Kroi内田怜央×D.A.N.櫻木大悟が音楽対談。お互いのルーツを掘り下げ、“バンド”をやる理由を問う

Kroiの内田怜央(Vo/Gt)とD.A.N.の櫻木大悟(Gt/Vo/Syn)がJ-WAVEで対談。それぞれの音楽的ルーツや、ふた組が出演するライブイベント「M bit Live」への意気込みを語った。

ふたりが登場したのは、6月7日(日)放送のJ-WAVE『M bit Project AS YOU LIKE IT』(ナビゲーター:蔦谷好位置、アユニ・D)。「好きなだけでいい。」をコンセプトに、毎回さまざまなジャンルのゲストを交えて音楽やエンターテイメントの“好き”を語るプログラムだ。

この日の放送は6月14日(日)28時ごろまで、radikoのタイムフリー機能で楽しめる。

KroiとD.A.N.による対バン企画が実現

音楽ライブプロジェクト「M bit Project」のメイン企画「M bit Live」の第7弾が、6月24日(水)に神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催。「生きていく 好きな曲がふえていく」をスローガンに掲げ、一人ひとりの人生に新たな音楽との出会いを届けるプロジェクトだ。

今回の公演ではR&B、ファンク、ヒップホップなど多彩なジャンルを自在に取り込み、現代のミクスチャーサウンドを更新し続けるKroiと、緻密なサウンドデザインと独自のミニマリズムを追求し、国内外で高い評価を受けるD.A.N.による2マンライブが実現する。ライブ開催を前に、番組ではKroiの内田怜央とD.A.N.の櫻木大悟による対談をお届け。まず内田は、対バンの経緯について説明した。

内田:対バンの経緯なんですけども、最初にM bit LiveさんからKroiにオファーをいただいて、「対バンしたいアーティストはいますか?」と訊かれたんですよ。そのとき、そういえば最近D.A.N.さんをめちゃくちゃ聴いていたなと思って「ぜひ一緒にできませんか」とお願いしたら実現しました。

櫻木:ありがとうございます、光栄です。

内田:最近また聴くようになったきっかけがあって。僕、イライジャ・フォックスがすごく好きなんですよ。2025年にWWW15周年のイベントがあったじゃないですか。あれに本当に行きたかったんですけど、ちょうど仕事とかぶって行けなくて。その無念を晴らすかのように、ずっとD.A.N.を聴いていたんですね(笑)。なので、ぜひ生で聴きたいなと思ったんです。よろしくお願いします!

櫻木:呼んでいただいてありがとうございます。

続いてふたりは、それぞれのバンドの印象を語り合う。内田は、高校2年生のころにリリースされたD.A.N.の1stアルバム『D.A.N.』の収録曲『Ghana』を聴いて、衝撃を受けたと振り返った。

D.A.N. - Ghana (Official Video)

内田:高校生くらいって、音楽好きだと「洋楽しか聴きません」みたいな時期があるじゃないですか。僕もそうだったんですけど、D.A.N.の音楽は洋楽と邦楽の境界を感じさせないというか、自然に聴ける音楽だったんですよね。それこそ『Ghana』や『Pool』のビートを聴いたときに、あんなにタイトで太くて、少し歪んだビートをかっこよく聴かせられるアーティストは今でもそんなに多くないと思って。なので、高校生のころからずっと聴いていましたね。

櫻木:ありがとうございます。自分から見たKroiは、本当にいろんな要素が詰め込まれていて、しかもみんな演奏が上手なんですよね。特に『熱海』が大好きです。

Kroi - 熱海 [Official Video] #Kroiの熱海

内田:うれしい!

櫻木:熱海という情景をすごくうまく捉えていて、明るい気持ちで聴けます。車で流していても本当に気持ちいい曲だなと思います。

内田:ありがとうございます。高校生のころの自分にこの会話を聞かせてあげたいです(笑)。

D.A.N.の音楽的ルーツを探る

ライブイベント「M bit Live」のスローガン「生きていく 好きな曲がふえていく」にちなみ、ふたりは影響を受けた楽曲やアーティストについて語り合った。

内田:D.A.N.はさまざまな音楽を吸収してできたバンドだと思うんですが、バンドを組んだのは高校生のころだったんですか?

櫻木:正確には大学生のころですね。ただ、今のメンバー同士は高校時代から知り合いで、それぞれ別のバンドをやってました。

内田:当時はどんな音楽をやっていたんですか?

