『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』(サンクチュアリ出版)の著者・しんめいPさんが「哲学」について語った。
しんめいPさんが登場したのは、井桁弘恵が「チーフ」としてナビゲートする、J-WAVEの番組『LOGISTEED TOMOLAB.~TOMORROW LABORATORY』(通称、トモラボ)。私たちの周りにある森羅万象を「イシュー(テーマ)」にして、各界で活躍する「フェロー」を毎週ゲストに迎えながら、明日が豊かになるヒントを探すプログラムだ。
ここでは、しんめいPさんをフェローとして迎え、「哲学」をイシューにした5月17日(土)の放送の一部をテキストで紹介する。なお、番組の内容はポッドキャストで配信中だ。
・ポッドキャストページ
しんめいPさんは東京大学法学部卒業後、大手IT企業に入社。海外勤務なども経験するが、チームでの仕事になじめず退社。地方に移住し、教育事業を手がけるが人間関係に悩み退職。その後、芸人として『R-1グランプリ』に挑戦するも1回戦で敗退し引退。実家で引きこもり生活をしていたときに、東洋哲学に出会い「自分らしさとはなにか」を考えるようになる。このときの心情を綴ったSNSが話題となり、2024年に『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』を出版した。
しんめいP:僕は、自分自身が悩むことがあって、その答えじゃないですけど「答えがあるなら、それが哲学の本とかに書いてあるのかな?」と思って。東洋哲学という分野に出会って「気持ちが楽になったかも」みたいな経験があるんです。
井桁:根本原理を突き詰めた結果、哲学にたどりついたということでしょうか。
しんめいP:根本的なことを昔の人は考えていたんだなと思っていて。「根本的過ぎて逆におもしろいところ」が、自分自身にとっては救いになりました。
井桁:私も突き詰めて考えすぎる癖があって。「これはなんで存在しているんだ」みたいなことを考えると「すごく哲学的じゃない?」と思うことがあって。一方で、(哲学が)学問だということも意外と知らなかったというか、学問として哲学が存在するんだなと。私は概念的な言葉だと思っていました。小さい子どもに「哲学ってなに?」と訊かれたら、どう答えますか?
しんめいP:「わかんない」と言うと思います。
井桁:「でも、本を出してるじゃん」となったら?
しんめいP:「わかんない」にはいろいろな意味があると僕は思っています。ひとつは普通に「意味がわからないな、哲学って」と思うところもありつつ、もうひとつは「哲学の始まり」と言われているものです。昔のギリシャの哲学者にソクラテスという人がいて、彼の有名な言葉で「無知の知」というのがあります。ソクラテスという人は「俺はめっちゃ知ってる」と言わなかったんです。「俺もわからない」みたいなスタンスで、「俺はわかっています」という人たちを話しているうちに論破する、不思議なことをやった人だと思っていて。だから「わかんない」という言葉はもしかしたら、根本的な哲学のところをとらえているのかなと思います。
井桁:哲学の本も増えている印象があります。ブームは感じますか?
しんめいP:自分も2024年に本を出しました。哲学をテーマにした本は、そんなにキャッチーじゃないので、「売れるのかな?」と思っていたんですが、本当に想像以上に読んでもらって。中学の同窓会が初めて2024年の年末にあったんです。そこに行ったらみんなが読んでくれていて、中身について質問とかされることがあって、すごくびっくりしたというか。僕がへんてこりんな人間だから哲学が好きでこういうのを書いている(と思っていた)けど、別にそういうものとまったく縁がなく普通に生活してきた昔の友だちみたいな人にもなにか響くものがあって、哲学にいまがあると思いました。
井桁:どういうところで共感やニーズが高まっているのでしょうか。
しんめいP:「世の中ムズい」という感じをみんな持っているのかなと思っています。以前、トモラボさんで生成AIの話をされていたと思いますが、「絵を描けるんだ」「詞を書けるんだ」と、めちゃくちゃクリエイティブなのはあまりみんな予想していなかったことで。「クリエイティブの仕事をしていたら食いっぱぐれないだろう」と思っていたら、いきなり「怪しいかも」みたいな状態になってきた。「こうすればなんとかなるでしょ」という、それぞれの人の人生哲学みたいなものが簡単に崩されちゃうという。
井桁:いろいろな技術の登場によって。
しんめいP:社会で見ても、いきなりトランプさんが誰も想像しなかったようなことをどんどんやったりして「思っていた世界と違う、どうしよう」みたいな、先行きの見えなさをみんなが感じているのかなと。
井桁:そういう不安と哲学という学問が、よりマッチするということですか?
