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冨田ラボ、活動20周年。プロデュース業の変化を語る

冨田ラボ、活動20周年。プロデュース業の変化を語る

音楽家・冨田恵一が、冨田ラボの活動を振り返り、オリジナルアルバム『7+』の制作エピソードを語った。

冨田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」。ここでは6月25日(土)のオンエアをテキストで紹介する。

冨田ラボのこれまでの活動を振り返る

冨田恵一のセルフプロジェクト・冨田ラボが2022年2月に活動20周年を迎えた。さまざまなアーティストをフィーチャリングに迎え、これまで6枚のアルバムをリリースしている。

甲斐:これまでの作品を聴き返されたりしますか?

冨田:20周年にあたって聴き返すってことはしていないですけど、折に触れ「あの頃はどんなだったかな」と参考に聴くことはあります。少しずつ変化していったことを普段は忘れちゃうので。

甲斐:思い出すために聴かれてるんですね。

冨田:そう。忘れていることもあるから「あのときはこんな作り方をしていたんだ」みたいな、ヒントになることもあります。

甲斐:昔の自分の曲からインスピレーションを得られることもある?

冨田:そういうこともありますよ。

甲斐:へええ! 面白いし、意外でした。

冨田:みんなもそうしているのかな? 20年っていう長い期間に渡っているからじゃないかなあ。10年、20年前の自分の音楽を聴くと、考えていることとか手法とかかなり違うな。もちろん、ずっと同じだなと感じるところもあるんですけどね。変わらない部分もありつつ変わっている部分も多いので、他人の作品を聴くのに等しいと感じることがあります。

甲斐:そうなんですね!

最新アルバムに豪華アーティストたちが参加

冨田ラボのニューアルバム『7+』は6月29日(水)リリース。TENDRE、AAAMYYY、細野晴臣など、豪華アーティストが20名参加している。

冨田:シンガーをフィーチャーして曲を作るっていうフォーマットは変わらないです。でも20周年を祝うために20名を集めたわけではなく、数えたら偶然20名でした。

甲斐:20周年だから20名なのかなって思っていました。

冨田:なかなか都合よく人数をそろえるのは難しいです(笑)。

冨田が収録曲『MAP for LOVE』の制作エピソードを語った。同楽曲には坂本真綾、長岡亮介(ペトロールズ)、長塚健斗(WONK)、Naz、bird、藤原さくら、堀込泰行、吉田沙良(モノンクル)、Ryohu(KANDYTOWN)の9名が参加している。

冨田ラボ - MAP for LOVE (Lyric Video)

冨田:みんなで歌う曲にしたかったんです。実はね、2020年に「TOKYO M.A.P.」(J-WAVEと六本木ヒルズがゴールデンウィークに開催するフリーライブイベント)のオーガナイザーをやるつもりだったんです。それが中止になってしまったので、出演予定だったアーティスト全員で曲を作りました。だから9人。

甲斐:そうなんですね。

冨田:作詞をしたモノンクルの角田隆太さんを入れると10名。この曲だけで20名のうちの半分なんですよ(笑)。

甲斐:本当に豪華なメンバーですよね。

冨田:ありがたいことです。

冨田が楽曲参加のオファーをする際、大切にしていることは何だろうか?

冨田:曲が先の場合と人選が先の場合があり、最近はバラバラですね。曲が先にある場合は、「この曲を誰に歌ってもらうと一番いいか」を考えます。ジェンダーを考えずに曲を作っていたりするので、そうやって決めています。そうじゃない場合ですと、あるイベントでステージが一緒だったアーティストとか。最近は「冨田ラボの音楽に合いそうだな」って思ったら声をかけてみる、っていうやり方もしています。

甲斐:冨田さんがいいなと思った方に直接オファーされるんですね。

冨田:そうですね。

冨田ラボ楽曲とプロデュース楽曲との違いは?

甲斐は冨田に「冨田ラボ名義の楽曲と音楽プロデューサーとして携わる楽曲では明確な違いはあるんですか?」と問いかけた。

冨田:昔は「ない」って言ってたんですよ。だけど、キャリアを重ねるにしたがって、プロデューサーの仕事でやらないものを冨田ラボでやる感じになってきました。以前はプロデュース業でバラードの曲がすごく多かったんですね。そうすると、冨田ラボではバラードじゃない曲が多かったりしたんですよ。だけど、プロデュースの仕事でも冨田ラボ的なものが求められたり、自由度がすごく高くなったりして、プロデュースでも自分のやりたいことをやるっていうのが、10年以上続きました。

プロデュース楽曲と冨田ラボ名義の楽曲の音楽性に境界がなくなったと感じた冨田は、棲み分けを意識した曲づくりをするようになったそうだ。

収録風景を映したMVを公開

『7+』の収録曲『HOPE for US feat. 磯野くん (YONA YONA WEEKENDERS), AAAMYYY (Tempalay), TENDRE, 吉田沙良 (モノンクル) & Ryohu (KANDYTOWWN)』のMVがYouTubeで公開されている。

冨田ラボ「HOPE for US feat.磯野くん(YONA YONA WEEKENDERS)AAAMYYY(Tempalay)TENDRE,吉田沙良(モノンクル)Ryohu(KANDYTOWN)」

甲斐:あれって本物のレコーディング風景ですか?

冨田:そうです。撮影用の映像ではないです(笑)。

甲斐:収録中にドキュメンタリーっぽく撮られたということですか?

冨田:最初は広いところで並んで歌っているのを何本か録りました。ただ、音が響き過ぎたんで、各々がブースに入って録ったんですけど、個別で歌ったりはしなかったですね。

甲斐:みなさんが一緒に歌ったんですね。だからこそ、温かいハーモニーが曲に出ているんですかね?

冨田:僕のレコーディングでも、みんなで同時に何回もやるっていうのは珍しいんですね。僕、この曲はけっこうライブ感があるなって思っています。そうなったのは、やっぱりあのレコーディング方法だったからなのかなと思いましたね。

甲斐:ぜひMVと合わせて楽曲をチェックしていただきたいです。

冨田ラボは8月12日(金)と13日(土)に開催される音楽イベント「TOKYO MUSIC CRUISE 2022」に出演する。冨田ラボの出演は1日目の12日(金)。会場はザ・プリンス パークタワー東京。

その他の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

『BLUE IN GREEN』ワンコーナー「LIFE WITH GROOVE」では、ゲストの今を形作った出会いや体験を訊く。放送時間は12時55分ごろから。

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