俳優の福永朱梨と、映画監督・松居大悟がJ-WAVEで対談。松居が監督を務め、福永が主演する9月16日(金)公開の映画『手』について語った。
福永が登場したのは劇団ゴジゲンの主宰である松居がナビゲートする、J-WAVEで放送中の番組『JUMP OVER』。オンエアは9月7日(水)。同番組ではラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。
【関連記事】金子大地、赤裸々なラブシーンに「照れます」 率直な感想を聞いた
松居:今回、福永さんはオーディションで決まりました。オーディションで印象に残ってることってあります?
福永:すごくしゃべりすぎたなって(笑)。思いが溢れちゃって。
松居:それが面白かったもんね。もともと広島出身だけど、役者をやりたいって思ったのって……。
福永:もともと家自体が映画を観ない家で、「今年は映画館で『ハリー・ポッター』を観たな」くらいの感じだったんです。
松居:年1本、観るか観ないか。
福永:そうです。広島でモデルみたいなことをやっていて。
松居:それはどういうこと?
福永:『美少女図鑑』っていうのがあって、それに出てたんですよ。それで東京のマネージャーさんと知り合う機会があって。「女優とモデルとどっちやりたいの?」って訊かれて。でも(演技は)やったことないからわからないし。まったく無知の状態で映画のリストがきて、それを毎週DVDレンタルして。
松居:それを観ろってこと?
福永:「こういうの観てみたら?」「面白いのあるよ」「映画ってこういうのだよ」っていうリストがファックスできて、それをチェックしながら。
松居:そのとき観た映画で覚えてるやつある?
福永:インド映画の『きっと、うまくいく』とか『ゆれる』とか『ジョゼと虎と魚たち』とか。
松居:主に良い映画を。
福永:そうです。そこでカルチャーショックみたいになって、突然親に「私、東京に出てこれやりたいんだけど」って言って、勝手に(演技の)専門学校を決めて上京しました。
松居は映画『手』の制作時に、福永が台本にびっしりと何かを書かいていることが気になったようで……。
松居:なんか受験勉強みたいな(笑)。それは役作りにおいてのやり方が書いてあるの?
福永:何を言うにしても行動するにしても、絶対に何か欲求があるから。喉が渇いたから水飲みたいとか、おなか空いたからごはん食べたいとか。そういうものを、どういう目的でこう言ったのかなって分析してって感じで。
松居:それは家で台本を読みながら考えるんだ。
福永:そうですね。台本を分析しながらって感じですね。
松居:お芝居を見るとすごく感覚的に見えるんです。それでいい気がするんだけど。
福永:全部忘れました。準備をしてポイッとして。
松居:舞台だね。何回も動きとかめっちゃ決めるけど、いざ本番が始まったら感じるままにやるというか。
福永:言い方とかは決めなくて、このシーンの流れみたいなのをつかんで。でもそれも忘れて。
松居:それは専門学校とかで学んだやり方?
福永:ワークショップとかで習ったりとかして。
松居:いろんな方法を知る中で……。
福永:これが自分に合ってるのかなって思ってやってました。
「友だちが『手』を観たいんだよね、と言ってくれて、以前この話をした友だちには(ロマンポルノは)行きづらいと言われてしまったので、とてもうれしくなりました。私は『手』を観に行きますし、芸術としてとらえることもできると思いますが、やはり映画館で観るとなると抵抗がないわけではないです。女性の友だちを誘うとき、どんな説明をしたらみんな興味を持ってくれるのでしょうか」
福永:R18ってなると……。
松居:ちょっと怖いというかね。
福永:でも観たら絶対に、R18とかロマンポルノっていうハードルを越えてよかったって思ってくれると思うんです。
松居:絶対になる。
福永:最初に友だちと一緒に観に行くってなるとお互いに恥ずかしいとかあったら、1人でこっそり行ってみて、そうしたら体感として言葉で伝えられるから、誰かを誘うときも自分がこう思ったんだっていう熱量で語れるから。
松居:それって2回観に行かなきゃいけないじゃない。映画強者のやり方だよね(笑)。
福永:確かに(笑)。
松居:じゃあ、自分も不安だけど友だちも誘いたいってときはどうする?
