ひと組の夫婦のゆずらないバトルをコミカルに描いたブラック・コメディ映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』がついに全国公開! 初日翌日の9月24日には都内劇場で公開記念舞台挨拶が行われ、主演の香取慎吾、共演の岸井ゆきの、市井昌秀監督、さらに劇中で夫婦を見つめるフクロウのチャーリー(本名:マルちゃん)が登壇した。
ホームセンターに務めるごくごく“平凡”な男・田村裕次郎役の香取は、3年ぶりの映画主演作。苦しかったコロナ禍を経ての念願の封切りに「本当に嬉しい想いでいっぱいです!」と喜色満面も、抱えて持ってきたチャーリー人形の愛着を聞かれて「持ったのはこの前の完成披露と取材と今日の3回目なので……そこまで愛着はないです」とひと笑いを起こしていた。
一方、裕次郎の妻・日和役の岸井は初共演の香取について「皆さんが想像する通りの香取さんです」と印象を述べて、香取が岸井から「圧倒的な香取慎吾だと。圧倒的な存在の香取慎吾ではなくて、圧倒的な香取慎吾」と言われたと明かすと、岸井は「香取さんはロケバスから降りてきた瞬間から香取慎吾として存在している」と唯一無二のオーラを力説。これに香取は「嬉しいけれど、ちょっと恥ずかしいのはなぜ?」と照れていた。
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“言わなきゃ分からない”が本作のメッセージの一つ。「言うのを躊躇っていたけど、ちゃんと言って良かった!」という経験を問われた市井監督は「香取さんが撮影車と並走する撮影では、15キロの予定が25キロのスピードで走ってもらいました。ごめんなさい! でも香取さんはスーパーマンですから余裕でしたよね?」と知られざる撮影秘話をこの場で初告白。これに香取は「……25キロだったんだ」と驚きながら「大丈夫でしたが、きつくはなりますよ。今までのように何も準備しないでやったらケガをする。僕と同じように歳を重ねている皆さん、一緒に気を付けましょうね!」と同世代ファンに呼び掛けていた。
また香取は岸井から「遠慮して一緒に写真を撮ろうとは言えなかった」などと気を遣われていたことに触れて、「ゆきのちゃんのSNSを見ていたらほかの共演者の方とは一緒に写真を撮っていたので『なんで俺には言ってくれないのだろう?』と思っていた」と心境を吐露し「いつの間にか気楽に言えないような人になっているのがちょっと寂しくて。ああそうだったのかと……」とベテランの領域にある自らの境遇にジレンマを抱えていた。
レジ袋をキャッチできたらとんでもない幸せがやってくるというジンクスが描かれる内容にちなんで、それぞれのルーティンを発表。岸井は舞台公演後にアミノ酸を飲むことを定期的に行ってきたそうだが「一度飲み忘れたあとの公演でばてた気がして、すべての出来事の原因をアミノ酸を飲み忘れたことにしようとする自分がいた。それからは決まったことをするのをやめようと思った」とルーティンを廃止したという。
香取も「ゲンを担ぎ出したら、それを担がないようする」のが決まりだそうで「ルーティンになっていることがあると思ったら、あえて逆をやってそれを壊す。決まりができたときにそれがズレたら異変を感じてしまうので、自分から壊す」とゲン担ぎなしタイプ。市井監督から「カッコいい! 自分から壊していくんですね?」と褒められると、香取は「自分から壊す! 破壊王です!」と笑っていた。
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ステージにはフクロウのチャーリー(本名:マルちゃん)が登場。岸井は懐かしそうに愛らしく撫でるも、無表情で「可愛い」という香取にはマルちゃんとの間に微妙な空気が……。実は撮影中もマルちゃんとの間には距離があったようで、香取は「撮影中はそこまで絡むシーンもなかったから」と言うも、ついに「触る、触らないじゃないと思う。犬猫ならばなんとなく知り合いだけれど、鳥と人生で接したことってありますか?」と本音爆発。最初は止まり木を触るだけで終わらせようとした香取だったが、最後はなんとかマルちゃんとの距離を縮めてグータッチスタイルで背中を撫でていた。
(取材=石井隼人)
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