櫻木:eastern youthとかNUMBER GIRLとかで、めちゃくちゃ叫んでました(笑)。ギターもギャンギャン鳴らしてましたね。

内田:へええ。そこから今の音楽性になっていったのは、いつからですか?

櫻木:大学に入ってからかな。クラブミュージックや電子音楽に興味を持ち始めて、そこからちょっと様子がおかしくなっちゃったかも(笑)。

内田:そういう時期ってありますよね(笑)。大学時代にはどんなミュージシャンを聴いていたんですか?

櫻木:Aphex TwinとかAutechreとか、Warp Records周辺のイギリスの電子音楽ですね。大学生のころにそういう音楽を聴き始めて、そこからだいぶおかしくなった(笑)。

内田:あははは(笑)。その影響が、それまでやっていた生楽器中心の音楽と混ざり合ってD.A.N.になっていった感じですか?

櫻木:そうね。もともとバンドをやっていたルーツがあって、そこに電子音楽的な要素も好きだなと思うようになった。ただ、当時はそれをどう表現すればいいかわからなかったので、とりあえず自分たちにできる形でやってみようっていう感じだったかなあ。たぶん、当時はJAMES BLAKEとかThe xxみたいな、少しダークなUKのアーティストもたくさん出てきていて、そういう影響も受けてたと思う。

内田:初めてD.A.N.を聴いたとき、世界的にもかなり最前線のサウンドを日本の音楽として鳴らしてるイメージがありました。それがめっちゃうれしかった記憶があります。続けて、影響を受けたミュージシャン、特に好きな曲についても教えてください。

櫻木:ありすぎて難しいですね(笑)。でも、バンドを始めるきっかけになったのは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとかBUMP OF CHICKENだったと思います。いわゆるJ-ROCKですね。

内田:なるほど。

櫻木:特にASIAN KUNG-FU GENERATIONのフェスには、中学生のころに横浜まで行ってました。それはひとつのルーツとしてありますね。

内田:意外なルーツですね。

レッチリの音楽性に衝撃を受けた学生時代

続いて、話題はKroiの音楽的ルーツへ。内田は、自身が5歳ごろからドラムを始めたと語る。家族に音楽をやる人はいなかったものの、幼いころに茶碗を箸で叩いて遊んでいた姿を見た両親が才能を感じたようで「これだ!」と思ったらしいと、笑いながら振り返った。

内田:その後、ドラム教室に通うことになりました。近所に子どもたちを集めて、ベンチャーズのコピーバンドをさせる、すごいおじさんがいて(笑)。寺子屋みたいな感じで勉強も教えてもらいながら、ベンチャーズのコピーバンドをやってました。

櫻木:なんか、すごい話。タイムスリップしたみたい(笑)。

内田:そのときから渋い音楽を聴く人生が決定づけられてしまったというか(笑)。そのあと、近所のお兄さんにギターを教わろうとしたら「まず布袋寅泰を弾け」と言われて(笑)。そんな感じで、小学生の時点でかなりめちゃくちゃでしたね。中学に入ってからは友だちと文化祭でアニソンを演奏したりしていて、そのころは完全にギタリストになりたかったです。

櫻木:そうなんだ!

内田:だけど、ドラムをやる人が本当にいなかったんですよね(笑)。

櫻木:中学だといないよねえ。

内田:軽音部もなかったので、「お前ドラムな」となって、またドラムを叩くようになりました。

内田は、中学2年生のころにドラムの先生から課題曲としてRed Hot Chili Peppersの『By the Way』を渡されたことが、音楽へのめり込むきっかけになったと明かした。

Red Hot Chili Peppers - By The Way [Official Music Video]

当時、YouTubeでライブ映像を観た際、ステージ上で自由奔放なパフォーマンスを繰り広げるRed Hot Chili Peppers の姿に大きな衝撃を受け、ボーカルがバスドラムを使ってジャンプする姿を見て「音楽って何でもありなんだ」と感じたという。この体験を機に、音楽への興味が一気に深まり、それまで以上に能動的に音楽を聴くようになったと語った。

櫻木:面白いなあ。スタートが早いんだね! 素晴らしいです。

ふたりが考える、バンドならではの魅力

楽曲制作における自身の癖について話がおよぶと、櫻木は「エフェクトをかけすぎがち」と明かした。

制作では、音にさまざまなエフェクトを施し、原型とはまったく異なる形になったものを切り取って、サンプルとして使うことが多いという。そうして生まれた、自分の想像を超えたアイデアに面白さを感じることが多く、「予期せぬ出会い」のような瞬間をできるだけ拾いたいタイプだと語った。

内田:エフェクトは基本的にプラグインが多いんですか?