しんめいP:僕も大人になって哲学をあらためて勉強し直してみたときに、それぞれの時代でそういう「先が見通せない」とか、いままでの当たり前が崩れちゃったということって何度もあったことがわかりました。たとえば、17世紀ぐらいのヨーロッパは、いろいろな哲学が出てきた時代です。ある意味、いまと同じように、常識が変わりすぎて不安になってしまう時代背景がありました。そう思うと昔の哲学も自分ごとにして読めたりします。
しんめいP:「哲学といえば西洋哲学のことでしょ」みたいな流れがあります。高校の倫理とかで出てくる主役の人たちって、名前だけで言うとデカルト、カントみたいな人たちです。そういう人をたどっていくと、いまの社会の民主主義の考え方につながっていたりします。特に近代は難しくて、哲学のための哲学みたいな感じになっていないかなと。
井桁:「奥にいきすぎちゃっている」みたいな?
しんめいP:僕も西洋哲学のことをそんなに知りませんが、読んでわからない、なぜこの人がそもそもそんなことを考えているのかがわからない、近代の西洋哲学のメインストリームにはそう思うことが多かったんです。逆に、そもそも東洋哲学という言葉を聞いたことがないよという人は多いと思います。
井桁:東洋医学と言われたりしますが、哲学にも“東洋”があるということですよね。
しんめいP:「あるんだ」というのがまず驚きで、しかも意外と仏教とかなんです。そもそも、仏教はお葬式のイメージというか、お経を読んだりと儀式みたいなイメージでとらえていましたが、実はものすごく深い哲学みたいなものがそこにあるんだというのが驚きでした。
しんめいPさんによると、東洋哲学は難解な言葉を扱いながらも、必ず「どのように生きていったらいいのか」ということにつながっていくのだという。
しんめいP:「生きる、死ぬ」みたいなところに関わっている哲学というところが「響くな」と。
井桁:ちなみに、仏教だとどういう哲学になるんですか。
しんめいP:たとえば、「無我(むが)」という哲学があります。「自分がない」という意味だと思っているんですけど「自分がないって、そんなわけない」と、意味がわからない言葉だと思っていて。本を読んでくださった方のなかに、お子さんがいる方がいて。お子さんが、お父さんが読んでいる僕の本のタイトルを見て「そんなわけないやん」と言ったというエピソードをいただきました。すごくそれは共感するというか、だから直感と逆のことを言われているみたいな。「自分はなにをしたいんだろう」「自分はどんな人間なんだっけ」「自分が思っていたのと違うな」と、自分にすごくとらわれすぎているときに「自分とか、ないから」や「無我」みたいなことは救いだなと思います。
しんめいP:ブッダ、お釈迦様はインド人です。神様みたいな存在だと思っている方も多いかもしれませんが、2,500年前に赤ちゃんとして生まれた人間なんです。インドは昔から自分探しの本場です。「自分とはなんだろう」とすごく昔から考えている人たちが、ブッダ以外にもたくさんいて。それは考えるだけではなくて「修行した末に、本当の自分みたいなものを見つけられる」みたいなざっくりとした考え方でした。だけどブッダは「“本当の自分”みたいなやつ、別になくない?」ということに行きついた。インドの哲学史のなかでも、とても大事な発見をした人みたいな立ち位置です。
井桁:修行した結果「自分はない」という結論に至ったということですか?
しんめいP:「自分はない」というのも、そこには説明が必要になります。「これが自分だ」という“固定的な自分”というものが、実はない。
井桁:「自分はこれだ」と決める必要がないということですか?
