羊文学の塩塚モエカ(Vo./Gt.)と野村訓市が、J-WAVEで対談。旅の思い出の曲や今聴いてほしい曲、影響を受けたアルバムを語った。
塩塚がゲストで登場したのは、6月12日(日)放送のJ-WAVEの番組『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(ナビゲーター:野村訓市)。
野村:そうしていたら知人のライブで友だちが「羊を捕まえた」って。
塩塚:あはは(笑)
野村:何のことかなって思ったら(塩塚)モエカさんでした。こうやってご縁があってこの番組に来ていただいたわけです。
野村:ちなみにモエカさんと僕は学部が違うが大学の先輩です。
塩塚:大先輩(笑)。
野村:先輩にとどめておいてください(笑)。
番組では羊文学の『あいまいでいいよ』をオンエア。野村は「僕はすごく前向きに捉えてる曲」とその印象を伝える。
野村:僕は歩くのがすごく好きなんですけど、こういう曲をループで聴いていると目的地を過ぎて歩いちゃうっていうか。途中で曲を切るのが嫌なときってあるじゃないですか。もう1回聴きたいなとか。この曲はすごく好きで、モエカさんに会うときにどういうことをイメージして作ったのかなって伺いたかったんですけども。
塩塚:これは浮気の曲です(笑)。
野村:そうなの(笑)。
塩塚:浮気っていうか曖昧な関係というか。春のモヤッとした空気と、付き合ってるか付き合ってないかわからない関係と、だから曖昧でいいかなって思って。モヤモヤってそういうときにたまるじゃないですか。それをパンッと吹き飛ばすようなイメージの曲にしようと。
野村:すごく曖昧なこたえが返ってきましたけども、曲自体は曖昧な気持ちだとしても本当にそれでいいよって背中を押してくれるような曲だなって思ってます。当たり?
塩塚:当たり(笑)。
野村:ありがとうございます。
野村:これはどんな思い出があるんですか。
塩塚:ツアーでカナダにバンドで初めて行ったときになぜかずっとPavementを聴いてました。飛行機でも。そのときに好きだったってこともあるし、初めてカナダ中を回るっていう景色と、Pavementってマイクにクリスマスのライトみたいなを巻き付けながら歌うライブ映像があって、バンドの楽しい景色とかカラフルなライトのイメージとかが外国でのライブをすごく連想させて。
野村:また移動ができるようになり始めてきたけど、海外ツアーは考えてるんですか。
塩塚:ずっと行きたいと思ってて。台湾とか行ったことがないので行ってみたいし、アメリカも行ったことがないから。
野村:絶対ニューヨークとかでライブをやったら盛り上がると思うんだけど。
塩塚:どうなんですかね。
野村:自分が思っている以上に盛り上がる曲が多いと思いますよ。
塩塚:私たちの曲ってJ-POPっぽいところもあるのかな、とかも思っているから、どういう風に思われるんだろうって。逆に日本であんまり盛り上がらない曲が海外では盛り上がったりするんですかね。
野村:どうだろう。僕は今49歳なんですけど、羊文学の音楽って僕のちょっと年上とか年下って90年代とかにJ-POP嫌いで洋楽が全てだと思ってた人たちがすごく好きなのね。
塩塚:そうですか。
野村:ちょっとマズいくらいおじさんたちは「羊はいい」ってなってますよ。
塩塚:ありがたいですね。
野村:すごいメロウな曲ですけど、これは?
塩塚:私たちがLÜCYとコラボして『OH HEY』って曲を一緒に出して、それで私は初めてLÜCYを聴いたんですけど。
野村:コラボをするきっかけっていうのは何?
