音楽家の北村 蕗が、自身で手がけているアートワークや楽曲制作について語った。
北村が登場したのは、10月18日(土)放送のJ-WAVE『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のコーナー「SENSE OF ROOM」。音楽、アート、スポーツ、フードといったジャンルを通じて、アーティストの魅力や活動内容、イベント情報、そこから広がるカルチャーを、GREENROOMのセンスを交えて紹介するコーナーだ。
この日の「SENSE OF ROOM」は、10月12日(日)に国内最大級のアートフェスティバル「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」で実施した公開収録の模様をお届け。ソロとしてはもちろん、DJや冨田恵一プロデュースの冨田ラボのメンバー、Tomgggとのコラボなど、多方面で活躍する北村に、まずは“アートワーク”に関する話を訊いた。
甲斐:北村さんはアートワークもご自身で手がけられていますが、子どものころから絵を描いたりするのは好きでしたか?
北村:そうですね、絵を描くのは好きで、ずっと描いてましたね。音楽と一緒で、「表現できるのが楽しいな」みたいな感じで描いてました。
甲斐:ご自身が影響を受けているアーティストや画家、漫画家さんはいますか?
北村:私が好きなイラストレーターさんは、シシヤマザキさんです。イラストレーターでもあり、アニメーション作家でもある方で、自分のダンスとかをトレースしてアニメーションにしていく「ロットスコープ」という手法を取られています。それを初めて見たときに、何か惹かれるものがあってすごく好きになりました。いま、私はダンスミュージックもけっこうやっていますが、シシさんも踊りながらアニメーションにしたりしているので、いつか自分もそういう表現方法ができたらおもしろいんじゃないかなと思っています。
甲斐:実際に作品を見てから好きになったんですか?
北村:はい。『NHK紅白歌合戦』で、星野 源さんのVJ(ビデオジョッキー)をされていて、それを見たときに「あまり見たことのない感じのアニメーションだ!」と思ったのを覚えてます。最初は「何か惹かれるな」という感じでしたが、最近は自分のルーツみたいなものもわかってきて、「ここに惹かれていたのか」と思っています。
北村:私が作品を作るときは、まず色などから浮かぶことが多いです。自分がどういうことを歌いたいかも特にわからないまま作り始めて、音も作ってみて、「こういうことをイメージしていたのかな」と、あとから気づくパターンが多いですね。いま自分が気になっているものとかをなんでも入れてみて、アウトプットして作っています。
甲斐:視覚的なイメージから生まれることもありますか?
北村:視覚的なイメージはとてもありますね。私は山形県出身ですが、山形の風景や、幼少期に触れた記憶などから思い出して作ったりするので、“景色”や“色”は自分のなかでけっこう大事なものですね。
甲斐:それをアウトプットされているんですね。アートワークはいつもどんなツールや技法を使われていますか?
北村:アートワークで使っているソフトはillustratorやPhotoshop、あとはBlenderという3DCGのソフトを使って作ってます。
甲斐:けっこうデジタルですね。
北村:そうですね。紙で描いて、それをデジタルにするときもあります。
甲斐:それは独学ですか? けっこう難しいですよね?
北村:はい。YouTubeとかでいろいろ見ながら、独学でやってました。
音楽では、現在1stアルバムを制作中だという北村。ナビゲーターの甲斐は「どんなテーマやモードで曲を作っているんですか?」と、質問を投げかける。
北村:前作はダンスミュージックをコンセプトにEPを作ったのですが、今回はダンスミュージックの感じも入れつつ、自分が入れたかったカルテット、弦を重ねてレコーディングしたものにもちょっと挑戦しています。
甲斐:そもそも、曲を組み立てるときにはビート・コード・メロディの、どの要素から組み立てることが多いですか?
北村:最近だと仮でビートをつけてそれに歌をのせて作って、その歌から最初に貼ったビートをなくして、歌に肉づけしていく、というやり方が多いです。ですから、けっこう歌やメロディが先かなと思います。
甲斐:北村さんの音楽からはいろいろなムードを感じますが、曲ごとに作り方が変わるのでしょうか? それとも、最近はそういう作り方に落ち着いてきたということですか?
北村:前は歌詞から書いてみたり、リズムパターンを決めてしまったりしていましたが、いろいろな楽曲を作っていくなかで、いまはそういう作り方で作ることが多いという感じですね。
甲斐:冨田ラボでの活動は、ソロアーティスト・北村 蕗とはまた全然違うと思いますが、冨田さんからはどのようなフィードバックがありますか?
