怒髪天の増子直純が亀田誠治とJ-WAVEで対談。自身の人生に影響を与えた楽曲たちをセレクトした。
増子が登場したのは、5月25日(日)放送のJ-WAVE『DEFENDER BLAZE A TRAIL』(ナビゲーター:亀田誠治)。毎回、音楽を愛するゲストを迎え、その人生に寄り添ってきた音楽の話を伺うプログラムだ。
増子:これ最高ですよ。子どものころから聴いていて、燃えますよね。2024年に、せっかくの40周年だったのにバンドが3人体制になって、いろいろ大変なことがあって。そういうことがあったなかで、くじけそうになったときに、いちばん聴く曲ですね。倒れたままじゃ明日には行けないぞって、男の歌ですね。この令和に(笑)。
亀田:我々世代に沁みる曲ですよね。
増子:子守歌はリングにはないぜっていうのはね、男の戦いの場所に子守歌はないぞという。
亀田:ずっと心の中にあった曲なんですか?
増子:子どものころからありましたね。
亀田:そのころから困難なことがあるときに、この曲を聴いていたわけですね。
増子:アニソン全般がそうですね。最初にバンドをやろうと思ったのが、自分が主人公のアニソンだったらっていう。全部そうですよ(笑)。
亀田:自分が主人公なんだ(笑)。
増子:そうですよ。自分が主人公だったら、こんなときはこういう曲かなっていうのはありますね。だから、『あしたのジョー』要素はかなりありますね。結局、自分の私小説じゃないですけど、歌詞って日記みたいなものじゃないですか。ということは、自分のサントラを作っているのに近いので。アニメもそうだし、特撮ものもそうですね。『仮面ライダー』とか『ウルトラマン』とか、勧善懲悪が体に染み込んでるというね。いまの多様性とはまったく逆ですけど(笑)。全部、白黒つけるから。いま考えると、悪にも悪の事情があるんですよ。あのころは悪は悪ですから(笑)。
増子:これはかっこいいですよ。
亀田:1980年代くらいのバンド?
増子:そうですね。いわゆるジャパコアの世代ですね。いわゆるデスボイスで歌うメタルコアの先駆けなので、世界中に影響を与えてるバンドですね。なので、G.I.S.M.は海外でもすごく評価を得ているバンドで、すごいですよ。存在自体がバイオレンスの塊なので。
亀田:いまのデス系の人たちも、みんなフェイバリットなんですか。
増子:そうですね。ジャパコアのなかでも相当ですね。G.I.S.M.のTシャツとか出すと、海外でもバカ売れなんですよね。この曲が出たころって、G.I.S.M.のメンバーは20代前半なので演奏もおぼつかないところがいいんですよ。ただ、衝動が(すごくて)。これは俺が、あんまり行ってなかったんですけど、高校にこのレコードを持って行って、給食の時間に勝手に放送室に行って「これかけろ」ってガンガン流して(笑)。めちゃくちゃ怒られましたけど。この勢いで飯を食ったら大変なことになるから(笑)。
亀田:たしかに、演奏のおぼつかない衝動感ってわかりますね。いまって上手すぎるから。
増子:いまの子らって、音楽をやりたくてバンドを組むんで。でも、このころとか我々もそうですけど、衝動でバンドを組むんで、そのあとにメンバーを決めるくらいの勢いだから、いまとは似て非なるものなんですよね。
増子:俺はインベーダー世代で、小学生のときにスペースインベーダーブームがあって。そこから中学生のときにYMOのテクノが出てくるんです。いままで見たことのないもの、聴いたことのないものばっかりで。
亀田:楽器ではなく、電子音で音楽を作るっていうね。
増子:結局、テクノ以降、世界的に“完全に新しいジャンル”って出てないですよね。でも、ゲームっていまだにまだ新しいものが出るんですよ、見たことのないような。だからデジタルのものが世代的に好きで。意外かもしれないけど、俺はオフのときに聴く音楽ってデジタルのものばっかりですよ。YMOは全部持ってますし。
亀田:新しいテクノも聴くんですか?
