。
帰り道のあなたに寄り添う、もうひとつの“居場所”
――夕方16:30から19:00という時間帯、リスナーにとってどんな番組にしていきたいですか?セシリア:学校や仕事が終わって家路につく時間ですよね。1日の終わりに「今日も乗り切ったな」と肩の力を抜いて、クスッと笑いながら聴いてもらえる時間にしたいです。
沙羅:帰り道って、今日あったことを振り返ってちょっとエモくなる時間じゃないですか。一人暮らしの部屋に帰る前の孤独を和らげて、「ここに戻ってくれば大丈夫」と思えるような、リスナーにとっての“もうひとつの家”になれたらいいなと思います。
――今後、番組に呼んでみたいゲストはいますか?
沙羅:私は普段から、人に「2時間ノンストップで熱弁できる好きなものは何?」って聞くのが好きなんです。だから、肩書きに関係なく圧倒的な偏愛を持った人を呼びたいですね。個人的にはABEMA『愛のハイエナ』で話題になったホストの本気湊(がちみなと)さんや軍神さんをずっとJ-WAVEに呼んでほしいと言い続けています(笑)。
セシリア:私はお笑いコンビのニューヨークさん! おふたりとも本や映画、プロレスなど偏愛がものすごいので、ぜひ別々にお呼びしてディープに語り倒してほしいです(笑)。あと、今回衣装を貸してくださったビアンカさんや、米津玄師さんのように尖った美学を持つ方まで、予測不能なブッキングをしていきたいですね。
――では、最後にリスナーへのメッセージをお願いします。
セシリア:緊張して噛んじゃうところはしっかり直して頑張ります(笑)! 普段は周りを気にして言えないような「ディープな好き」を、番組のお便りに思いっきりぶちまけてください。ラジオにメールを送ったことがない方も、ぜひこの番組をきっかけに送ってもらえたら嬉しいです!
沙羅:変なラジオネームも、突拍子もないメッセージも大歓迎です。ここには一切のジャッジはありません。若い世代はもちろん、長年ラジオを愛してきたベテランの方も、みんなで夕方のJ-WAVEを面白がっていきましょう!
【番組概要】
放送局: J-WAVE(81.3FM)
番組名: RADIO OOPS!
放送日時: 毎週月曜~木曜 16:30~19:00
ナビゲーター: 沙羅ジューストー、セシリアももこ
番組HP: https://www.j-wave.co.jp/original/radiooops/
番組X: https://x.com/oops_813
番組Instargam: https://www.instagram.com/oops_813/
番組ハッシュタグ: #oops813
番組情報
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毎週月~木曜16:30-19:00