河合優実が演じた、“いじわるで、嘘つきで、暴力的”な主人公─『ナミビアの砂漠』カンヌ快挙に喜び

第77回カンヌ国際映画祭国際映画批評家連盟賞に輝いた映画『ナミビアの砂漠』(9月6日公開)。そのジャパンプレミアが8月22日に都内映画館で実施され、主演の河合優実、共演の金子大地、寛一郎、そして山中瑶子監督が出席した。

9月6日公開『ナミビアの砂漠』本予告

<あらすじ>
いじわるで、嘘つきで、暴力的。そんな彼女に誰もが夢中になる!
世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。
優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?
公式サイトより)

浮遊するように東京で生きる21歳のカナを演じた河合は、満員御礼の会場を前に「本当に本当に皆さんにこの映画を観てもらえることが楽しみで待ちきれない作品でした。この日を無事に迎えられて、お一人お一人に作品を届けられることに嬉しい気持ちがあります」と感慨無量の様子で挨拶した。

河合は演じたカナについて「人の話を聞いていないところ」に共感したと明かすと、山中監督は「脚本を書く前にヒントを得たくて河合さんに『自分の嫌なところはありますか?』と聞いたら『人の話をたまに聞いていない』と言われた」と河合のパーソナルな部分を役柄に反映させたと告白。山中監督から「でも河合さんが聞いていないとは周りの人は気づかないはず」と指摘された河合は「そうですね……。聞いているかのような顔をしてたまに聞いていないところがあります」と恥ずかしがりながら認めていた。
日本人監督だけでも青山真治監督、黒沢清監督、濱口竜介監督ら錚々たる面々が受賞してきた国際映画批評家連盟賞。山中監督は「映画が好きで監督を目指していたときに観て影響を受けたり圧倒されたりした映画たちが受賞してきているので……受賞以来ずっとピンときていないです。でも今日こうして多くの方々に作品を観てもらえれば実感できると思います」と照れ笑い。
登壇メンバー全員が映画祭に参加した。寛一郎は「受賞の際はグループLINEに大量のメッセージが飛び交っていた。時差があったから僕は眠かった」と笑わせつつ「でも非常に素晴らしいことです」と祝福。河合は「カンヌにみんなで行けたことで、撮影前よりも仲が深まったと思う。上映も観客の皆さんの反応がダイレクトに伝わってきたので、自分たちが面白いと思って作った作品が海を越えても伝わるんだと驚いたしうれしかった」と喜色満面。
海外映画祭初参加という金子は「もう最高でした! 海外の映画祭は初めてだったので贅沢だなと。僕は完全に浮かれていました」とハイテンションだった。
(取材=石井隼人)

関連記事