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松岡茉優が15歳でもらった「宝物みたいな言葉」 子役時代の思い出も明かす

松岡茉優が15歳でもらった「宝物みたいな言葉」 子役時代の思い出も明かす

俳優の松岡茉優が、役作りで意識するポイントや、今後の展望について語った。

札幌FM NORTH WAVE、東京J-WAVE、名古屋ZIP-FM、大阪FM802、福岡CROSS FM、全国5地区のFMラジオ局で構成するJFLによるスペシャルプログラム『JFL HOLIDAY SPECIAL PILOT CORPORATION presents CLICK FOR THE NEW STAGE』(ナビゲーター:小山薫堂、クリス智子)。

新年度を目前にした、3月20日の春分の日。新しいステージに進むための「ひと押し」をラジオからお届けする。さまざまなジャンルのゲストが自身の活動を通じて「発見・再発見したこと」、リスナーからは「あなたがそのよさを発見・再発見したもの」などをメッセージで募集。さらに、全国各都市から「発見! 再発見!!」をテーマにしたレポートも紹介。

この記事では、13時台に放送された、松岡茉優と小山薫堂との対談の模様をお届けする。

15歳のころに言われた「宝物みたいな言葉」

松岡茉優は俳優として『あまちゃん』、『勝手にふるえてろ』、『万引き家族』などさまざまなドラマ、映画で活躍。小山と松岡は今回で二度目の対面となる。

小山:(前回の対面は)2015年だから当時20歳ですね。そして先月、誕生日を迎えられました。

松岡:はい。来年30歳になります。(前に会ったのが)ほぼ10年前なんですね。

小山:この9年間、ものすごく成長されたと思うんですけども、ご自身ではどう感じていらっしゃいますか?

松岡:人生のすべてと言ってもいいくらい、濃密だったと思いますし、考え方も目まぐるしく変わっていきました。噂によると、30歳以降のほうが、さらに40歳以降のほうが人生は楽しいと聞きました。いかがですか?

小山:僕は今年60代になりますけども、それぞれの世代でそれぞれの楽しさがありますね。でもやっぱり、30代は好きなことができる歳じゃないですかね。20代のとき、自分の人生が大きく変わったなと感じた瞬間はありましたか?

松岡:役を演じて、役を作られた方、原作者の方であったりドラマを生み出されたプロデューサーさんから「あなたにこの役をやってもらってよかった」と言っていただく機会が、20代になってしばしば増えてきたんですね。初めてそういった言葉を言っていただいたのは15歳だったんですけれど、宝物みたいな言葉でした。役を任せてくれて、それを私でよかったと言ってもらうことの“奇跡”に、「これは私の人生の喜びだな」と感じましたね。

与えられた役の“プロフィール”を設定

さまざまな役を演じる役者という職業。松岡が役作りのうえで意識するポイントは何だろうか?

松岡:私はわりと頭でっかちなほうでして、最初にプロフィールを設定いたします。

小山:自分で?

松岡:はい。たとえば原作がある場合や、役のプロフィールをいただいている場合はそれに則るんですけど、ない場合は生年月日、血液型、家族構成などを考えます。私という人間にとって大事なものはその人の人生にとっても、大事だと思うので、プロフィールを作成します。

小山:へええ!

松岡:演出部さんにそれを伝えたりはしないのですが、自分のなかの整理として決めています。

デビュー20周年を迎えた心境は?

2023年にデビュー20周年を迎えた松岡。歳月を重ねるたびに、仕事に対する向き合い方が変化してきたという。

松岡:20周年を自分で言うのって、ちょっと自分のなかでは違和感があって。たとえば20歳から俳優を目指された方って衣食住を自分で賄わないといけないですよね。でも、私の(俳優人生の)20年の半分は親の扶養のなかに入っていたんです。なので、感覚としては10年ぐらいなんですよね。

小山:なるほど。子役からやられている方って、親から離れる瞬間が不安だったりしませんでしたか?

松岡:清々しかったです。「ここから私の人生は自分で手綱をひくんだ」と。大学にも進学しませんでしたので、全責任が自分ということが清々しかった。

小山:へええ!

続けて松岡に、プライベートと仕事の切り分けについて聞いた。

小山:松岡さんはプライベートと仕事の関係って密接ですか?

松岡:わけているつもりはなかったんですけども、周りから見るとわけている印象があるみたいです。生活は生活としてきちんと確立したい思いが個人的にはあります。

小山:映画の撮影があったとき、役を引きずったまま日常生活を送ると、食べるものが変わったりしません?