福永:私は「観たいから一緒に行かない?」って言って、事前情報を入れずに。
松居:「えっ、ロマンポルノだから怖くない?」とか言われたら。
福永:「そんなことないよ。チラシ見る?」って。
松居:「チラシじゃわからない」ってなったら。
福永:そっか……じゃあ「裏面も見てみて」って。難しい……(笑)。でもほんのちょっと勇気を出して観てもらえたら本当にいい映画体験ができると思うんですよ。
松居:チラシの雰囲気で絶対に大丈夫だと思うし、逆に普段観れないけど、体験として絶対面白いと思うからね。
今回、松居の監督作品に携わった福永は、その印象をどう感じているのだろうか。
福永:すごく歳が離れている監督よりは、松居さんって近いじゃないですか。だから監督と俳優みたいな、上と下みたいな関係じゃなくて、一緒のチームでイチからやろうよ、みたいな感覚がすごくあったから、いろいろ訊けたし。
松居:一緒に作っている人みたいな感じか。
福永:そう。だからすごくやりやすかったし、松居さんは本当に一緒に悩んでくれるから、それがありがたかったですね。
松居:だって、(福永さんが演じた)さわ子って難しいというか。面白いし興味深いとは思うけど、どういう思考回路でこうなったかっていうのは、自分だと性別も違うし、説明がうまくいかないから、それこそ教えてもらいながらでした。いよいよ公開となりますが、どんな人に観てほしいですか。
福永:ロマンポルノって聞くと、男性が観るんでしょってイメージとかR18って観にくいよねってイメージがあると思うけど、全性別の人に観てほしいし、ちょっとだけ勇気を出して来てくれたら本当にうれしいなと思います。
このオンエアの翌週、9月14日の同番組では、金子大地がゲスト出演した。21日までradikoで再生できる。
【radikoで聴く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220915020000
福永が登場したのは劇団ゴジゲンの主宰である松居がナビゲートする、J-WAVEで放送中の番組『JUMP OVER』。オンエアは9月7日(水)。同番組ではラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。
女優の道に進もうと思ったきっかけ
9月16日(金)から松居が監督を務めた映画『手』(R18+指定作品)が公開。福永は主演を務める。この作品はロマンポルノ50周年記念プロジェクト「ROMAN PORNO NOW」の第1弾となる。<あらすじ>
おじさんの写真を撮ってはコレクションするのが趣味のさわ子(福永朱梨)。これまで付き合ってきた男性はいつも年上ばかりなのに、父とはなんだか上手く話せずギクシャクしていた。そんな時、同年代の同僚・森(金子大地)との距離が縮まっていくにつれ、さわ子の心にも徐々に変化が訪れる――。
(日活ロマンポルノWEBサイトより)
『手』場面写真
松居:今回、福永さんはオーディションで決まりました。オーディションで印象に残ってることってあります?
福永:すごくしゃべりすぎたなって(笑)。思いが溢れちゃって。
松居:それが面白かったもんね。もともと広島出身だけど、役者をやりたいって思ったのって……。
福永:もともと家自体が映画を観ない家で、「今年は映画館で『ハリー・ポッター』を観たな」くらいの感じだったんです。
松居:年1本、観るか観ないか。
福永:そうです。広島でモデルみたいなことをやっていて。
松居:それはどういうこと?
福永:『美少女図鑑』っていうのがあって、それに出てたんですよ。それで東京のマネージャーさんと知り合う機会があって。「女優とモデルとどっちやりたいの?」って訊かれて。でも(演技は)やったことないからわからないし。まったく無知の状態で映画のリストがきて、それを毎週DVDレンタルして。
松居:それを観ろってこと?
福永:「こういうの観てみたら?」「面白いのあるよ」「映画ってこういうのだよ」っていうリストがファックスできて、それをチェックしながら。
松居:そのとき観た映画で覚えてるやつある?
福永:インド映画の『きっと、うまくいく』とか『ゆれる』とか『ジョゼと虎と魚たち』とか。
松居:主に良い映画を。
福永:そうです。そこでカルチャーショックみたいになって、突然親に「私、東京に出てこれやりたいんだけど」って言って、勝手に(演技の)専門学校を決めて上京しました。
台本を分析し「欲求」を書き込む
松居:なんか受験勉強みたいな(笑)。それは役作りにおいてのやり方が書いてあるの?
