YOASOBI「PLAYERS」の映像監督・鈴木健太は、“縦型動画”をどう感じている?

イノベーションとテクノロジーをテーマに未来を探る、J-WAVEのラジオ番組『INNOVATION WORLD』。AR三兄弟・川田十夢のナビゲートにより、毎週金曜20時から2時間オンエアしている。

そのワンコーナー『Morisawa Fonts ROAD TO INNOVATION』では、各界の最前線で活躍するクリエイターを中心にゲストを迎え、仕事へのこだわりや未来へのビジョン、課題解決のプロセスなどをお届け。そのトーク内容はポッドキャストで配信する他、番組とコラボレーションしているモリサワ内の番組特設サイトで記事も掲載している。

ここではその番組特設サイトから、クリエイティブディレクター・映像監督の鈴木健太が登場した回の記事の一部を転載。 “映像作家”の目線で見た音楽をとりまく環境の変化とは?

全文は以下から楽しめる。

・モリサワ内の番組特設サイト
https://ceps.morisawafonts.com/mf-roadtoinnovation/20250509

ずっと聴いていたアーティストとの仕事 その時の心境は?

鈴木さんがMVを手がけたアーティストにはKIRINJIも。そこで川田さんからは「KIRINJIがやけに好きだとか、(出会った)当時から言ってたよ。まだ一素人だったときに聴いていたミュージシャンと仕事するという気持ちはどんな感じですか」と質問が。

KIRINJI - killer tune kills me feat. YonYon

「『なんで僕が』みたいな感じになるときはたまにあるんですけど、アーティストの方と同じ方向を向いてフラットに話せたときには、昔の自分に見せてやりたいなというか」とその心境を明かした鈴木さん。特にKIRINJIは「母がずっと聴いていて」「子供の頃からずっと聴いていた」存在とのこと。

KIRINJIについては鈴木さんからコンタクトしたそうで、「『MV作りたいです』とメールを送って、作品を見てもらって、2年後に声をかけてもらった。やっぱり言ってみるものだなと。今はメールアドレスが結構どこにでも開放されているから、意外とマネージャーにメールすると、『なにかやる?』みたいに言ってもらえるチャンスがある時代」と明かしました。

タイムラインに流れてくる表現は「ある程度成熟」

続いての話題は音楽をとりまく環境の変化。「盤(CD)を買わないとか、サブスクになっていたりとか、ストーリーとかTikTokの方が(映像が)回りやすいとか、いろんな変化がありますけども、この潮流をどう捉えてますか」と川田さん。

「自然にタイムラインに流れてきて、入口としていろんな音楽やカルチャーを知る機会だったり、『こんな人いるんだ』みたいな発見はあると思うんですけど、ある程度成熟もしてきたかな」と鈴木さんは考察。

さらに「縦動画で流れてきたもので、がっつり本当に好きになるものって結構少ないのかな」とも感じているそうで、「そういう意味ではMVもそうですけど、作品をちゃんと作ろうという意識にもむしろ戻ってきている。縦(型動画)で何か面白いことできないかな、みたいなこともいろいろ考えたりはしたんですけど、今はむしろ1本のちゃんと愛してもらえるもの・自分が愛せるものを作るということの方が大事なのかな、みたいな感じになってきている」と語ります。

「その最たるものが映画だったりする。やっぱりあの黒い箱(映画館)の中に入って2時間ガッツリ集中して観る。それってむしろ今すごい価値があるのかなと思ったりします」という鈴木さん。「再び自分の作品(映画)も作り始めている」そうです。

放送では、鈴木さんが見た「最近面白かったミュージックビデオ」についても。高所恐怖症だという鈴木さんが「TikTokとかが流行ってても、100年前に蒸気機関車の映像で人々が驚愕したように、未だにこういう高所恐怖症に僕は反応できるんだというのがちょっと嬉しかった」という唾奇, Kohjiya「PAGE ONE」や、「曲をどう味わい深く面白くしていくか」という点から「見てて心地いい」と感じたという千葉雄喜「重てえ」を挙げました。

また、制作におけるAI活用についてのトークも。鈴木さんは「僕もいろいろ試していて、ツールもたくさんあるんですけど、この1年ぐらいで本当に何でも作れちゃうようになるだろうな」と感じている中で、AIから生まれた作品については「まだお話としてちゃんと面白いものってなかったりするから、これから楽しみ」。

その他、初代プレイステーション®発売30周年記念プロジェクトから生まれたYOASOBIの「PLAYERS」のMVや、映画を制作後にMVなどを手がけるようになった理由なども語った。全文はコチラ

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