藤原さくら、水族館や酒蔵など個性的な場所を巡った47都道府県ツアーを振り返る

藤原さくらがニューアルバム『AIRPORT』や、先月無事終えた47都道府県を巡る全国ツアーについて語った。

藤原が登場したのは、J-WAVEで5月24日(水)に放送された『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」。

斉藤和義と楽曲制作したきっかけ

藤原は5月17日にニューアルバム『AIRPORT』をリリースした。

クリス:ジャケットも本当に素敵で、これは空港で撮っているんですよね?

藤原:成田空港で撮りました。チェックインするところなんですかね。わりと入り口にありました。

クリス:こうやって切り取ってみると違った印象すらありますけども、タイトルの『AIRPORT』はコロナもあって次のことを、みたいなイメージもあったりするんですか。

藤原:それももちろんありますし、今回はけっこうお別れの曲だったりも多いんですけど、それをすごく爽やかにカラッと表現できたなって思って。旅立ちみたいな意味も込めたかったんですけど、『AIRPORT』ってタイトルは自分的にすごく語感もよくて。次にって感じですね。

クリス:タイトルっていつくらいに出てくるものなんですか。

藤原:私は曲のタイトル自体も出てくるのが遅いほうで、全部レコーディングが終わってから考えることが多いですね。最後の最後、曲が出そろったあたりで「そろそろ決めてほしいです」って言われて決めました(笑)。

クリス:最初にポンって言葉があると向かいすぎちゃうんですかね。

藤原:コンセプトアルバムみたいにして、最初にテーマを決めて作る方ももちろんおられると思うんですけど、今回は本当にいろんな方たちと曲の制作をしたので、どういう風に曲のタイトルを付けようかなって思ったときに、最後にこのタイトルを付けましたね。

『AIRPORT』の制作には、音楽プロデューサーのYaffleや関口シンゴ(Ovall)、斉藤和義らが参加している。

クリス:みなさん、どういうご縁で参加されたんですか。

藤原:関口さんは随分前からバンドメンバーとしても入ってもらったりとか関係性がある方で、斉藤和義さんも先月リリースされた和義さんのアルバム『PINEAPPLE』で一緒に歌おうって呼んでもらって、そのときちょうど私も制作中で、「和義さん、今私が誘ったら断れないんじゃないか」と思って(笑)。なので、和義さんから誘ってもらったのが先だったんですけどご一緒したりしました。

口からふっと出た言葉から生まれた『迷宮飛行』

藤原は、今回の制作は前回とはかなり変わったと明かし、「誰かにトラックを作ってもらってそこに私がメロディーや歌詞をのせていくっていう、ちょっとヒップホップライクな作り方をした曲が多かった」と話す。

藤原:それこそYaffleさんとの曲『わたしのLife』は一緒にスタジオに入って、「最近こんな曲かっこいいですよね」とかお話して、「じゃあ、ちょっとトラック作ってみよう」ってその場で作ってくれて、その場でメロディーをのせてみてとか。今までギターの弾き語りで作ることが多かったので、自分1人だったら絶対にたどり着けないメロディーが生まれたりとか。コード進行も手癖になっちゃってるところが多かったんですけど、「こんな進行使ったことない」とか。

クリス:実際にどんなところが意外なところだったの?

藤原:Yasei Collectiveの中西道彦さんと一緒に作った曲は、「ちょっと踊れるような曲を作りたいですよね」っていうリファレンスとか曲を出し合って、「じゃあ、トラック作ってみます」って道さん(中西)が4トラックくらい作ってくれて、それを私がどんどんメロディーをつけまくりながら送り返して、「じゃあ、この中から2曲進めますか」みたいな。

クリス:その制作って新鮮な反面、難しさはありましたか?