増子:聴きますよ、有名なところは。中学生のとき、高校に入ってからもそうですけど、パンクに衝撃を受けて、そこからYMOが来たから、髪の毛は立ててもみあげだけテクノカットっていう、いま考えるとわけわからない感じでしたね(笑)。
増子:このバンドは、ここ何年もフジロックの苗場食堂とかのステージに出てて最高なんです。非常に猥雑で、昭和歌謡とちょっと南国っぽいのもあって。メンバーは15人くらいいるんですけど、いろんなショーが中に挟まってるんです。神輿を持って出てきたりとか、ふんどし姿が行ったり来たりとか、エンタメに特化されてるし、曲もすごくいいんです。
亀田:こういう猥雑な歌謡感とロック感って、いつの時代にもいいですよね。誰の心にも本当はあるんだけど出せない部分があって、それを柳家睦とラットボーンズとかが出すとね。
増子:心に火をつけるんですよ。日本にしかあり得ないジャンルなので、本当にライブがおもしろいんです。クレイジーケンバンドの横山 剣さんもすごく好きで、ゲストで何回も来てます。
亀田:増子さんの歌とも合いそうですよね。
増子:よく対バンしたりもしてますね。昔から仲いいんで。
増子:これは日本の武道の心構えというか、技を決めたあとに心を切らさない、油断しない。次に向かうための姿勢です。あと、自虐的な意味もあって、人を切って頭を冷やせって。2024年はいろいろありましたから、それも入っていますね。
ここで、『残心』収録の「エリア1020」をオンエアした。
怒髪天は現在、2026年2月まで続く全国ツアー「エリア1020 TOUR」を開催中。
亀田:何本くらいやるんですか?
増子:約30本くらいですね。ライブやってなんぼですからね。「バンドやろうぜ」イコール「ライブやろうぜ」じゃないですか。
亀田:増子さんはいつもそう言ってますよね。
増子:バンド組んで「バンドやろうぜ」って言われて、急にレコーディングではないですよね(笑)。ライブですよね。
亀田:シンプルでたしかな答え(笑)。
怒髪天の最新情報は、公式サイトまで。
『DEFENDER BLAZE A TRAIL』では、音楽を愛するゲストを迎え、人生に寄り添ってきた音楽、困難を乗り越えるときに出会った音楽について語り合う。オンエアは毎週日曜21時から。
増子が登場したのは、5月25日(日)放送のJ-WAVE『DEFENDER BLAZE A TRAIL』(ナビゲーター:亀田誠治)。毎回、音楽を愛するゲストを迎え、その人生に寄り添ってきた音楽の話を伺うプログラムだ。
歌詞って日記みたいなもの
番組では、ゲストの人生に寄り添ってきた音楽を聴きながら、その楽曲にどのようなエピソードがあるのか、話を訊いていく。まず、増子は「困難に立ち向かったときに寄り添ってくれた曲」として、アニメ『あしたのジョー』のエンディングテーマである小池朝雄の『ジョーの子守唄』をセレクトした。増子:これ最高ですよ。子どものころから聴いていて、燃えますよね。2024年に、せっかくの40周年だったのにバンドが3人体制になって、いろいろ大変なことがあって。そういうことがあったなかで、くじけそうになったときに、いちばん聴く曲ですね。倒れたままじゃ明日には行けないぞって、男の歌ですね。この令和に(笑)。
亀田:我々世代に沁みる曲ですよね。
増子:子守歌はリングにはないぜっていうのはね、男の戦いの場所に子守歌はないぞという。
亀田:ずっと心の中にあった曲なんですか?
増子:子どものころからありましたね。
亀田:そのころから困難なことがあるときに、この曲を聴いていたわけですね。
増子:アニソン全般がそうですね。最初にバンドをやろうと思ったのが、自分が主人公のアニソンだったらっていう。全部そうですよ(笑)。
亀田:自分が主人公なんだ(笑)。
増子:そうですよ。自分が主人公だったら、こんなときはこういう曲かなっていうのはありますね。だから、『あしたのジョー』要素はかなりありますね。結局、自分の私小説じゃないですけど、歌詞って日記みたいなものじゃないですか。ということは、自分のサントラを作っているのに近いので。アニメもそうだし、特撮ものもそうですね。『仮面ライダー』とか『ウルトラマン』とか、勧善懲悪が体に染み込んでるというね。いまの多様性とはまったく逆ですけど(笑)。全部、白黒つけるから。いま考えると、悪にも悪の事情があるんですよ。あのころは悪は悪ですから(笑)。
世界中に影響を与えた“ジャパコア・バンド”
続いて、増子は日本のハードコア・パンクバンド、G.I.S.M.の『Endless Blockades For the Pussyfooter』をセレクトした。増子:これはかっこいいですよ。
亀田:1980年代くらいのバンド?