松岡:激しい人の役だと激しい言葉を使ってしまうだろうから、家族に迷惑はかけていると思います。自分の実感としては“文字”の雰囲気が変わります。

小山:普段書く文字が変わる! 血液型といい、すごいですね。

すぐ涙することを求められた子役時代

松岡は、自身の心の支えにしている言葉として「ありがとう」を挙げた。

松岡:言葉をたくさん知っているお友だちが教えてくれたんですけど、ありがとうは「有難う」と書くから、「ないことがありました」とも読めると。自分にとって「なかったこと」があなたのおかげで「あること」になった、という言葉でもあるんだよ、と教えてくれて、まさにそうだなと。先ほど役についてありがとうと言ってくださると嬉しいと申し上げましたけども、ちょっとしたこと、落としたものを取ってくれたときもありがとうと言い合う。小さいプレゼントみたいな言葉だなと思って大好きです。

小山:ありがとうございます。いい言葉が聞けました。

小山は松岡に、どうやって長いセリフを覚えているのか問いかけた。

松岡:人によると思うんですけど、私は(セリフが)長ければ長いほど書きますね。喋りながら覚えるのって私の中では限界があって。会話劇だと録音して相手のセリフを聞きながら覚える手段もありますが、それでも限界があるので、書きます。

小山:子役のみなさんって本当にすごいなって思うのですが、胸が締め付けられるような涙を流すことがあるじゃないですか。あれってどうやって涙を流すんですか?

松岡:8歳か9歳のときのオーディションで、パイプ椅子に座って30秒以内に泣いてくださいって形のものがありました。それで泣けた子だけ別室に連れて行ってもらうという。泣けなかった子は帰るんです。私は帰っていました(笑)。

小山:でも、帰るときに泣くんじゃないですか(笑)?

松岡:泣きますよね。それで、悔しいという気持ちも芽生えていきました。

いろいろな仕事に挑戦したい理由は?

松岡が「発見・再発見したこと」は、芝居に対する心構えだという。「やっぱり、お芝居は自分がするんじゃなくて、“させてもらうもの”だと感じた」という出来事が、昨年の夏にあったという。

松岡:「最高の教師 1年後、私は生徒に□された」(日本テレビ系)で先生の役をやらせてもらったとき。お芝居はさせてもらうものと思ってはいたんです。15歳から23歳のフレッシュな俳優さんたちと一緒にお芝居をしたとき、私では想像のつかない言い方や捉え方を教えてもらったんです。それこそ、私が学生役をやっていたときの先生たちの気持ちもなんとなく理解できたし、改めて、お芝居はするものではなく、させてもらうものなんだなと再発見しました。

小山:とはいえ、年齢的には15歳ぐらいしか違わないわけじゃないですか。それでそんなにジェネレーションギャップを感じることがあるんですね。

松岡:キャリアもあるかなと思っています。私、子役出身なことを後悔はしていないけど、ちょっとコンプレックスでもあって。いわゆる部活動とかに集中したことが8歳からないんです。たとえば20歳を超えてからお芝居を始めた方だと、同い年であったとしても、どこか自由なんですよね。

30歳を控える今、挑戦したいことはあるのだろうか。

松岡:語弊があるといけないのですが、俳優以外のお仕事も大事にしたいです。ラジオもそうですし、それこそ20周年をなぜ自分から言ったかというと、本を出したかったからなんです。20周年に本(『ほんまつ』<扶桑社>)を出させていただいたんですけども、作るのがすごく楽しかったんです。いろんな分野のお仕事を片手間じゃなくてきちんと向き合ってみたいなと思います。それはきっと、俳優業においても大切なことだと思うので。

小山:なんだか、なんでもできそうな気がします。

松岡:5段階中2ぐらいまではできると思うんですけど、スペシャルなものが何もないんですよね。

小山:それは僕も同じです。浅く広く。

松岡:コンプレックスにならないですか?

小山:なります。だから職人さんに憧れるんですよ。

松岡:わかります!

小山:そういう意味では松岡さんは20年間俳優なわけです。ある意味、職人さんじゃないですか。

松岡:そう言っていただけますか。じゃあ、職人です(笑)。

小山:新しい挑戦も見てみたいので、頑張ってください!

松岡のエッセイや対談記事、ファッションスナップ等を含むバラエティブック「ほんまつ」は、現在発売中。その他最新情報は公式サイトまで。

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番組情報
JFL HOLIDAY SPECIAL PILOT CORPORATION presents CLICK FOR THE NEW STAGE
2024年3月20日(水・祝)
9:00-17:55