お笑いコンビ・エバースが「はじめまして」「人見知り」について考える

お笑いコンビ・エバースの佐々木隆史と町田和樹が「初対面、得意ですか?」をテーマに語り合った。

この内容をお届けしたのは、10月3日(木)に放送されたJ-WAVEの番組『GURU GURU!』(木曜日ナビゲーター:エバース)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく"逆転ラジオ"。リスナーからさまざまな意見を募り、発想と柔軟性を育てる教養バラエティプログラムだ。

はじめましてをつかみたい!

10月1日より、新番組『GURU GURU!』がスタート。日替わりナビゲーターを務めるのは、バラエティや舞台などで活躍し、オルタナティブな視点を持つ5組。この日は木曜日担当としてエバースがナビゲーターを務めた。

同日のトークテーマは「はじめましてをつかみたい!」。「はじめましての場面、けっこう多くの人が苦手だと思うのですが、特に日本人はそういう傾向がありそう」と、超人見知りの佐々木と、そこそこ強心臓だという町田がトークを展開していった。

佐々木:佐々木自身もそういうところがあります。人見知りの部分が。

町田:だいぶ佐々木はそっち寄りだよね。

佐々木:逆に初対面の相手でもわりとすぐに仲良くなれる人もいますよね。

町田:コンビでは俺が人見知りじゃなくて、佐々木のほうが人見知りです。

佐々木:コンビでは町田が外交と言いますか、だいぶ頼りない外交官ですけど(笑)。

町田:そこは感謝してくれよ。正直助かっているだろ?

佐々木:それ以上に俺がお前のことを助けている場面が多いですけど。

町田:いまはそういう話じゃない(笑)。今日は初対面の話だから、普段の活動は関係ないから。

佐々木:ということで今日は木曜『GURU GURU!』初回なので、ずばり「初対面、はじめまして」についていろいろ意見を交わしていこうと思います。

質問をしているのを見たことがない

町田は佐々木が初対面の人とあったときの気になる点を指摘し、佐々木の人見知りを感じたエピソードを披露した。

町田:みんな大人だからさ、いろいろ訊いてくれるでしょ。「佐々木さん、普段なにされているんですか?」とか。たとえば趣味を訊かれたときに、まず答えはする。その次お前が訊き返せばいいんだよ。

佐々木:どういうことでしょうか?

町田:「○○さん、趣味はどんなことをやっているんですか?」という質問。お前が初対面の人に質問をしているのを見たことがない。なんで質問しないの? 訊かれているのだからお前もその人について訊けばいいのに、その感覚はない?

佐々木:「早く終わればいい」と思っちゃう(笑)。

町田:人見知りの人はそう思っているのか。それが基本的に出過ぎているのと、エピソードで言えば僕らはわけあって一緒に住んでいるのですが。

佐々木:ルームシェアと言いますか、同じマンションに住んでいます。

町田:9年目で住んでいる芸人も珍しいですけど(笑)。1回、佐々木の部屋が水漏れみたいなのをしたんです。天井から水が落ちてきてみたいな。それを朝、俺の部屋に「水漏れしているんだけど」と言いにきて。まず俺に言いにくるのもよくわからないし。

佐々木:それは同居人として「お前の部屋大丈夫?」という(意味で訊いた)。

町田:「お前なんとかしろよ」の感じだったけどな。

この件について大家や業者に連絡をしなければならなかったが、佐々木は「初対面の人と話したくない」という理由で、連絡を町田にしてほしいとお願いしてきたそう。あまりに人見知りなため、立ち合いも町田に任せてしまったほどだという。

町田:あと(佐々木が)バイクの鍵を失くしたことがあったんです。絶対にバイク駐車場から家までのあいだで失くしたはずなので、そこに落ちていなかったから、100パーセント交番に届いている。「じゃあ1回地元の交番に行けよ」と言ったら、佐々木が「知らない警察官としゃべりたくない」って。まずお前が知っている警察官がいないし(笑)。知らない人としゃべりたくないと言って、鍵を失くしてそのままにしていたんですよ。スペアキーはあったんですけどね。

佐々木:たぶんポケットに入れていて、ポケットに穴が空いていたんですよ。それでするっと落ちちゃって、近所の交番に取りに行かなかったという。

町田:探しにも行かなかったという。

佐々木:届いていない可能性もあるでしょ? 届いてないのに初対面の警察官としゃべらないといけない。

町田:どれだけ嫌なんだよ。

「人見知り」とは大人に使わない言葉?