藤原:ありましたね。最初はVaVaさんというヒップホップのトラックメイカーだったりラップをやられている方とそういう作り方をしたのがきっかけで、最初はメロディーが全くででこなくて。ギターを弾いて作るっていうのが体に染み込んでたみたいでなかなか出てこなかったんですけど、やってみると「ギターだったら絶対にこんなの思いつかない」みたいなメロディーが出てきたり。『Feel the funk』もVaVaさんと作った曲ですね。

クリス:これはマイキー(Michael Kaneko)が歌詞を書いてますよね。

藤原:けっこう曲によって作り方はいろいろだったんですけど、この『Feel the funk』は、仮渡しがデタラメ英語だったものを極力語感を崩さず意味とか何も考えなくてもいいので英詞にしてくださいって、けっこう投げやりなこと言って(笑)。他に意味ありげな歌詞の曲が多かったので、何も考えないで音をただ楽しむみたいな曲があってもいいと思ったりして……。マイキーさんは自分もアーティストとして尊敬してる方なので、かっこよくてちょっと面白い歌詞を書いてくれました。これ歌詞ができあがったのがレコーディングの当日で(笑)、楽しかったですね。

クリス:他の曲も、トラックがあって音を作って歌詞を書くことが多いですか。

藤原:そうですね。ただ、道さん(中西)と一緒に作った曲とかは、その場でトラックを聴いて仮で作った歌詞からそのまま書いてる曲が多いですね。ちょっと曲によるんですけど。

クリス:『迷宮飛行』どうですか。この曲大好きです。

藤原:この曲も口からふっと出た言葉から「これケンカの曲だ」と思って、そのままケンカの歌詞を書いていったって感じでした。ケンカって話がとっちらかって着陸する場所がなくなったりするじゃないですか。そういう心境を歌っています。

会場の人たちと一緒にライブを作っている感覚があった

藤原は昨年5月からスタートした47都道府県、全52公演にわたる「藤原さくら 弾き語りツアー 2022-2023 "heartbeat"」を無事終えた。

クリス:お疲れ様でした。

藤原:頑張りました。今まで行ってない県もありましたし、なかなかコロナ禍とかでみんなに会えない時期が長かったので、こまめに行けなかった場所を全部まわりたいねってところから始まって。

クリス:ホールとかではなくて、洋館だったり芝居小屋であったりちょっと変わった場所だったんですよね。

藤原:毎回全然違うので、音響とか照明とか全部持ち込みだったりして。毎回ちゃんとリハをしないとすごく響く会場だったり、音を吸収する会場だったりがあるので、それも含めて楽しかったですね。それと毎回セットリストを変えてたんですよ。

クリス:へえ。

藤原:なので、リハでは初めてやる曲を歌ってみたりとか、足元も1人だけだったのでエフェクターだったりループマシンとかも使ったりして、毎回そこもチェックしたり。

クリス:行ってみてビックリした場所とかありましたか?

藤原:たくさんあるんですけど、芝居小屋とかは市内にはないんですよ。電車が近くに通ってない、みんなどうやって来たのか本当に謎。車でしか来れないので。着物で来てくださってる方もいたし、素敵だなって。

クリス:ともすると、会場がホールだと「どこだったかな」とかいろいろ記憶がミックスすることがあるかもしれないけど、ここまで個性的な場所だから記憶に残るのかなって。

藤原:本当にその通りで、会場の方とかもすごく場所のことを愛してずっと存続させようって思ってる愛が伝わってきて、会場の方とも一緒にライブを作っている感覚がありました。

藤原は特に印象的な会場のひとつに酒蔵をあげた。

藤原:ライブが終わったあとに日本酒をいただくのが最高でしたね。岩手の「あさ開」ってところでやらせてもらったんですけど素敵でした。

クリス:今度は酒蔵ツアーやったら?

藤原:やりたいです。

クリス:味しめちゃうと、こういうツアーもいいですね。

藤原:水族館でもやったんですけど、イルカショーを最初にやったりとか。イルカショーで私が手を振り上げたりして。成功しなかったんですけど(笑)、そこからライブみたいな。そういうのもやりました、成功しなかったなって(笑)。

藤原は6月2日(金)~4日(日)に東京・虎ノ門ヒルズ 森タワー 2F オーバル広場・カフェで開催するフリーライブ「TORANOMON HILLS “MUSIC BAR” produced by J-WAVE」に出演する(藤原の出演は6月2日)。

藤原さくらの最新情報は、公式サイトまで。

J-WAVE『GOOD NEIGHBORS』のワンコーナー「TALK TO NEIGHBORS」は毎週月曜から木曜の14時10分ころから。
番組情報
GOOD NEIGHBORS
月・火・水・木曜
13:00-16:00

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