アーティストの川谷絵音と、いきものがかり・水野良樹がJ-WAVEで対談。川谷が複数のプロジェクトを動かし続ける理由や創作の原動力、礼賛によるいきものがかり『ブルーバード』のカバーについて語った。
川谷が登場したのは、3月7日(土)放送のJ-WAVE『Samsung SSD CREATOR'S NOTE』(ナビゲーター:水野良樹)。“今”を代表するクリエイターをゲストに迎え、ものづくりの原点を探求するプログラムだ。なお、番組はSpotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
川谷:いろいろやってないと、1個が沈んだときにどうしようもできないというか。落ち込みたくないんですよね。1個沈んだときにそのことばっかり考えてるのが嫌なので、違うことでとりあえず憂さ晴らしすると、もう1個のほうも頑張れるようになるみたいな。
水野:端から見てると落ち込みようがないじゃないですか。これだけ多作だと。
川谷:いや、やっぱりバンドって浮き沈みがあるじゃないですか。浮きのときはいいんですけど、沈んだときにそのバンドで挽回しようとするのはすごく難しいんですよね。だから、別のもので脚光を浴びて、それがもう一方を照らすみたいなほうが僕は向いてるというか。
水野:バンドごとにご自身の創作の扉的なものは切り分けてるんですか? このバンドはこういうことやる、このバンドはこういうことやるっていうふうに頭の中で意識として離れてるのか、それとも、ちょっとにじんでるのか。
川谷:最初はめっちゃ離れてたんですけど、でもにじんだり離れたりを繰り返してるみたいな感じですね。
水野:それはバンドメンバーによって変わってくるんですか?
川谷:そうですね。バンドの関係性とかもあるし。
水野:途中で混乱しないのかなってずっと思うんですけど。
川谷:混乱はします。ギターのカポの位置がわからなくなったりとか(笑)。
水野:あははは(笑)。でも、そのほうがご自身の創作の精神状態は安定するってことなんですか。
川谷:そうですね。精神状態がいちばん大事なので、精神衛生がいちばんいい状態で生活するっていう。
水野:圧力をどう変えてるんですか。たとえば、嫌なことがあったときにそれをそのまま作品に昇華するのか、制作をやっていることが気晴らしになるのか。
川谷:どっちもあるんですけど、落ち込んだときって自分ひとりで落ち込まないじゃないですか。他者がいて落ち込むじゃないですか。その自分を落ち込ませた原因に仕返しがしたいとか、そういうことが原動力になっていて、基本的には。やっぱり(高校時代に)バンドをクビにされたときに「絶対に音楽をやろう」と思ったので。ずっとそれがあるというか。
水野:逆に幸せな場面がたくさん増えてくると、それはプラスマイナスどっちになるんですか。
川谷:いや、幸せなことは増えないんですよね。自分で1回壊していくタイプなので。
水野:その壊していくことの衝動はなぜ来るんですか。
川谷:つまらなくなってくるというか。
川谷は、平穏な日々が少しでも続くと「あ、ちょっと違うな」と感じるのだという。
水野:安定が怖い?
川谷:そもそも、自分みたいな人間が安定していいと思ってないので、自分の中で「なんかおかしいな」と思うっていう感じです。
水野:なるほど。その状態のほうが面白いと思って生きてられるんですかね。
川谷:そっちのほうが制作意欲が湧くので、結果いいというか。
水野:「何のために作ってるんですか?」と言われたらどうやって答えますか。
川谷:やっぱり、なめられたくないからですね。
水野:常に戦ってる感じなんですか。
川谷:そうですね、基本的には。美しいものが作りたいとかももちろんあるんですけど、なんかやっぱり反骨心というか。
水野:作品で戦ってやろう、自分を認めさせてやろう、みたいな。
川谷:そうですね。それがずっとあるかもしれないですね。
水野:でも、めっちゃ認められてるじゃないですか。それでも?
