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横山だいすけの原点は『美しく青きドナウ』、又吉秀樹と語るクラシックとの出会い

横山だいすけの原点は『美しく青きドナウ』、又吉秀樹と語るクラシックとの出会い

“うたのおにいさん”として知られる歌手/俳優の横山だいすけが、音楽の道に進んだきっかけや、これまでの経験で学んだこと、芸能活動20周年を迎えた心境を語った。

横山が登場したのは、5月5日(火・祝)放送の『J-WAVE SPECIAL SAISON VOCE DELLA VITA』(ナビゲーター:又吉秀樹)。バリトン歌手の又吉秀樹がナビゲーターを担当し、クラシックミュージックを優しく紐解きながら“歌声”の魅力にフォーカスするスペシャルプログラムだ。

ただただ歌うのが大好きな少年だった

横山だいすけは、2006年に国立音楽大学音楽学部声楽学科を卒業。劇団四季時代は『ライオンキング』などの舞台に出演。NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』では9年間“うたのおにいさん”を務めた。卒業後はドラマや声優、CM、舞台など活動の場を広げている。

横山は登場後、「みんな元気ー?」「だいすけおにいさんも元気ー!」と明るくあいさつをする。

又吉:そもそも、音楽の道に進んだきっかけを教えてください。

横山:僕は、ただただ歌うのが大好きな少年だったんです。小学校3年生から大学生まで合唱をずっとやっていたなかで、「そんなに歌が好きだったら音楽大学っていうのもあるんだよ」って教えていただいて、国立音楽大学の夏期講習会に参加したんです。それがきっかけで師匠との出会いがあったりして。高校生のときに「“うたのおにいさん”になりたい」という夢を持って、その夢を目指していくなかで、国立音楽大学の声楽科に入りました。

又吉:学生時代に、いつ“うたのおにいさん”のオーディションがあるかとか、細かく問い合わせをしていたと聞きました。

横山:そうなんです。NHKのお客様センターに「“うたのおにいさん”のオーディションはありませんか?」なんて電話したら、「ここに電話されても困ります」ということで早々に電話を切られましたけど(笑)。自分が学生のときはネット環境もそんなに整っていなかったというか、調べてもなかなか“うたのおにいさん”の情報が出てこなかったので、年に数回、ちょっと声色を変えながら「“うたのおにいさん”のオーディションはないですか?」なんて電話をかけていたら、あるとき本当に『おかあさんといっしょ』の内線につないでいただいて、お話とその電話番号もお聞きすることができたという、本当にラッキーだったエピソードがあります。

又吉からクラシック音楽との出会いや影響を受けた作品について聞かれると、横山は歌に興味を持つきっかけになった作品として、ウォルト・ディズニー製作の実写映画『青きドナウ』を挙げた。この作品はウィーン少年合唱団を題材にした音楽映画で、横山にとって歌への関心を抱く原点になったという。

横山:主人公の子がウィーン少年合唱団に入って寮生活を過ごしていくなかで、友だちと一緒に歌を歌ったり、いろんな困難を乗り越えていく映画なんですけど、当時3、4歳くらいの僕がそれを観たときに「自分の目は青くないし、髪は黄色じゃないけど、この人たちと歌いたい!」と思ったのが歌に興味を持ったきっかけです。そのときに『菩提樹』とか『野ばら』とか、いろんな曲があったんですけど、ヨハン・シュトラウス2世の『美しく青きドナウ』とか『トリッチ・トラッチ・ポルカ』とか、そういう曲がすごく自分の心に残っていて。特に『美しく青きドナウ』を聴くと、幼少期の好きだった気持ちが蘇ってくるような気がしますね。

言葉が伝わらなければ意味がない

横山は『ライオンキング』などのミュージカル作品への出演経験もあり、そこで培った言葉を届ける力が、現在の歌唱表現にも生かされているという。

横山:国立音楽大学を卒業するときに、まだ“うたのおにいさん”のオーディションがなかったので、自分はどういう道を進んでいくんだろうというなかで、劇団四季の道を進みました。そこで子ども向けのミュージカルに何作か、そして最後に『ライオンキング』に出させてもらったんですけど、踊りながら歌う、そして気持ちを詞にのせて表現する、前に届けていく力は特にミュージカルという分野で学ばせてもらったような気がしますね。

又吉:横山さんの歌を聴いていて、言葉を伝えるのがすごくお上手な方だなって毎回感動するんです。そういう言葉を伝える技術は、劇団四季での経験も生きていたりするんですか?

