劇場版『妖怪シェアハウス』参戦の望月歩が癒やされるキリンジの楽曲とは? ゲーマーな素顔にも迫る

6月17日(金)公開の『映画 妖怪シェアハウス―白馬の王子様じゃないん怪―』に出演する、俳優の望月歩。月9ドラマ『元彼の遺言状』でのホスト役も話題で、NHK土曜ドラマ『17才の帝国』にも出演していた注目の逸材だ。

『映画 妖怪シェアハウス―白馬の王子様じゃないん怪―』では、妖怪の住むシェアハウスに居候中の目黒澪(小芝風花)の前に現れる天才数学者AITO役。AI恋人アプリ「アイラブ」にハマってしまった澪が、理想のタイプと瓜二つの天才数学者AITOに出会ったことから騒動が勃発する。個性豊かな妖怪たちとの共演エピソードはもちろんのこと、筋金入りのゲーマーとしての素顔を望月にたっぷりと聞いてみた。

男は特殊なものに憧れたりする

──イギリス育ちでIQ180の天才数学者というすさまじい設定の役柄ですね!

ここまで特殊な設定の役柄は初めてだったので、「どう準備しようか?」と最初は身構えてしまう自分もいました。天才数学者という肩書に対するプレッシャーもすごいし、英語セリフもありましたから。英語セリフに関しては、知り合いの英語が得意な人に頼んで発音やイントネーションを教えていただきました。

──聞くところによると、望月さんが醸し出す「怖さ」に惹かれての今回の抜擢だったそうですが?

これまで演じてきた役柄のイメージだとは思いますが……。確かに友だちからは「ゲーム中のおまえはサイコパスだからな!」と言われることもあるので、間違ったイメージではないのかもしれません(笑)。自分としてはどんなところを指してサイコパスだと言われているのかはわかりませんが、「おまえは何を考えているのかわからない」と言われることもあるので……。そう言われると「自分は何も考えていないよなあ」と変に納得したりしています。

──友人からサイコパス認定!? ご本人的にはどうなんでしょうか?

男って特殊なものに憧れたりするものなので、不思議と嫌な気持ちはしません。

人見知りが薄まる撮影現場だった

──撮影現場の様子を教えてください!

これまでに感じたことのない温かみのある現場で、終わり際に「寂しい」と思ってしまいました。ドラマからの劇場版なので、当初は出来上がったチームにお邪魔するアウェーな感覚になるのかと思いきや、皆さんが気を遣ってくださって。妖怪という見た目も相まって一人ひとりのキャラが濃いので、まるでマスコットキャラクターに話しかけているような楽しい感覚。今回の撮影を通して人見知りもだいぶ薄まったような気がします。

──初共演となる主演の小芝風花さんはいかがでしたか?

小芝さんから学んだことは、主演としての立ち振る舞いです。スケジュール的にきついはずなのにそのことを一切感じさせず、全員とコミュニケーションをしっかりとりながら、お芝居の面でもきっちりとされる。小芝さんとは初共演ですが、そのコミュニケーション能力の高さには感動しました。初対面時に「普段はなんて呼ばれているの?」と聞かれたので「もっちーとか望月とか歩とかです」と答えたら、「ならば私は“おもちくん”って呼ぶね! 今まで呼ばれたことないでしょ? 昨日思いついたの!」と元気に言われて……。そのフランクさがすごくありがたかったです。

ゲームが好き! 俳優仲間と共演より先に出会うことも

──その学びはほかの作品の現場でも活きましたか?

同時期に撮影したNHKのドラマ『17才の帝国』の現場では、今までとは違ってかなり積極的にコミュニケーションが取れた気がします。僕はゲーム好きなので、相手に「ゲームってするの?」とこちらから質問を投げかけてみたりして、話が合ったらそこからどんどん話を広げていく戦法で頑張りました。

──どのくらいのゲーム好きなんですか?

ゲームであれば大体のものはプレイしているので、なんでも対応できるという自負があります。僕はかなりのゲーマーで、時間があればずっとゲームをプレイしています。一番好きなのはFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)。友だちとオンライン上でよく遊んでいます。

──俳優仲間とも一緒にゲームをプレイしたりとかも?

ありますね! しかも実際に会ったことはないのにゲームを通して友だちになり、後々作品で共演するということもあります。対面は初めてなのに、オンラインゲーム上では交流をしているので「おう!」みたいな感じになったりして。ゲーム上での交流があるから緊張しないという利点があります。

──今回の作品は「妖怪の住むシェアハウス」が舞台ですが、感動した妖怪を教えてください!

肉眼で見て一番興奮したのは座敷童子です。喋り方も含めてキャラクター感が強かったので、妖怪が本当にいるのだとしたらこんな感じなのかなとリアルに感じたりして。見た目のインパクトでは酒呑童子がカッコよかったです。

──座敷童子を目撃すると幸せになると言われます。幸せなことはありましたか?

僕が応援しているeスポーツのチームが世界3位にランキングしたことは幸せでした。

──今年の望月さんといえば、月9ドラマ『元彼の遺言状』でのホスト役が話題になりましたね!

視聴者の方にどう見えているのかという不安はあって、かつちゃんとホスト感が出ているのかも心配でした。でも放送後に「意外な変身」とか「ドラマの世界観にピッタリ」という反応があったりして嬉しかったです。自分としても新たな一面を見せることができたのではないかと思います。褒められた後にやるゲームはかなり調子がいいです!

好きな楽曲はキリンジ。癒やしは『エイリアンズ』

──望月さんはどんな音楽を好んで聴かれますか?

特定の好きな音楽はないですが、僕は色々なものを幅広く聴くタイプ。誰かの影響で好きになるというパターンが多いかもしれません。最近は星野 源さんのラジオ番組をきっかけにキリンジが好きになり、『千年紀末に降る雪は』がお気に入りの一曲です。

──思い出の一曲などはありますか?

原点という意味では、THEイナズマ戦隊の『応援歌』かもしれません。映画『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』のオーディションの課題曲として歌った思い出があって、歌詞も相まって自分の中では感慨深い一曲です。今でもたまに聴くと気持ちが高まります。

──歌はお得意ですか?

めちゃくちゃ下手ですが、歌うことは大好きです。カラオケではその場にいるみんなが知っているような歌を中心に歌いますし、友だちと一緒に歌ったりして盛り上がります。

──癒しの曲などはありますか?

キリンジでいうと『エイリアンズ』。理由はメロディも落ち着くし、声もすごく好きだからです。しっとりしたバラードも好きなので、散歩するときは失恋の曲か片想いの曲を聴くのがルーティンです。歌詞の情景が思い浮かぶのがいいですよね。失恋も片想いもしていないのに、失恋ソングの歌詞に自分の気持ちを落とし込んでセンチメンタルな気持ちになったりして。ふと「俺は何をやっているんだ!?」と我に返るときもあります(笑)。
──最後に今後の抱負を教えてください!

ありがたいことに今は立て続けに色々な作品に出演をさせていただいているので、今後も今と同じスピードで歩いて行けたら嬉しいです。同じ速度で同じような作品量で、同じような熱量を注ぎたい。挑戦してみたいキャラクターは殺人鬼役。友だちからはサイコパスと呼ばれているし、危険な役柄はやったことがないので、自分の新たな一面とギャップをお見せしたいですね。

(取材・文・写真:石井隼人)

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