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視聴回数が3億回を突破、Netflix『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』はなぜ大ヒット? クリス・ペプラーが考察

視聴回数が3億回を突破、Netflix『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』はなぜ大ヒット? クリス・ペプラーが考察

クリス・ペプラーが、Netflixのアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』がヒットした理由を考察した。

この内容をお届けしたのは、2025年12月24日(水)放送のJ-WAVE『MIDDAY LOUNGE』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)の「MUSIC EXPLORER」。世界の音楽シーンのムーブメントを“いま”の視点で考察するコーナーだ。

『MIDDAY LOUNGE』はグローバルなルーツを持つ国際色豊かなナビゲーターたちが、リスナーと一緒に「新しい自分、新しい世界と出会う」3時間のプログラム。音楽や映画といったカルチャーを深掘りする企画も満載だ。ナビゲーターは、月曜 ハリー杉山、火曜 市川紗椰、水曜 クリス・ペプラー、木曜 ジョン・カビラが日替わりで担当している。

いまだブレイク続く『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』に注目

2025年6月20日にNetflixで配信が開始されたアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、3人組ガールズグループ・HUNTR/X(ハントリックス)が、アイドル活動の裏で人間の魂を奪おうとする悪霊を追い払う物語だ。ライバルとして登場する悪霊の5人組ボーイズグループ・Saja Boys(サジャ・ボーイズ)と、ステージ上と舞台裏の双方で戦いを繰り広げる構成になっている。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』予告編 - Netflix

本作は公開から3カ月で、Netflixで歴代最多となる累計視聴回数3億回を突破した。アメリカ経済誌『フォーブス』は2025年の「世界で最も影響力のある女性100人」ランキングを発表し、同作の主人公3人を選出。また、劇中で歌われる楽曲『Golden』は全米シングルチャートで累計8週間の首位を獲得したほか、クリスがナビゲーターを務めるJ-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(毎週日曜 13:00-16:54)でも1位を獲得している。

クリス:配信から半年経ったいまでも、各国のNetflix映画ランキングでベスト10内をキープしています。監督は韓国系カナダ人のマギー・カンで、韓国文化やK-POPと悪魔退治をくっつけたアクションを、7年間かけて構想を練り上げたそうです。共同監督のクリス・アッペルハンスは2021年に中国・アメリカ共同制作のCGアニメ『ウィッシュ・ドラゴン』の監督と脚本を務めました。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の制作を手がけたのは、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』などで知られるソニー・ピクチャーズ・アニメーションである。制作陣は韓国・アメリカ・中国・日本で構成されており、国境を越えたグローバルな融合が実現している。

また、作品のヒットには配信タイミングも大きく影響したと考えられる。K-POPがグローバルシーンでメインストリームとして成熟した時期であったからこそ、映画の成功につながったのではないかとクリスは分析する。

クリス:実は、最近になって続編の制作が発表されました。2029年公開とのことで、ここまでのヒットは想定外だったのだと思います。

「超人的なパワー」よりも「普遍的な感情」が好まれやすい?

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、アジア人の描かれ方にも特徴がある。これまでのアメリカ映画では、アジア人が「オリエンタルな存在」として扱われる傾向が強かった。しかし、本作では韓国を舞台とし、現地の言語や、キンパをはじめとする食文化が生活の延長として自然に描写されている。

クリス:キャラクターの絵柄も西洋的な美しさではなく、アジア人としての美しさがうまく描かれているのもヒットの要因だったのではないかと思います。そして、ストーリーの内容。ハントリックスは裏では悪魔と戦う勇ましいデーモン・ハンターズなのですが、リーダー格のルミには人に言えない秘密を抱えています。ルミだけでなく、登場人物はみなコンプレックスがあり、悪魔が送り込んだ男性アイドルグループのサジャ・ボーイズも、リーダー格のジヌには裏切りを行った過去があります。このように、コンプレックスに打ち勝つこと、恥ずかしさを克服することが映画の重要なポイントとなっています。

カンフーや忍者といった超人的なスーパーヒーローが活躍するアジア像ではなく、誰にでも通じる普遍的な物語を提示したことが、多くの人々を共感させたのではないかとクリスは語る。

クリス:さらに、ルミの歌声を担当するEJAEさんにもドラマがあります。EJAEさんは長年アイドルを目指していましたが、高身長や年齢の理由からデビューの機会に恵まれませんでした。その後、ソングライターとして韓国からアメリカへと渡り、この映画への起用につながります。作品では作詞・作曲に携わるだけでなく、「歌も歌ってみよう」という流れから自身も歌唱を担当しました。叶わなかった夢と向き合い、過去の葛藤や傷が結果として力になった、そんな経緯があったんですね。

作品のヒットにはナショナリズムのバランスも重要

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』は、韓国を中心とした東アジアのグローバルな感覚を前面に押し出しつつも、過度なナショナリズムを感じさせない巧みな演出が特徴である。そのバランス感覚こそが、国境を越えて受け入れられる作品性につながっていると言える。

クリス:これは、スウェディッシュ・ポップの戦略とよく似ています。ABBAやRoxette、The Cardigansなど、数多くのヒットを生んだポップグループを輩出してきたスウェーデンですが、国名を前面に出したり、国旗をアピールしたりすることはありません。ナショナリズムは他国にとっては嫌厭(けんえん)されがちになりますが、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の制作チームも、こうした点に配慮しながら、慎重に作品づくりを進めたのではないかと思われます。

2026年2月に行われる第68回グラミー賞のノミネートでは、劇中歌の『Golden』が「年間最優秀楽曲」など5部門の候補にあがっている。

“Golden” Official Lyric Video | KPop Demon Hunters | Sony Animation

クリス:重要なポイントなんですけども、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』はあくまでもアメリカ映画なんですね。そうすると、グラミー最優秀楽曲賞ノミネートも納得かなという感じです。

J-WAVE『MIDDAY LOUNGE』のコーナー「MUSIC EXPLORER」では、世界の音楽シーンのムーブメントを“いま”の視点で考察する。放送は月曜~木曜の14時ごろから。

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番組情報
MIDDAY LOUNGE
月・火・水・木曜
13:30-16:30

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