川谷:いやいや。認められたいもあるんですけど、狭い特定の人に「いい」と思ってもらいたいっていうのがあるというか。
水野:その人の顔も見えてるんですね。
川谷:そうですね。だから続くというか。
川谷:礼賛以外は僕が基本的には舵を取ってるので、あんまりそういうことはないんですけど、礼賛に関してはボーカルのサーヤちゃんをすごく尊敬してるので、サーヤちゃんが決めることとかやることはそのとおりにやりたいなと思いますね。少し僕も言ったりはするんですけど、最終決定権はサーヤちゃんにあるっていう。そういうバンドは初めてなので。
水野:それはどうですか。楽しいですか。
川谷:楽しいですね。今まで後ろでギターを弾くっていうことがなかったので。全部まかせられる現場が1個あると、それはそれで精神衛生上いいっていうことに気づいたというか。
水野:自分が決定者じゃなくても自分が楽しめる場所があるんだって。
川谷:そうですね。前はいろいろ自分でやりすぎていて、先輩ミュージシャンに「お前、自分で全部やりすぎ」って言われたことがあって。意外と誰にも言われなかったから、その言葉で雷が落ちて「誰かにまかせないといけないんだ」って思ったのがきっかけになって。
水野:それ、経営者に言う言葉みたいじゃないですか。「マイクロマネジメントすんなよ」みたいな話ってよくありますよね。じゃあ、自分が決定権を持ったバンドの場合のコミュニケーションは、けっこう細かく「これはこうやってこうやって」っていうふうに指示していくタイプなんですか。
川谷:そうですね。
川谷は、自身が周囲をよく見ているタイプだとしたうえで、みんなの機嫌がいい状態を保てるよう、ずっと努力していると話す。
水野:ほかのメンバーのテンションコントロールもご自身のなかではなんとかしていこうってされてると。
川谷:してますね。誰と誰が組み合わせがいいとかもあるから、音楽と関係ないときとかの会話で機嫌をはかって。機嫌よくいてほしいというか。
水野:そのまわりを見る感じは、いつからなんですか?
川谷:小学生のときに「ハブられる」みたいなのってあるじゃないですか。1回ハブられたときに、すごく考えたというか。「まわりを見ないとハブられるな」っていうことに。それで学校でいちばん権力を持っている人は誰だろうって思って、そういう生徒のまわりにいました。自分に火の粉が降りかからないように。
水野:すごくたくましいですね。必ず戦場で生き残っていくスタイルを取っていくというか。そこからはずっと強いんですかね。生きるうえでの強さ、みたいな。
川谷:なんか逆境が好きなんですよね。倒す相手がいるとか、少年漫画的なものがあるほうが楽しいっていう。
水野:でも、倒される側になってきてません? だんだんキャリアも歩んできて。
川谷:でも、ずっと倒されてきた感もあるから、やっぱり倒したいときは倒したいみたいな感じですね。
水野:カバーしてみて、いかがでしたか?
川谷:大好きだった曲なので。サーヤちゃんがそもそも『ブルーバード』をやりたいって言い出して、僕らも「この曲がカバーできるんだったらいちばんありがたいし、サーヤちゃんの声で聴きたいね」みたいな話をしてたので、かなりするっと決まったというか。逆に僕らは「やらせていただけるんだ」ってありがたい気持ちでした。
水野:ありがとうございます。どこら辺から取りかかりました?
川谷:僕は元のコードをさらってから、自分流に置き換えていって。
水野:でも、サビの後ろに流れているフレージングとかも踏襲しつつ、変わっていくみたいなのもありましたよね。
川谷:あれは礼賛のもうひとりのギター(木下 哲)が踏襲したがりで、リスペクトを持ってやりたいって話をしてたからやったって感じです。
水野:ライブでやられたみたいですけど、どうでした?
川谷:カバー曲を2曲連続でやるコーナーがあって、2曲目に『ブルーバード』をやったんです。特に説明せずに始まったんですけど、歌い出しでお客さんが「うわっ!」てなっていたというか。その前の曲は洋楽だったんですけど、洋楽の50倍ぐらい盛り上がりました。
水野:ありがとうございます(笑)。
川谷:本当にメロディーが強すぎるというか。僕もいろんな人の“歌ってみた”を観るのがすごく好きなんですけど、『ブルーバード』ってやっぱりいちばん歌ってみたいというか、この曲はメロディーが本当に気持ちいいので、あらためてやっていても思いましたね。すごい曲だなって。
礼賛は2月18日にミニアルバム『キラーパス』を配信リリース。3月18日(水)にはボーナストラックを追加した同作のCDもリリースした。
川谷絵音の最新情報はX公式アカウント(@indigolaEnd)まで。
“今”を代表するクリエイターをゲストに迎え、ものづくりの原点を探求する番組『Samsung SSD CREATOR'S NOTE』は、毎週土曜21時から放送。
川谷が登場したのは、3月7日(土)放送のJ-WAVE『Samsung SSD CREATOR'S NOTE』(ナビゲーター:水野良樹)。“今”を代表するクリエイターをゲストに迎え、ものづくりの原点を探求するプログラムだ。なお、番組はSpotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
違うことで憂さ晴らしすると、もう一方も頑張れる
川谷絵音は、ゲスの極み乙女やindigo la End、礼賛などのプロジェクトをけん引している。複数のプロジェクトを動かし続けるのは、なぜなのだろうか。川谷:いろいろやってないと、1個が沈んだときにどうしようもできないというか。落ち込みたくないんですよね。1個沈んだときにそのことばっかり考えてるのが嫌なので、違うことでとりあえず憂さ晴らしすると、もう1個のほうも頑張れるようになるみたいな。
水野:端から見てると落ち込みようがないじゃないですか。これだけ多作だと。
川谷:いや、やっぱりバンドって浮き沈みがあるじゃないですか。浮きのときはいいんですけど、沈んだときにそのバンドで挽回しようとするのはすごく難しいんですよね。だから、別のもので脚光を浴びて、それがもう一方を照らすみたいなほうが僕は向いてるというか。
水野:バンドごとにご自身の創作の扉的なものは切り分けてるんですか? このバンドはこういうことやる、このバンドはこういうことやるっていうふうに頭の中で意識として離れてるのか、それとも、ちょっとにじんでるのか。
川谷:最初はめっちゃ離れてたんですけど、でもにじんだり離れたりを繰り返してるみたいな感じですね。
水野:それはバンドメンバーによって変わってくるんですか?