櫻木:最近はプラグインもたくさん使うけど、実機が好きですね。ノブを回したときに変化するダイナミクスというか、グワッと変わる感じが好きで。そういう意味ではハードウェアがすごく好きです。

内田:いいですね。すごくいい話を訊けてるなあ。ちなみに、櫻木さんにとってバンドってどんな存在ですか? 今はソロでも活動できるし、バンドもできる時代じゃないですか。バンドである理由というか、バンドだからこそできることとか、バンドのよさって何だと思います?

櫻木:これはすごく深い問いですよね。本当に常日頃、考えてるし、「自分はなんでバンドをやってるんだろう」と考えることもあるな。人と人で集まって相互作用することの奇妙さというか。今の時代って、ひとりでストレスなく自分の好きなものとかアイデアを形にできると思うんです。でも人とやると、いろんなエラーが起きるし、自分のやりたいことやエゴみたいなものを捨てなきゃいけない瞬間もある。そのなかで、自分が今ここに生きているのは誰かとの相互作用によって生かされてるんだと感じる瞬間が、バンドで演奏しているとあるんですよね。そういう瞬間に自分がいることがすごく幸せだなって最近はすごく思うから、バンドをやってるって感じかな。

内田:めちゃくちゃ素敵ですね。自分は、もともとバンドをやりたかったんですよ。最初はベンチャーズのコピーバンドから始まったので。やっぱり人と関わることで、自分の想定外のところへ行ける。それがすごく魅力だなと思います。

番組では、KroiがINCOGNITOのブルーイにプロデュースを依頼して制作した『Kinetic feat. INCOGNITO』をオンエアした。

Kroi - Kinetic feat. INCOGNITO [Official Video]

Kroi×D.A.N.の化学反応に期待

さらに、バンドとしての今後のビジョンについて語り合う。櫻木はD.A.N.について「ひとまず2025年に活動を再開して、あらためてバンドをやっている感覚が少しずつ戻ってきた」と話す。

櫻木:今は新しいアルバムに向けていろいろ作ってるところです。ツアーはアジアだったり、なるべく今まで行ったことない、いろんな国に行けたらいいなって思ってます。

内田:めちゃくちゃ楽しみですね。

櫻木:Kroiは?

内田:「行けるところまで行こう」っていうノリでやってます。学生時代、周りと音楽の話があまり合わなかったことが、自分のなかではコンプレックスだった気がするんです。だからこそ、自分が好きだった音楽をたくさんの人に聴いてもらいたい願望が強いんですよね。

櫻木:なるほどね。

内田:多くの人に届く要素を持ちながら、売れてからでもいいので、いろんな人にそういう思いをばらまいていけたらいいなと思ってますね。

櫻木:いろんな人を巻き込んでいくというか、いろんな人と共鳴していくのがイメージできる音像ですよね。

内田:うれしいです! 我々Kroiは8月からZeppツアー「Kroi Live Tour 2026 “Jungle”」が始まります。ワンマン公演は名古屋、札幌、福岡、大阪、東京で開催。対バン公演も予定しています。そして何といっても、「M bit Project」でKroiとD.A.N.の対バンがございます。僕は対バンがけっこう好きで、アウェーな空間でライブをすると、自分たちがすごく進化するんですよね。D.A.N.さんとは共通点もあるし、全然違う部分もある。そのぶん、すごくいい化学反応を起こせるんじゃないかなと思っています。ぜひみなさん、楽しみにしていてください。

櫻木:よろしくお願いします!

D.A.Nは2025年に3年ぶりとなるシングル『Daydreaming』をリリース。そして、2026年の4月に新曲『Purple Sunshine』を発表した。

D.A.N. - Purple Sunshine (Official Audio)

Kroiの最新情報は公式サイトまで。
D.A.Nの最新情報は公式サイトまで。

J-WAVE『M bit Project AS YOU LIKE IT』では「好きなだけでいい。」をコンセプトに、毎回さまざまなジャンルのゲストを交えて音楽やエンターテイメントの“好き”を語るプログラム。放送は毎週日曜21時から。
radikoで聴く
2026年6月14日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
M bit Project AS YOU LIKE IT
毎週日曜
21:00-21:54

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