
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文(Vo/Gt)が、11年ぶりに復活する主催フェスやそのテーマソングである新曲、また現在建築中の音楽スタジオについて語った。
後藤がゲストとして登場したのは、5月11日(日)放送のJ-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)だ。
クリス:「NANO-MUGEN FES. 2025」は出演アーティストも非常に豪華です。ASIAN KUNG-FU GENERATIONは両日登場しますけども、なんと日曜はBeckが来るという。すごいじゃないですか。
後藤:これは楽屋突撃系に近くて。僕らが突撃したわけじゃないんですけど、フェスとかに行って、Beckと同じアーティストのエージェントさんのところに、ナノムゲンのプロデューサーに突撃してもらって、つながって実現したみたいな感じです。
クリス:Beckは大ファンでしたか?
後藤:そうですね、僕が音楽を始めようと思ったときにBeckの存在は大きかったですね。『Loser』を聴いたときは衝撃がありましたし。音楽を育んでいくうえでも『Odelay』とか『Mutations』 とかすごく好きで。初期は特にやられました。
クリス:「NANO-MUGEN FES. 2025」のテーマ曲『MAKUAKE』が先日配信リリースされましたね。
後藤:これは、仲間とか周囲を眺めてると、自分の歩みとかを振り返ってメンタル的に落ち込んでしまう人が世代的にも増えてきてるなと感じていて、なんとか彼らを勇気づけたいなと思って作りました。変わりたいと思っていても変われない人たちの現在を後押しするような曲になったらいいなと思ってます。
クリス:いろんなアーティストが参加していますね。
後藤:自分たちの音楽史を振り返って作った曲なので、近くにいた仲間たちに一緒に歌ってほしいなと思って。最後にクワイヤというか、ゴスペルまでいかないんですけど、みんなで声のエネルギーを持ち寄るみたいなパートがあるんですけど、本当に近しい仲間たちに声をかけたいなと思ったんです。あと、行進するようなアレンジにしたくて、ホーンの音って背中を押してくれるイメージがあるんですけど、それはいまをときめく象眠舎の小西 遼くんっていうすばらしいアレンジャーにアレンジしていただきました。
ここで、番組では『MAKUAKE』をオンエアした。
クリス:やっぱり気持ちが上がりますね。後押しするというか。ホーンと10名のコーラスがすごく明るくしてくれる。元気が出る、口角が上がる曲ですよね。
後藤:うれしいです。
クリス:カップリングの『Little Lennon / 小さなレノン (Born in 1976 ver.)』は、くるりの岸田 繁さんのプロデュースで再録したそうですが、岸田 繁さんと後藤さんは同じ1976年生まれということで、おふたりの生まれ年がタイトルに入っています。なぜ、この曲をまた新たにリリースしようと思ったんでしょうか?
後藤:岸田くんとは最近仲よくさせていただいていて、一緒にスタジオ作りの話なんかをたくさんするようになって。2017年のくるり主催のフェス「京都音博」で『Little Lennon』をやったんですけど、そのときの岸田くんのアレンジがめちゃくちゃすばらしくて「いつか音源化したいよね」っていう話をずっとしていたんです。それで「いまかな」と思って、この混迷の時代に『Little Lennon / 小さなレノン』みたいなメッセージソングはいいんじゃないかと思って連絡したら岸田くんもいいねって言ってくれて、年末から正月返上でアレンジしてくださって実現しました。
クリス:かなり前からの計画だったんですね。
後藤:そうですね。じっくり話して、岸田くんも練ってくださってて。
クリス:おふたりは前から仲がよかった?
後藤:距離感としては正直、微妙な時期が長かったっていうのはありますね。あまり話をしたことがなかったです。
クリス:ライバルだと思ってた?
後藤:そこまではいかないですけど、リスペクトしつつ、くるりの隣に立っても恥ずかしくないような音を作ろうとは常々思ってました。尊敬しているからこそ、張り合いたいなという気持ちは当時あったかもしれません。
後藤:「差し入れナンバーワン。ライブの楽屋への差し入れでいちばんうれしいものは?」僕は、やっぱりお酒。ワインとか、日本酒とか。でも日本酒はひとりじゃ飲みきれないので、ワインとかビールとか、栓がしてあるのが明白だと安心して飲めますね。
クリス:やっぱり一升瓶とか開けちゃうとね。飲み切らないから。
後藤:ありがたいんですけどね。一升瓶系はやっぱり誰が持ち帰るかでわちゃわちゃしますから。
クリス:争奪戦だね。
後藤:飲めるのは、だいたいドラムの潔になるんですけど、彼は友達を集めてホームパーティーができるんですよ。でも僕は暗いので、ひとりで飲むことになっちゃうので消費できないんですよね。
クリス:いま、ちょっと見えましたね、後藤さんがあぐらをかいて畳の上に一升瓶を置いているところが(笑)。もう1個、行きましょう。
後藤:「なんか気になる。ライブ中にステージから気になることは?」やっぱり人は気になりますね。妙に見てしまう人が決まってきちゃうんですよね。あの人見ちゃう、なんでだろう? って。
クリス:どんな表情に惹かれます?
