節分の由来や正しい豆まきの方法などについて、和文化研究家の三浦康子さんが語った。
三浦さんが出演したのはJ-WAVEで放送中の番組『JUST A LITTLE LOVIN'』(ナビゲーター:長井優希乃)のワンコーナー「PANG’ONO PANG’ONO」。ここでは1月25日(水)のオンエアをテキストで紹介する。
三浦さんはまず、節分がどういうものなのかを教えてくれた。
三浦:節分の行事は奈良時代に中国から伝わって、平安時代に宮中で行われるようになった「追儺(ついな))という大晦日の邪気払いの儀式に由来します。そのなかの「豆打ち」という儀式の名残が、豆まきです。本来節分とは「季節の分かれ目」という意味で、立春・立夏・立秋・立冬の前日のことなので、年に4回節分があるのですが、旧暦の正月は新暦の2月頃にやってきたので、春にあたりました。すると、立春前日の節分は、正月前日の大晦日のようなものなので、大晦日に行われていた豆打ちなどの儀式が移ってきました。こうして、他の節分よりも立春前日の節分が重要視されたので、「節分」といえばもっぱら立春前日を指すようになったんです。
三浦:節分といえば、豆まきをすることは皆さんご存じだと思いますが、なぜ豆をまくのかわかりますか。
1.「マメに生活していきましょう」という教えから
2.魔物を退治する「魔を滅する」という意味が込められているから
3.豆を売りたかった豆屋の戦略で豆をまくようになったから
正解は2番。長井も2番と予想し、見事正解した。
三浦:鬼は邪気や厄の象徴とされ、形の見えない災害、病、飢饉など、人間の力ではどうにもならない恐ろしい出来事は、鬼の仕業と考えられていました。豆まきには大豆を使いますが、古来、穀物には生命力と魔除けの力があるとされてきました。そして、悪い芽が出てこないよう、煎った大豆を魔物の目にぶつけることで、「豆を煎る」が「魔物の目を射る」つまり「魔目(まめ)」を射ることになり、魔物を退治する意味で「魔を滅する」と書く「魔滅(まめ)」に通じます。五穀のなかでも粒の大きい大豆は魔除の力も大きいと考えられ、大豆をまいて鬼を追い払うようになりました。
長井:何気なくやっていた豆まきでしたが、まく大豆にもこんな意味が込められていたんですね。
三浦:豆まきのやり方は諸説ありますので、典型的な家庭版の豆まきの仕方をご紹介します。まずは「福豆」を準備します。福豆というのは煎った大豆のことで、悪い芽が出ないように煎ってから、福が「増す」ように升に入れてお供えをしておきます。そして、夜になったら豆まきをします。鬼は鬼門が開く丑寅の刻、2時から4時頃の真夜中に活動するので、豆まきは夜が適しているからです。豆をまくときは家の玄関や窓を開けて「鬼は外」と豆をまいて、鬼が戻らないようにすぐに窓や戸を閉めます。そして、「福は内」と奥の部屋から順番に鬼を追い出すようにして、最後は玄関までまいて、家じゅうの鬼を追い出します。そして最後に、年の数だけ豆を食べてください。
長井:この順番、覚えておきましょう。ちなみに十二支で表す江戸時代の時間の読み方で、丑寅(うしとら)の刻、深夜2時から4時頃に鬼はやってくるので、鬼は牛の角を持ち、虎のパンツを穿いていると描かれるようになったそうです。だから、あんな柄のパンツを穿いているんですね(笑)。
さらに三浦さんは、豆まきのあとに年の数だけ豆を食べる理由を語る。
三浦:節分は年越し行事だったので、「年取り豆」といって数え年の数だけ豆を食べていたからです。食べる豆の数が多くて食べきれないという場合には、福茶を飲む方法でも構いません。本来、福茶というのは新年に初めて汲んだ水で点てるお茶で、これを飲めば1年の邪気が払えるという縁起のいいものです。節分も新年を迎えるための行事ですから、邪気を払う福豆を入れていただくようになりました。作り方は非常に簡単で、湯飲みに豆を3粒、そして種を取った梅干しを1個、さらに塩昆布をひとつまみ入れて、お湯を注いでできあがりです。豆が3粒なのは、縁起がいい奇数だからで、昆布は喜ぶ、梅干しはおめでたい松竹梅に通じます。福豆がふやけてきた頃が飲み頃で、塩昆布と梅干しがいいお出汁となってとてもおいしいです。
長井:福茶という裏技があったのは驚きです。年の数だけ食べきれないと思ったら、福茶を試してみてください。
『JUST A LITTLE LOVIN'』のワンコーナー「PANG’ONO PANG’ONO」では、番組&長井が気になる内容を日替わりテーマでお伝えする。放送は毎週月~木曜の5時40分頃から。
三浦さんが出演したのはJ-WAVEで放送中の番組『JUST A LITTLE LOVIN'』(ナビゲーター:長井優希乃)のワンコーナー「PANG’ONO PANG’ONO」。ここでは1月25日(水)のオンエアをテキストで紹介する。
平安時代の大晦日の儀式が、立春前日の行事に