福永:何を言うにしても行動するにしても、絶対に何か欲求があるから。喉が渇いたから水飲みたいとか、おなか空いたからごはん食べたいとか。そういうものを、どういう目的でこう言ったのかなって分析してって感じで。
松居:それは家で台本を読みながら考えるんだ。
福永:そうですね。台本を分析しながらって感じですね。
松居:お芝居を見るとすごく感覚的に見えるんです。それでいい気がするんだけど。
福永:全部忘れました。準備をしてポイッとして。
松居:舞台だね。何回も動きとかめっちゃ決めるけど、いざ本番が始まったら感じるままにやるというか。
福永:言い方とかは決めなくて、このシーンの流れみたいなのをつかんで。でもそれも忘れて。
松居:それは専門学校とかで学んだやり方?
福永:ワークショップとかで習ったりとかして。
松居:いろんな方法を知る中で……。
福永:これが自分に合ってるのかなって思ってやってました。
ちょっとだけ勇気を出して観に来てほしい
ここで松居がリスナーからのメッセージを紹介した。「友だちが『手』を観たいんだよね、と言ってくれて、以前この話をした友だちには(ロマンポルノは)行きづらいと言われてしまったので、とてもうれしくなりました。私は『手』を観に行きますし、芸術としてとらえることもできると思いますが、やはり映画館で観るとなると抵抗がないわけではないです。女性の友だちを誘うとき、どんな説明をしたらみんな興味を持ってくれるのでしょうか」
福永:R18ってなると……。
松居:ちょっと怖いというかね。
福永:でも観たら絶対に、R18とかロマンポルノっていうハードルを越えてよかったって思ってくれると思うんです。
松居:絶対になる。
福永:最初に友だちと一緒に観に行くってなるとお互いに恥ずかしいとかあったら、1人でこっそり行ってみて、そうしたら体感として言葉で伝えられるから、誰かを誘うときも自分がこう思ったんだっていう熱量で語れるから。
松居:それって2回観に行かなきゃいけないじゃない。映画強者のやり方だよね(笑)。
福永:確かに(笑)。
松居:じゃあ、自分も不安だけど友だちも誘いたいってときはどうする?
福永:私は「観たいから一緒に行かない?」って言って、事前情報を入れずに。
松居:「えっ、ロマンポルノだから怖くない?」とか言われたら。
福永:「そんなことないよ。チラシ見る?」って。
松居:「チラシじゃわからない」ってなったら。
福永:そっか……じゃあ「裏面も見てみて」って。難しい……(笑)。でもほんのちょっと勇気を出して観てもらえたら本当にいい映画体験ができると思うんですよ。
松居:チラシの雰囲気で絶対に大丈夫だと思うし、逆に普段観れないけど、体験として絶対面白いと思うからね。
今回、松居の監督作品に携わった福永は、その印象をどう感じているのだろうか。
福永:すごく歳が離れている監督よりは、松居さんって近いじゃないですか。だから監督と俳優みたいな、上と下みたいな関係じゃなくて、一緒のチームでイチからやろうよ、みたいな感覚がすごくあったから、いろいろ訊けたし。
松居:一緒に作っている人みたいな感じか。
福永:そう。だからすごくやりやすかったし、松居さんは本当に一緒に悩んでくれるから、それがありがたかったですね。
松居:だって、(福永さんが演じた)さわ子って難しいというか。面白いし興味深いとは思うけど、どういう思考回路でこうなったかっていうのは、自分だと性別も違うし、説明がうまくいかないから、それこそ教えてもらいながらでした。いよいよ公開となりますが、どんな人に観てほしいですか。
福永:ロマンポルノって聞くと、男性が観るんでしょってイメージとかR18って観にくいよねってイメージがあると思うけど、全性別の人に観てほしいし、ちょっとだけ勇気を出して来てくれたら本当にうれしいなと思います。
このオンエアの翌週、9月14日の同番組では、金子大地がゲスト出演した。21日までradikoで再生できる。
【radikoで聴く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220915020000
番組情報
- JUMP OVER
-
毎週水曜26:00-27:00