登山家の野口絵子が、ミス日本への挑戦から災害支援まで、さまざまな経験を通じて得た気づきを語った。
野口が登場したのは、8月11日(火・祝)放送のJ-WAVE『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MEISUI PRESENTS A DROP INTO THE FUTURE 2026』(ナビゲーター:浦浜アリサ、スーパー登山部・Hina)。「プロフェッショナルたちの源流体験を探る、9時間の旅」をテーマに、多彩なゲストが自然や水と向き合う時間を通して、それぞれの活動や表現の原点をひもとき、その源流となる「究極の一滴」を探し出していく特別番組だ。
ナビゲーターは、俳優・モデルの浦浜アリサと、5人組バンド「スーパー登山部」のボーカル・Hinaが担当。ここでは、14時台のゲストとして登場した野口絵子のパートをテキストで紹介する。
番組ではそのほか、生物学者の福岡伸一、写真家の今森光彦、画家の柴崎春通がゲストとして登場。SIRUPやスーパー登山部のスタジオライブもお届けした。
Hina:ミス日本は、外見の美しさだけではなく教養や内面、社会で活躍する行動力を総合的に評価し、未来の日本を担う女性を育成することを目的に開催されています。絵子さんがミス日本に興味を持ったきっかけは何だったんですか?
野口:ミス日本の運営の方と、まったく別のお仕事でご一緒する機会がありまして。そこで初めてミス日本のコンテストについて、いろいろと説明してもらったんです。ミス日本は、大会の前にファイナリスト期間があるんですね。その期間にいろんな勉強会があって、日本舞踊だったり、日本の歴史だったり。ときには、防衛省に行って自衛隊の方からお話を伺ったり、本当に幅広くいろんな勉強会があると聞きました。それを知ったときに、ミス日本に応募することによって自分のこれからの学びの幅が広がって、新しい扉が開くんじゃないかなと思って応募しました。
野口は、ミス日本への応募を決めた経緯について「ミス日本は女性の夢を応援し、その後押しをしてくれる場所なんです」と説明。これまでのミスコンには「選ばれて終わり」というイメージがあったものの、ミス日本では選ばれたあともサポートが受けられることを知り、興味を持ったという。「それを聞いて興味が湧き、応募しました」と振り返った。
浦浜:それまでも登山家として、いろいろな山々に挑戦して活躍されていましたよね。山に関する知識をここからまた発信することもそうですし、グランプリやファイナリストを経験することで得た知識を、山に還元できる。これも循環ですよね。
2026年7月28日には、最大震度7を観測する令和8年熊本地震が発生。野口 健と野口絵子は、ボランティアとして被災地へ向かった。
野口:私たちはNPO法人ピーク・エイドとして活動を続けているのですが、先週は「ラップポン」という簡易的な移動型のトイレを設置しました。このトイレは水を使わないお手洗いで、特殊なフィルムがあるんです。そこに用を足してボタンを押すと、フィルムがウィーンと動いて、熱の圧力で密封されるんです。圧着して、本当に「ラップしてポン」できるんですよね。
浦浜:だからラップポンなんですね!
