(画像素材:PIXTA)
暑い日におすすめの傘や、傘の大きさの選び方、メンテナンス方法などを、世界初の「傘ソムリエ」土屋博勇喜さんが紹介した。
土屋さんが登場したのは、6月21日(土)放送のJ-WAVE『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐、山田玲奈)のコーナー「LIFE IS A GIFT」。さまざまな分野で活躍する人たちの活動にフォーカスし、そこにある物語や舞台裏を紹介するコーナーだ。
雨と紫外線に悩まされる昨今。今回は「傘を広げて夏を歩く」と題して、土屋さんに傘の最新事情や手入れの方法などを紹介してもらう。まず土屋さんに、傘の魅力に気付いたきっかけを訊いた。
土屋:小さいころから傘は苦手で、いかに使わずして乗り越えるか、ということしか考えていなかったんです。ですが、前職のホームセンター、生活雑貨のコーナーでまさかの傘の担当になったんですね。嫌いなまま販売をしていたら、お客様からお問い合わせいただいた際にお答えできなかったことがあったんです。その経験が悔しくて傘の勉強をしたら楽しくなったというところですね。
渡辺:土屋さんは新卒で大手ホームセンターに入られてレイングッズを担当。さまざまなメーカーの傘に触れて、作り手のこだわり、機能性、美しいフォルムに魅了されて傘の虜になったそうです。現在は、傘と日傘を扱うメーカーにお勤めするなか、傘ソムリエとして個人の活動もなさっています。メーカーの枠を超えて、さまざまな傘やレイングッズの使い勝手やおすすめポイントを動画などで発信しています。
土屋さんが現在保管している傘の数は200本にのぼるという。
渡辺:ソムリエということですから、自分で傘を差して納得した傘だけを紹介したいということで、さまざまな天候のなか、屋外で耐風性と撥水性のテストを行っていらっしゃいます。
山田:(実際に試した人の)感想は聞きたいですよね。
渡辺:暑さと日光で日傘を差している方も増えていますし、雨の日じゃなくても傘は手放せない時期ですね。
土屋:いまって、晴雨兼用傘をすごく耳にするようになりましたけども、そのきっかけは2020年東京オリンピックなんですよ。東京オリンピックは野外観戦も想定されていて、そのときにいろんな傘メーカーさんが「野外観戦でも使える日傘を開発しよう」ということで、開発がすごく進んだんですね。これまでの傘は一点特化型の商品が多かったんですけども、ユニセックスデザインとかユニセックスカラーの傘が増えていきました。2025年でも性別年齢問わず使える傘は継続しているものの、そこから「晴雨兼用傘の機能はそのままでプラスアルファ」というかたちに変わっています。
晴雨兼用傘とは、紫外線カット機能と防水機能の両方を備えた、晴れの日にも雨の日にも使える傘を指す。自動開閉、耐風仕様、軽量といった特徴を備えた晴雨兼用傘が増えているなか、土屋さんが特に注目しているのは「遮熱性」だという。
土屋:みなさんよく、インターネットでどんな日傘がいいか見られていると思いますが、そのときに「マイナス〇度」といった文言をよく見ますよね。実は、あれって試験場が無音の空間で閉鎖的、無風という状況で、ライトを当てて実験しているんです。なので、自然環境で検査している定義ではありません。信じるのもひとつの指標かもしれませんが、生地のスペックでいうとだいたい2度から3度と言われています。
渡辺:実験されている環境と実際に使う環境とは違いますよというのが、遮熱効果だったりするんですね。それでもマイナス2度から3度は大きいですし、特に顔の周辺だから大事ですね。
土屋さんは遮熱性に優れたおすすめの傘を2本紹介した。
山田:まずは、ウォーターフロントの「COKAGE+」です。こちらはいま話題の東レのサマーシールドIIという生地を使用していて、まるで木陰にいるような快適さだそうです。もう1本は、estaa(エスタ)の断熱パラソルで、生地と生地の間にハニカム構造アルミシートが挟まっています。熱を滞留させず、隙間の空気層が熱を逃がす仕様になっているとのことです。
土屋:まず、傘が折れないようにする方法なんですけども、みなさん無意識に傘の骨1本で風を受け止めようとしているんですよね。面で受けとめることを意識すればしっかり風を受け止められるので、壊れにくくなります。
