音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
篠原ともえ、デビュー時のファッションは「画面のおもしろさ」も重視して

篠原ともえ、デビュー時のファッションは「画面のおもしろさ」も重視して

篠原ともえが、自身のファッションやデザインしてきた服などについて語った。

篠原が登場したのは、J-WAVEで3月21日(火・祝)に放送された特別番組『JFL HOLIDAY SPECIAL PILOT CORPORATION presents CLICK FOR THE NEW STAGE』(ナビゲーター:小山薫堂、クリス智子)。

シノラーブームのときの服も自分で

この日、自身で作成した服で登場した篠原。かつては個性的なファッションを身にまとい「シノラー」として一世を風靡したが、当時からこだわりがあったという。

クリス:タレント、アーティスト、それからデザイナーとしてぐんぐんアップグレードしています。

篠原:アップグレード大好きです。

クリス:「あのシノラーだよね?」みたいな(笑)。

小山:とても同じ人だとは思えないですよ。

篠原:同じですよ(笑)。

小山:シノラーのときもご自身で服を作っていたんですよね?

篠原:あの当時はスタイリストさんがいないときもあったので、自分で古着屋さんに行ってリメイクしたりしていました。母の影響なんですけれど。自分で服を作ったりとか絵を描いて縫製してくださる方に頼んだりとか、すごく好きでしたね。

クリス:デビューされた当時は、すごく華やかなエネルギーがあふれるようなインパクトのある色だったけど、そのデザインや組み合わせとかも全部自分でやってらしたんですよね。やっていることは変わらないのかもしれないですね。

篠原:そうですね(笑)。

クリス:アウトプットが全然違う感じになったのかな? グレードがまた変わってきたというこということなんですかね。

小山:色の好みは変わるものですか?

篠原:変わります。シノラーファッションを楽しんでいたときは10代20代で、そのときは出るメディアもテレビでした。テレビのセットって本当にカラフルで面白いんです。だからそこに篠原が出る場合はやっぱりおもちゃがついていたほうが画面もおもしろいだろうなと思ってカラフルに。なわとびを着けたりとか(笑)。

クリス:なわとびで腕輪を作っていたというのを訊きました。

篠原:そうなんです。でもいまはファッションの現場で裏方として勤めるときは黒一色で、なるべく目立たないように。色使いは黒とか着られるようになりました。

クリス:シックでお似合いです。

世界的な賞を受賞

篠原は2022年に革の着物の作品「THE LEATHER SCRAP KIMONO」で、世界的な広告賞であるニューヨークADC賞でシルバーキューブとブロンズキューブの2冠を達成。作品への想いを語った。


クリス:これはシックな日本の美しい山の風景という感じでいいんでしょうか?

篠原:日本の皮革の魅力を発信していこうというプロジェクトで、日本ターナーズ協会さんからいただいたお仕事でした。革を端まで使ったんですが、革の端ってちょっと不思議な日本地図のような形をしているんです。あの端って製品を作るうえで使いにくいのでカットして捨てられちゃうんです。それを端まで使ってなにか作れないかなと思って。

クリス:「なみなみ」という感じで、でこぼこしています。

篠原:それがなにかに見えないかな? とずっと眺めていたら「山の稜線に見える!」と思って。それを重ねていって幽玄の世界と言うか。

クリス:きれいでしたね。

小山:それで着物を作るというのがまたおもしろい発想ですね。

篠原:着物も一反の布からなるべくあまりを出さないパターンの縫製になっているので、そのメッセージが掛け合わさるなと思って。日本人がものを大事にするエッセンスが入っていると思い、着物に仕立てて作品を撮らせてもらいました。それでエントリーをしたら、ブランドコミュニケーション部門とファッション部門で賞をいただきました。

クリス:そのアイデアに気づいたときが「山が見えた!」という感じなんですね。

篠原:革ってもともと動物たちの副産物からいただいているものなので、動物たちが山に返っていくという物語もいいなと思って。そこでひとつ、つながっていったんです。

小山:あれはあまり重くないんですか?

篠原:すっごく軽いんです。

クリス:えー!

小山:革って重いイメージがあります。

篠原:埼玉県の草加市のレザーの加工をされているチームと組んだのですが、0.45ミリなんです。

小山:すごく薄いんだ。

篠原:スマホが使える手袋があって、あれってすごく薄いじゃないですか。そういう素材を使っているので、打掛とか重い着物より軽いぐらいです。

クリス:景色の雄大さも含めて重みがあるように感じてました。薄めのものでできているんですね。

篠原:それを1枚1枚手作業で、熱で接着できるものを一つひとつ貼っていって半年ぐらいかけて作りました。

クリス:やっぱりかかるんですね。

小山:いまはどこに置いてあるんですか?

篠原:草加市の文化会館で町のシンボルとして(展示されています)。

小山:じゃあ行ったら展示で見られるんですね。

篠原:ぜひみなさん足を運んでください。

クリス:賞のときにはどういう評価だったんでしょうか。

篠原:もちろん水墨画をイメージしたので、その景色の美しさもあったんです。でもやっぱり日本の文化を世界に発信するというのがすごく大事だなと思って。まず水墨画というのを説明していくんです。水墨画というのは英語で「インク」なんですけど、グラデーションの景色、幽玄の世界というのを美しいと感じるのって日本人の審美眼だと思うので、それを景色に着物としてまとうものにするというのを伝えたのと、あとはやっぱり余りを出さない日本人のもとから持っている考え方というのは丁寧に伝えました。

小山:作品のなかに日本の文化のいろいろな要素が集約されたんですね。

篠原:ものを大切にすることや、墨のグラデーションの美しさだったり。そういうのって私たちが普段から自然を見て愛しているから、こういう景色がすてきだなと感じる、そういう想いを込めました。

星野リゾートのユニフォームも

篠原は自身の作品の展示のほかにも、松任谷由実や嵐のステージの衣装の制作など、意欲的に活動をしている。

クリス:星野リゾートのホテルスタッフユニフォームもなんですよね。

篠原:そうなんです。実は昨日、OMO関西空港という星野リゾートさんがまた新しく手掛けられる大阪の関西空港にホテルがオープンし、そちらのユニフォームも同じ大阪ということで、私がデザインさせていただいたOMO7大阪 by 星野リゾートのものを採用いただきました。でも実はこれはコンペだったんです。指名のお仕事ではなくて「コンペに参加しませんか?」という、挑戦ですよね。自分たちでプレゼン資料を作って、実際にみなさんの前でライブのようにプレゼンして勝ち取ったお仕事でした。

クリス:プレゼン力ありそうです。

小山:実は昨日、僕はそれこそ星野リゾートOMOの担当の方からインタビューを受けて。今度熊本にもOMOができるので、それで「あ、もしかしたらデザイナー篠原さんでしょ?」と言ったら「いや、篠原さんは大阪だけなんですよ」って。基本的にOMOは私服なんですって。でも篠原さんのがすごくいいから、ほかのOMOから「うちにも制服がほしい」という声が出ているんですって言っていました。

篠原:うれしい。まだ(リクエストは)きてないですけどね(笑)。もうデザインしたくなっちゃいます。実際にすごくいろいろなユニフォームを調べたりしました。これまでのようにすぐに絵を描いて形にしちゃおうじゃなくて、リサーチして、そのホテルのよさを導きながらポジショニングしたり。そういうのはいままでやったことがなかったからおもしろかったです。

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
番組情報
JFL HOLIDAY SPECIAL PILOT CORPORATION presents CLICK FOR THE NEW STAGE
2023年3月21日(火・祝)
9:00-17:55