9mm Parabellum Bullet・菅原が語る、「バンドをやっていてよかったと思う瞬間」

9mm Parabellum Bulletの菅原卓郎(Vo/Gt)がニューアルバムやバンドへの想いなどについて語った。

菅原が登場したのは、11月6日(水)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)内、音楽以外の「+1」なトピックをゲストに尋ねるコーナー「MUSIC+1」だ。

結成20周年を迎えて…

今年の3月でバンド結成20周年を迎えた9mm Parabellum Bullet。菅原は「あっという間ですね。気づいたら『もう20年なのか』という感じ」と、バンドへの想いを語り始めた。

サッシャ:なかなか20年できるバンドって、そう多くはないのですばらしいことです。

菅原:うれしいですね。バンドをやめてソロ活動してという人もいますが、バンド仲間でも20年の人がちらほらいます。歳も同級生ぐらいで「俺たち生き残ってよかったね」みたいな(笑)。

ノイハウス:そういう会があるのですね(笑)。

サッシャ:長く続けるためにバンド内の決め事、不文律みたいなものあるのでしょうか。あまりお互いプライベートに立ち入りすぎないとか、逆に毎日1回は連絡するとか。

菅原:そんなに連絡取らなくなりましたね。昔は街を歩いていたらばったり会うくらい近いときもありましたが、バンドで常に一緒にいるから連絡はしなくて「今日はどうする?」とスタジオやライブで会ったりしたときに、ぎゅっとバンドになるみたいな。

サッシャ:その距離感がいいのですね。素敵です、20年です。

ノイハウス:菅原さんご自身も大きな変化かなと思いますが、2年前にバンドの所属事務所の代表取締役に就任されました。これはどういった日々を過ごされているのでしょうか。いろいろ責任も大きいと思います。

菅原:バンドがやれるように社長になりました。「僕はバンドをやらせてもらいますよ」みたいな感じです(笑)。

サッシャ:バンドも、バンドの事務所も率いているということですか? 実務面もやらないといけないわけでしょう?

菅原:僕らしかいないのですが、実務ははっきり言って全然わからないようなものなので、最初は助けてもらおうと思ってやっています。逆に変に手を出してバンドがガタガタしたら「なんの意味があったんだ?」となってしまうので。

サッシャ:バンドメンバーから「社長、こうしてくださいよ」という突き上げはないですか?

菅原:いまのところはないです(笑)。

サッシャ:平和でいいですね。

「一番クオリティ高いものを」

9mm Parabellum Bulletは10月に、通算10枚目のニューアルバム『YOU NEED FREEDOM TO BE YOU』をリリース。菅原はアルバム制作過程のエピソードなどを語った。

菅原:コンセプトはいつもなくて「いまあるクオリティの高い曲を集めたアルバムを作ろう」という感じです。アルバムのタイトルは2曲目の歌詞で「この言葉、なんかいいな」と思うところがあって。最初は曲のタイトルにしようと思ったのですが、アルバムのタイトルとしてつけたほうがメッセージにできるし、よりいいかなと。

サッシャ:ちなみに7月には20周年の企画としてファン投票の上位20曲を収録した、デジタルベストアルバムをリリースしました。ファンが聴いている曲などを知って、アルバムを作るうえで軸になったことはありますか?

菅原:結果が意外で、シングルでもない曲が1位でした。そういうところは栄養として僕らは受け止めて、プレゼントしてもらったなという感じです。一番クオリティ高いものを作ろうということはぶれずに「うれしいな、こういうのも好きだよね」という。結果を反映させるのではなくて、いまあるいいものを一番高いクオリティで完成させようという感じでした。