塩塚:LÜCYが羊文学を好きでいてくれてたみたいで、誘ってくれてコラボしました。
野村:それでどんな人だろうと思って聴いてみたらすごくよかったんだ。
塩塚:そう。つぶやくような、しかも歌も小さい声なんですけどテクニックもすごい感じがして、曲も自分も書いていて。検索してもあまり出てこないんですけど。
野村:そうだよね。LÜCYと聞いて、誰だろうって思って。曲を聴いてみたらすごくいいなと思ったし、ちょっと時代がいつかわからないというか。不思議な空気感だなと思って。でもまだ会ったことがないと。
塩塚: リモートで制作したので会議も1回くらいしかしなかったし。通訳をはさんでたからあんまりいろいろ話せたって感じじゃなくて。
野村:やっぱり台湾に行って会ってみたいよね。
塩塚:あってみたいですね。
野村:そもそも僕がモエカさんのバンドをすごくいいなと思ったのは、洋楽っていうか90年代の初頭のシューゲイザーとかいうジャンルだったり、あの頃のロックの疾走感とかをすごく感じて、こんなバンドがいたのって思って。バンド名がややこしいなって。鳴ってる音とバンド名のギャップがあまりにもあったから、聴いたときすごくいい驚きでした。
野村:わりとマニアックなところかなって思うんだけど。
塩塚:中学生とか高校生くらいのときに、あんまり何して遊んだらいいかわからなくて、暇があればタワーレコードに行っていろいろ視聴してたんですよ(笑)。お金がないからあんまり買えないんですけど、全部視聴して最後に1枚だけ本当に好きなやつを買うっていうのをやってて、そこでこのアルバムに出会いました。ジャケットが面白いなと思って。
野村:ジャケ買いだ。
塩塚:そうです。ジャケでよさそうなやつを視聴していくんですけど、変な人面犬みたいな感じのジャケットに惹かれて(笑)。人面犬じゃないんですけど、右利きの人が左の手で書いた人面犬みたいなジャケットなんですけど。
野村:昔だったらタワーレコードの店員が書いたおすすめのポップカードみたいなものが(CDに)付いてて、僕はわりとそれにだまされたりすることも多くて。「〇〇のバンドのプロデュースをしていた彼が発掘した◯◯で」とか読んでるうちに「すごくよさそう」と思って買って、近所に住んでる友だちの家にそのCDを持って行って聴いてガッカリっていうことも多かったんですけど。
塩塚:楽しそう(笑)。
野村:じゃあ『Yuck』はたまたま視聴機で出会った感じで。
塩塚:そうです。私はみんなが聴いてる「これ」ってものを聴いてなかったりして、全部タワレコの視聴機から教わったりしてるんですよね。タワーレコードのバイヤーのチョイスで……。
野村:人生が左右されたわけだ。
塩塚:そうです(笑)。
野村:ツアー中だからぜひ観に行ってと言いたいところだけど、全てソールドアウトなんですよね。
塩塚:ありがたいです。
野村:今後、夏フェスとかで羊文学を観られる機会はあるんでしょうか。
塩塚:フェスはいろいろあります。東京だとサマソニ(SUMMER SONIC 2022)に初めて出ます。
野村:行こうかな。今年の後半はどんな予定を考えているんですか。
塩塚:自主公演を何個かやろうかなとか、毎年クリスマスのライブをやってて、今年も2箇所くらいでやれたらいいなと思っています。
番組では最後に羊文学の『our hope』に収録の『hopi』をオンエアした。
野村:これはどういうきっかけで作った曲ですか。
塩塚:去年はいろんなところに行ってライブをすることが多かったんですけど、『hopi』は車で東京から大阪に向かっているときに、わりと山の中を走っていて後ろがだんだん夜になっていて、車の前の方はまだ夕方っていう景色のときにメンバーが車の中で寝てて私だけ起きてて。そのときにすごく平和で大切な時間だなと思って車の中で書きました。