しんめいP:はい。たとえば、僕は「僕の体のこと」を僕だと思っている、とします。いまこの瞬間、僕が水を飲んだとしたら水が自分になって、トイレに行くと自分から水が出ていくとなったときに、水を飲む前の自分と、水を飲んだあとの自分というものはある意味、別物。いま空気を吸って外の酸素を取り込んでいる。でも、これはもともと木から出てきたものだとしたときに「あれ?」みたいな。自分は自分の体だと思っていたけど、この体もどんどん変わっていっていますよね? という話はすごくわかりやすいと思います。もっと表面的なところでいくと、肩書です。井桁さんもたくさんの仕事をされていると思います。俳優をされている井桁さんがいて「井桁さんって俳優ですね」と言い切られてしまうと「いや、それだけじゃないんだよな」と感じますよね。
井桁:そうですね。
しんめいP:変化をしていっている。「これが自分だ」という固定的なイメージ、少なくとも自己イメージというのはフィクションみたいなものですよねと。
井桁:脳内で作り上げられた固定観念だったりにつながるということですね。
しんめいPの最新情報は、Xの公式アカウント(@Sony_Shimmei)から。
J-WAVE『LOGISTEED TOMOLAB.~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時からオンエア。公式サイトでは、オンエア内容を「グラレコ(グラフィックレコーディング)」でわかりやすくまとめている。
・番組サイト
https://www.j-wave.co.jp/original/tomolab/
しんめいPさんが登場したのは、井桁弘恵が「チーフ」としてナビゲートする、J-WAVEの番組『LOGISTEED TOMOLAB.~TOMORROW LABORATORY』(通称、トモラボ)。私たちの周りにある森羅万象を「イシュー(テーマ)」にして、各界で活躍する「フェロー」を毎週ゲストに迎えながら、明日が豊かになるヒントを探すプログラムだ。
ここでは、しんめいPさんをフェローとして迎え、「哲学」をイシューにした5月17日(土)の放送の一部をテキストで紹介する。なお、番組の内容はポッドキャストで配信中だ。
・ポッドキャストページ
「わからない」は哲学の根本
本番組では、毎回グラレコで内容を解説している
しんめいP:僕は、自分自身が悩むことがあって、その答えじゃないですけど「答えがあるなら、それが哲学の本とかに書いてあるのかな?」と思って。東洋哲学という分野に出会って「気持ちが楽になったかも」みたいな経験があるんです。
井桁:根本原理を突き詰めた結果、哲学にたどりついたということでしょうか。
しんめいP:根本的なことを昔の人は考えていたんだなと思っていて。「根本的過ぎて逆におもしろいところ」が、自分自身にとっては救いになりました。
井桁:私も突き詰めて考えすぎる癖があって。「これはなんで存在しているんだ」みたいなことを考えると「すごく哲学的じゃない?」と思うことがあって。一方で、(哲学が)学問だということも意外と知らなかったというか、学問として哲学が存在するんだなと。私は概念的な言葉だと思っていました。小さい子どもに「哲学ってなに?」と訊かれたら、どう答えますか?
しんめいP:「わかんない」と言うと思います。
井桁:「でも、本を出してるじゃん」となったら?
しんめいP:「わかんない」にはいろいろな意味があると僕は思っています。ひとつは普通に「意味がわからないな、哲学って」と思うところもありつつ、もうひとつは「哲学の始まり」と言われているものです。昔のギリシャの哲学者にソクラテスという人がいて、彼の有名な言葉で「無知の知」というのがあります。ソクラテスという人は「俺はめっちゃ知ってる」と言わなかったんです。「俺もわからない」みたいなスタンスで、「俺はわかっています」という人たちを話しているうちに論破する、不思議なことをやった人だと思っていて。だから「わかんない」という言葉はもしかしたら、根本的な哲学のところをとらえているのかなと思います。
なぜ哲学が求められるのか
しんめいPさんは、なぜいまの時代に哲学が求められているのか、その理由を解説した。井桁:哲学の本も増えている印象があります。ブームは感じますか?
しんめいP:自分も2024年に本を出しました。哲学をテーマにした本は、そんなにキャッチーじゃないので、「売れるのかな?」と思っていたんですが、本当に想像以上に読んでもらって。中学の同窓会が初めて2024年の年末にあったんです。そこに行ったらみんなが読んでくれていて、中身について質問とかされることがあって、すごくびっくりしたというか。僕がへんてこりんな人間だから哲学が好きでこういうのを書いている(と思っていた)けど、別にそういうものとまったく縁がなく普通に生活してきた昔の友だちみたいな人にもなにか響くものがあって、哲学にいまがあると思いました。
井桁:どういうところで共感やニーズが高まっているのでしょうか。
しんめいP:「世の中ムズい」という感じをみんな持っているのかなと思っています。以前、トモラボさんで生成AIの話をされていたと思いますが、「絵を描けるんだ」「詞を書けるんだ」と、めちゃくちゃクリエイティブなのはあまりみんな予想していなかったことで。「クリエイティブの仕事をしていたら食いっぱぐれないだろう」と思っていたら、いきなり「怪しいかも」みたいな状態になってきた。「こうすればなんとかなるでしょ」という、それぞれの人の人生哲学みたいなものが簡単に崩されちゃうという。
井桁:いろいろな技術の登場によって。
しんめいP:社会で見ても、いきなりトランプさんが誰も想像しなかったようなことをどんどんやったりして「思っていた世界と違う、どうしよう」みたいな、先行きの見えなさをみんなが感じているのかなと。
井桁:そういう不安と哲学という学問が、よりマッチするということですか?
しんめいP:僕も大人になって哲学をあらためて勉強し直してみたときに、それぞれの時代でそういう「先が見通せない」とか、いままでの当たり前が崩れちゃったということって何度もあったことがわかりました。たとえば、17世紀ぐらいのヨーロッパは、いろいろな哲学が出てきた時代です。ある意味、いまと同じように、常識が変わりすぎて不安になってしまう時代背景がありました。そう思うと昔の哲学も自分ごとにして読めたりします。
東洋哲学の魅力
しんめいPさんは、メジャーである西洋哲学ではなく東洋哲学をあえて選んだ理由について語った。しんめいP:「哲学といえば西洋哲学のことでしょ」みたいな流れがあります。高校の倫理とかで出てくる主役の人たちって、名前だけで言うとデカルト、カントみたいな人たちです。そういう人をたどっていくと、いまの社会の民主主義の考え方につながっていたりします。特に近代は難しくて、哲学のための哲学みたいな感じになっていないかなと。
井桁:「奥にいきすぎちゃっている」みたいな?
