CRCK/LCKS(クラックラックス)の小田朋美(Vo, Key)が、バンドの音楽のルーツや、楽曲『Stay』に込めた想いを明かした。
小田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは4月10日(月)、11日(火)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
小田:『総総』は2020年のコロナ禍が始まったあたり、みんななかなか会えない中で、オンラインで作り始めました。作曲という面で見ると、だいたい3年くらいかかっているんですけど、それぞれその時々の気持ちや、空気感がたくさん詰まったEPになったと思っています。
今回、EPの中から1曲ということで、『Stay』についてお話ししたいと思います。この曲はメンバーの井上銘(Gt)が作曲をして、私はメロディや詞を作ったんですが、歌詞の中に<ひらかれた円/満ち足りた空洞>という部分があります……ちょっとすみません、自分の歌詞を読むのは恥ずかしいのですが(笑)。
この歌詞を書いたとき、特に意識はしてなかったんですが、振り返ると、まさに自分たちのことを表している言葉なのかなと思いました。それが、この楽曲で表現した自分達らしさはどこにあるのかという部分に繋がるんですが……。
私たちは5人組で、今年で8年目になるバンドです……が、わりと、好き勝手なことをそれぞれのタイミングで言うバンドで、正直、一時期はなかなかひとつの点に集まらないなと悩んでいたことがありました。
でも今回のEPを作り終えたときに、私たちっていう円の中にあるのは、ひとつの強い点じゃないと思ったというか。どちらかというと、風が通り抜けていく空洞みたいなものなのかなって。その空洞というものは、言葉としては矛盾するんですが、空っぽの空洞ではなく、満ち足りた空洞という風に捉えています。
たぶん、私はバンドだけでなくて、自分自身だったり、人との関係に、点とかひとつの正解を求めすぎてしまうっていうのがあって。でも今回、このEPを作れたことで、空洞というのは未知なるものがたくさん詰まっていると思えたし、希望も感じました。これからもそんな空洞みたいなものを信じたり、楽しむ気持ちを忘れずにいたいなと思います。
小田:今回は私たちのルーツとなる1曲についてですが、メンバー5人いるので、バックグラウンドもそれぞれ異なります。1曲に選ぶのは、なかなか難しかったりするのですが、今回選んだのはYellow Magic Orchestra(YMO)の『Perspective』です。
作詞が坂本龍一さんとピーター・バラカンさん、作曲が坂本龍一さんです。私たちは2015年に初めてのライブをやったのですが、その後も含めて唯一カバーしたことのある曲が『Perspective』です。
具体的な影響をこの時間内で語るのは足りない気がするんですけど、本当に、単純に大好きな曲です。
私たちはCRCK/LCKSというバンド名なのですが、略してクラクラと呼ばれていまして。あるとき、人に「クラクラって細野晴臣さんの言葉からきてるの?」と聞かれたことがありました。細野さんは、音楽で大切な3つの要素を「下半身モヤモヤ」「みぞおちワクワク」「頭クラクラ」と名付けたことがあるそうで、その方は「頭クラクラからきているのかな?」と想像したそうなんですが、直接的な由来ではありません。でも、今、思えば精神的な影響は多分に受けていたというか、どこか意識の中にあったのかもと思っています。
「頭クラクラ」ってすごくいい言葉だと思っています。脳天がクラクラするようなサウンドコンセプトというか、初期衝動というか。どんなスタイルの音楽でも、衝動に突き動かされているものを私は聴きたいと、常々思っているので、そういう意味でもとても影響を受けているし、まず自分自身が「頭クラクラ」できるようなものをこれからも探し続けていきたいなと思います。
坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣という天才音楽家が78年に結成したのがYMO。CRCK/LCKSも、3人が鳴らす革新的な音楽に大きな影響を受けたようだ。
アーティストの話を通じて音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けするコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」は、J-WAVE『SONAR MUSIC』内で月曜~木曜の22時41分ごろからオンエア。Podcastでも配信しており、過去のオンエアがアーカイブされている。
【CRCK/LCKS 小田朋美 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
小田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』内のコーナー「RECRUIT OPPORTUNITY FOR MUSIC」。オンエアは4月10日(月)、11日(火)。同コーナーでは、アーティストたちの自身の楽曲に込めた想いと、彼らのアーティスト人生に大きく影響を与えた楽曲との出会いの話を通じて、音楽との「まだ、ここにない、出会い。」をお届けする。
