
俳優の竜星涼が、芸能界入りのきっかけやターニングポイントとなった作品、さらには、プライベートで「自分らしさ」を感じる瞬間などについて語った。
竜星が登場したのは、俳優・小澤征悦がナビゲーターを務めるJ-WAVE『BMW FREUDE FOR LIFE』(毎週土曜 11:00-11:30)。同番組では毎回、各界注目の人物をゲストに招きBMWでの車中インタビューを実施しているが、今回は東京・麻布台ヒルズにあるBMWのブランド・ストア「FREUDE by BMW」にて、竜星と小澤の対談をメインとした公開収録を行った。
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竜星: 2009年の秋頃、原宿の竹下通りでスカウトされたことをきっかけにレッスンに誘われたのですが、2回目のレッスン時には「来年の春と夏のドラマが決まったから」「芸名もこれでいくから」と言われ、あっという間に今の事務所に所属することが決まりました。「俺、まだ俳優をやるなんて言ってないのに…」というところからのスタートでしたね。
小澤: 言ってなかったんだ(笑)。その後、初めて出演したのが、瑛太さんと上野樹里さんがW主演した2010年4月期のドラマ「素直になれなくて」(フジテレビ系)だったそうで。緊張はしました?
竜星: いや、しませんでした。その代わりにテレビに映る世界が目の前に広がって、「うわ! 上野樹里がいる! すごい!」と、当時高校生の僕は目を輝かせていたのを覚えています(笑)。
竜星: 「髑髏城」は、劇団☆新感線さんの代表的な演目で「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」は完全新作のオリジナルストーリーです。その中で僕が演じた「夢三郎」は、男性でありながら女装をし、殺陣もこなす役。だから台本を開けば、「めちゃくちゃおいしいですよ、この役。生かすも殺すもあなた次第ですよ」と台本が語り掛けてくる(笑)。そんなわけで、大きなプレッシャーを感じながらも「自分のターニングポイントに絶対するぞ!」と意気込んで挑んだ作品でした。
小澤: その役を見事に自分のものにして今があるんだね。
竜星: 自分にとって自信がついた作品だったのは間違いありません。というのも、公演期間中に様々な俳優の先輩方が観に来てくださったのですが、初日には加賀まりこさんがお越しになり、天海さんが「加賀さんがすごく褒めてたよ」と教えてくれたんです。
小澤: それは自信になるね!
竜星: そうなんです。この話を聞いて「俳優をやっててよかったんだ」と思い、より自信をもってお芝居に臨めるようになりました。
竜星: 役作りをする上で僕はノートを用います。ノートにその人物がどう生まれて、どんな人生を歩んできたのか、また、血液型や兄弟構成も考えて書き出します。そこから割り出した人物像を深堀するような専門書を読んでいくと、面白い役を作れると考えています。
小澤: なるほど。台本に書かれていない自分が演じる役の過去や人間関係を想像で補完していくわけだ。
竜星: おっしゃる通りです。この作業をすることで安心するんですよね。
小澤: 面倒くさい役者ですね(笑)。
竜星: はははは(笑)。
小澤: でも、これはすごく大事なことだと思います。これから俳優を目指す若い人にはぜひ参考にしてほしい。僕も昔やったことがありますけど、絶対にやったほうがいいよね。
竜星: そう思います。
小澤: 素晴らしい。そういう見えない努力をしているんですね。
竜星: 与太郎は当初、落語に触れていないところからメキメキと上達していくという役柄でした。僕自身も初めて落語に取り組んだので、役と一緒に成長していけたのは楽しかったです。
小澤: でも大変そうだね。要するに落語を覚えるわけでしょ?
竜星: そうですね。1つあたり20~30分の演目を7~8個くらい覚えました。
小澤: マジで!? それはすごいわ。
竜星: あとは、浅草演芸ホールで実際に落語を演じさせてもらったことが印象に残っています。施設を使用できるのは通常営業が終わった後になるので、撮影は夜10時から朝まで。深夜帯に入ると、客席に座るお客さん役のエキストラの方々が眠たそうにしているんですよ。その人たちを落語の力でいかに目を覚まさせ、笑わせて泣かせるか。そう考えたときに自分の中で火が付き「やってやろう!」という気持ちで芝居に入りました。
小澤: 竜星はほんとヒリヒリする現場が大好物だよね(笑)。
竜星: いやいや、そんなことないですけど(笑)。ちなみに共演していて思ったんですけど、小澤さんは現場に来た瞬間、役でまとっている空気をめちゃくちゃ出してませんか?