北村:ディレクションなども全部、冨田さんがやってくれているのですが、冨田さんと一緒にレコーディングをしていくなかで、私も私なりに出したいニュアンスで歌ってそれを採用していただくこともあります。メインボーカルのときは、歌い方についてはけっこう対話しながら、私の要素もちゃんと入れてもらった感じがありました。
甲斐:冨田ラボの4人は、みなさんすごく個性的な歌声をお持ちですが、ハーモニーが重なるとすごく一体感もあります。『World Tree』では、北村さんのボーカルが際立っていて聴き入ってしまいました。
北村:ありがとうございます。冨田さんも、私をメインボーカルにすることを考えて曲を作ってくださったみたいで、私もその曲を歌えてすごくうれしいです。
北村は12月6日(土)に代官山UNITで4度目となるワンマンライブ「vivid:Y」を開催する。公開収録に集まった観客や番組リスナーに、「遊びに来てくれるとうれしいです」と呼びかける。
甲斐:「vivid:Y」というタイトルには、どのような思いが込められているのでしょうか?
北村:タイトルに「vivid」とついたライブは何回かやっていて、最初が2ndワンマンライブ「vivid:AM」、次が3rdワンマンライブ「vivid:WM(ウェーブ)」、そして今回が「vivid:Y」です。今回は第3章みたいな感じで、最近、自分のなかで分かれ道が見えているなと思っていて、「いままでやってきたことを引き継ぐのか、新しいほうに行くのか、でもどっちも手に入れたい」という漠然とした思いを視覚的にしたものが“Y”かなと思ったので、ライブのタイトルにしてみました。
甲斐:では、ちょうどいま分かれ道にいるということですか?
北村:そうですね。分岐点にいるのではないかなというのを、最近ぼんやり考えているので、やりたいことがどちらとも見せられるワンマンにしたいなと思っています。
北村 蕗の最新情報はX公式アカウント(@FukiKitamura)まで。
J-WAVE『BLUE IN GREEN』のコーナー「SENSE OF ROOM」では、MUSIC・ART・SPORTS・FOODを通して、アーティストやその活動、イベント、そしてそれらが生み出すカルチャーなどGREENROOMのセンスと重ね合わせたトピックスを紹介する。オンエアは毎週土曜12時55分ごろから。
北村が登場したのは、10月18日(土)放送のJ-WAVE『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のコーナー「SENSE OF ROOM」。音楽、アート、スポーツ、フードといったジャンルを通じて、アーティストの魅力や活動内容、イベント情報、そこから広がるカルチャーを、GREENROOMのセンスを交えて紹介するコーナーだ。
アートワークに影響を与えた存在
ダンスミュージックやジャズ、フォーク、エレクトロニカなどを自在に横断しながら、繊細な旋律と有機的なリズムで、独自の世界を描く北村。2023年に『amaranthus (feat. 梅井美咲)』でデビューし、同年に「FUJI ROCK FESTIVAL」にも出演した。その後、2024年には1st EP『500mm』をリリース。2025年3月には、世界中の新人アーティストの登竜門とされる「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)2025」にも出演した。この日の「SENSE OF ROOM」は、10月12日(日)に国内最大級のアートフェスティバル「MEET YOUR ART FESTIVAL 2025」で実施した公開収録の模様をお届け。ソロとしてはもちろん、DJや冨田恵一プロデュースの冨田ラボのメンバー、Tomgggとのコラボなど、多方面で活躍する北村に、まずは“アートワーク”に関する話を訊いた。
北村:そうですね、絵を描くのは好きで、ずっと描いてましたね。音楽と一緒で、「表現できるのが楽しいな」みたいな感じで描いてました。
甲斐:ご自身が影響を受けているアーティストや画家、漫画家さんはいますか?
北村:私が好きなイラストレーターさんは、シシヤマザキさんです。イラストレーターでもあり、アニメーション作家でもある方で、自分のダンスとかをトレースしてアニメーションにしていく「ロットスコープ」という手法を取られています。それを初めて見たときに、何か惹かれるものがあってすごく好きになりました。いま、私はダンスミュージックもけっこうやっていますが、シシさんも踊りながらアニメーションにしたりしているので、いつか自分もそういう表現方法ができたらおもしろいんじゃないかなと思っています。
甲斐:実際に作品を見てから好きになったんですか?
北村:はい。『NHK紅白歌合戦』で、星野 源さんのVJ(ビデオジョッキー)をされていて、それを見たときに「あまり見たことのない感じのアニメーションだ!」と思ったのを覚えてます。最初は「何か惹かれるな」という感じでしたが、最近は自分のルーツみたいなものもわかってきて、「ここに惹かれていたのか」と思っています。
山形の風景や、記憶、色─作品に影響を与えるもの
甲斐:蕗さんがご自身で手がけられているアートワークは、普段どのようにして制作されているんですか?北村:私が作品を作るときは、まず色などから浮かぶことが多いです。自分がどういうことを歌いたいかも特にわからないまま作り始めて、音も作ってみて、「こういうことをイメージしていたのかな」と、あとから気づくパターンが多いですね。いま自分が気になっているものとかをなんでも入れてみて、アウトプットして作っています。
甲斐:視覚的なイメージから生まれることもありますか?