増子:そうですね。いわゆるジャパコアの世代ですね。いわゆるデスボイスで歌うメタルコアの先駆けなので、世界中に影響を与えてるバンドですね。なので、G.I.S.M.は海外でもすごく評価を得ているバンドで、すごいですよ。存在自体がバイオレンスの塊なので。
亀田:いまのデス系の人たちも、みんなフェイバリットなんですか。
増子:そうですね。ジャパコアのなかでも相当ですね。G.I.S.M.のTシャツとか出すと、海外でもバカ売れなんですよね。この曲が出たころって、G.I.S.M.のメンバーは20代前半なので演奏もおぼつかないところがいいんですよ。ただ、衝動が(すごくて)。これは俺が、あんまり行ってなかったんですけど、高校にこのレコードを持って行って、給食の時間に勝手に放送室に行って「これかけろ」ってガンガン流して(笑)。めちゃくちゃ怒られましたけど。この勢いで飯を食ったら大変なことになるから(笑)。
亀田:たしかに、演奏のおぼつかない衝動感ってわかりますね。いまって上手すぎるから。
増子:いまの子らって、音楽をやりたくてバンドを組むんで。でも、このころとか我々もそうですけど、衝動でバンドを組むんで、そのあとにメンバーを決めるくらいの勢いだから、いまとは似て非なるものなんですよね。
オフのときはデジタル系の音楽ばかり聴いている
3曲目に増子はYELLOW MAGIC ORCHESTRAの『Absolute Ego Dance』を紹介した。増子:俺はインベーダー世代で、小学生のときにスペースインベーダーブームがあって。そこから中学生のときにYMOのテクノが出てくるんです。いままで見たことのないもの、聴いたことのないものばっかりで。
亀田:楽器ではなく、電子音で音楽を作るっていうね。
増子:結局、テクノ以降、世界的に“完全に新しいジャンル”って出てないですよね。でも、ゲームっていまだにまだ新しいものが出るんですよ、見たことのないような。だからデジタルのものが世代的に好きで。意外かもしれないけど、俺はオフのときに聴く音楽ってデジタルのものばっかりですよ。YMOは全部持ってますし。
亀田:新しいテクノも聴くんですか?
増子:聴きますよ、有名なところは。中学生のとき、高校に入ってからもそうですけど、パンクに衝撃を受けて、そこからYMOが来たから、髪の毛は立ててもみあげだけテクノカットっていう、いま考えるとわけわからない感じでしたね(笑)。
日本にしかあり得ないジャンル
最後に、フェスシーズンの到来にちなみ、増子は「FUJI ROCK FESTIVAL」にまつわる思い出の1曲として、友人のバンド・柳家睦とラットボーンズの『そして熱海秘宝館』を紹介した。増子:このバンドは、ここ何年もフジロックの苗場食堂とかのステージに出てて最高なんです。非常に猥雑で、昭和歌謡とちょっと南国っぽいのもあって。メンバーは15人くらいいるんですけど、いろんなショーが中に挟まってるんです。神輿を持って出てきたりとか、ふんどし姿が行ったり来たりとか、エンタメに特化されてるし、曲もすごくいいんです。
亀田:こういう猥雑な歌謡感とロック感って、いつの時代にもいいですよね。誰の心にも本当はあるんだけど出せない部分があって、それを柳家睦とラットボーンズとかが出すとね。
増子:心に火をつけるんですよ。日本にしかあり得ないジャンルなので、本当にライブがおもしろいんです。クレイジーケンバンドの横山 剣さんもすごく好きで、ゲストで何回も来てます。
亀田:増子さんの歌とも合いそうですよね。
増子:よく対バンしたりもしてますね。昔から仲いいんで。
「バンドやろうぜ」イコール「ライブやろうぜ」
人生に寄り添ってきた音楽を紹介した増子。続いて、怒髪天の活動の話題に。怒髪天は4月にニューアルバム『残心』をリリースした。増子:これは日本の武道の心構えというか、技を決めたあとに心を切らさない、油断しない。次に向かうための姿勢です。あと、自虐的な意味もあって、人を切って頭を冷やせって。2024年はいろいろありましたから、それも入っていますね。
ここで、『残心』収録の「エリア1020」をオンエアした。
怒髪天「エリア1020」Music Video
亀田:何本くらいやるんですか?
増子:約30本くらいですね。ライブやってなんぼですからね。「バンドやろうぜ」イコール「ライブやろうぜ」じゃないですか。
亀田:増子さんはいつもそう言ってますよね。
増子:バンド組んで「バンドやろうぜ」って言われて、急にレコーディングではないですよね(笑)。ライブですよね。
亀田:シンプルでたしかな答え(笑)。
怒髪天の最新情報は、公式サイトまで。
『DEFENDER BLAZE A TRAIL』では、音楽を愛するゲストを迎え、人生に寄り添ってきた音楽、困難を乗り越えるときに出会った音楽について語り合う。オンエアは毎週日曜21時から。
番組情報
- DEFENDER BLAZE A TRAIL
-
毎週日曜21:00-21:54