池松壮亮、映画『ベイビーわるきゅーれ』が好きすぎてオファーよりもパート3の実現に歓喜

『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ最新作となる第3弾『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(9月20日宮崎県先行上映・9月27日全国公開)がついに完成。8月27日には都内映画館で完成披露上映会が実施され、主演の髙石あかり、伊澤彩織、共演の池松壮亮、前田敦子、そして阪元裕吾監督が参加した。
チケット即完の満員御礼で迎えたこの日。日本での最新シリーズ第3弾念願の初お披露目に阪元監督は「観客の皆さんのパート3への気持ちが表情として可視化されている。SNSばかりやっていたらダメだなと思った。ちゃんと顔を見て対話しようと思いました」とユーモア交じりにこの日を迎えた感慨を表した。

シリーズを通して杉本ちさとを演じている髙石は「3作目は伊澤さんがいるから出来ました。伊澤さんと二人でいるときに、私たちは一つですと言っていたくらい、ちさととまひろの関係性と同じように伊澤彩織と髙石あかりとして一つになろうというテーマを置いていたからこその作品になりました」と、バディを組んできた伊澤に感謝。そんな深川まひろを演じる伊澤は「ただいま!」と元気に挨拶して「私もあかりちゃんと同じような気持ちで、二人がいればなんとかなる! ちさまひの関係性と私とあかりちゃんの関係性は同じ。パート2では肩ひじを張ってしまったけれど、結局はあかりちゃんが隣にいれば二人は最強だということがわかりました」と相思相愛だった。
史上最強の殺し屋・冬村かえで役の池松と、口が達者な先輩の殺し屋・入鹿みなみ役の前田はシリーズ初参加。本シリーズのファンという池松は「3やるんだ!? やった! あ、そうかオファーか、と思った」と笑わせつつ「僕自身『ベイビーわるきゅーれ』の世界観と阪元さんが作る作品が好きだったこと、ちさまひにお会いして向き合ってみたいと思ったこと、かえでというキャラクターが魅力的だったので、そこをどう自分で探求できるかやってみたかった」と参加理由を述べた。一方、前田は「ちさまひの二人に食って掛かる役だったのでファンの皆さんに嫌われないように……。でも阪元監督の書くセリフが面白いので、愛らしいキャラになりました。監督の書く面白いセリフを信じて楽しんで取り組めました」と撮影を振り返った。

ちさと(髙石)VSみなみ(前田)の舌戦も本作の見どころの一つ。髙石が「前田さんの怒ってるときの声の発し方が好きで、怒ってもらえる嬉しさがあった」と言うと、前田は「(言い合いの際に髙石が)今どきの返し方をしてくるので、私は30代だという感覚を持っていられた」とジェネレーションギャップを実感して照れ笑い。阪元監督は当該シーンに触れて「前田さんが面白くいてくれるので、全員が笑うと思います」と予告していた。
伊澤は池松との死闘を振り返り「人生で一番戦いました。人は一日でこんなにも戦えるのかというくらいの量を戦って、異次元に飛ばされる感覚がありました。今やれと言われても出来ないことの連続。自分でも何をしているのかわからないくらいスピードも速かった。それが映画に映っているはず」とハードファイトに手応え。伊澤と拳を交えた池松も「あまりにも素晴らしくて、普段の自分では出てこない力を出さないと対等に戦えないと思った。伊澤さんには引っ張っていただいて、僕のキャラクターを強くしてもらいました」とリスペクトしていた。

撮影は宮崎県をメインにロケを敢行。宮崎県出身の髙石は「県庁で殺し合いをすると聞いたときは本当にいいのか?と思った。しかも私の小学校のときの通学路でいつも遊んでいた場所でもあったので、そこで殺し合いをするという。ああ……大人になったんだなあと思いました」と爆笑。宮崎での撮影中に髙石の両親が豚汁を差し入れてくれたそうで、前田は「愛情たっぷりの差し入れで、しかもご両親がとてもいい人で感動。撮影の思い出で一番嬉しかった。阪元監督がたくさんおかわりしていました」と思い出し笑いで、髙石家の協力に感謝していた。
最後に主演の髙石は「ファンの皆さんの作品の愛は伝わっていますし、私たちも作品を通して皆さんへの愛を伝えたいです。この作品を愛してもらえたら嬉しいです」、伊澤は「作品がどんどん大きくなって『ベイビーわるきゅーれ』が私たちの手から離れていくような寂しさを感じる一方で、私たちは何も変わらないままです。今回のちさととまひろの成長物語を見ていただき、皆さんの日々を応援できるようになっていたら嬉しいです」と挨拶。阪元監督は「本当におもろい映画になっているし、全員の気持ちが乗った映画になっています。是非楽しんでください!」と感極まりながら詰めかけたファンたちに呼び掛けていた。

(取材:石井隼人)

『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』予告編

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