横山:そうですね。とにかく劇団四季は「言葉が伝わらなければ意味がないんだ」っていう。なので、母音法を発声練習で叩き込まれたような気がしますね。“うたのおにいさん”になってからも、もうお亡くなりになったんですけども福田和禾子先生から「童謡、唱歌とか子どもの歌は歌詞が簡単で、メロディーが簡単だからこそ、聴いている子どもたちに歌詞の情景が届くように歌ってあげてください」っていちばん最初におっしゃっていただいたのが、今でも歌うときに大切にしていることではありますね。

メモ書きしながら歌った学生時代

話題は再びクラシックへ。又吉は、オペラで独唱される「アリア」のなかで、特に印象に残っている曲について尋ねた。

横山:大学生のとき、実はオペラのアリアはそんなにたくさんはやっていなくて。喉があまり強い方ではなかったのでドイツリート(ドイツ歌曲)を勉強してることが多かったんですけど、それでもオペラのアリアも勉強したなかで、最初に勉強したのが歌劇『愛の妙薬』の『人知れぬ涙』でした。

又吉:これはオペラ界でも屈指の名曲ですよね。純朴な青年ネモリーノが、自分の好きな人が自分のことを愛してることがわかって、そして自分のために涙を流してるのを見て「神様、自分はこれ以上、何も望みません」という想いがあふれる曲ですよね。

横山:その想いを最初に勉強するにあたって、どうやって歌声に反映させるんだろうって。「歌曲とアリアってちょっと違うな」と、そこで初めて壁にぶつかったというか。初めて触れたのですごく印象に残っていますし、「『愛の妙薬』とはなんぞや」というところからオペラの勉強をして、「こういう心情なんだよ」っていうのをメモ書きしながら歌った学生時代を今、思い出しましたね。

続いて横山は、オペラのアリアならではの魅力について語った。

横山:本当にいろんなアリアがあるので、楽しい気持ちもあれば、悲しみや苦しみもあって、そうした感情を音で伝えられるというところが、特に魅力なのではないかなって学生のときに思いました。でも、僕は4年間しか勉強する機会はなかったので、又吉さんはアリアをどう感じるんですか?

又吉:アリアはだいたい物語が止まった状態で感情を吐露する部分なので、とっても難しい場所を頑張って技術と心を使ってお客さんと勝負する、そして感動してもらうという、そういう時間かなと思いますね。勝ち負けがあるわけではないんですけど、一緒に「こういう気持ちなんだよ、どうですか?」っていう。

横山:今、それを聞けて感動しました。今度アリアを聴くときはそういう気持ちで聴きます。「今、みなさんはこう出し切ってくれてるんだな。受け取りました!」っていう。

又吉:そうやって受け取っていただけたら、こちらも涙が出るほどうれしいです。

人生のターニングポイントにあった曲たちを収録

4月に芸能活動20周年を迎えた横山は、これまでの歳月をこう振り返る。

横山:劇団四季を2年、“うたのおにいさん”を9年、そして“うたのおにいさん”を卒業してから9年で20年なんですけれども、本当にいろんな人と巡り合って、そして歌、音楽を通して笑い合えた時間だったなって感じますね。本当にただただ感謝のひと言ですね。自分が今も歌えているのは、その人たちがいてくれて、その人たちが足を運んでくれたり、CDを買って聴いてくれたりするからこそ。それを伝える20周年にしたいなと今は感じています。

5月27日(水)には20周年のアニバーサリースペシャルアルバム『笑顔晴れ -20th Anniversary-』をリリースする。

又吉:曲目を拝見させていただいたんですけど、これは楽しみですね。子どもたちに刺さる曲はもちろん、大人も大好きな曲もあって。だから、大人も子どももワクワクする曲目だなと思いました。しかもファンの方が投票されたと。

横山:そうなんです。僕が40曲くらいを選んで、そのなかからみなさんが投票してくれて21曲を選んだんです。本当に1曲1曲がみなさんとの思い出が詰まった曲でもあり、自分の人生のターニングポイントにあった曲なんです。『You Raise Me Up』は、学生のときにバイトをしていた聖歌隊でよく花嫁の入場のときに歌っていたりとか、『ぼよよん行進曲』は2011年の震災のとき、子どもたちに勇気や希望を届けたいときにこの曲がすごく力になったり。そういう、いろんな思い出が集まっているCDになっています。

横山は8月1日(土)、2日(日)に神奈川・横浜みなとみらいホールで開催する、新感覚クラシック音楽祭「イープラス presents スタクラ 2026 in 横浜 -STAND UP! CLASSIC- supported by SAISON」に出演する(横山の出演は8月2日)。そのほか、最新情報は研音の公式サイトまで。

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番組情報
J-WAVE SPECIAL SAISON VOCE DELLA VITA
2026年5月5日(火・祝)
18:00-19:55