川谷:そうですね。バンドの関係性とかもあるし。
水野:途中で混乱しないのかなってずっと思うんですけど。
川谷:混乱はします。ギターのカポの位置がわからなくなったりとか(笑)。
水野:あははは(笑)。でも、そのほうがご自身の創作の精神状態は安定するってことなんですか。
川谷:そうですね。精神状態がいちばん大事なので、精神衛生がいちばんいい状態で生活するっていう。
「なめられたくない」から作り続ける
「メンタルが落ちたとき、創作の生産性は下がるか?」と水野が尋ねると、川谷は「落ちたほうが上がる」と意外な答えを返した。水野:圧力をどう変えてるんですか。たとえば、嫌なことがあったときにそれをそのまま作品に昇華するのか、制作をやっていることが気晴らしになるのか。
川谷:どっちもあるんですけど、落ち込んだときって自分ひとりで落ち込まないじゃないですか。他者がいて落ち込むじゃないですか。その自分を落ち込ませた原因に仕返しがしたいとか、そういうことが原動力になっていて、基本的には。やっぱり(高校時代に)バンドをクビにされたときに「絶対に音楽をやろう」と思ったので。ずっとそれがあるというか。
水野:逆に幸せな場面がたくさん増えてくると、それはプラスマイナスどっちになるんですか。
川谷:いや、幸せなことは増えないんですよね。自分で1回壊していくタイプなので。
水野:その壊していくことの衝動はなぜ来るんですか。
川谷:つまらなくなってくるというか。
川谷は、平穏な日々が少しでも続くと「あ、ちょっと違うな」と感じるのだという。
水野:安定が怖い?
川谷:そもそも、自分みたいな人間が安定していいと思ってないので、自分の中で「なんかおかしいな」と思うっていう感じです。
水野:なるほど。その状態のほうが面白いと思って生きてられるんですかね。
川谷:そっちのほうが制作意欲が湧くので、結果いいというか。
水野:「何のために作ってるんですか?」と言われたらどうやって答えますか。
川谷:やっぱり、なめられたくないからですね。
水野:常に戦ってる感じなんですか。
川谷:そうですね、基本的には。美しいものが作りたいとかももちろんあるんですけど、なんかやっぱり反骨心というか。
水野:作品で戦ってやろう、自分を認めさせてやろう、みたいな。
川谷:そうですね。それがずっとあるかもしれないですね。
水野:でも、めっちゃ認められてるじゃないですか。それでも?
川谷:いやいや。認められたいもあるんですけど、狭い特定の人に「いい」と思ってもらいたいっていうのがあるというか。
水野:その人の顔も見えてるんですね。
川谷:そうですね。だから続くというか。
雷が落ちた先輩ミュージシャンの助言
水野は「バンドでは誰かしらの意見が必ず出てきてしまうが、それにどう向き合っているのか」と川谷に質問する。川谷:礼賛以外は僕が基本的には舵を取ってるので、あんまりそういうことはないんですけど、礼賛に関してはボーカルのサーヤちゃんをすごく尊敬してるので、サーヤちゃんが決めることとかやることはそのとおりにやりたいなと思いますね。少し僕も言ったりはするんですけど、最終決定権はサーヤちゃんにあるっていう。そういうバンドは初めてなので。
水野:それはどうですか。楽しいですか。
川谷:楽しいですね。今まで後ろでギターを弾くっていうことがなかったので。全部まかせられる現場が1個あると、それはそれで精神衛生上いいっていうことに気づいたというか。
水野:自分が決定者じゃなくても自分が楽しめる場所があるんだって。
川谷:そうですね。前はいろいろ自分でやりすぎていて、先輩ミュージシャンに「お前、自分で全部やりすぎ」って言われたことがあって。意外と誰にも言われなかったから、その言葉で雷が落ちて「誰かにまかせないといけないんだ」って思ったのがきっかけになって。
水野:それ、経営者に言う言葉みたいじゃないですか。「マイクロマネジメントすんなよ」みたいな話ってよくありますよね。じゃあ、自分が決定権を持ったバンドの場合のコミュニケーションは、けっこう細かく「これはこうやってこうやって」っていうふうに指示していくタイプなんですか。
川谷:そうですね。
川谷は、自身が周囲をよく見ているタイプだとしたうえで、みんなの機嫌がいい状態を保てるよう、ずっと努力していると話す。
水野:ほかのメンバーのテンションコントロールもご自身のなかではなんとかしていこうってされてると。
川谷:してますね。誰と誰が組み合わせがいいとかもあるから、音楽と関係ないときとかの会話で機嫌をはかって。機嫌よくいてほしいというか。
水野:そのまわりを見る感じは、いつからなんですか?