後藤:目が輝いていたりとか、楽しんでるなと思う人を見ちゃったりとか。一方で、不本意だけどここにいる、みたいな人も見ちゃって。その人を最後には踊らせたいなとか、そんなことを思う夜もありますね。
クリス:やっぱりにこやかな顔に目が行きますよね。
後藤:そうなんです。昔、弾き語りのときに最前列におばあさんがいて。ずっと最後まで耳を塞がれていて、本当に申し訳ないと思いながら演奏していたんですけど、なぜか最後にそのおばあさんがいちばん大きい声でアンコールしてくださったことがあったんです。だから、人を体勢とかで判断しちゃいけないなってそのときに思いました。
クリス:イソップの童話みたいですね(笑)。もう、たくさんライブをやっていて緊張しないんじゃないですか?
後藤:いや、毎回、本番5分前にきっちり緊張します。
クリス:そうなんですか。
後藤:度合いはちょっと緩んできましたけど「この、あと5分って時間がすぐには過ぎてくれないんだよな」ってステージ袖でいつも思いますね。
クリス:でも、ステージに出ちゃうとあっという間ですよね?
後藤:そうですね。時間が伸び縮みするというか、5分は永遠だったのに、1時間30分はあっという間に過ぎていったりするので、本当に不思議です。
クリス:後藤さんは音楽スタジオ・MUSIC inn Fujiedaをクラウドファンディングで建てちゃったそうですね。
後藤:インディーズミュージシャンのために、ドラム録音のレコーディングを支えるスタジオを作りたくて。まだ建築中で、竣工は9月予定なんですけど、インディーズミュージックのために安く貸し出せるレコーディングスタジオなので、みんな静岡に来て録ってください。いまは土蔵を持ち上げての外装工事が終わったところで、これからは内装工事が進んでいくかと思います。
クリス:誰でも借りられるんですか?
後藤:基本的には創作をしている方でしたら。レコーディングスタジオなので、作品作りに役立ててくださいというスタジオです。かつての宿場町にあって環境がいいというのもあるんですけど、僕が長年集めてきた機材を無償貸与というかたちで全部入れます。僕が集めたAPIのコンソールも自由に使っていただいてカッコいい音楽を作ってください、という現場にしたいです。
クリス:すばらしい。後藤さん、そしてアジカンが使用していた機材を使うことができるということですね。以前、Foo FightersのスタジオでFoo Fightersの機材で演奏してFoo Fightersの“気”みたいなものを受け取ったという話をしていましたよね。このスタジオに行くとアジカンのバイブスが得られるかもしれないですね。
後藤:ちなみに、APIの卓はデイヴ・グロールのガレージにあったものとまったく同じ機材です。Foo Fightersのスタジオで見て日本で買ったものなので、Foo Fightersの魂ともつながってくるかもしれませんね。
「NANO-MUGEN FES. 2025」の詳細は、「NANO-MUGEN FES.2025」公式サイト、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの最新情報は、公式サイトまで。
『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ではさまざまなデータをもとに、世界の音楽シーンからJ-WAVEが厳選した100曲をカウントダウン。放送は毎週日曜の13時から。
後藤がゲストとして登場したのは、5月11日(日)放送のJ-WAVE『SAISON CARD TOKIO HOT 100』(ナビゲーター:クリス・ペプラー)だ。
バンドが主催する音楽フェスの先駆け「NANO-MUGEN FES.」が11年ぶりに復活
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは、バンドが主催する音楽フェスの先駆けとして知られる音楽フェス「NANO-MUGEN FES.」を11年ぶりに復活。「NANO-MUGEN FES. 2025」として5/31(土)、6/1(日)にKアリーナ横浜で開催する。まずは、このフェスについて話を訊いた。クリス:「NANO-MUGEN FES. 2025」は出演アーティストも非常に豪華です。ASIAN KUNG-FU GENERATIONは両日登場しますけども、なんと日曜はBeckが来るという。すごいじゃないですか。
後藤:これは楽屋突撃系に近くて。僕らが突撃したわけじゃないんですけど、フェスとかに行って、Beckと同じアーティストのエージェントさんのところに、ナノムゲンのプロデューサーに突撃してもらって、つながって実現したみたいな感じです。
クリス:Beckは大ファンでしたか?
