JUJUが冷や汗をかいた『やさしさで溢れるように』レコーディング秘話を亀田誠治と語る

JUJUが亀田誠治とトークを展開。人生に寄り添ってきた音楽を紹介し、3月にリリースしたニューアルバム『The Water』についても語った。

JUJUが登場したのは、3月30日(日)放送のJ-WAVE『DEFENDER BLAZE A TRAIL』(ナビゲーター:亀田誠治)。毎回、音楽を愛するゲストを迎え、その人生に寄り添ってきた音楽の話を伺うプログラムだ。

radikoでは、2025年4月6日28時頃までタイムフリー機能で再生可能だ。

裏声と地声の切り替えの妙を初めて知った

番組では、JUJUの人生に寄り添ってきた音楽、そして困難な場面で勇気をもらった曲などを紹介しながら、そのエピソードを訊いていった。まず、JUJUは1曲目にディー・ライトの『Good Beat』をセレクトした。

JUJU:テイ・トウワさん、レディ・ミス・キアー、DJディミトリーの3人組・ディー・ライトと私が出会ったのが中学生のころかな。レディ・ミス・キアーは私に影響を与えた3人のボーカリストのうちのひとりで。あとはサラ・ヴォーン、キャロン・ウィーラーなんですけど。『Good Beat』でのレディ・ミス・キアーの裏声と地声の切り替わりの妙をこの曲で初めて知りまして。その妙技みたいなものを、どうしても私もやってみたいって思ったんです。

毎朝・毎晩、この曲の裏声と地声の切り替えがとにかく気になったというJUJU。番組では『Good Beat』をオンエアし、その滑らかな歌声に聴き入った。

Deee-Lite - Good Beat (Official Music Video)

JUJU:切り替えが滑らかなんですよ。

亀田:(曲を聴いてみたけど)どこで切り替わった? ってくらいですよね。

JUJU:レディ・ミス・キアーは切り替えがわからないくらいの滑らかさなんです。この曲の内容もすごく私に影響を与えた。ものの見方もあなた次第、船が沈んでいるのか沈んでいないのか、その船が自由なのかそうじゃないのかっていう見方もあなた次第だっていうのを、この曲がすごく私に植え付けてくれて。自分次第でいいんだなって。誰かが「これはこうですよ」って言ったことが正解じゃないのだろうかっていう疑問を初めて抱いたのもこの曲でした。

偶然が重なり生まれた、JUJUという名前

2曲目にJUJUは、ウェイン・ショーターの『Juju』を選曲した。



JUJU:私のJUJUは、ここからいただきました。ちゃんとウェイン・ショーター本人にも伝えています。私は本名が「じゅん」というので、「じゅ」が付いている名前から近すぎず遠すぎずみたいなものを考えていたんです。ちょうどそのとき、インディーズで初めてのシングルを出す直前に「明日までに名前を決めないと本名の『じゅん』で刷るよ」ってレーベルから言われて。

亀田:(笑)。

JUJU:「じゅん」って名前もいいけど、「じゅん」って人がいろいろいらしたっていうのもあるし。あと、「じゅん」っていう名前で歌い始めたあとに、道ばたに「あれ、じゅんだ!」って呼ばれたときに、友だちかな? とか思ったりする自分のことを想像すると「じゅん」じゃないほうがいいなって。

亀田:めちゃくちゃいろんなことを想像するのね(笑)。

JUJU:石橋は叩いて壊して渡るタイプです(笑)。だから、「じゅ+○○」をいろいろ考えていました。もともと、当時、洋服屋で働いていたときにウェイン・ショーターの『JuJu』ってアルバムをめちゃくちゃ聴いていて。ウェイン・ショーターのサックスもすごく好きだったんです。

そう語るJUJUの当時の人生は混沌とし、決して平穏なものではなかったという。

JUJU:インディーズでレコードを出すのはありつつも、どこに向かって自分の人生が進むんだろうっていうことはわからなかったりとか、当時の年齢特有の混沌とした思考で思い悩むこともたくさんあった。そんななか、ウェイン・ショーターの『Juju』を聴いているときに、すごい難解な感じの曲に聴こえるんだけど、曲の途中で一瞬ふっとほどけるところがあって。それを聴いているうちに「ああ、もしかしたら私の今のこのモヤモヤも、この曲がほどけていくみたいに、ほどけるときが来るんじゃないか」って。それを思ったら「今はぐちゃぐちゃしてても大丈夫かもしれないな」と思って以来、ずっとこの曲は私の精神安定剤でもありますね。

そしてJUJUは、当時住んでいたニューヨークの道ばたで、自らのアーティスト名と運命的な出会いをしたという。

JUJU:道ばたにいろんなものを売ってるおじさんがいて、そのおじさんが並べているなかにあったのがウェイン・ショーターの『JuJu』のカセットだったんです。私はLPもCDも持ってたけどカセットだけ持ってなくて、おじさんに5ドル払って買って帰って。『JuJu』の曲にも救われたし、カセットにも出会ったから、私の名前はJUJUにしようと思って。

