ティモンディ・前田裕太と福留光帆が「倍速で観たらダメですか?」をテーマに語り合った。
この内容をお届けしたのは、10月16日(水)に放送されたJ-WAVEの番組『GURU GURU!』(水曜日ナビゲーター:ティモンディ・前田裕太、福留光帆)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく"逆転ラジオ"。リスナーからさまざまな意見を募り、発想と柔軟性を育てる教養バラエティプログラムだ。
前田:福留さんは倍速についてどう思っているんですか?
福留:そもそもドラマとかYouTubeとか映画もそうですけど、自分の興味がないものを見るってしんどいじゃないですか。それを流し見ちゃうときは倍速で見ちゃったり。最近は10秒ずつスキップできる機能はけっこう使ってますね。
前田:僕は目で見るもの(映像)は本人たちも見てもらうために、ある意味で命を削ってパフォーマンスしているものだから見るのであればちゃんと通常速度で見ますね。ただ内容を追いたいとき、いわゆるオーディオブックとか本を朗読してくれるようなものは速く聴きますね。ラジオは通常速度で聴くかも。
福留:ラジオを倍速ではあまり聴いたことないな。
前田:テンポ感が速いラジオがさらに速くなるからね。
福留:私たちのラジオもけっこう速そうですもんね。
前田:(倍速で聴くと)誰もついて来れないよ(笑)。
福留は倍速で作品を見る友だちがいるそうで、その友だちと観てみたい映画がたまたま一緒だったことから、ある違和感があったという。
福留:私が「その映画、まだ観られてないんだよね」って話をしたときに、友だちが「私は観たよ」って言われたから「どんな話だったの?」って訊いたら「倍速で観たから理解できなかった」って(笑)。
前田:そういうやつって、そうなんだよね。わかる、わかる。相方の高岸(宏行)が映画を観るときとか、わりとせっかちだから1.5倍速とか2倍速とかで観るのよ。「俺、この映画観たよ」って話をしているときに「俺も観た」「あそこ、よくなかった?」「そんなのあったっけ?」って(笑)。「いやいや、そこがよかったじゃん」って。たぶん雰囲気を字面で追いたいんだろうね。
福留:映画って些細な表情の変化とかを楽しむものなんじゃないかなって。間とか。
前田:そういう楽しみ方をする人は比較的多いかもしれないよね。でも最近は(倍速で観る人は)そこよりもストーリーをなぞりたい人もいるのかなって。
リスナー:僕は倍速賛成派です。というか、あまりに視聴したいコンテンツがこの世に多すぎて倍速で処理をせざるを得ないのが現実です。速さと内容の理解を両立したいのでジャンルごとに自分に合う速さを見つけて視聴しています。漫才はもとからテンポが速いので等倍ですが、コントは長尺が多いので2倍速で見ます。実際に倍速でコントや漫才で大笑いしたりドラマで泣いたりするので、こちらの脳が倍速で処理できたら作り手の意図もちゃんと届いていると思います。
前田:本人にとっては楽しんでいるって言いながら、(倍速で楽しむコンテンツは)ちょっと優先順位が低いんだろうね。その感性を否定することではないけど、コント師は悲しいだろうなって。
福留:コントを倍速で見るって想像がつかないですね。
前田:雰囲気で笑わせるタイプのネタはちょっと届きにくいかもしれないけど、本人があんまりお笑い好きじゃないんだろうね。
福留:ちょっとオコですか?