後藤:そうですね、僕が音楽を始めようと思ったときにBeckの存在は大きかったですね。『Loser』を聴いたときは衝撃がありましたし。音楽を育んでいくうえでも『Odelay』とか『Mutations』 とかすごく好きで。初期は特にやられました。
新曲『MAKUAKE』は落ち込んでいる人を元気づける曲
続いて、「NANO-MUGEN FES. 2025」のテーマソングとして現在先行配信されている『MAKUAKE』の話に。同曲は5/21(水)にシングルCDとしてリリースされる。このCDにはカップリング曲として、2015年に発表したアルバム『Wonder Future』収録曲『Little Lennon / 小さなレノン』をくるり・岸田 繁によるプロデュースのもと再録した『Little Lennon / 小さなレノン (Born in 1976 ver.)』が収録される。クリス:「NANO-MUGEN FES. 2025」のテーマ曲『MAKUAKE』が先日配信リリースされましたね。
後藤:これは、仲間とか周囲を眺めてると、自分の歩みとかを振り返ってメンタル的に落ち込んでしまう人が世代的にも増えてきてるなと感じていて、なんとか彼らを勇気づけたいなと思って作りました。変わりたいと思っていても変われない人たちの現在を後押しするような曲になったらいいなと思ってます。
クリス:いろんなアーティストが参加していますね。
後藤:自分たちの音楽史を振り返って作った曲なので、近くにいた仲間たちに一緒に歌ってほしいなと思って。最後にクワイヤというか、ゴスペルまでいかないんですけど、みんなで声のエネルギーを持ち寄るみたいなパートがあるんですけど、本当に近しい仲間たちに声をかけたいなと思ったんです。あと、行進するようなアレンジにしたくて、ホーンの音って背中を押してくれるイメージがあるんですけど、それはいまをときめく象眠舎の小西 遼くんっていうすばらしいアレンジャーにアレンジしていただきました。
ここで、番組では『MAKUAKE』をオンエアした。
クリス:やっぱり気持ちが上がりますね。後押しするというか。ホーンと10名のコーラスがすごく明るくしてくれる。元気が出る、口角が上がる曲ですよね。
後藤:うれしいです。
クリス:カップリングの『Little Lennon / 小さなレノン (Born in 1976 ver.)』は、くるりの岸田 繁さんのプロデュースで再録したそうですが、岸田 繁さんと後藤さんは同じ1976年生まれということで、おふたりの生まれ年がタイトルに入っています。なぜ、この曲をまた新たにリリースしようと思ったんでしょうか?
後藤:岸田くんとは最近仲よくさせていただいていて、一緒にスタジオ作りの話なんかをたくさんするようになって。2017年のくるり主催のフェス「京都音博」で『Little Lennon』をやったんですけど、そのときの岸田くんのアレンジがめちゃくちゃすばらしくて「いつか音源化したいよね」っていう話をずっとしていたんです。それで「いまかな」と思って、この混迷の時代に『Little Lennon / 小さなレノン』みたいなメッセージソングはいいんじゃないかと思って連絡したら岸田くんもいいねって言ってくれて、年末から正月返上でアレンジしてくださって実現しました。
クリス:かなり前からの計画だったんですね。
後藤:そうですね。じっくり話して、岸田くんも練ってくださってて。
クリス:おふたりは前から仲がよかった?
後藤:距離感としては正直、微妙な時期が長かったっていうのはありますね。あまり話をしたことがなかったです。
クリス:ライバルだと思ってた?