空っぽの空洞ではなく、満ち足りた空洞
2015年初頭にアメリカでの音楽留学から帰ってきた小西遼(Sax, Vocoder, Key, etc)を中心に結成されたCRCK/LCKS。以後は、都内のライブハウスを中心に活動している。2019年には『KISS』が「J-WAVE SONAR TRAX」に選出。4月5日には3年4ヶ月ぶりとなるEP『総総』をリリースした。今回はそのEPについて、そして収録曲『Stay』でどんな自分たちらしさを表現したのか、小田に語ってもらった。小田:『総総』は2020年のコロナ禍が始まったあたり、みんななかなか会えない中で、オンラインで作り始めました。作曲という面で見ると、だいたい3年くらいかかっているんですけど、それぞれその時々の気持ちや、空気感がたくさん詰まったEPになったと思っています。
今回、EPの中から1曲ということで、『Stay』についてお話ししたいと思います。この曲はメンバーの井上銘(Gt)が作曲をして、私はメロディや詞を作ったんですが、歌詞の中に<ひらかれた円/満ち足りた空洞>という部分があります……ちょっとすみません、自分の歌詞を読むのは恥ずかしいのですが(笑)。
この歌詞を書いたとき、特に意識はしてなかったんですが、振り返ると、まさに自分たちのことを表している言葉なのかなと思いました。それが、この楽曲で表現した自分達らしさはどこにあるのかという部分に繋がるんですが……。
私たちは5人組で、今年で8年目になるバンドです……が、わりと、好き勝手なことをそれぞれのタイミングで言うバンドで、正直、一時期はなかなかひとつの点に集まらないなと悩んでいたことがありました。
でも今回のEPを作り終えたときに、私たちっていう円の中にあるのは、ひとつの強い点じゃないと思ったというか。どちらかというと、風が通り抜けていく空洞みたいなものなのかなって。その空洞というものは、言葉としては矛盾するんですが、空っぽの空洞ではなく、満ち足りた空洞という風に捉えています。
たぶん、私はバンドだけでなくて、自分自身だったり、人との関係に、点とかひとつの正解を求めすぎてしまうっていうのがあって。でも今回、このEPを作れたことで、空洞というのは未知なるものがたくさん詰まっていると思えたし、希望も感じました。これからもそんな空洞みたいなものを信じたり、楽しむ気持ちを忘れずにいたいなと思います。
「頭クラクラ」できるようなものを探し続ける
小田、小西、井上のほか、石若 駿(Dr)、越智俊介(Ba)で構成されるCRCK/LCKS。テクニックの高いバンドとして知られるCRCK/LCKSのルーツとなる1曲は?小田:今回は私たちのルーツとなる1曲についてですが、メンバー5人いるので、バックグラウンドもそれぞれ異なります。1曲に選ぶのは、なかなか難しかったりするのですが、今回選んだのはYellow Magic Orchestra(YMO)の『Perspective』です。
作詞が坂本龍一さんとピーター・バラカンさん、作曲が坂本龍一さんです。私たちは2015年に初めてのライブをやったのですが、その後も含めて唯一カバーしたことのある曲が『Perspective』です。
具体的な影響をこの時間内で語るのは足りない気がするんですけど、本当に、単純に大好きな曲です。
私たちはCRCK/LCKSというバンド名なのですが、略してクラクラと呼ばれていまして。あるとき、人に「クラクラって細野晴臣さんの言葉からきてるの?」と聞かれたことがありました。細野さんは、音楽で大切な3つの要素を「下半身モヤモヤ」「みぞおちワクワク」「頭クラクラ」と名付けたことがあるそうで、その方は「頭クラクラからきているのかな?」と想像したそうなんですが、直接的な由来ではありません。でも、今、思えば精神的な影響は多分に受けていたというか、どこか意識の中にあったのかもと思っています。
「頭クラクラ」ってすごくいい言葉だと思っています。脳天がクラクラするようなサウンドコンセプトというか、初期衝動というか。どんなスタイルの音楽でも、衝動に突き動かされているものを私は聴きたいと、常々思っているので、そういう意味でもとても影響を受けているし、まず自分自身が「頭クラクラ」できるようなものをこれからも探し続けていきたいなと思います。
坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣という天才音楽家が78年に結成したのがYMO。CRCK/LCKSも、3人が鳴らす革新的な音楽に大きな影響を受けたようだ。
【CRCK/LCKS 小田朋美 出演回のトークを聞く】
・Apple Podcastで聞く
前編/後編
・Spotifyで聞く
前編/後編
・公式ページ https://www.j-wave.co.jp/original/sonarmusic/opportunity/
(構成=中山洋平)
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