野村:車の中で『hopi』を聴いてすごくいいなと思ったんです。車ですごく合うのでリスナーのみなさんも気に入ったらアルバムを買ってください。
塩塚:買ってください(笑)。
羊文学の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』では「動かない旅」をキーワードに、旅の話と旅の記憶からあふれだる音楽をお届け。放送は毎週日曜日の20時から。
塩塚がゲストで登場したのは、6月12日(日)放送のJ-WAVEの番組『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』(ナビゲーター:野村訓市)。
背中を押してくれるような曲
昨年から野村は羊文学の楽曲をとにかく聴いたそうで、まわりに「羊(文学)はいい」と勧めていたという。野村:そうしていたら知人のライブで友だちが「羊を捕まえた」って。
塩塚:あはは(笑)
野村:何のことかなって思ったら(塩塚)モエカさんでした。こうやってご縁があってこの番組に来ていただいたわけです。
野村:ちなみにモエカさんと僕は学部が違うが大学の先輩です。
塩塚:大先輩(笑)。
野村:先輩にとどめておいてください(笑)。
番組では羊文学の『あいまいでいいよ』をオンエア。野村は「僕はすごく前向きに捉えてる曲」とその印象を伝える。
塩塚:これは浮気の曲です(笑)。
野村:そうなの(笑)。
塩塚:浮気っていうか曖昧な関係というか。春のモヤッとした空気と、付き合ってるか付き合ってないかわからない関係と、だから曖昧でいいかなって思って。モヤモヤってそういうときにたまるじゃないですか。それをパンッと吹き飛ばすようなイメージの曲にしようと。
野村:すごく曖昧なこたえが返ってきましたけども、曲自体は曖昧な気持ちだとしても本当にそれでいいよって背中を押してくれるような曲だなって思ってます。当たり?
塩塚:当たり(笑)。
野村:ありがとうございます。
カナダツアーを思い出す1曲
野村は番組名にちなんで「旅の思い出にひも付いた曲」を訊くと、塩塚はPavementの『Spit On A Stranger』を挙げた。塩塚:ツアーでカナダにバンドで初めて行ったときになぜかずっとPavementを聴いてました。飛行機でも。そのときに好きだったってこともあるし、初めてカナダ中を回るっていう景色と、Pavementってマイクにクリスマスのライトみたいなを巻き付けながら歌うライブ映像があって、バンドの楽しい景色とかカラフルなライトのイメージとかが外国でのライブをすごく連想させて。
野村:また移動ができるようになり始めてきたけど、海外ツアーは考えてるんですか。
塩塚:ずっと行きたいと思ってて。台湾とか行ったことがないので行ってみたいし、アメリカも行ったことがないから。
野村:絶対ニューヨークとかでライブをやったら盛り上がると思うんだけど。
塩塚:どうなんですかね。
野村:自分が思っている以上に盛り上がる曲が多いと思いますよ。
塩塚:私たちの曲ってJ-POPっぽいところもあるのかな、とかも思っているから、どういう風に思われるんだろうって。逆に日本であんまり盛り上がらない曲が海外では盛り上がったりするんですかね。
野村:どうだろう。僕は今49歳なんですけど、羊文学の音楽って僕のちょっと年上とか年下って90年代とかにJ-POP嫌いで洋楽が全てだと思ってた人たちがすごく好きなのね。
塩塚:そうですか。
野村:ちょっとマズいくらいおじさんたちは「羊はいい」ってなってますよ。
塩塚:ありがたいですね。
「誘ってくれて」台湾のアーティストとコラボ
塩塚が、今特に聴いてほしい曲に、台湾のアーティスト・LÜCYの『Nothing's gonna hurt us』を紹介した。塩塚:私たちがLÜCYとコラボして『OH HEY』って曲を一緒に出して、それで私は初めてLÜCYを聴いたんですけど。
野村:コラボをするきっかけっていうのは何?