前田:オコじゃないよ(笑)。でも、僕自身めちゃくちゃ大切にしているわけではないものを誰かが大切にしているから、その人の感性を否定するわけではないですけど、お笑いをお仕事にしている以上、ちょっとさびしさはありますね。
福留:それ(倍速)で「誰々のネタは」って語られてしまうと……。
前田:「あなた正しい食べ方をしてないですよ」って。出された料理をマヨネーズとかケチャップをバッとかけて食べて「おいしくない」って言われるのはちょっとお店の人にはかわいそうな気がするね。
福留:めっちゃわかりやすい(笑)。そっか。
リスナー:仕事が忙しくなったときに時間が惜しくなって残業終わりに観ているYouTubeなどの動画を試しに1.5倍速にしてみるとテンポが速くなって理解が追いつかなくて何も頭に入らなくてやめました。倍速は脳が疲れていない人がやるハイスペック視聴方法だと思いました。
前田:(倍速視聴する人は)自分がハイスペックだと思っているかもしれないけど、(内容が)わかってない人も多いからね。
福留:確かに。SNSの単語で言うと「既読」みたいな、そういう感覚なんですかね。
前田:チェックリストにチェックを付けて「これ見た?」「見た」って言えるようにしているだけというか。
福留:もし自分の好きなもので、それで見た気になっちゃったら悲しい気持ちはありますよね。
前田:それであんまりだったって言われると「それはさあ……」って。
福留:時間の短縮としてはいろんなコンテンツを見られていいと思うんですけど、それで全部をわかったってなっちゃうと少し寂しい気はしますよね。
前田:福留さんも出演する動画とかテレビとか倍速で視聴されて「生意気言いやがって」みたいに言われてたら「あなたね……」ってなるでしょ。
福留:そういうことを言ってくる人たちはXに貼ってある場面のスクショ4枚だけで全てを見た気になっているのと一緒で、バラエティを全部見た気になっていますからね(笑)。
番組では、「倍速クイズ」と題して、前田と福留が事前に収録した好きなものに関してのコメントの音声を倍速で流し、それぞれが何について語っているかを答える場面もあった。
リスナー:僕は映像制作を学んでいたので、倍速で理解をされたと思うと悲しくなります。流れはわかっても間だったりちょっとしたこだわりが制作者にはあると思うので通常速度で見てほしいです。
福留:これはわかる。
前田:どちらかというと前に出る人はこっち側の意見が多いかもね。立場で見え方が変わるからね。
福留:多様性?
前田:多様性というか感受性の幅の広さに対しての許容性みたいなものかもしれないですね。
福留:大人になるってこういうことか……。
前田:そうだよ。見識が広がりますからね。
別のリスナーからは「動画を倍速で見る人は動画の内容を楽しむというより、勉強とか暗記の感覚なのかなって。そんなに無理して見なくても、もっとゆっくり楽しめる趣味とか見つけたほうがいいと思う」いう意見も。
前田:そういう人って生き急いでるよね。
福留:若干、無理をしてるって思っちゃいますよね。
前田:そこまでして果たしてした人生を送れるのかって。
福留:時間短縮のために倍速で見たとて、それって時間の無駄になっているんじゃないかって。内容が頭に入ってこないならなおさら。
前田:結局何を見たか思い出せないでしょ。どうだったか。普通に見ても思い出せないときがあるのに。
福留:映画とか特に。
さまざまな意見が行きかった2時間。最後に前田と福留は番組を振り返る。
前田:(番組を通して)感覚は変わりましたか?
福留:私自身、倍速で見る習慣がなかったので「倍速クイズ」で実際に前田さんの話を聴いてみたんですけど、あまりに理解ができなくて。倍速で見ている人を悪く思ったことはないですけど、倍速で全部を理解できているか不思議にはなりましたね。
前田:これはネット社会の弊害というかSNSもバッといろんな情報が流れてくるけど、結局「覚えているものって何?」って。じゃあ昨日、おとといSNSで何を見ましたかって(訊かれても)1個も言えない可能性があるよね。XとかInstagramとか、見たものがごっちゃになってない? 1個1個を大切にするみたいな精神はなかなか育みにくいかもしれないですね。
福留:確かに。インスタなんていつも一番上に(安田大サーカスの)クロちゃんがウインクしてチュみたいな口をしている投稿しか出てこないからな。
前田:そればっか見てるからだよ(笑)。
J-WAVE『GURU GURU!』は、毎週月曜~木曜の22時-24時にオンエア。
この内容をお届けしたのは、10月16日(水)に放送されたJ-WAVEの番組『GURU GURU!』(水曜日ナビゲーター:ティモンディ・前田裕太、福留光帆)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく"逆転ラジオ"。リスナーからさまざまな意見を募り、発想と柔軟性を育てる教養バラエティプログラムだ。
2024年10月23日28時59分まで
内容を追いたいときは倍速で見る?