間もなく2月ということで、コンビニやスーパーでは、豆まき用の大豆や恵方巻きの広告を目にする機会も増えている。二十四節気において春の始まりであり、1年の始まりとされる「立春」の前日に行われる節分。節分について、正しい知識を持っている人はどれくらいいるのだろうか。三浦さんはまず、節分がどういうものなのかを教えてくれた。
三浦:節分の行事は奈良時代に中国から伝わって、平安時代に宮中で行われるようになった「追儺(ついな))という大晦日の邪気払いの儀式に由来します。そのなかの「豆打ち」という儀式の名残が、豆まきです。本来節分とは「季節の分かれ目」という意味で、立春・立夏・立秋・立冬の前日のことなので、年に4回節分があるのですが、旧暦の正月は新暦の2月頃にやってきたので、春にあたりました。すると、立春前日の節分は、正月前日の大晦日のようなものなので、大晦日に行われていた豆打ちなどの儀式が移ってきました。こうして、他の節分よりも立春前日の節分が重要視されたので、「節分」といえばもっぱら立春前日を指すようになったんです。
「豆まき」は「魔を滅する」行事
ここで三浦さんは豆まきについての3択問題を出題。三浦:節分といえば、豆まきをすることは皆さんご存じだと思いますが、なぜ豆をまくのかわかりますか。
1.「マメに生活していきましょう」という教えから
2.魔物を退治する「魔を滅する」という意味が込められているから
3.豆を売りたかった豆屋の戦略で豆をまくようになったから
正解は2番。長井も2番と予想し、見事正解した。
三浦:鬼は邪気や厄の象徴とされ、形の見えない災害、病、飢饉など、人間の力ではどうにもならない恐ろしい出来事は、鬼の仕業と考えられていました。豆まきには大豆を使いますが、古来、穀物には生命力と魔除けの力があるとされてきました。そして、悪い芽が出てこないよう、煎った大豆を魔物の目にぶつけることで、「豆を煎る」が「魔物の目を射る」つまり「魔目(まめ)」を射ることになり、魔物を退治する意味で「魔を滅する」と書く「魔滅(まめ)」に通じます。五穀のなかでも粒の大きい大豆は魔除の力も大きいと考えられ、大豆をまいて鬼を追い払うようになりました。
長井:何気なくやっていた豆まきでしたが、まく大豆にもこんな意味が込められていたんですね。
「年の数の豆が食べきれない」そんなときは…
続いて三浦さんは、基本的な豆まきの方法を教えてくれた。三浦:豆まきのやり方は諸説ありますので、典型的な家庭版の豆まきの仕方をご紹介します。まずは「福豆」を準備します。福豆というのは煎った大豆のことで、悪い芽が出ないように煎ってから、福が「増す」ように升に入れてお供えをしておきます。そして、夜になったら豆まきをします。鬼は鬼門が開く丑寅の刻、2時から4時頃の真夜中に活動するので、豆まきは夜が適しているからです。豆をまくときは家の玄関や窓を開けて「鬼は外」と豆をまいて、鬼が戻らないようにすぐに窓や戸を閉めます。そして、「福は内」と奥の部屋から順番に鬼を追い出すようにして、最後は玄関までまいて、家じゅうの鬼を追い出します。そして最後に、年の数だけ豆を食べてください。
長井:この順番、覚えておきましょう。ちなみに十二支で表す江戸時代の時間の読み方で、丑寅(うしとら)の刻、深夜2時から4時頃に鬼はやってくるので、鬼は牛の角を持ち、虎のパンツを穿いていると描かれるようになったそうです。だから、あんな柄のパンツを穿いているんですね(笑)。
さらに三浦さんは、豆まきのあとに年の数だけ豆を食べる理由を語る。
三浦:節分は年越し行事だったので、「年取り豆」といって数え年の数だけ豆を食べていたからです。食べる豆の数が多くて食べきれないという場合には、福茶を飲む方法でも構いません。本来、福茶というのは新年に初めて汲んだ水で点てるお茶で、これを飲めば1年の邪気が払えるという縁起のいいものです。節分も新年を迎えるための行事ですから、邪気を払う福豆を入れていただくようになりました。作り方は非常に簡単で、湯飲みに豆を3粒、そして種を取った梅干しを1個、さらに塩昆布をひとつまみ入れて、お湯を注いでできあがりです。豆が3粒なのは、縁起がいい奇数だからで、昆布は喜ぶ、梅干しはおめでたい松竹梅に通じます。福豆がふやけてきた頃が飲み頃で、塩昆布と梅干しがいいお出汁となってとてもおいしいです。
長井:福茶という裏技があったのは驚きです。年の数だけ食べきれないと思ったら、福茶を試してみてください。
『JUST A LITTLE LOVIN'』のワンコーナー「PANG’ONO PANG’ONO」では、番組&長井が気になる内容を日替わりテーマでお伝えする。放送は毎週月~木曜の5時40分頃から。
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2023年2月1日28時59分まで
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番組情報
- JUST A LITTLE LOVIN'
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