小澤: え、そう?
竜星: はい。僕すごく感じるんですよ。小澤さんが来ると場が引き締まるし、現場の人たちがきびきびし始めるというか。
小澤: そうなんですか!? もっと言って(笑)。自分では全く気付けていない部分だから、うれしいな。
小澤: 「ショウタイムセブン」ではニュース番組のキャスター役をやられたということで。これもまたヒリヒリしたんじゃないの?
竜星: しました。現場では僕らを撮るカメラの前に、映像に映り込む小道具としてのカメラが何台も並んでいました。そのカメラは実際に活かして撮影し、モニターには僕らが映し出されていて。なおかつ、そのカメラを取り扱う人はエキストラの方ではなく、実際に報道番組を作られてるスタッフさんだったんですよ。
小澤: それは緊張するね。
竜星: いやもう、キャスター役の僕とめるる(生見愛瑠)ちゃんは、リアルな生放送さながらの緊張感を味わいました。また、15~20分くらい長回しを1日の中で何度も行うので、かなり疲れもしました。でも、長いシーンをカットせずに撮っていると、お芝居をやってる側としては乗ってくるわけじゃないですか。そのおかげでいい作品になったと思います。
小澤: ここまで話を聞いてて思ったけど、竜星はつらい現場に自ら進んで行きたいの?
竜星: いやいや、行きたくないです(笑)。気付いたらそうなっているんですよ。
小澤: (笑)。
竜星: それで言うと、阿部さんも好奇心旺盛で、自分を危機的状況に追い込んでいく方だと思います。「VIVANT」でご一緒させていただいたときに「砂漠のモンゴルで撮影するなんてすごく大変そうですね」と話しかけたら、阿部(寛)さんは「へへっ、ワイルドな撮影になりそうだね」と笑いながら言ってましたからね(笑)。
竜星: 僕はファッションがすごく好きで。昔、研ナオコさんに「あなたはファッションがすごく格好いい。役者だけに集中したくなるかもしれないけど、それ以外の部分も素敵なんだから両方やりなさい」と言われたことがあるんです。
小澤: 正しいと思いますよ。僕、実は共演するまで、竜星をモデルさんから役者になった人だと勘違いしていて。そしたら逆で、俳優になってからモデル業を始めたんだよね。
竜星: そうなんです。そういったファッションなどの自分の趣味も俳優業と両立させて、グローバルに仕事をしていけたらと考えています。
小澤: それは楽しみですね。
「FREUDE by BMW」には、第4世代モデルへと進化した「ニューBMW X3」が展示されていた。同モデルのコンセプトは「この瞬間こそ自分だ」。そこで小澤が竜星に「この瞬間こそ自分だ」と感じられるオフの過ごし方を聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
竜星: 銭湯で真っ裸でぼけーっとしてたら「今、俺だな~」って思います。
小澤: そういうリラックスタイムっていいよね。
竜星: たまにありません? 役をいっぱい演じていると「果たして自分はどれなんだ?」みたいな。
小澤: 自分の軸がわからなくなるみたいなね。
竜星: そういうのをすべて取っ払い、開放的にすっぽんぽんになっているときが一番自分らしいなと思いますね(笑)。
(構成=小島浩平)
竜星が登場したのは、俳優・小澤征悦がナビゲーターを務めるJ-WAVE『BMW FREUDE FOR LIFE』(毎週土曜 11:00-11:30)。同番組では毎回、各界注目の人物をゲストに招きBMWでの車中インタビューを実施しているが、今回は東京・麻布台ヒルズにあるBMWのブランド・ストア「FREUDE by BMW」にて、竜星と小澤の対談をメインとした公開収録を行った。
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スカウト直後に2本のドラマ出演が決定
NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」やTBS系日曜劇場「VIVANT」、NHK大河ドラマ「光る君へ」といった話題のドラマに次々と出演するほか、映画、舞台、吹き替えなど幅広く活躍する竜星。芸能界入りした15年前から現在にかけてを「あっという間だった」とし、高校2年生でスカウトされた当時を振り返る。竜星: 2009年の秋頃、原宿の竹下通りでスカウトされたことをきっかけにレッスンに誘われたのですが、2回目のレッスン時には「来年の春と夏のドラマが決まったから」「芸名もこれでいくから」と言われ、あっという間に今の事務所に所属することが決まりました。「俺、まだ俳優をやるなんて言ってないのに…」というところからのスタートでしたね。

竜星: いや、しませんでした。その代わりにテレビに映る世界が目の前に広がって、「うわ! 上野樹里がいる! すごい!」と、当時高校生の僕は目を輝かせていたのを覚えています(笑)。
大女優からの賞賛が「俳優をやっててよかったんだ」と自信に
デビュー後、順調にキャリアを重ねていった竜星は2018年、「ターニングポイントだった」と語る作品への出演に恵まれる。それが、天海祐希が主演を務めた劇団☆新感線の舞台「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」だったという。竜星: 「髑髏城」は、劇団☆新感線さんの代表的な演目で「修羅天魔~髑髏城の七人 Season極」は完全新作のオリジナルストーリーです。その中で僕が演じた「夢三郎」は、男性でありながら女装をし、殺陣もこなす役。だから台本を開けば、「めちゃくちゃおいしいですよ、この役。生かすも殺すもあなた次第ですよ」と台本が語り掛けてくる(笑)。そんなわけで、大きなプレッシャーを感じながらも「自分のターニングポイントに絶対するぞ!」と意気込んで挑んだ作品でした。
小澤: その役を見事に自分のものにして今があるんだね。
竜星: 自分にとって自信がついた作品だったのは間違いありません。というのも、公演期間中に様々な俳優の先輩方が観に来てくださったのですが、初日には加賀まりこさんがお越しになり、天海さんが「加賀さんがすごく褒めてたよ」と教えてくれたんです。
小澤: それは自信になるね!
竜星: そうなんです。この話を聞いて「俳優をやっててよかったんだ」と思い、より自信をもってお芝居に臨めるようになりました。
多彩な役を演じる上で行う地道な努力
竜星と小澤は、2024年4月期に日本テレビ系ドラマとして放送され、同年10月には映画化もされた「ACMA:GAME」で共演した間柄。撮影現場では完成された芝居を披露する一方、役作りにあたっては、小澤たち共演者には見せない地道な努力を重ねていたようだ。竜星: 役作りをする上で僕はノートを用います。ノートにその人物がどう生まれて、どんな人生を歩んできたのか、また、血液型や兄弟構成も考えて書き出します。そこから割り出した人物像を深堀するような専門書を読んでいくと、面白い役を作れると考えています。
小澤: なるほど。台本に書かれていない自分が演じる役の過去や人間関係を想像で補完していくわけだ。

小澤: 面倒くさい役者ですね(笑)。
竜星: はははは(笑)。
小澤: でも、これはすごく大事なことだと思います。これから俳優を目指す若い人にはぜひ参考にしてほしい。僕も昔やったことがありますけど、絶対にやったほうがいいよね。
竜星: そう思います。
小澤: 素晴らしい。そういう見えない努力をしているんですね。
竜生はヒリヒリする現場が大好物?
演じるにあたって人物造形に余念がない竜星だが、そんな彼が苦戦した役が、2018年10月~12月に放送されたドラマ「昭和元禄落語心中」(NHK)で演じた落語家・有楽亭与太郎だったという。いったい、どんな役柄だったのか。
小澤: でも大変そうだね。要するに落語を覚えるわけでしょ?