亀田からもらった言葉が、ずっと支えになっている

JUJUは3曲目に自身の楽曲『やさしさで溢れるように』を選曲。この曲は、亀田がプロデュースを手がけている。

JUJU 『やさしさで溢れるように』

JUJU:今回、亀田さんとお話する時間をいただいたし、私の人生においてもすごく大切な曲なので、この曲を選びました。

亀田:レコーディングの瞬間を覚えてるよ。

JUJU:私も覚えてます。憧れの亀田誠治さんとの初現場で。普段だったら私は楽器のレコーディングのときにお邪魔することってなかったんです。

亀田:JUJUさんはシンガーに徹されていて、トラックメイキングの部分はプロデューサーやアレンジャーにしっかりまかせるっていうスタイルだったんですけど、初めて一緒にやるっていうことでスタジオに挨拶に来たんですよね。

JUJU:そのときは歌うつもりは全然なくて、スーパーミュージシャンのみなさんの演奏を楽しもうと思ってたら、亀田さんが「歌わない?」っておっしゃって。それで「全然歌える気がしないですけど」って言ったら「大丈夫だよ。僕たちもこの曲を初めて演奏するから。福笑いみたいなもんだから」って。あんなに冷や汗をかきながら白目で歌ったことはないくらいでした(笑)。めちゃくちゃ楽しかったですけどね。でも、亀田さんの「福笑いみたいなものだから」は信用しちゃいけないなって思いましたけど(笑)。(演奏が)完成形だったから。

レコーディングを終えた亀田は、「この曲はきっと、JUJUという名前をたくさんの人に知ってもらえるきっかけになると思うよ」とJUJUに伝えたという。JUJUは「そのときの言葉が、ずっと支えになっている」と語った。

人生の教科書のひとつはユーミン

JUJUは最後の曲に、荒井由実の『花紀行』をセレクトした。



JUJU:私がユーミンと出会ったのはラジオだったんです。ユーミンが1stアルバムからひと晩に1枚ずつアルバムをかけていく番組があって。それで初めて出会ったときに「なんだこれは!」っていう。こんな声もこんな音楽も聴いたことがないって思って以来、私はユーミンのとりこなんです。それこそ、聴く音楽すべてからいろんなことを教えてもらうっていうのもあるけど、ユーミンの楽曲からは人としてのあり方だったり、恋愛でこういう場面ではこういうふうにしているとカッコいいなとか、そういうものをたくさん教えてもらったり。行ったことがない場所でもユーミンの曲を通して連れて行ってもらったことも多くて。

亀田:たしかに。

JUJU:私には人生の教科書がふたつあって、ひとつはジャズで、もうひとつはユーミンですね。ユーミンの曲は全部好きなんですけど、『花紀行』はちょうど今くらいの時期に絶対に聴きたくなるし、知らない街を歩きながら聴きたくなる曲です。知らないことを探しに行きたいって思うと、この曲を聴いています。

「軽やかに生きていたい」という気持ちが強くなってきた

続いて、最近のJUJUの活動の話題に。JUJUは3月に8枚目となるオリジナルフルアルバム『The Water』をリリースした。

JUJU 「The Water」 Music Video

亀田:今回のアルバム全曲、聴かせていただいているんですけど、時代とともに進化していて。歌もそうだし、トラックも。その順応性がありながら、声が唯一無二というか、これJUJUさんでしょって。

JUJU:本当ですか!? JUJU感がない曲かなって。(私にとって)JUJU感ってままならない曲を歌うときの感じで。

亀田:なるほど。

JUJU:でも、軽やかに生きていたいっていう気持ちが年々強くなっていくし、喜怒哀楽にも常に付き合うし。その喜怒哀楽のなかでも“喜”がいちばん少なくなっていくというか。悲しいこととか残念なこととか、ちょっと「うっ」ってなるようなこととかが年々増えていく。今までもたくさん経験してきたけれど、そのつど“The Water”っていう涙とか汗だったりを流しながらみんな日々生活していて。でも、今まだ笑えている自分がここにいる。水っていろんなふうに形を変えられるから、これから先そういうことがあったとしても、(水のように)自分も軽やかに形を変えていろんなことに寄り添っていきたい。そういう想いがあるので、歌い方も今まででいちばん軽やかに歌うように心がけた曲が多かったりします。だから、ままならないJUJUが好きって言ってくださる方には、ままならない部分が少なかったかもしれないですね。

亀田:でも、今おっしゃった、水を通過したJUJUさんが染み込んでいって、ままならないJUJUが好きな人にも癒しになったり、気づきになると思いますよ、きっと。

JUJU:そうだったらいいですね。

5月からはこのアルバムを携えたホールツアー「JUJU HALL TOUR 2025 『The Water』」を開催する。

JUJUの最新情報は、公式サイトまで。

『DEFENDER BLAZE A TRAIL』では、音楽を愛するゲストを迎え、人生に寄り添ってきた音楽、困難を乗り越えるときに出会った音楽について語り合う。オンエアは日曜21時ごろから。
radikoで聴く
2025年4月6日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
DEFENDER BLAZE A TRAIL
毎週日曜
21:00-21:54

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