今回のテーマは「倍速で観たらダメですか?」。映画やYouTube、はたまた音楽やラジオまで。倍速視聴をする人も多い現代。内容がわかればOK? あなたは倍速視聴、どこまで許せますか?前田:福留さんは倍速についてどう思っているんですか?
福留:そもそもドラマとかYouTubeとか映画もそうですけど、自分の興味がないものを見るってしんどいじゃないですか。それを流し見ちゃうときは倍速で見ちゃったり。最近は10秒ずつスキップできる機能はけっこう使ってますね。
前田:僕は目で見るもの(映像)は本人たちも見てもらうために、ある意味で命を削ってパフォーマンスしているものだから見るのであればちゃんと通常速度で見ますね。ただ内容を追いたいとき、いわゆるオーディオブックとか本を朗読してくれるようなものは速く聴きますね。ラジオは通常速度で聴くかも。
福留:ラジオを倍速ではあまり聴いたことないな。
前田:テンポ感が速いラジオがさらに速くなるからね。
福留:私たちのラジオもけっこう速そうですもんね。
前田:(倍速で聴くと)誰もついて来れないよ(笑)。
福留は倍速で作品を見る友だちがいるそうで、その友だちと観てみたい映画がたまたま一緒だったことから、ある違和感があったという。
福留:私が「その映画、まだ観られてないんだよね」って話をしたときに、友だちが「私は観たよ」って言われたから「どんな話だったの?」って訊いたら「倍速で観たから理解できなかった」って(笑)。
前田:そういうやつって、そうなんだよね。わかる、わかる。相方の高岸(宏行)が映画を観るときとか、わりとせっかちだから1.5倍速とか2倍速とかで観るのよ。「俺、この映画観たよ」って話をしているときに「俺も観た」「あそこ、よくなかった?」「そんなのあったっけ?」って(笑)。「いやいや、そこがよかったじゃん」って。たぶん雰囲気を字面で追いたいんだろうね。
福留:映画って些細な表情の変化とかを楽しむものなんじゃないかなって。間とか。
前田:そういう楽しみ方をする人は比較的多いかもしれないよね。でも最近は(倍速で観る人は)そこよりもストーリーをなぞりたい人もいるのかなって。
倍速でも作り手の意図は受け取れている
ここからはリスナーからのメッセージを紹介することに。リスナー:僕は倍速賛成派です。というか、あまりに視聴したいコンテンツがこの世に多すぎて倍速で処理をせざるを得ないのが現実です。速さと内容の理解を両立したいのでジャンルごとに自分に合う速さを見つけて視聴しています。漫才はもとからテンポが速いので等倍ですが、コントは長尺が多いので2倍速で見ます。実際に倍速でコントや漫才で大笑いしたりドラマで泣いたりするので、こちらの脳が倍速で処理できたら作り手の意図もちゃんと届いていると思います。
前田:本人にとっては楽しんでいるって言いながら、(倍速で楽しむコンテンツは)ちょっと優先順位が低いんだろうね。その感性を否定することではないけど、コント師は悲しいだろうなって。
福留:コントを倍速で見るって想像がつかないですね。
前田:雰囲気で笑わせるタイプのネタはちょっと届きにくいかもしれないけど、本人があんまりお笑い好きじゃないんだろうね。
福留:ちょっとオコですか?