野口:排泄物がきちんと密封された状態になるので、断水している地域でも使えますし、衛生面の管理もできます。今、被災された方たちがいろいろな不安を抱えているなかで、お手洗いをする場所でも、寝る場所でも、どんなところでも安心できる環境づくりができればと考えています。そこで、今回はラップポンを設置したり、そういった活動をしていました。能登の地震の際は寝袋を持って行き、当時は冬だったので、寝るときだけでもリラックスして、自分の時間を少しでも取り戻してほしい。少しでも落ち着ける環境をつくりたいという思いがありました。
野口は、父親が昔から災害支援活動を続けてきたことに触れ、自身も初めて父に連れて行ってもらったのが東日本大震災のときだったと振り返る。当時はまだ小学1年生で、「テレビで見るのと現地で感じるのとでは、まったく違いました」と語った。
野口:自然とずっと向き合って生きていると、本当に「明日は我が身だな」と思うんです。いつ、どこで自分たちが災害に巻き込まれるかもわからない。日本は災害が多い国なので、そこで生きていくうえで助け合うことはすごく大切です。能登でのボランティアには、友人と一緒に行っていて。災害支援活動をすることによって、ボランティアをしている人たち自身も、もし災害が自分の身に起きたときに何をすればいいのかを、自分のなかでちゃんと理解して、次に行動できるようになれると思うんです。そういう意味でも、支援活動は学びにもなります。だから私たちは、そういった活動をずっと続けています。
野口:その言葉は、実は父親が教えてくれたんです。私がA面とB面の話を最初に教えてもらったのは、富士山の清掃活動でした。父が昔から富士山の清掃活動をしていて、私は赤ちゃんのときから父に連れて行ってもらっていたんです。そこで、私のなかで最初の山の印象って「ゴミ」だったんですよ。山を楽しむ前に、自然と関わるきっかけが清掃活動だったので、山には「ゴミが捨てられている場所」というイメージがどうしてもありました。
浦浜:それは悲しい体験ですね。
野口:小さいころは登山家という父の職業も理解していなかったので、父親の職業はゴミ拾いだと思うくらい、富士山には不法投棄されたゴミがたくさんあって、その印象が強かったんですね。
浦浜:細かいゴミというより、家庭ゴミとか?
野口:そうです。タイヤとかがあります。
浦浜:ええ!? 富士山にあるんですか?
Hina:信じられない……。
野口:そうなんです。その経験があったので、私が実際に山登りをして山で過ごすときにも必ずゴミは持ち帰るようにしたり、自然を搾取するのではなく、自然と共存していくことを意識するようになりました。きれいなところだけではない、どんな物事にもいろいろな面があるので、視点を増やして見ていかなければいけない。それを教えてもらったのが、私にとっては山でした。
浦浜:生きるうえでもいろいろな場面で役に立つというか、思い起こさせられる言葉ですよね。
Hina:たとえ最初に(物事を)マイナスの面から知ったとしても、この言葉に助けられることって、すごく多そうだなと思います。
浦浜:だからこそ、プラスに持っていくためにはどうしたらいいかを考えられる。それ(マイナス面)がきっかけになったからこそ、知ることができたというのもありますね。
野口:私が山にいたり、災害の支援活動をしていたりするときにすごく思うのが、「危機感を持つことは大事だ」ということです。危機感というのは人を怖がらせるものではなくて、未来を守るために「今、何ができるか」を考えるきっかけになる感情だと思っています。たとえば、水産資源の話であれば「魚がいなくなったらどうしよう。じゃあ、守ろうか」と考える。地震の場合なら、「いつ起きるかわからない。では、食料や水を備えておこう」となる。そうやって、次の具体的な行動につながっていくんです。だからこそ、自然と向き合って生きていくなかで、危機感を大切にしておくことも必要だと思います。先ほどお話しした「マイナスからプラスに持っていく」ということも含めて、そういう意識を持って生活していく必要がある……これは私自身にも言い聞かせている言葉です。
Hina:こういうことをわかりやすい言葉でしっかり人に伝えてもらったことって、私はあまりなかったです。なんとなく頭ではわかっていたけれど、それを言葉にしてもらうと「たしかに」と思いますし、この世界、それが当たり前であってほしいな、とも思いました。
浦浜:ミス日本グランプリに選ばれた理由もわかりますし、この言語化がすごくいい影響を周りに与えてくださるんだろうなと、あらためて感じました。
野口が登場したのは、8月11日(火・祝)放送のJ-WAVE『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MEISUI PRESENTS A DROP INTO THE FUTURE 2026』(ナビゲーター:浦浜アリサ、スーパー登山部・Hina)。「プロフェッショナルたちの源流体験を探る、9時間の旅」をテーマに、多彩なゲストが自然や水と向き合う時間を通して、それぞれの活動や表現の原点をひもとき、その源流となる「究極の一滴」を探し出していく特別番組だ。
ナビゲーターは、俳優・モデルの浦浜アリサと、5人組バンド「スーパー登山部」のボーカル・Hinaが担当。ここでは、14時台のゲストとして登場した野口絵子のパートをテキストで紹介する。
番組ではそのほか、生物学者の福岡伸一、写真家の今森光彦、画家の柴崎春通がゲストとして登場。SIRUPやスーパー登山部のスタジオライブもお届けした。
学びの幅を広げたミス日本への挑戦
野口絵子は登山家として活動し、2026ミス日本グランプリとミス日本「海の日」のダブル受賞を果たした。ミス日本は、1950年から続く、日本でもっとも長い歴史を持つ伝統的な美のコンテストである。Hina:ミス日本は、外見の美しさだけではなく教養や内面、社会で活躍する行動力を総合的に評価し、未来の日本を担う女性を育成することを目的に開催されています。絵子さんがミス日本に興味を持ったきっかけは何だったんですか?