サッシャ:アルバムバージョンの『Brand New Day』を入れると11曲ありますが、個人的には『Domino Domino』が好きです。

菅原:これはけっこう新しめな感じの曲です。歌詞を書いているうちに「ドミノ的な要素で歌詞を書こう」と思ってやっていました。

サッシャ:ドミノ倒しね。

菅原:でもアイデアができなくて。「ドミノ倒したらいいけどなにを倒せばいいんだ、どんなドミノなんだ」となったら、願い事を1個ずつドミノにすることにしました。願い事がいっぱいあって、それを1個ずつドミノにして並べていって、それを倒すという歌詞にしようと思って。そのときに「歌詞というのはそうやって書くんですよ、菅原くん」って自分で自分にツッコミを入れました(笑)。

サッシャ:客観的な菅原さんが出てきたと。

菅原:ちょっと煮詰まっていたのですが、その瞬間に世界が違うルールになるじゃないですか。歌詞のルールになるから「これを俺はいつも探しているんだよ菅原くん!」という感じでした。

バンドをやっていてよかったと思うときは?

この日の「+1」では、結成20周年を迎えた9mm Parabellum Bulletの印象的な出来事などを振り返った。菅原は「最近、すごくおもしろいことが起きて……」と切り出す。

菅原:ギタリストの高中正義さんが、9mmのギターの滝(善充)くんのシグネチャーモデルをライブで弾いていたという(笑)。

サッシャ:ええ!? 高中さんがシグネチャーモデルを買っているということ?

菅原:たぶんそうだと思います。

サッシャ:楽器屋に行っていろいろ弾き比べて「これいいね」と。

菅原:高中さんのライブを観に行った楽器関係の方が、僕らの楽器を作ってくれているESPというブランドがあって。そこの担当の人に「これ、滝くんのギターっぽいんですけど違いますか?」と写真を送ってくれて。僕の手元にも同じのがありますが、そうしたら「これはまさしく滝くんモデルですね」ということになって。そのギターすごく軽いんです。滝くんライブを休んでいたときがあって、復活するときにちょっといままでのギターが重かったから軽いやつにして、ステージングを軽やかにしたいと。そうしたら本当にもう、iPadぐらいしかなくて。

サッシャ:厚みが? どうやって抑えるの?

菅原:ボディがすごく薄くてネックが一緒なんです。2.9キロしかなくて「赤ちゃんより軽い」みたいな。

サッシャ:それを高中さんが弾いていたというのが「やっていてよかったな」と。

菅原:ビックリしました。斜め後ろからきて「そこからか」と。滝くんも喜んでいました。

サッシャ:作った甲斐がありましたね。

逆に「ピンチだった瞬間」はあったかを質問すると、菅原はステージ上でぎっくり腰になってしまった経験があると明かした。

菅原:歌っていましたが動けなくなっちゃって。「これはいかん」と思って、曲間でギターとベースのところに寄っていって「俺は今日無理です」と。そうしたその次の曲から2人ともステージングがすごく激しくなるという(笑)。

サッシャ:菅原さんはどうしたの?

菅原:頑張って歌いました。

サッシャ:残り何分ぐらいだったの?

菅原:フェスだったから20分ぐらい。でもその翌日も翌々日もライブがありました。

サッシャ: 3日は炎症が続きますよ。

菅原:そのときは、ただただやりました。いまは休みます。16年前ぐらいで若かったから。

ノイハウス:バンドをやっていてよかったなと、ほっこりする瞬間はありますか?

菅原:僕は毎回ライブが始まる前、夕方ぐらいになってくると「あれ、今日もロックンロールしていいの?」みたいな感じになってきて、こみ上げてくるんです。ライブのステージに出たらお客さんが自分たちの音楽に反応してくれて、ライブの途中で「全部きらきらしている、いま」みたいなことになるので、「ライブをしないとだめ」だな、みたいに思っちゃいます。

ノイハウス:ある意味客観的、マインドフルにその瞬間に気づけて感じられるのはすごくいいですね。

9mm Parabellum Bulletの最新情報は、公式サイトまで。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「MUSIC+1」では、ゲストとして毎回話題のミュージシャンが登場する。放送は月曜~木曜の12時30分ごろから。
番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00

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