自分に合った傘を選ぶ際は、自身の身長を考慮することも重要となる。
土屋:身長に合っていない(大きな)傘だと逆に煽られて濡れてしまいます。面が広がるのですごく風が入るんですよ。そうなると受け止めきれなくなり、風で煽られて濡れてしまったり、傘がひっくり返ります。目安として、身長160センチの方であれば、折り畳み傘で親骨55から60、長傘であれば60センチぐらいがちょうどいいです。ただ、荷物を濡らしたくないというお声もあると思いますので、そのときは5センチアップでもいいのですが、そのぶんひっくり返りやすくなります。その点にだけご注意いただけたらと思います。
土屋:雨傘(雨晴兼用傘)と晴雨兼用傘で手入れの方法が若干異なります。共通項目としては、両方とも晴れた日に陰干ししてください。晴れた日であっても雨の日であっても、風通しのよい日陰に置いてほしいです。傘を開ける場所がなければ、お風呂場で換気扇を回して置いていただくのもいいですね。そこでも開けない場合、お風呂場に物干し竿があれば、S字フックなどでぶら下げて置いていただくのでもいいです。重要なのは、そこで水を切ることです。
また、傘に付着した汚れは生地を傷めたり臭いやカビの原因となる。38度から40度の湯を傘の表面に10秒ほど流すことで、油汚れやホコリを洗い流せる。
土屋:お湯をかけたあとは防水スプレーをしていただければ大丈夫です。雨傘(雨晴兼用傘)の場合は裏にコーティングがされていませんので、低温から中温のアイロンをさっとかけることで撥水を戻すこともできます。ただ、晴雨兼用傘は熱に弱いのでアイロンは使えません。その点はご注意ください。
渡辺:傘は生地でできていますから、ちゃんとメンテナンスをしたほうがいいんですね。
『RADIO DONUTS』のコーナー「LIFE IS A GIFT」のオンエアは、毎週土曜の10時10分ごろから。
土屋さんが登場したのは、6月21日(土)放送のJ-WAVE『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐、山田玲奈)のコーナー「LIFE IS A GIFT」。さまざまな分野で活躍する人たちの活動にフォーカスし、そこにある物語や舞台裏を紹介するコーナーだ。
傘を実際に利用して使用感をテスト
今回は、世界初の「傘ソムリエ」として活動中の土屋博勇喜さんがコメント出演した。土屋さんは世の中に出回っている傘やレイングッズの使い勝手を自ら試し、開発、監修、商品紹介を手がけるなど、傘の魅力を広く伝えている。土屋:小さいころから傘は苦手で、いかに使わずして乗り越えるか、ということしか考えていなかったんです。ですが、前職のホームセンター、生活雑貨のコーナーでまさかの傘の担当になったんですね。嫌いなまま販売をしていたら、お客様からお問い合わせいただいた際にお答えできなかったことがあったんです。その経験が悔しくて傘の勉強をしたら楽しくなったというところですね。
渡辺:土屋さんは新卒で大手ホームセンターに入られてレイングッズを担当。さまざまなメーカーの傘に触れて、作り手のこだわり、機能性、美しいフォルムに魅了されて傘の虜になったそうです。現在は、傘と日傘を扱うメーカーにお勤めするなか、傘ソムリエとして個人の活動もなさっています。メーカーの枠を超えて、さまざまな傘やレイングッズの使い勝手やおすすめポイントを動画などで発信しています。
土屋さんが現在保管している傘の数は200本にのぼるという。
渡辺:ソムリエということですから、自分で傘を差して納得した傘だけを紹介したいということで、さまざまな天候のなか、屋外で耐風性と撥水性のテストを行っていらっしゃいます。
山田:(実際に試した人の)感想は聞きたいですよね。
渡辺:暑さと日光で日傘を差している方も増えていますし、雨の日じゃなくても傘は手放せない時期ですね。
遮熱性に優れた晴雨兼用傘がトレンド