塩塚:LÜCYが羊文学を好きでいてくれてたみたいで、誘ってくれてコラボしました。
野村:それでどんな人だろうと思って聴いてみたらすごくよかったんだ。
塩塚:そう。つぶやくような、しかも歌も小さい声なんですけどテクニックもすごい感じがして、曲も自分も書いていて。検索してもあまり出てこないんですけど。
野村:そうだよね。LÜCYと聞いて、誰だろうって思って。曲を聴いてみたらすごくいいなと思ったし、ちょっと時代がいつかわからないというか。不思議な空気感だなと思って。でもまだ会ったことがないと。
塩塚: リモートで制作したので会議も1回くらいしかしなかったし。通訳をはさんでたからあんまりいろいろ話せたって感じじゃなくて。
野村:やっぱり台湾に行って会ってみたいよね。
塩塚:あってみたいですね。
野村:そもそも僕がモエカさんのバンドをすごくいいなと思ったのは、洋楽っていうか90年代の初頭のシューゲイザーとかいうジャンルだったり、あの頃のロックの疾走感とかをすごく感じて、こんなバンドがいたのって思って。バンド名がややこしいなって。鳴ってる音とバンド名のギャップがあまりにもあったから、聴いたときすごくいい驚きでした。
暇があればタワーレコードに行っていた
塩塚は影響を受けたアルバムとしてYuckのファーストアルバム『Yuck』を挙げる。野村:わりとマニアックなところかなって思うんだけど。
塩塚:中学生とか高校生くらいのときに、あんまり何して遊んだらいいかわからなくて、暇があればタワーレコードに行っていろいろ視聴してたんですよ(笑)。お金がないからあんまり買えないんですけど、全部視聴して最後に1枚だけ本当に好きなやつを買うっていうのをやってて、そこでこのアルバムに出会いました。ジャケットが面白いなと思って。
野村:ジャケ買いだ。
塩塚:そうです。ジャケでよさそうなやつを視聴していくんですけど、変な人面犬みたいな感じのジャケットに惹かれて(笑)。人面犬じゃないんですけど、右利きの人が左の手で書いた人面犬みたいなジャケットなんですけど。
野村:昔だったらタワーレコードの店員が書いたおすすめのポップカードみたいなものが(CDに)付いてて、僕はわりとそれにだまされたりすることも多くて。「〇〇のバンドのプロデュースをしていた彼が発掘した◯◯で」とか読んでるうちに「すごくよさそう」と思って買って、近所に住んでる友だちの家にそのCDを持って行って聴いてガッカリっていうことも多かったんですけど。
塩塚:楽しそう(笑)。
野村:じゃあ『Yuck』はたまたま視聴機で出会った感じで。
塩塚:そうです。私はみんなが聴いてる「これ」ってものを聴いてなかったりして、全部タワレコの視聴機から教わったりしてるんですよね。タワーレコードのバイヤーのチョイスで……。
野村:人生が左右されたわけだ。
塩塚:そうです(笑)。
すごく平和で大切な瞬間だなと思って
羊文学は4月にメジャーセカンドアルバム『our hope』をリリース。現在は初の全国ツアー「羊文学 TOUR 2022 "OOPARTS"」の真っ最中だ。野村:ツアー中だからぜひ観に行ってと言いたいところだけど、全てソールドアウトなんですよね。
塩塚:ありがたいです。
野村:今後、夏フェスとかで羊文学を観られる機会はあるんでしょうか。
塩塚:フェスはいろいろあります。東京だとサマソニ(SUMMER SONIC 2022)に初めて出ます。
野村:行こうかな。今年の後半はどんな予定を考えているんですか。
塩塚:自主公演を何個かやろうかなとか、毎年クリスマスのライブをやってて、今年も2箇所くらいでやれたらいいなと思っています。
番組では最後に羊文学の『our hope』に収録の『hopi』をオンエアした。
野村:これはどういうきっかけで作った曲ですか。
塩塚:去年はいろんなところに行ってライブをすることが多かったんですけど、『hopi』は車で東京から大阪に向かっているときに、わりと山の中を走っていて後ろがだんだん夜になっていて、車の前の方はまだ夕方っていう景色のときにメンバーが車の中で寝てて私だけ起きてて。そのときにすごく平和で大切な時間だなと思って車の中で書きました。
野村:車の中で『hopi』を聴いてすごくいいなと思ったんです。車ですごく合うのでリスナーのみなさんも気に入ったらアルバムを買ってください。
塩塚:買ってください(笑)。
羊文学の最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
『TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING』では「動かない旅」をキーワードに、旅の話と旅の記憶からあふれだる音楽をお届け。放送は毎週日曜日の20時から。
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2022年6月19日28時59分まで
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