北村:視覚的なイメージはとてもありますね。私は山形県出身ですが、山形の風景や、幼少期に触れた記憶などから思い出して作ったりするので、“景色”や“色”は自分のなかでけっこう大事なものですね。
甲斐:それをアウトプットされているんですね。アートワークはいつもどんなツールや技法を使われていますか?
北村:アートワークで使っているソフトはillustratorやPhotoshop、あとはBlenderという3DCGのソフトを使って作ってます。
甲斐:けっこうデジタルですね。
北村:そうですね。紙で描いて、それをデジタルにするときもあります。
甲斐:それは独学ですか? けっこう難しいですよね?
北村:はい。YouTubeとかでいろいろ見ながら、独学でやってました。
音楽では、現在1stアルバムを制作中だという北村。ナビゲーターの甲斐は「どんなテーマやモードで曲を作っているんですか?」と、質問を投げかける。
北村:前作はダンスミュージックをコンセプトにEPを作ったのですが、今回はダンスミュージックの感じも入れつつ、自分が入れたかったカルテット、弦を重ねてレコーディングしたものにもちょっと挑戦しています。
甲斐:そもそも、曲を組み立てるときにはビート・コード・メロディの、どの要素から組み立てることが多いですか?
北村:最近だと仮でビートをつけてそれに歌をのせて作って、その歌から最初に貼ったビートをなくして、歌に肉づけしていく、というやり方が多いです。ですから、けっこう歌やメロディが先かなと思います。
甲斐:北村さんの音楽からはいろいろなムードを感じますが、曲ごとに作り方が変わるのでしょうか? それとも、最近はそういう作り方に落ち着いてきたということですか?
北村:前は歌詞から書いてみたり、リズムパターンを決めてしまったりしていましたが、いろいろな楽曲を作っていくなかで、いまはそういう作り方で作ることが多いという感じですね。
6カ月ぶり、4度目のワンマンライブを開催
2025年春からは冨田ラボのメンバーとしても活動している北村。9月24日(水)発売の『World Tree』では、メインボーカルを務めている。冨田ラボ - World Tree (Official Visualizer)
北村:ディレクションなども全部、冨田さんがやってくれているのですが、冨田さんと一緒にレコーディングをしていくなかで、私も私なりに出したいニュアンスで歌ってそれを採用していただくこともあります。メインボーカルのときは、歌い方についてはけっこう対話しながら、私の要素もちゃんと入れてもらった感じがありました。
甲斐:冨田ラボの4人は、みなさんすごく個性的な歌声をお持ちですが、ハーモニーが重なるとすごく一体感もあります。『World Tree』では、北村さんのボーカルが際立っていて聴き入ってしまいました。
北村:ありがとうございます。冨田さんも、私をメインボーカルにすることを考えて曲を作ってくださったみたいで、私もその曲を歌えてすごくうれしいです。
北村は12月6日(土)に代官山UNITで4度目となるワンマンライブ「vivid:Y」を開催する。公開収録に集まった観客や番組リスナーに、「遊びに来てくれるとうれしいです」と呼びかける。
甲斐:「vivid:Y」というタイトルには、どのような思いが込められているのでしょうか?
北村:タイトルに「vivid」とついたライブは何回かやっていて、最初が2ndワンマンライブ「vivid:AM」、次が3rdワンマンライブ「vivid:WM(ウェーブ)」、そして今回が「vivid:Y」です。今回は第3章みたいな感じで、最近、自分のなかで分かれ道が見えているなと思っていて、「いままでやってきたことを引き継ぐのか、新しいほうに行くのか、でもどっちも手に入れたい」という漠然とした思いを視覚的にしたものが“Y”かなと思ったので、ライブのタイトルにしてみました。
甲斐:では、ちょうどいま分かれ道にいるということですか?
北村:そうですね。分岐点にいるのではないかなというのを、最近ぼんやり考えているので、やりたいことがどちらとも見せられるワンマンにしたいなと思っています。
北村 蕗の最新情報はX公式アカウント(@FukiKitamura)まで。
J-WAVE『BLUE IN GREEN』のコーナー「SENSE OF ROOM」では、MUSIC・ART・SPORTS・FOODを通して、アーティストやその活動、イベント、そしてそれらが生み出すカルチャーなどGREENROOMのセンスと重ね合わせたトピックスを紹介する。オンエアは毎週土曜12時55分ごろから。
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