川谷:小学生のときに「ハブられる」みたいなのってあるじゃないですか。1回ハブられたときに、すごく考えたというか。「まわりを見ないとハブられるな」っていうことに。それで学校でいちばん権力を持っている人は誰だろうって思って、そういう生徒のまわりにいました。自分に火の粉が降りかからないように。
水野:すごくたくましいですね。必ず戦場で生き残っていくスタイルを取っていくというか。そこからはずっと強いんですかね。生きるうえでの強さ、みたいな。
川谷:なんか逆境が好きなんですよね。倒す相手がいるとか、少年漫画的なものがあるほうが楽しいっていう。
水野:でも、倒される側になってきてません? だんだんキャリアも歩んできて。
川谷:でも、ずっと倒されてきた感もあるから、やっぱり倒したいときは倒したいみたいな感じですね。
『ブルーバード』はメロディーが本当に気持ちいい
礼賛は、3月11日(水)発売のいきものがかりのコラボレーションアルバム『いきものがかりmeets2』で、『ブルーバード』をカバーした。水野:カバーしてみて、いかがでしたか?
川谷:大好きだった曲なので。サーヤちゃんがそもそも『ブルーバード』をやりたいって言い出して、僕らも「この曲がカバーできるんだったらいちばんありがたいし、サーヤちゃんの声で聴きたいね」みたいな話をしてたので、かなりするっと決まったというか。逆に僕らは「やらせていただけるんだ」ってありがたい気持ちでした。
水野:ありがとうございます。どこら辺から取りかかりました?
川谷:僕は元のコードをさらってから、自分流に置き換えていって。
水野:でも、サビの後ろに流れているフレージングとかも踏襲しつつ、変わっていくみたいなのもありましたよね。
川谷:あれは礼賛のもうひとりのギター(木下 哲)が踏襲したがりで、リスペクトを持ってやりたいって話をしてたからやったって感じです。
水野:ライブでやられたみたいですけど、どうでした?
川谷:カバー曲を2曲連続でやるコーナーがあって、2曲目に『ブルーバード』をやったんです。特に説明せずに始まったんですけど、歌い出しでお客さんが「うわっ!」てなっていたというか。その前の曲は洋楽だったんですけど、洋楽の50倍ぐらい盛り上がりました。
水野:ありがとうございます(笑)。
川谷:本当にメロディーが強すぎるというか。僕もいろんな人の“歌ってみた”を観るのがすごく好きなんですけど、『ブルーバード』ってやっぱりいちばん歌ってみたいというか、この曲はメロディーが本当に気持ちいいので、あらためてやっていても思いましたね。すごい曲だなって。
礼賛は2月18日にミニアルバム『キラーパス』を配信リリース。3月18日(水)にはボーナストラックを追加した同作のCDもリリースした。
【BIG NEWS②】
— 礼賛 (@raisan_official) January 28, 2026
ミニアルバム「キラーパス」をリリースします
配信は2月18日(水)、CDは3月18日(水)
CDはグッズやメンバー絵柄のトレカ封入、各CDショップでの特典や配信事前登録の特典もあるのでお見逃しなく
▼詳細はコチラからhttps://t.co/sAVsnX2f4x
▼特典情報https://t.co/ZvMP7vNGkJ pic.twitter.com/wyhoRmuRks
“今”を代表するクリエイターをゲストに迎え、ものづくりの原点を探求する番組『Samsung SSD CREATOR'S NOTE』は、毎週土曜21時から放送。
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2026年3月14日28時59分まで
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番組情報
- Samsung SSD CREATOR'S NOTE
-
毎週土曜21:00-21:54
-
水野良樹