最近、特に需要が高いのは、雨と紫外線対策の両方を兼ね備えた「晴雨兼用傘」だ。ここ数年、進化が加速している背景と、2025年の傘の最新事情を訊いた。土屋:いまって、晴雨兼用傘をすごく耳にするようになりましたけども、そのきっかけは2020年東京オリンピックなんですよ。東京オリンピックは野外観戦も想定されていて、そのときにいろんな傘メーカーさんが「野外観戦でも使える日傘を開発しよう」ということで、開発がすごく進んだんですね。これまでの傘は一点特化型の商品が多かったんですけども、ユニセックスデザインとかユニセックスカラーの傘が増えていきました。2025年でも性別年齢問わず使える傘は継続しているものの、そこから「晴雨兼用傘の機能はそのままでプラスアルファ」というかたちに変わっています。
晴雨兼用傘とは、紫外線カット機能と防水機能の両方を備えた、晴れの日にも雨の日にも使える傘を指す。自動開閉、耐風仕様、軽量といった特徴を備えた晴雨兼用傘が増えているなか、土屋さんが特に注目しているのは「遮熱性」だという。
土屋:みなさんよく、インターネットでどんな日傘がいいか見られていると思いますが、そのときに「マイナス〇度」といった文言をよく見ますよね。実は、あれって試験場が無音の空間で閉鎖的、無風という状況で、ライトを当てて実験しているんです。なので、自然環境で検査している定義ではありません。信じるのもひとつの指標かもしれませんが、生地のスペックでいうとだいたい2度から3度と言われています。
渡辺:実験されている環境と実際に使う環境とは違いますよというのが、遮熱効果だったりするんですね。それでもマイナス2度から3度は大きいですし、特に顔の周辺だから大事ですね。
土屋さんは遮熱性に優れたおすすめの傘を2本紹介した。
山田:まずは、ウォーターフロントの「COKAGE+」です。こちらはいま話題の東レのサマーシールドIIという生地を使用していて、まるで木陰にいるような快適さだそうです。もう1本は、estaa(エスタ)の断熱パラソルで、生地と生地の間にハニカム構造アルミシートが挟まっています。熱を滞留させず、隙間の空気層が熱を逃がす仕様になっているとのことです。
身長に合った傘を選択しよう
続いて土屋さんから意外と知られていない、折り畳み傘の正しい差し方、選び方の基本を訊いた。土屋:まず、傘が折れないようにする方法なんですけども、みなさん無意識に傘の骨1本で風を受け止めようとしているんですよね。面で受けとめることを意識すればしっかり風を受け止められるので、壊れにくくなります。
自分に合った傘を選ぶ際は、自身の身長を考慮することも重要となる。
土屋:身長に合っていない(大きな)傘だと逆に煽られて濡れてしまいます。面が広がるのですごく風が入るんですよ。そうなると受け止めきれなくなり、風で煽られて濡れてしまったり、傘がひっくり返ります。目安として、身長160センチの方であれば、折り畳み傘で親骨55から60、長傘であれば60センチぐらいがちょうどいいです。ただ、荷物を濡らしたくないというお声もあると思いますので、そのときは5センチアップでもいいのですが、そのぶんひっくり返りやすくなります。その点にだけご注意いただけたらと思います。
傘のメンテナンス方法を紹介
最後に、土屋さんはお気に入りの傘を長く愛用する手入れ法を紹介した。土屋:雨傘(雨晴兼用傘)と晴雨兼用傘で手入れの方法が若干異なります。共通項目としては、両方とも晴れた日に陰干ししてください。晴れた日であっても雨の日であっても、風通しのよい日陰に置いてほしいです。傘を開ける場所がなければ、お風呂場で換気扇を回して置いていただくのもいいですね。そこでも開けない場合、お風呂場に物干し竿があれば、S字フックなどでぶら下げて置いていただくのでもいいです。重要なのは、そこで水を切ることです。
また、傘に付着した汚れは生地を傷めたり臭いやカビの原因となる。38度から40度の湯を傘の表面に10秒ほど流すことで、油汚れやホコリを洗い流せる。
土屋:お湯をかけたあとは防水スプレーをしていただければ大丈夫です。雨傘(雨晴兼用傘)の場合は裏にコーティングがされていませんので、低温から中温のアイロンをさっとかけることで撥水を戻すこともできます。ただ、晴雨兼用傘は熱に弱いのでアイロンは使えません。その点はご注意ください。
渡辺:傘は生地でできていますから、ちゃんとメンテナンスをしたほうがいいんですね。
『RADIO DONUTS』のコーナー「LIFE IS A GIFT」のオンエアは、毎週土曜の10時10分ごろから。
番組情報
- RADIO DONUTS
-
毎週土曜8:00-12:00