野口:ミス日本の運営の方と、まったく別のお仕事でご一緒する機会がありまして。そこで初めてミス日本のコンテストについて、いろいろと説明してもらったんです。ミス日本は、大会の前にファイナリスト期間があるんですね。その期間にいろんな勉強会があって、日本舞踊だったり、日本の歴史だったり。ときには、防衛省に行って自衛隊の方からお話を伺ったり、本当に幅広くいろんな勉強会があると聞きました。それを知ったときに、ミス日本に応募することによって自分のこれからの学びの幅が広がって、新しい扉が開くんじゃないかなと思って応募しました。
野口は、ミス日本への応募を決めた経緯について「ミス日本は女性の夢を応援し、その後押しをしてくれる場所なんです」と説明。これまでのミスコンには「選ばれて終わり」というイメージがあったものの、ミス日本では選ばれたあともサポートが受けられることを知り、興味を持ったという。「それを聞いて興味が湧き、応募しました」と振り返った。
浦浜:それまでも登山家として、いろいろな山々に挑戦して活躍されていましたよね。山に関する知識をここからまた発信することもそうですし、グランプリやファイナリストを経験することで得た知識を、山に還元できる。これも循環ですよね。
災害支援を通して身につける備えと行動
登山家の野口 健を父親に持つ野口絵子は、9歳で冬の八ヶ岳、14歳でヒマラヤ、15歳でキリマンジャロに登頂している。数々の登山を経験し、自然の美しさやダイナミックさに触れてきた一方、自然の脅威や災害の厳しさについても経験を重ねてきた。2026年7月28日には、最大震度7を観測する令和8年熊本地震が発生。野口 健と野口絵子は、ボランティアとして被災地へ向かった。
野口:私たちはNPO法人ピーク・エイドとして活動を続けているのですが、先週は「ラップポン」という簡易的な移動型のトイレを設置しました。このトイレは水を使わないお手洗いで、特殊なフィルムがあるんです。そこに用を足してボタンを押すと、フィルムがウィーンと動いて、熱の圧力で密封されるんです。圧着して、本当に「ラップしてポン」できるんですよね。
浦浜:だからラップポンなんですね!