竜星: そうですね。1つあたり20~30分の演目を7~8個くらい覚えました。
小澤: マジで!? それはすごいわ。
竜星: あとは、浅草演芸ホールで実際に落語を演じさせてもらったことが印象に残っています。施設を使用できるのは通常営業が終わった後になるので、撮影は夜10時から朝まで。深夜帯に入ると、客席に座るお客さん役のエキストラの方々が眠たそうにしているんですよ。その人たちを落語の力でいかに目を覚まさせ、笑わせて泣かせるか。そう考えたときに自分の中で火が付き「やってやろう!」という気持ちで芝居に入りました。
小澤: 竜星はほんとヒリヒリする現場が大好物だよね(笑)。
竜星: いやいや、そんなことないですけど(笑)。ちなみに共演していて思ったんですけど、小澤さんは現場に来た瞬間、役でまとっている空気をめちゃくちゃ出してませんか?
小澤: え、そう?
竜星: はい。僕すごく感じるんですよ。小澤さんが来ると場が引き締まるし、現場の人たちがきびきびし始めるというか。
小澤: そうなんですか!? もっと言って(笑)。自分では全く気付けていない部分だから、うれしいな。
2月公開の映画ではキャスター役を熱演
2025年に入っても、竜星の活躍は止まらない。2月7日には主要キャストの一角を担う映画「ショウタイムセブン」が公開された。小澤: 「ショウタイムセブン」ではニュース番組のキャスター役をやられたということで。これもまたヒリヒリしたんじゃないの?
竜星: しました。現場では僕らを撮るカメラの前に、映像に映り込む小道具としてのカメラが何台も並んでいました。そのカメラは実際に活かして撮影し、モニターには僕らが映し出されていて。なおかつ、そのカメラを取り扱う人はエキストラの方ではなく、実際に報道番組を作られてるスタッフさんだったんですよ。

竜星: いやもう、キャスター役の僕とめるる(生見愛瑠)ちゃんは、リアルな生放送さながらの緊張感を味わいました。また、15~20分くらい長回しを1日の中で何度も行うので、かなり疲れもしました。でも、長いシーンをカットせずに撮っていると、お芝居をやってる側としては乗ってくるわけじゃないですか。そのおかげでいい作品になったと思います。
小澤: ここまで話を聞いてて思ったけど、竜星はつらい現場に自ら進んで行きたいの?
竜星: いやいや、行きたくないです(笑)。気付いたらそうなっているんですよ。
小澤: (笑)。
竜星: それで言うと、阿部さんも好奇心旺盛で、自分を危機的状況に追い込んでいく方だと思います。「VIVANT」でご一緒させていただいたときに「砂漠のモンゴルで撮影するなんてすごく大変そうですね」と話しかけたら、阿部(寛)さんは「へへっ、ワイルドな撮影になりそうだね」と笑いながら言ってましたからね(笑)。
自分を感じる瞬間は「銭湯で真っ裸でぼけーっと」しているとき
俳優業に情熱を傾ける一方、竜星はパリコレでランウェイを歩いた経験があるなどファッションモデルとしての顔も持つ。役者とモデルを両立するに至った背景には、ある大物歌手の一言があったようだ。竜星: 僕はファッションがすごく好きで。昔、研ナオコさんに「あなたはファッションがすごく格好いい。役者だけに集中したくなるかもしれないけど、それ以外の部分も素敵なんだから両方やりなさい」と言われたことがあるんです。
小澤: 正しいと思いますよ。僕、実は共演するまで、竜星をモデルさんから役者になった人だと勘違いしていて。そしたら逆で、俳優になってからモデル業を始めたんだよね。
竜星: そうなんです。そういったファッションなどの自分の趣味も俳優業と両立させて、グローバルに仕事をしていけたらと考えています。
小澤: それは楽しみですね。

竜星: 銭湯で真っ裸でぼけーっとしてたら「今、俺だな~」って思います。
小澤: そういうリラックスタイムっていいよね。
竜星: たまにありません? 役をいっぱい演じていると「果たして自分はどれなんだ?」みたいな。
小澤: 自分の軸がわからなくなるみたいなね。
竜星: そういうのをすべて取っ払い、開放的にすっぽんぽんになっているときが一番自分らしいなと思いますね(笑)。
(構成=小島浩平)
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