しんめいP:僕も西洋哲学のことをそんなに知りませんが、読んでわからない、なぜこの人がそもそもそんなことを考えているのかがわからない、近代の西洋哲学のメインストリームにはそう思うことが多かったんです。逆に、そもそも東洋哲学という言葉を聞いたことがないよという人は多いと思います。
井桁:東洋医学と言われたりしますが、哲学にも“東洋”があるということですよね。
しんめいP:「あるんだ」というのがまず驚きで、しかも意外と仏教とかなんです。そもそも、仏教はお葬式のイメージというか、お経を読んだりと儀式みたいなイメージでとらえていましたが、実はものすごく深い哲学みたいなものがそこにあるんだというのが驚きでした。
しんめいPさんによると、東洋哲学は難解な言葉を扱いながらも、必ず「どのように生きていったらいいのか」ということにつながっていくのだという。
しんめいP:「生きる、死ぬ」みたいなところに関わっている哲学というところが「響くな」と。
井桁:ちなみに、仏教だとどういう哲学になるんですか。
しんめいP:たとえば、「無我(むが)」という哲学があります。「自分がない」という意味だと思っているんですけど「自分がないって、そんなわけない」と、意味がわからない言葉だと思っていて。本を読んでくださった方のなかに、お子さんがいる方がいて。お子さんが、お父さんが読んでいる僕の本のタイトルを見て「そんなわけないやん」と言ったというエピソードをいただきました。すごくそれは共感するというか、だから直感と逆のことを言われているみたいな。「自分はなにをしたいんだろう」「自分はどんな人間なんだっけ」「自分が思っていたのと違うな」と、自分にすごくとらわれすぎているときに「自分とか、ないから」や「無我」みたいなことは救いだなと思います。
自己イメージはフィクションのようなもの
しんめいPさんは、「無我」という言葉が持つ意味について解説していった。しんめいP:ブッダ、お釈迦様はインド人です。神様みたいな存在だと思っている方も多いかもしれませんが、2,500年前に赤ちゃんとして生まれた人間なんです。インドは昔から自分探しの本場です。「自分とはなんだろう」とすごく昔から考えている人たちが、ブッダ以外にもたくさんいて。それは考えるだけではなくて「修行した末に、本当の自分みたいなものを見つけられる」みたいなざっくりとした考え方でした。だけどブッダは「“本当の自分”みたいなやつ、別になくない?」ということに行きついた。インドの哲学史のなかでも、とても大事な発見をした人みたいな立ち位置です。
井桁:修行した結果「自分はない」という結論に至ったということですか?
しんめいP:「自分はない」というのも、そこには説明が必要になります。「これが自分だ」という“固定的な自分”というものが、実はない。
井桁:「自分はこれだ」と決める必要がないということですか?
しんめいP:はい。たとえば、僕は「僕の体のこと」を僕だと思っている、とします。いまこの瞬間、僕が水を飲んだとしたら水が自分になって、トイレに行くと自分から水が出ていくとなったときに、水を飲む前の自分と、水を飲んだあとの自分というものはある意味、別物。いま空気を吸って外の酸素を取り込んでいる。でも、これはもともと木から出てきたものだとしたときに「あれ?」みたいな。自分は自分の体だと思っていたけど、この体もどんどん変わっていっていますよね? という話はすごくわかりやすいと思います。もっと表面的なところでいくと、肩書です。井桁さんもたくさんの仕事をされていると思います。俳優をされている井桁さんがいて「井桁さんって俳優ですね」と言い切られてしまうと「いや、それだけじゃないんだよな」と感じますよね。
井桁:そうですね。
しんめいP:変化をしていっている。「これが自分だ」という固定的なイメージ、少なくとも自己イメージというのはフィクションみたいなものですよねと。
井桁:脳内で作り上げられた固定観念だったりにつながるということですね。
しんめいPの最新情報は、Xの公式アカウント(@Sony_Shimmei)から。
J-WAVE『LOGISTEED TOMOLAB.~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時からオンエア。公式サイトでは、オンエア内容を「グラレコ(グラフィックレコーディング)」でわかりやすくまとめている。
・番組サイト
https://www.j-wave.co.jp/original/tomolab/
番組情報
- LOGISTEED TOMOLAB.~TOMORROW LABORATORY
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毎週土曜20:00-20:54