野口:排泄物がきちんと密封された状態になるので、断水している地域でも使えますし、衛生面の管理もできます。今、被災された方たちがいろいろな不安を抱えているなかで、お手洗いをする場所でも、寝る場所でも、どんなところでも安心できる環境づくりができればと考えています。そこで、今回はラップポンを設置したり、そういった活動をしていました。能登の地震の際は寝袋を持って行き、当時は冬だったので、寝るときだけでもリラックスして、自分の時間を少しでも取り戻してほしい。少しでも落ち着ける環境をつくりたいという思いがありました。
野口は、父親が昔から災害支援活動を続けてきたことに触れ、自身も初めて父に連れて行ってもらったのが東日本大震災のときだったと振り返る。当時はまだ小学1年生で、「テレビで見るのと現地で感じるのとでは、まったく違いました」と語った。
野口:自然とずっと向き合って生きていると、本当に「明日は我が身だな」と思うんです。いつ、どこで自分たちが災害に巻き込まれるかもわからない。日本は災害が多い国なので、そこで生きていくうえで助け合うことはすごく大切です。能登でのボランティアには、友人と一緒に行っていて。災害支援活動をすることによって、ボランティアをしている人たち自身も、もし災害が自分の身に起きたときに何をすればいいのかを、自分のなかでちゃんと理解して、次に行動できるようになれると思うんです。そういう意味でも、支援活動は学びにもなります。だから私たちは、そういった活動をずっと続けています。
父が教えてくれた「A面とB面」の視点
ナビゲーターの浦浜は以前、野口絵子が「物事にはA面とB面があることを学んだ」と語っていたことについて、災害支援などの経験から生まれた言葉なのかを尋ねる。野口:その言葉は、実は父親が教えてくれたんです。私がA面とB面の話を最初に教えてもらったのは、富士山の清掃活動でした。父が昔から富士山の清掃活動をしていて、私は赤ちゃんのときから父に連れて行ってもらっていたんです。そこで、私のなかで最初の山の印象って「ゴミ」だったんですよ。山を楽しむ前に、自然と関わるきっかけが清掃活動だったので、山には「ゴミが捨てられている場所」というイメージがどうしてもありました。
浦浜:それは悲しい体験ですね。
野口:小さいころは登山家という父の職業も理解していなかったので、父親の職業はゴミ拾いだと思うくらい、富士山には不法投棄されたゴミがたくさんあって、その印象が強かったんですね。
浦浜:細かいゴミというより、家庭ゴミとか?
野口:そうです。タイヤとかがあります。
浦浜:ええ!? 富士山にあるんですか?
Hina:信じられない……。
野口:そうなんです。その経験があったので、私が実際に山登りをして山で過ごすときにも必ずゴミは持ち帰るようにしたり、自然を搾取するのではなく、自然と共存していくことを意識するようになりました。きれいなところだけではない、どんな物事にもいろいろな面があるので、視点を増やして見ていかなければいけない。それを教えてもらったのが、私にとっては山でした。
浦浜:生きるうえでもいろいろな場面で役に立つというか、思い起こさせられる言葉ですよね。
Hina:たとえ最初に(物事を)マイナスの面から知ったとしても、この言葉に助けられることって、すごく多そうだなと思います。
浦浜:だからこそ、プラスに持っていくためにはどうしたらいいかを考えられる。それ(マイナス面)がきっかけになったからこそ、知ることができたというのもありますね。
「危機感」を未来を守る力に変える
最後に浦浜は、まだまだ素敵な自然がたくさんある日本で、その恵みをいただきながら、自然と共存していくために、普段どのような意識を持って生活すればよいのか、野口に意見を訊いた。野口:私が山にいたり、災害の支援活動をしていたりするときにすごく思うのが、「危機感を持つことは大事だ」ということです。危機感というのは人を怖がらせるものではなくて、未来を守るために「今、何ができるか」を考えるきっかけになる感情だと思っています。たとえば、水産資源の話であれば「魚がいなくなったらどうしよう。じゃあ、守ろうか」と考える。地震の場合なら、「いつ起きるかわからない。では、食料や水を備えておこう」となる。そうやって、次の具体的な行動につながっていくんです。だからこそ、自然と向き合って生きていくなかで、危機感を大切にしておくことも必要だと思います。先ほどお話しした「マイナスからプラスに持っていく」ということも含めて、そういう意識を持って生活していく必要がある……これは私自身にも言い聞かせている言葉です。
Hina:こういうことをわかりやすい言葉でしっかり人に伝えてもらったことって、私はあまりなかったです。なんとなく頭ではわかっていたけれど、それを言葉にしてもらうと「たしかに」と思いますし、この世界、それが当たり前であってほしいな、とも思いました。
浦浜:ミス日本グランプリに選ばれた理由もわかりますし、この言語化がすごくいい影響を周りに与えてくださるんだろうなと、あらためて感じました。
番組情報
- J-WAVE HOLIDAY SPECIAL MEISUI PRESENTS A DROP INTO THE FUTURE 2026
-
8月11日(火・祝)9:00-17:55