後藤:そこまではいかないですけど、リスペクトしつつ、くるりの隣に立っても恥ずかしくないような音を作ろうとは常々思ってました。尊敬しているからこそ、張り合いたいなという気持ちは当時あったかもしれません。
ライブ開始5分前は、いまだに緊張する
ここで番組恒例の「ガチャ」がスタート。カプセルに入った質問に後藤が答えた。後藤:「差し入れナンバーワン。ライブの楽屋への差し入れでいちばんうれしいものは?」僕は、やっぱりお酒。ワインとか、日本酒とか。でも日本酒はひとりじゃ飲みきれないので、ワインとかビールとか、栓がしてあるのが明白だと安心して飲めますね。
クリス:やっぱり一升瓶とか開けちゃうとね。飲み切らないから。
後藤:ありがたいんですけどね。一升瓶系はやっぱり誰が持ち帰るかでわちゃわちゃしますから。
クリス:争奪戦だね。
後藤:飲めるのは、だいたいドラムの潔になるんですけど、彼は友達を集めてホームパーティーができるんですよ。でも僕は暗いので、ひとりで飲むことになっちゃうので消費できないんですよね。
クリス:いま、ちょっと見えましたね、後藤さんがあぐらをかいて畳の上に一升瓶を置いているところが(笑)。もう1個、行きましょう。
後藤:「なんか気になる。ライブ中にステージから気になることは?」やっぱり人は気になりますね。妙に見てしまう人が決まってきちゃうんですよね。あの人見ちゃう、なんでだろう? って。
クリス:どんな表情に惹かれます?
後藤:目が輝いていたりとか、楽しんでるなと思う人を見ちゃったりとか。一方で、不本意だけどここにいる、みたいな人も見ちゃって。その人を最後には踊らせたいなとか、そんなことを思う夜もありますね。
クリス:やっぱりにこやかな顔に目が行きますよね。
後藤:そうなんです。昔、弾き語りのときに最前列におばあさんがいて。ずっと最後まで耳を塞がれていて、本当に申し訳ないと思いながら演奏していたんですけど、なぜか最後にそのおばあさんがいちばん大きい声でアンコールしてくださったことがあったんです。だから、人を体勢とかで判断しちゃいけないなってそのときに思いました。
クリス:イソップの童話みたいですね(笑)。もう、たくさんライブをやっていて緊張しないんじゃないですか?
後藤:いや、毎回、本番5分前にきっちり緊張します。
クリス:そうなんですか。
後藤:度合いはちょっと緩んできましたけど「この、あと5分って時間がすぐには過ぎてくれないんだよな」ってステージ袖でいつも思いますね。
クリス:でも、ステージに出ちゃうとあっという間ですよね?
後藤:そうですね。時間が伸び縮みするというか、5分は永遠だったのに、1時間30分はあっという間に過ぎていったりするので、本当に不思議です。
インディーズ活動を支えるスタジオを建設
最後に、2024年にクラウドファンディングで話題となったスタジオ建設について話を訊いた。クリス:後藤さんは音楽スタジオ・MUSIC inn Fujiedaをクラウドファンディングで建てちゃったそうですね。
後藤:インディーズミュージシャンのために、ドラム録音のレコーディングを支えるスタジオを作りたくて。まだ建築中で、竣工は9月予定なんですけど、インディーズミュージックのために安く貸し出せるレコーディングスタジオなので、みんな静岡に来て録ってください。いまは土蔵を持ち上げての外装工事が終わったところで、これからは内装工事が進んでいくかと思います。
クリス:誰でも借りられるんですか?
後藤:基本的には創作をしている方でしたら。レコーディングスタジオなので、作品作りに役立ててくださいというスタジオです。かつての宿場町にあって環境がいいというのもあるんですけど、僕が長年集めてきた機材を無償貸与というかたちで全部入れます。僕が集めたAPIのコンソールも自由に使っていただいてカッコいい音楽を作ってください、という現場にしたいです。
クリス:すばらしい。後藤さん、そしてアジカンが使用していた機材を使うことができるということですね。以前、Foo FightersのスタジオでFoo Fightersの機材で演奏してFoo Fightersの“気”みたいなものを受け取ったという話をしていましたよね。このスタジオに行くとアジカンのバイブスが得られるかもしれないですね。
後藤:ちなみに、APIの卓はデイヴ・グロールのガレージにあったものとまったく同じ機材です。Foo Fightersのスタジオで見て日本で買ったものなので、Foo Fightersの魂ともつながってくるかもしれませんね。
「NANO-MUGEN FES. 2025」の詳細は、「NANO-MUGEN FES.2025」公式サイト、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの最新情報は、公式サイトまで。
『SAISON CARD TOKIO HOT 100』ではさまざまなデータをもとに、世界の音楽シーンからJ-WAVEが厳選した100曲をカウントダウン。放送は毎週日曜の13時から。
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