番組でははじめましての理解を深めるために人見知りについて調べ、人見知りに関する著名人の言葉も紹介した。

佐々木:人見知りという言葉が、そもそも「子どもなどが見慣れない人に対して不安を感じたり恥ずかしがったりすること」という意味だそうです。つまりもともと、子どものための言葉であって、大人に人見知りはいないという。

町田:概念としてないんだ。

佐々木:家ではしゃいでいるけど、人の家に行ったらおとなしくなるみたいな子どもがいるけど、ああいうことを人見知りと言うんだよね。

町田:本来はそういう言葉なんだ。

佐々木:ゲッターズ飯田さんいわく「人見知りは本来、大人に向けて使う言葉ではない。子どもは社会の流れや意味を理解できていませんが、大人になってそれはあり得ない。社会のなかで自分が元気に生きていけるのは、誰かのお世話やおかげがあってこそ、ということを知っているはず。平気で人見知りと言えてしまうのは、普段から感謝をしていない証拠」という、かなり厳しいことを言っています。

町田:厳しいね。

佐々木:さらに星野 源さんも「過去に自分が人見知りという言葉を使っているのは、コミュニケーションが苦手ということから目をそらすためだった」と説明。コミュニケーションは苦手だと自覚していたものの、改めて考えて人と話すことが好きだということに気づき「僕みたいに本当は人が好きなのに人見知りだと言っちゃうということは、相手に『僕、人見知りなので気を使ってください』と言っているのと一緒だなと。それってすごい失礼だなと思って」という(話をされています)。

町田:確かにそんな感じするな。もともと人見知りっぽいけど、克服していった風じゃない? 勝手なイメージだけど、元から明るい人という感じではなさそう。

グランジ・大の3つのアドバイス

番組にはグランジ・大が登場。初対面の現場でも使えるというテクニックを3つ紹介した。

佐々木:1つ目のポイントをお願いします。

大:相手の想いを先読みする、ということですよね。エバースの2人も同業の芸人ですから、所作としてなんとなく身についていると思います。

佐々木:無意識のうちに。

大:たとえば俺と佐々木が今日初めて会いましたと。佐々木が俺を見たときに「この人でかいな」という印象、まず視覚で入るからね。俺は佐々木を見たときに「実際に会ってみたら、俺が思っていた以上に小柄だな」という。それはわかりやすさでもあるから、そういったところから入って行くと、人見知りとか距離はなくなっていくよね。縮まっていくというか。

佐々木:「思っていたよりでかいんですね」ということですか?

大:先に言わせない。「すみません、でかくて。圧迫感とかないですか?」とか、そっちは「すみません、小さいんです」とかね。相手が思ったことを先に言うと距離感が縮まるじゃない。人見知りって相手のことを考えすぎちゃっているんだよね。案外人って人のこと何も考えていないから。町田は人見知りの素養がないじゃない、ぐいぐいいけそうだもの。

町田:はい(笑)。

大:佐々木は、僕も東北・秋田県出身だけど東北の人間はシャイなのが多いから。上京して23年ぐらい経つけど「人は人のこと案外考えていないな」と思ったときにフラットに付き合えるというか、考えなくなった。「嫌われたら嫌」は人見知りにつながるけど、人ってそんな簡単に人のこと嫌いにならないよね。

町田:言っていることすごくわかります。

大:よっぽど嫌なことしない限りね。

佐々木:1個目のポイントで人見知りが解消できそうです。

大が挙げた2つ目のポイントは「己の想いを捨てろ」だ。

大:やっぱり自分が怒るということは、自分のプライドや「なんでこいつこんなこと言うのだろう」とか、そんなことを思って生きているから疲れるのよ。なにを言われても「私はただの肉の塊です」と。

町田:そこまで思うんだ(笑)。

大:「私の魂は私の外にあります」と思って生きていたら関係ない。いちいち怒ったり「こいつなんなんだろう」とか思っている時間が無駄です。

町田:そんな状態になってくるんだ。

大:なにも思わない。

町田:怒ったり、むかついたりはない?

大:昔はめちゃくちゃあったけど、いま思うとね。椿 鬼奴さんと結婚して、うちの椿さんが仏みたいな人なの。気遣いの人で、結婚して意識が変わったな。

3つ目に大が揚げたポイントは「人を想う」だった。

大:これは社会で生きていく上で、本当に人のことを想って生きていたらすごく楽だよ。ようは「いい人のふりをし続けろ」。そうしたら人からも嫌われないし全部うまく回る。過剰にいい人を20年間やってみ? そうしたら「あのいい人だな」って、大概の粗相をしても全部許してくれるよ。

エバースがお届けする木曜日の『GURU GURU!』。現在、2024年10月10日のオンエアが、radikoで楽しめる。



『GURU GURU!』の放送は毎週月曜日から木曜日の22時から。
番組情報
GURU GURU!
月・火・水・木曜
22:00-24:00

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