前田:オコじゃないよ(笑)。でも、僕自身めちゃくちゃ大切にしているわけではないものを誰かが大切にしているから、その人の感性を否定するわけではないですけど、お笑いをお仕事にしている以上、ちょっとさびしさはありますね。
福留:それ(倍速)で「誰々のネタは」って語られてしまうと……。
前田:「あなた正しい食べ方をしてないですよ」って。出された料理をマヨネーズとかケチャップをバッとかけて食べて「おいしくない」って言われるのはちょっとお店の人にはかわいそうな気がするね。
福留:めっちゃわかりやすい(笑)。そっか。
リスナー:仕事が忙しくなったときに時間が惜しくなって残業終わりに観ているYouTubeなどの動画を試しに1.5倍速にしてみるとテンポが速くなって理解が追いつかなくて何も頭に入らなくてやめました。倍速は脳が疲れていない人がやるハイスペック視聴方法だと思いました。
前田:(倍速視聴する人は)自分がハイスペックだと思っているかもしれないけど、(内容が)わかってない人も多いからね。
福留:確かに。SNSの単語で言うと「既読」みたいな、そういう感覚なんですかね。
前田:チェックリストにチェックを付けて「これ見た?」「見た」って言えるようにしているだけというか。
福留:もし自分の好きなもので、それで見た気になっちゃったら悲しい気持ちはありますよね。
前田:それであんまりだったって言われると「それはさあ……」って。
福留:時間の短縮としてはいろんなコンテンツを見られていいと思うんですけど、それで全部をわかったってなっちゃうと少し寂しい気はしますよね。
前田:福留さんも出演する動画とかテレビとか倍速で視聴されて「生意気言いやがって」みたいに言われてたら「あなたね……」ってなるでしょ。
福留:そういうことを言ってくる人たちはXに貼ってある場面のスクショ4枚だけで全てを見た気になっているのと一緒で、バラエティを全部見た気になっていますからね(笑)。
番組では、「倍速クイズ」と題して、前田と福留が事前に収録した好きなものに関してのコメントの音声を倍速で流し、それぞれが何について語っているかを答える場面もあった。
発信する側としては「悲しくなります」
「倍速機能は反対」というリスナーからは、こんなメッセージが届いた。リスナー:僕は映像制作を学んでいたので、倍速で理解をされたと思うと悲しくなります。流れはわかっても間だったりちょっとしたこだわりが制作者にはあると思うので通常速度で見てほしいです。
福留:これはわかる。
前田:どちらかというと前に出る人はこっち側の意見が多いかもね。立場で見え方が変わるからね。
福留:多様性?
前田:多様性というか感受性の幅の広さに対しての許容性みたいなものかもしれないですね。
福留:大人になるってこういうことか……。
前田:そうだよ。見識が広がりますからね。
別のリスナーからは「動画を倍速で見る人は動画の内容を楽しむというより、勉強とか暗記の感覚なのかなって。そんなに無理して見なくても、もっとゆっくり楽しめる趣味とか見つけたほうがいいと思う」いう意見も。
前田:そういう人って生き急いでるよね。
福留:若干、無理をしてるって思っちゃいますよね。
前田:そこまでして果たしてした人生を送れるのかって。
福留:時間短縮のために倍速で見たとて、それって時間の無駄になっているんじゃないかって。内容が頭に入ってこないならなおさら。
前田:結局何を見たか思い出せないでしょ。どうだったか。普通に見ても思い出せないときがあるのに。
福留:映画とか特に。
さまざまな意見が行きかった2時間。最後に前田と福留は番組を振り返る。
前田:(番組を通して)感覚は変わりましたか?
福留:私自身、倍速で見る習慣がなかったので「倍速クイズ」で実際に前田さんの話を聴いてみたんですけど、あまりに理解ができなくて。倍速で見ている人を悪く思ったことはないですけど、倍速で全部を理解できているか不思議にはなりましたね。
前田:これはネット社会の弊害というかSNSもバッといろんな情報が流れてくるけど、結局「覚えているものって何?」って。じゃあ昨日、おとといSNSで何を見ましたかって(訊かれても)1個も言えない可能性があるよね。XとかInstagramとか、見たものがごっちゃになってない? 1個1個を大切にするみたいな精神はなかなか育みにくいかもしれないですね。
福留:確かに。インスタなんていつも一番上に(安田大サーカスの)クロちゃんがウインクしてチュみたいな口をしている投稿しか出てこないからな。
前田:そればっか見てるからだよ(笑)。
J-WAVE『GURU GURU!』は、毎週月曜~木曜の22時-24時にオンエア。
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2024年10月23日28時59分まで
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番組情報
- GURU GURU!
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月・火・水・木曜22:00-24:00