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宮沢氷魚が過去に葛藤した、コンプレックスとの向き合い方とは?

宮沢氷魚が過去に葛藤した、コンプレックスとの向き合い方とは?

俳優・宮沢氷魚が、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)の役作りや、自身のアイデンティティについて語った。

宮沢が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスがいま声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアされ、翌金曜には放送された内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストが配信される。

ここでは、6月23日(月)にオンエアした内容の一部をテキストで紹介する。

・ポッドキャストページ






時代劇だけど、いまの時代と近いものがたくさんある

宮沢氷魚は、2017年にドラマ『コウノドリ』(TBS系)第2シーズンで俳優デビューし、ドラマや映画、舞台で活躍。今年はドラマ『しあわせは食べて寝て待て』(NHK)や、現在放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に出演。また、3月には初めて翻訳を手がけた絵本『ほしがりやのクジラ』(トゥーヴァージンズ)が出版された。

クリス:いまはなんと言っても『べらぼう(〜蔦重栄華乃夢噺〜)』でしょうか。

宮沢:『べらぼう』ですね(笑)。

クリス:田沼意次の息子・田沼意知を演じられていますが。大河ドラマは初めて?

宮沢:初めてです。朝ドラの出演は2回あるんですけど。時代劇自体は以前、木村拓哉さんが主演の映画『レジェンド&バタフライ』に出演して。そのときは明智光秀を演じました。『べらぼう』は江戸時代で、そのときとは時代が違うので全体的にストーリー感というか演じ方は若干違うんですけど、初めての大河に挑戦中です。

クリス:『べらぼう』は、これまでの大河ドラマとテンポやドラマ感が違って見えるというか。

宮沢:過去の大河とは違って現代に近い作品なので、どこかいまと共通点というか、理解しやすい部分がたくさんあって。台本を読んでいて、言い回しとかは難しいんですけど、ちょっとそれを紐解いていくと、いまの時代と近いものがたくさんあったりしますね。米の話が出てくるんですけど、いま起こっている、米が足りてなくて備蓄米を出してっていうことが当時にもあって。だから、変わっているようで現代とすごく近いものがあって、だから演じていてすごく共感できる部分がたくさんありますね。

宮沢は「田沼意知の役作りは大変だった」と口にする。

宮沢:田沼意次の過去の資料とか参考文献はたくさん残ってるんですけど、意知のことってあんまり書かれていなくて、調べてもこれといったものがないんですよ。なので、意次の残してきた功績だったり、いろんなものを影で支えてきたのが意知なので、そこの想像を膨らませながら、どういったかたちでサポートしていたか、とかを考えたり。役作りはけっこう大変でしたけど、ある意味で自分のやりたいようにできるというか。

クリス:意次は渡辺 謙さんが演じられていますよね。

宮沢:以前、舞台『ピサロ』でご一緒して、そのときは僕がインカ帝国の王様で、謙さんがスペインの偉い方で。ちょっと親子に近い関係性になったところで終わっていく物語なんですけど、お互いの距離感とか、考え方は違えど尊敬している部分が、『ピサロ』で演じたふたりの関係性にちょっと近いものがあったので、なにかデジャブなような瞬間をたまに感じていましたね。

日本の学校で学んだ「自分のことは自分でやる」という意識

宮沢は、シンガーソングライターで元THE BOOMのボーカルである父・宮沢和史と、タレントの母・光岡ディオンのもとに育った。

クリス:ご両親とは舞台のこととか、いろいろ話すんですか?

宮沢:実家に帰ったときに話すというより、家族のメッセージグループがあって、そこに父や母が、僕が出演する作品の写真とか予告とかのリンクとともに「いよいよ始まるね」って送ってきてくれて。初回が終わったときは「面白かった。来週も楽しみ」みたいにメッセージを付け加えてくれますね。作品の話をするというよりは、お互いが何に出てるかとか、僕は父のライブの情報とか調べて、お互いの活動を認識してます。

クリス:「そろそろライブがあるんだな」とかね。

宮沢:「このライブのチケットはある?」ってお願いしたり(笑)。

そんな宮沢の子ども時代は、いまの活動とはまったく関係ない生活を送っていたという。

クリス:野球少年だったんですよね。

宮沢:少年野球から大学までやりました。少年野球に入る前は、僕は小学校からインターナショナルスクールに通っていたんですけど、夏休みが長いからサマーベースボールに通っていて。なので、5、6歳から野球を始めて、少年野球は7歳とかからかな。

クリス:そんなに好きだったんですね。

宮沢:スポーツは好きで、野球とサッカーとテニスもやっていて、けっこうスポーツ少年でしたね。

クリス:宮沢和史さんは甲府のご出身で、そこでも少し暮らしたそうですね。

宮沢:そのとおりです。父の母校に2年通ったのかな。それも夏休み中の2、3週間ほど、おじゃまして。

クリス:インターナショナルスクールとはカルチャーが違ったんじゃないですか。

宮沢:まったく違いました。でも、行ってよかったと思いますね。インターに行っていると、ちょっと贅沢ができちゃう部分があるんです。いわゆる日本の学校でお昼を食べたあとにみんなで掃除をするとか、黒板消しをするとか。インターはそういうことをやってくれる人がいるので、そういう経験ができなくて。日本の学校に行くと、自分のことは自分でやるっていうことも学べましたし、家庭科の授業が面白いなって。縫い物とかちょっとした料理を作ったりとか、インターってないんですよ。これから先の人生に必要なスキルを学べたので、すごくいい経験でしたね。

全部自分の強みにしよう

続いての話題は「アイデンティティ」について。クォーターである宮沢は、そのことに対する葛藤があったことを明かす。

宮沢:インターのキャンパス内にいたり、友だちといたりする時間は守られている感じがあるんですけど、いざひとりでどこかに行くとかってなると、まわりからの視線がすごく気になっていましたし、実際にいじめとかもあったので。

クリス:自分とは違うってことでね。

宮沢:特に小さいと、自分と違うものに対してすごく反応しますよね。子どもだから許される部分なのかわからないですけど、言葉が強かったり傷ついたりして。こっちも弱いので真に受けたりしてしまっていたんですけど、いま思えばそういうふうに言われる部分って、他者にはなかったことで。ある意味で嫉妬とか、ねたみも混じって言われていた部分もあるので、言われたことを全部自分の強みにしようと思って。髪色が違うとか肌が白いとか背が高いとか。

クリス:わかる。そういう時期って誰にもあるかもしれないけど、特に目立つとそういうことがよりあったと思いますよね。でも、(俳優になる前)モデルになる時点ではそういう部分が生かされたんじゃないですか。

宮沢:大きかったですね。いままでの自分のコンプレックスをある意味で全部、武器にできる仕事でもあったので。身長やルックスが他と違う部分も全部売りにできて。でも当時、僕はすごくシャイで。

クリス:それは何歳くらい?

宮沢:モデルを始めたのは大学4年くらいでした。

クリス:野球をやっていたときとモデルのお仕事の時期ってかぶるんですか?

宮沢:ちょっとかぶる時期はありました。でも、けっこうシャイで人前に立つのも得意ではなかったですね。

宮沢氷魚の最新情報は、公式サイトまで。

クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜〜木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。

・ポッドキャスト限定のエピソードはこちらから

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番組情報
TALK TO NEIGHBORS
月・火・水・木曜
13:00-13:30